米国を見る目

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1週間近くブログをお休みしたこと、御詫びします。
体調を崩した上、センター試験や原稿締切が重なり、今日に至りました。お許しください。
さて、本日はブッシュ大統領の一般教書演説についてコメントします。

2007年1月23日(現地時間)に発表されたブッシュ大統領の一般教書は、今日の米国がおかれている国際環境がよく反映されていた。したがって、イラク政策にウェイトが置かれたものとなった。それ以外にも、エネルギー問題について「10年20%」というキーワードを用いて、今後10年をかけて米国のガソリン使用量を20%削減する脱石油化政策を発表、また「ゲストワーカー」制度を取り入れた移民政策を打ち出すなど、国際社会と米国の結びつきを印象付ける演説だったと言える。一方、国内問題では、保健医療制度を強化する減税、州に対する連邦補助金交付、IT化推進といった“目玉政策”が披露された。
以下では、これらの政策の中からイラク政策について考察する。
1月10日、ブッシュ大統領のイラクへの増派計画発表後、その政策への批判は議会やメディア、そして米国民の間に広がっている。22日にCBSが発表した世論調査では、ブッシュ大統領の支持率が就任以来最低の28%にまで落ち込んだ。現地イラクでは、爆弾テロが続き、22日にはイラク民間人に100人の死者が出た。この中、ブッシュ大統領は一般教書演説で、議会に対し、新イラク政策を実施するに当り、戦費や増派数など戦場に立っている兵士の障害となるような決議を行わないよう訴えた。また、中東地域での反テロ戦争は、2005年までアフガニスタンでのカルザイ政権の樹立、レバノンの民主化、イラクの憲法制定国民議会選挙など、徐々に成果を上げていたことを紹介し、2006年に入り、イスラム過激派(スンニー派:国際テロリスト、シーア派:イランに支援を受けているグループ)が巻き返しを図っているのだと説明した。そして、イラクでのスンニー派対シーア派抗争の暴力のエスカレートも、スンニー派過激派によって引き起こされたものだと述べた。ブッシュ大統領は、これは「自由」対「全体主義」の戦いであると指摘し、これに敗北すれば中東地域はカオス(大混乱)に陥る恐れがあると語った。このような勢力と戦うための体制として、ブッシュ大統領が本日発表したのは、超党派による「特別諮問評議会」の設置と「志願制文民予備役制度」の検討である。このような体制を明確にしたことは、注目すべきである。
しかし、イラクでの勝利が前途多難であることは間違いない。一般教書演説を前にした22日、アルカイダのザワヒリ副官のビデオ声明がウェブサイトで流れた。同副官は、ブッシュ政権の新イラク政策を非難し、イラクはカリフの統括下にある聖戦の地で、米国が10あっても神の支援と力で壊滅できると述べている。新政策で第1に行われるのはバグダードでの市街戦であり、イラク軍に埋め込まれた米兵の不安は大きいと思われる。そこでは、どれだけイラク軍やイラク国民が自助努力をし、米軍の支援を効率的なものに出来るかがカギとなる。そこでのマリキ政権の責任は重大で、石油収入の分配法の成立や地方自治の実施を通し、早急に国民和解を推進せねばならない。また、新政策では、同時にイスラム過激派との戦いを継続して行っていく。この戦いについては、今回の演説の中でも、次世代に続く戦いであること、2006年から繋がっている現在が大きな分岐点にあることを強く国民に訴えた。
おそらく、現実的観点に立つ多くの米国人は、このテロとの戦いは思想的な対立でもあり、長く続くだろう事を認識しているだろう。そして2006年に中東地域で起きたこと――イラク、レバノン、パレスチナ、アフガニスタンなど――に鑑みれば、2007年がいかに重要な年であるか、ブッシュ大統領以上に感じている人もいるのではないだろうか。マスメディアでは今後も、次期米大統領選挙との関連で、新イラク政策の中の増派への賛否論が報じられることが多いだろう。しかし、今回の一般教書演説が、2001年9月11日の同時多発テロから5年以上過ぎた国際社会において、テロとの戦いがどのような状況にあるのかを認識し、われわれ自身がその状況にどう向き合っていくのかを考える契機となった意味は大きい。
