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本日、トルコ、ヨルダン出張より帰国いたしました。
トルコもヨルダンも、過激派組織「イスラム国」(IS)に関しては今のところ、緊張感を持ちながらも冷静に対応しているようでした。
これ以上のIS自体の拡大はないのではないかとの見方もあるようです。
一方、両国ともシリア難民の流入が大きな課題となっていると聞きました。
さて、昨日起きたチュニジアでのテロ事件は帰途、知ることとなりました。
犠牲になった方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷なされた方のご回復を祈念申し上げます。
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318日に起きたチュニスでのテロ事件では、過激派組織「イスラム国」(IS)を支持する「アンサール・アル・シャリーア」が犯行予告とも受け取れるメッセージを出しており、犯行グループである可能性は高いと思われる。
犯行目的について現時点で考えられるのは次の2点であろう。
(1)国外的には、ISへの軍事圧力が強まっていることに対する抵抗支援。
(2)国内的には、国民融和の政治プロセス(移行過程)が2014年までに完了し、その中で勢力を抑え込まれたイスラム過激派による失地回復の動き。
この二つの目的のうち、特に(2)の国内的な目的が重要だったのではないかと今のところ考えられる。
その理由は次のようなものだ。
議会選挙(201410月)、大統領選挙(同年1221日)、シード内閣の人民議会承認(201525日)を通し、リベラル派政党(例、「チュニジアの呼びかけ党」)とイスラム主義勢力(例、「ナフダ党」)との調整がはかられ、新体制が誕生した。
この間に、イスラム過激派勢力は政治的な役割を失った。
チュニジア市民の多くは、これまで以上に社会がイスラム色を強めることを望んでいないと思われる(20132月の訪問時も関係者が市民の様子として語ってくれた)。
このような状況においてイスラム過激派が勢力を挽回するためには、チュニジアの新政権が経済問題(失業や低賃金問題など)でつまずき、これまで以上に日常生活が厳しくなった市民が新政権への不満を募らせることが必要条件であろう。
そうだとすれば、イスラム過激派が取りうる戦術としては、チュニジアの外貨収入において高いウェイトを占めている観光産業にダメージを与える、つまりテロ事件を起こすことが考えられるのである。
(1)の国外的な目的に関し、気になる人物がいる。それはブーバクル・アル・ハキム(チュニジア系フランス人)の存在である。
ハキムは20151月のシャルリー・エブド本社襲撃事件でユダヤ食料品店を襲ったクリバリ容疑者と幼なじみだったとして注目された人物である(201519AFP)。
同人物は「イラクのアルカイダ」と関係しファルージャへ、アラブ系フランス人やチュニジア人を送り込んでいた。
さらにハキムは、2013年にチュニジアで起きた野党の世俗派政治家シュクリ・ベライト氏およびムハマド・ブラヒミ氏の暗殺事件で犯行声明を出している。
現在、ハキムはシリアで活動しているとも言われている。
この人物の存在に注目すれば、チュニジアの過激派組織とISとの結びつきも浮かび上がってくる。
また、チュニジアの「アンサール・アル・シャリーア」とリビアの同名の組織とは関係が深いとの報道もある。
例えば、チュニジアの「アンサール・アル・シャリーア」幹部アフマド・ルーシーがリビアで活動中に身柄を拘束され収監されたといわれている(2015113日付「アル・ハヤート」紙)。
ISにとって、チュニジアの穏健派イスラムとリベラル派勢力の協働による国造りが進むことは望ましいものではない。また、リビアのイスラム過激派勢力も同様である。
確実に言えることは、国内的目的、国外的目的のいずれにしても、その根底には「アラブの春」と呼ばれる政治変動が起点となっているということだ。
 

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