エネルギー問題

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電気自動車(EV)は、2006年より富士重工業が東京電力との間で実証試験を進めているが、三菱自動車も東京電力、九州電力とともに、リチウムイオン電池を採用した電気自動車(軽自動車)の実証実験を始めた。こうしたエネルギー問題に関する取り組みは、環境保護の観点からだけでなく、資源ナショナリズムの台頭やロシアの資源戦略によって安全保障の観点でも重要な課題となっている。
EUについて見ると、3月9日のEU首脳会議でEU全体の再生可能エネルギーの利用を、現在の6.5%から2020年には20%にまで引き上げることを発表している。また、3月13日、イギリスは二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスの排出量の削減を目的とする特別法案を発表した(1990年比で2050年までに60%削減)。このような政策を実現するために、EU各国は一次エネルギー供給に占める石油依存度を低下させる方向である。先のブログで紹介したが、石油依存度について、日本も2030年を目安に40%を下回る水準とすることを目指している。その中でも、運輸における石油依存を低下させる技術の開発は、各国の経済成長の牽引役を果たす可能性もある。
この石油に代わるエネルギー源として注目されているものの一つがエタノールである。特に米国での注目度は高く、ブッシュ大統領のブラジル訪問(中南米5カ国歴訪の一環)の理由の一つは、両国が世界のエタノール生産量の7割を占めている点にある。仮に両国で報じられているように、エタノールの品質成分の国際基準化や第三国への生産技術移転がはかられ、国際市場での消費の拡大が推進されれば、国際社会のエネルギーの多様化が一層進むことになる。また、3月12日、日本の経済産業省が、2005年から1年間かけて実施してきたエタノール混合ガソリンの実証実験の結果を発表した。それによると、製造、運搬、貯蔵面での品質の安定性、安全性が確認できた。こうしたエネルギー需給の変化によって、産油国が再び欧米メジャーの開発・販売能力に注目し、投資環境を整備する動きもでてくると考えられる。
中国、インドの経済成長により、世界のエネルギー需要は急増している。その一方、エネルギー消費国も環境、経済、安全保障の面から不可逆的な変化を遂げようとしている。こうした動きの中、地方選挙で圧勝し国内で影響力を拡大したプーチン大統領、そして、ブッシュ大統領の中南米歴訪に対抗姿勢を強めるチャベス・ベネズエラ大統領は、中長期的なエネルギーの需給バランスをどう考え、国家戦略を練っているのだろうか。