1月10日(現地時間、日本時間11日)、ブッシュ米大統領がホワイトハウスの図書館から新イラク政策を発表した。今回もブッシュ大統領の演説には、これまで同様に政策と理念が混在していた。これを聞いて、また「自由」「民主主義」の押し付けか、と捉える人が現れるだろう。しかし、この演説を紛争研究や国際協力学の観点から見ると、次の点で有意義であったといえるだろう。
それは、平和構築の原則論に関することである。今回、ブッシュ大統領は演説の冒頭で、政策失敗の原因に触れた。その内容は、政治プロセス進展にともない少数派勢力(ここではスンニー派)の抵抗が暴力の激化を生み、それが利益集団間の対立(例えばスンニー派対シーア派)、外国勢力の介入によって更なる治安悪化につながっていった、というものである。国際学において、政治プロセス、治安回復、経済開発の3分野をパッケージした総合的な援助戦略が平和構築には不可欠であることは広く知られている。しかし、今回のブッシュ大統領の発言で明らかになったことは、多民族多宗教の脆弱国家での平和構築は、これら3分野を動かすに当たり各分野の進展を状況変化に合わせて調整できなければ、その後の復興開発に悪影響をもたらすということだろう。つまり、これまで言われていた平和構築の原則論を修正する契機となったという点において、ブッシュ大統領が自らの失敗を素直に認めた意味は大きい。このことは、現在ソマリアやスーダンで進行し、今後も多発するであろう脆弱国家の紛争に際し、国際社会が平和構築の処方箋を考える時の大きな参考となるだろう。
次に、イラクの現状を改善するための処方箋として新イラク政策は有効か、いくつかのポイントについて考えてみる。
まず、同政策の目的である。今回も、反テロ戦争の目的と重ねられ、「自由と民主主義のための戦い」として再度強調された。しかし、9.11同時多発テロから5年以上が過ぎた現在、説得力に欠けている感があるのは否めない。米国が、現在行っているソマリアでの空爆はアルカイダの掃討という自衛権の行使との主張も、2001年のアフガニスタン侵攻と異なり国際社会からは厳しい批判が相次いでいるのが現状である。そして、今後も米国以外の多国籍軍のイラクからの削減、撤退は続くと思われる。
第2に、治安回復の可能性はどうだろう。同政策では、バグダードを9地域に分け、1万8000人の米軍とイラクの治安部隊(軍および警察)で警護に当たるとしている。また、アンバル州の鎮静化を図るために、4000人の米軍(海兵隊が中心)を当てて体制づくりを行うとしている。これまでと異なる点は、(1)米軍が作戦行動後も治安維持のため担当地域に残る、(2)全てのイラク部隊に軍事顧問を同行させる、(3)イラク軍に米軍(旅団)を埋め込む(共同行動)、(4)バグダードを9地域に分け、イラク警察、軍と米軍が利用できる拠点を作る(約30)、(5)宗派を問わず民兵の武装解除を求めるなどである。これをもってブッシュ政権は治安回復を図り、イラク市民の信頼の回復、協力の増加、自主性の改善を期待している。
確かに、増員により治安が安定化する可能性は全体的に高まるだろう。しかし、標的となる米兵が増加し犠牲者が増える可能性も高まる。また、バグダード周辺約30マイルの範囲での治安改善(テロや事件の80%がここに集中しているといわれている)が図れたからといって、必ずしもイラク全体でアルカイダや旧フセイン勢力、そしてシーア派民兵の武装解除、組織解散などが実施できる公算はない。つまり、今回の増員による作戦が抜本的な治安回復作戦ではない、といえるのではないか。さらに、州兵の更なる動員により米国の経済負担(消費の落ち込みなど)が増加すると予想される。この負担に米国民がどこまで我慢できるかも不透明である。