地球温暖化について

仕事の合間に近くの公園で野鳥観察をしている。地球温暖化の影響か、今年は早くもオオタカが営巣地に旅立ったらしい。
2月20日、EU環境相理事会は温暖化の原因の一つと見られている温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出量について、1990年を基準に2020年には20%削減する目標で合意した。また、米国でもゼネラル・エレクトリックス(GE)などの大企業と環境保護団体が協力して、今後10年間で温室効果ガスを最大10%削減するという運動も起きている。2月2日に気候変動に関する政府間パネル(IPCO)が発表した報告は、この温暖化について、人間が引き起こしたものなら人間が和らげることができる、と述べている。
しかし、人口増加や経済発展によって、人類の生態環境において資源、エネルギー、食糧の需給が高まってきた結果、地球環境は大きく悪化しており、その改善はかなり難しいと思われる。というのも、エネルギーの安定供給、経済発展、環境保全はトリレンマだと指摘されているからである。米国でガソリンの代替燃料としてバイオエタノールに期待が集まっていることで“原料”となるトウモロコシの需要が急増し、“食糧”としてのトウモロコシが不足してしまったことは、その一例として挙げられるだろう。環境保全のためのクリーンエネルギーと(人口増を支える)食糧のバランス調整が上手くいかない状況である。この状況を改善するため、22日、ブッシュ大統領はバイオエタノールの原料として木屑や草野主成分であるセルロースの利用を増やす方針を表明した。また、米農務省は保全・保護プログラム(PRC)によって管理されている休耕地(通常10年以上)の一部をトウモロコシ栽培地として利用する方策を打ち出している。さらに、経済成長のために資源が活用されるが、2003年7月〜2006年7月の3年間で、多くの金属価格が約3〜4倍に高騰している。そして、こうした金属をより多く獲得するために、より多くのエネルギーが使用され、環境悪化の一因となっている。また、各国が国益をかけた厳しい資源外交を展開している。
人間は産業革命以降、石炭、石油などのエネルギーを使用して生産活動を行ってきたが、きれいな代替エネルギーへのシフトが待ったなしに求められている。たばこが有害であると判断しても、喫煙者はでてくる。環境問題も“私だけは良い”との思いや慣性の法則が働き、努力を始めてもすぐに改善が見られるわけではない。だからこそ、できるだけ早く国連環境計画(UNEP)のもとで、総合的な政策が実施されることを望む。
小さなテラスに置いたオリーブの木に、番(つがい)となったらしいメジロがしばらく羽を休めていた。身の回りを良く見れば、かけがえのないもので溢れていることが分かる。しかし、それは我々が欲望を解放し続ける限り、急速に失われていくのだと改めて気づかされた。
1月15日、フィリピンで開催される東アジア首脳会議で、エネルギー安全保障に関して安倍首相は「日本エネルギー協力イニシアチブ」を表明すると報じられている(3年間で20億ドル規模の政府開発援助を実施予定)。アジアのエネルギーに関しては、中国、インドの二大需要増加国を抱え、需給の安定化(受容が今後30年で1.9倍)と環境対策という問題への取り組みが急がれている。
例えば、2006年、中国の自動車の国内販売台数は715万台で米国の1655万台に次いで世界第2位となり(日本は574万台)、2010年には1000万台に届くとの予想がある。このモータリゼーションの進展はインドも同様で、運輸分野のエネルギー消費の拡大が予想される。
この中、日本はアジア各国に対し、民間企業を中心に省エネルギー技術や再生可能エネルギー(バイオ燃料、太陽光発電など)の導入を呼びかけ、推進を図っている。また、日本政府は、(1)省エネルギー協力(中国、インドのGDP当りのエネルギー消費量は日本の9倍)(2)エネルギー源の多様化、(3)石炭のクリーン利用技術の普及、(4)備蓄制度の構築、(5)原子力の平和利用の推進などを重点分野として、アジアでのエネルギー協力に取り組んでいる。特にアジア各国が自立的に省エネルギー政策を推進できる支援に力を入れている。より具体的には、人材育成、エネルギー統計の整備、省エネ制度(法、税など)の構築を支援するなど、官民が一体となって取り組んでいる。また、エネルギー需給が逼迫する場合に備え、アジア地域で融通ができるシステムや備蓄制度設置に努力している。今回の東アジアサミットでは、このようなアジアのエネルギー事情について協議される。首脳宣言の内容が注目される。