第3は、マリキ政権の政策との整合性である。主権国家の首相として、マリキ氏の果たす役割は大きい。治安回復という目標はブッシュ大統領と共有しているが、方法には違いがある。マリキ首相は米軍の姿が日常目に付かず、緊急時に展開するという方法を望んでおり、増派やイラク軍への米軍の埋め込みには反感を持っているとの報道もある(同首相の権威に関わる)。
また、今回ブッシュ大統領がマリキ政権に実施を求めた項目は、かなり高いハードルだといえる。具体的には、(1)11月までの治安権限委譲(現在は3州のみ)、(2)石油収入の分配法案の採決、(3)イラク政府の復興開発プロジェクト(100億ドル)の展開による雇用拡大、(4)年内の地方選挙実施、(5)バアス党員の公職追放の見直し、(6)憲法改正である。これまでのマリキ政権の政策実施状況は、フセイン元大統領の処刑問題で見られたように、シーア派内の特定の利益集団に配慮した行動が目立っている。ブッシュ大統領はマリキ政権に対し、イラクが上記の約束を守らなければ米国の支援には限界があることを伝えた、と語ったが、“イラクが約束を守る”ことに過剰な期待をすべきではないと言えるだろう。
第4は、周辺諸国の関与についてである。ブッシュ大統領は、イラク研究グループが提案したイランやシリアを含めた「イラク周辺諸国会議」に言及しなかった。むしろ、イランによるシーア派民兵への支援や武器供与、シリアによる武装勢力の国境通過容認などについて言及し、両国とイラク反対武装勢力との資金の流れや人的ネットワークを根絶すると強く主張した。さらに、イランの核兵器開発について言及し、中東地域への空母、地上部隊、パトリオットの配備の増強などにより、トルコ、サウジアラビア、アラブ湾岸5カ国、ヨルダン、エジプトなど同盟国の安全保障を強化する方針を示した。これは、イラク研究グループの提言とは正反対の“対立の軍事体制”づくりを宣言したといえるだろう。
以上のように見ていくと、ブッシュ政権の新イラク政策は、目的、目標が米国民の意識と離れた設定となっており、さらに選択肢が柔軟性に欠けているように見える。その一方、米国内では民主党(および一部の共和党員)が政策批判のみで代案を出せない現状がある。また、国連やEUをはじめ国際社会も具体的な対応策を提示できないでいる。それは、台頭するイスラム過激派武装グループなどの反欧米(反近代化)勢力に対し、国際社会がどのように対処してよいのか答えを見出せないでいることに起因しているのかもしれない。1月7日付ワシントン・ポスト紙は、増派に代わる選択肢として、米軍がイラクの穏健勢力を長期的に支援する戦略の構築を提案している。グローバル化の中で国際社会がようやく見出した「保護する責任」という認識に立って、イラク紛争における国際協力を考えれば、同紙のように、イラクでの国民和解努力を長期的に支援し、そのことでイラク社会の内側から対立構造を変化させる方法も見えてくる。しかし、今回のブッシュ大統領の演説は、選択肢の中から「対立」を選び取ったことを正当化することに終始していたように思えた。これでは、イラクの自立を唱えてはいるが、イラク国民との距離は埋められないだろう。
1月10日(現地時間、日本時間では11日)、ブッシュ大統領がテレビ演説で新イラク政策を発表する。すでにワシントンではその内容の一部が流れ、マスメディアで報じられ始めている。増員については、2万人以上の規模を段階的に派遣するとされる(2つの旅団を増員、1つはすでにクウェイトに駐留している、もう1つをイラクに派遣するには数ヶ月かかるという)。また、援助については、経済・雇用支援を目的に総額10億ドルを予定しているという。この政策発表で注目されるのは、まず、イラク研究グループが指摘した、イラクの自助努力を求める「ベンチ・マーク」(一定基準)がどのようなものになるのかである。第2は、米軍の交戦規定の変更があるかである(サドルシティでの自由な行動など)。そして第3には、ケネディー上院議員(民主党)が増派に対するブッシュ政権の説明責任を求める法案を準備していると報じられているが、政党を超えて一人一人の国会議員の戦争に対する考え方の違いが明確になることである。
私は特に第3の点に注目している。議員個々の対応は、戦争体験や選挙区の事情にもよる。しかし、それ以上に、“国民の意思の代表者”という立場をとる議員と、「専門知識と国家政策関与者としての経験を国民よりも有している」との立場をとる議員では、かなりの違いが生じるのではないだろうか。例えば、イラク問題をテロに対する戦いの中に位置づけた上で、米国民の安全・安心を考える議員であれば、“イラクで米国が敗北してはならない”との意見を持つだろう。一方、米兵を犠牲にしてまで米国がイラクの平和構築に関与する必要はないと考える議員であれば、“これ以上イラクで米国民が命を失う必要はない”(そのためには敗北しても良い)との意見を持つだろう。
さらに、こうした意見の違いは、今回のイラクへの軍事介入の目的が、米国内においてすら多様に理解されていることにも起因していると言えそうだ。それは、ブッシュ政権が、その目的について(1)反テロ戦争の一環、(2)イラク国民の解放、(3)国際秩序(自由、民主主義の普及)など様々に説明してきたからでもある。明日発表される新イラク政策の目的についても、(1)バグダードの治安回復、(2)武装民兵の武装解除、(3)イラクの各利益集団に国民和解をさせるための圧力などが報じられている。米国民はこれをどう受け止めるのだろうか。9日発表のギャラップ社などの世論調査では、増強計画に反対61%、賛成36%となっている。
この中、ABCテレビは9日、自らの身体で手榴弾を覆い、戦友4人の命を守ったマギネス1等兵(19歳)のイラクでの死(12月4日)について伝えた。米国ではイラクの戦場での米軍の女性兵士の活躍(2006年末時点で死者65人、重傷者400人)も話題となっている。米政権にとって、米国民にとって、“イラクへの軍事介入とは何か”を再確認すべき時期を迎えた。それは国際社会に生きる一人一人にも言えることである。“反米、嫌米、親米”といった意識はまず横において、見えなくなりつつあるイラクでの国際協力(国連決議に基づく)のあり方について再考すべき時だとも言える。

☆もう一つのブログ「複眼で見る中東報道」(http://cigvi.exblog.jp/ )では、中東現地報道(英語、電子版)より、日本のマスメディアの落穂拾いを中心に掲載しています(少々遅れ気味ではありますが)。ご興味があれば覗いてみてください。
ブッシュ大統領にとって、歴史的ターニング・ポイントとなるであろう政策を発表する時が近づいている。現在、ブッシュ政権はそのための事前準備を進めている。同大統領は4日のメルケル・ドイツ首相との会談後の記者会見で、米国が大きな目的を達成するには欧州との良好な関係が必要だとの旨発言し、今後の国際協調路線を国内外にアピールした。また、中東地域の他の問題にも配慮を示している。まず、 (1)イスラエル・パレスチナ和平の進展、(2)レバノン情勢の安定化を図るために、近くライス国務長官を中東に訪問させる。第2に、パレスチナ自治政府のアッバス大統領の警護隊への支援(訓練費用、軍用車両購入費用)に8600万ドルを拠出する方針を決定した。さらに、マリキ首相は6日、首都バグダード全域でイラクの治安部隊(米軍が支援)によるスンニー派武装組織やシーア派民兵集団に対する地区ごとの徹底的ローラー作戦を実施すると発表した(作戦の規模、機関は不明)。
ブッシュ政権は、こうして周辺環境を整備した上で新政策の実施体制も刷新した。その一つが駐イラク大使の交代である。マリキ政権との意見対立があったと噂されるハリルザド大使(55歳)は、以前駐アフガニスタン大使として国際協力に尽力した実績を買われ、国連大使(米国でイスラム教徒の国連大使は初)に起用された。後任の駐イラク大使には、クロッカー駐パキスタン大使(57歳)が指名されると報じられている。同氏は駐レバノン、クウェイト、シリア大使を歴任したアラビストで、アラブ専門家として有名な人物である。そして、ゼーリック氏の辞任後空席であった両氏の上官職の国務副長官に、ネグロポンテ国家情報長官を当てた(同氏の地位は下がるが、古巣に戻る)。同氏の副長官起用によって、国内外の関係機関との政策調整はよりスムーズになると期待されている。この3人はいずれも2003年3月以降、イラク駐在経験者である。