このところ風邪がはやっているようです。私も少々体調を崩し気味です。皆さまお気をつけください。
経済産業省は2006年5月、「新・国家エネルギー戦略」を発表した。そこでは、(1)運輸エネルギーの次世代化計画、(2)原子力立国計画、(3)省エネルギー計画、(4)新エネルギーイノベーション計画と、新たなエネルギー需給構造の構築を目指す戦略的プログラムが提示されている。この政策は、現在の原油価格高騰に加え中期的に見ても将来のエネルギー需給の構造変化、さらには環境問題から、戦略の再構築の必要性が高まっていることに応えるものとなっている。現在、国際社会でも、核の拡散や放射性廃棄物の処理などの問題がありながら核開発に多くの国が高い関心を寄せている。例えば最近、オーストラリアで2050年までに25基の原発を設置する報告書が公表されている。この核問題についての考察は次の機会に譲るとして、ここでは、運輸エネルギーの次世代化の一つである電気自動車を取り上げてみる。
新・国家エネルギー戦略では、高効率な運輸インフラを確立するため、2030年に向け運輸部門の石油依存度を80%(2000年度は98%)程度に下げることを目指すとの数値目標を掲げている。そのためには、(1)自動車の燃費の改善、(2)燃料をバイオエタノール等をはじめ多様化するための供給インフラや製造技術開発等への支援、(3)ハイブリッド、電気、燃料電池の各自動車の普及促進などが謳われている。11月26日、メディアで取り上げられた自動車会社の電気自動車は3年後を目処に商品化される方向で、リチウムイオン電池を搭載した小型車である。このリチウムイオン電池の電気自動車に関し、注目される動きがある。それは、電力会社と自動車会社が共同開発したのもので、電力会社が業務用車両のうち3000台をこの電気自動車に置き換える計画である。既に2006年6月から実証試験が行われている。この車は航続距離が80km、最高速度は時速100km、充電は交流100ボルトの電源利用で8時間、車体販売価格は300万円程度を予定している小型車である。問題点としては、航続距離が80kmと短いことであるが、都心での業務であれば十分だといわれている(都心の業務用車の出動走行距離は平均40〜50km)。しかし、冷暖房を機能させたときの走行性や、急速充電や充電と温度変化(夏冬)の関係などが当面の課題とされている。ともあれ、CO2排気量の削減効果や燃費削減効果は期待できる。
このような電気自動車は、燃料電池車(水素利用)とともに新世代自動車として以前から開発が期待されているが、電池技術の高度化やコスト高という難があったため、実現が遅れていた。今後、上記のような実証試験をベースに産官学の協力で技術開発が進めば、日本の新たな産業発展の契機ともなろう。自由経済市場においては、開発協力での難問は多いと思われるが、是非、オールジャパンとして、より早い開発成果を上げて欲しいものである。資源小国である日本が今後も安定した社会であり得るためには、やはり、知恵と工夫による“ものづくり”が基本だと考えている。
昨日のブログでは、イランからの原油輸入の先行き不安に言及した。そこで、少し飛躍するが、日本のエネルギー安全保障について考えてみる。
日本のエネルギー供給は民間企業が主体であり、規制緩和の中で消費者重視でなされている。一方、政府はエネルギー安全保障の観点から2006年5月に、「新国家エネルギー戦略」を発表した。この中で提示された主要数値目標を紹介すると、次のようになる。(1)GDP当たりのエネルギー効率指数を2030年までに、2003年度の実績に比して30%以上の改善を図る、(2)一次エネルギーにおける石油依存度に関し、2030年度で40%を下回る水準にする(2003年度は47%)、(3)海外での資源開発(自主開発)を2030年度で40%程度にする(現在は15%)。その他、同戦略では、輸送部門における石油依存度の低減や原子力発電量の数値目標を挙げている。現在の中東地域の情勢を踏まえてエネルギー安全保障を考えると、(2)と(3)の改善がポイントとなるだろう。
IEAによると、2030年の世界のエネルギー需要は、2002年と比較すると6割の増加が予想されている。この増加するエネルギー需要に対する安定供給を確保するためには、新規の石油、天然ガス分野への投資に約6兆ドルの費用が必要との予測もある。しかし、現状の石油資源開発を見ると、埋蔵量の35%が国営石油会社のみがアクセスできる地域(サウジアラビアやクウェイトなど)、20%が外国資本の参入に制限がある地域(イラン、ベネズエラ)にあり、石油メジャーは、世界の7%の石油しかコントロールできていない。このため、産油国が石油収入を石油開発投資に循環させるか、外資の導入条件を大幅に緩和させるかなどの政策が見られない限り、原油生産余力が低下する傾向にある(現在は200万B/D、現在のイランの輸出量相当)。これに加え、中国、インドの経済成長をはじめとする石油需要の拡大が見られており、需給バランスは逼迫した状態になりつつある。
このような状況において、原油消費国がエネルギーの安全保障を中長期的に考えるに当たっては、石油依存度をいかに低下させるかが重要になる。そのため、エネルギーの供給では、原子力発電の増加に加え、新エネルギー(太陽光発電、バイオマス・エネルギー、風力発電、燃料電池・水素など)の技術革新を戦略的に行う必要がある。この点において、ブッシュ政権は2006年1月に一般教書において、石油中毒からの脱出を宣言し、先端エネルギー・イニシアティブ(AEI)を提示した。また2025年までに中東から輸入している石油の75%以上を代替する目標を示している。このため同政権は、2007年度から21億4600万ドルの予算計上を行い、太陽光エネルギー、バイオマス・エネルギーをはじめとする新エネルギー開発に力を注ぎ始めている。
日本のエネルギー安全保障は、従来、石油の安定供給やシーレーン防衛に主眼を置く傾向にあった。しかし現在起きているエネルギーの構造的な変化を前に、豊富な石油収入を新エネルギー・ベンチャー企業への投資に誘導するなど、産油国を巻き込んだ新エネルギーの開発という大胆な構想も検討すべきではないだろうか。それによって、ともに経済成長のステージに立つことも可能だろうし、ひいては地球環境問題の改善にも寄与することにもなるだろう。

☆もう一つのブログ「複眼で見る中東報道」(http://cigvi.exblog.jp/ )では、中東現地報道(英語、電子版)より、日本のマスメディアの落穂拾いを中心に掲載しています。ご興味があれば覗いてみてください。

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