一方、治安面でのポイントは米軍の体制変更である。6日付ワシントン・ポスト紙は、一時的に増派する兵力について、(1)4000人、(2)9000人、(3)2万人の選択肢が検討されていると伝えた。他のメディア報道などから見ても、増派は確実なようである。その指揮を執る中央軍司令官には、アビザイド氏(陸軍大将)に代わってファロン太平洋軍司令官(海軍大将)が就任し、イラク駐留多国籍軍司令官にはケーシー(陸軍大将)の後任にペトレウス氏(陸軍中将)が指名されている。この人事で、驚きをもって受け取られたのが、ファロン司令官の起用である。中央軍司令官は従来、陸軍や海兵隊の出身者が就任していたポストであり、インドネシア(イスラム国)との軍事交流を促進した実績があるとはいえ、パイロット出身の同氏の起用には疑問の声も上っている。なお、ペトレウス司令官は過去2回、イラクに駐留しており、イラク治安当局の訓練責任者でもある。
このようにブッシュ政権は、イラク研究グループの提言などを参考に、環境整備、実施体制の変更、そして新たに数十億ドルの経済支援等を織り込んだ新戦略を書き上げ、来週半ばにも発表予定である。この新戦略は、メルケル首相との協議の様子からしても、“国際協調のもとでのイラクの平和構築”を意識したものになっていると思われる。これにより、民主党が早期撤退を強く主張すると、同党は“米国優先主義的”過ぎると映る状況がつくられる。イラク問題を中心に次期大統領選挙を睨んだ激しいせめぎ合いが、両党間と各党内で始まっている。
1月4日、第110米国連邦議会が開幕した。下院議長(大統領が万一の場合、副大統領に次ぐ継承権を持つ)には米国史上初の女性、ペロシ議員(民主党、66歳)が就任した。同議員は就任式のスピーチで、“私たちが200年以上待ち続けていた時が来た”“女性はただ待っていただけではない、決して信念を失わず、男女平等の実現に向けて努力を続けてきた”と述べた。米国で、女性が始めて国会議員に選出されたのは1917年である(フランス1907年、イギリス1918年、日本1946年)。そして、現在は総議席数535(上院100、下院435)の内、女性は上院16、下院71議席を占めており、これまでで最多となった(16.2%)。しかし、国会議員の女性比率は(2006年5月時点)、スウェーデン45.3%、ノルウェー37.9%、フィンランド37.5%、デンマーク36.9%と、高い割合である北欧勢と比較すると、まだまだ女性の政治参加は遅れていることが分かる(イギリス18.5%、フランス13.9%、日本10.7%)。「自由」「平等」「民主主義」を唱道する米国ではあるが、これが現実なのだと改めて認識した。
こうした“思い込み”は、国際政治の舞台でもしばしば見られる。米国は「超大国」だから特別なことができると、過度の期待、恐れ、嫌悪を持たれることが多い。しかし、米国も多元的な国際バランスの上で国際関係を維持しており、その行動にはかなり制限がある。その一方で、ペロシ議員の議長就任を、党派を超えて議会全体で祝福した様子に見られるように、階級等の流動性、法の支配の確立、自由、人権の尊重など、近代国家が共に目指しているいくつかの目標を実現すべく邁進している。だからこそ、米国の歴代政権に反発しながらも国際社会の多くの人々は米国に憧れを感じているのだろう。
中東・イスラム地域では、米国は頻繁に、イスラエル(聖地の占領者と見做されている)を擁護する国家、また軍産複合経済の下で武力を売り込む国家、さらには石油利権を牛耳る国家として、“米国に死を”というシュプレヒコールを浴びせる対象となることがある。また、同地域では米国陰謀説がまことしやかに報道され、「米英の兵隊が殺されてうれしい」(2006年10月27日エジプト紙Al-Msa’)との反米感情を煽るコラムまで書かれてしまう。こうした状況を憂慮し、仮に米国が、内政重視へと政策転換をしたら国際秩序はどうなるのだろうか。
国際社会には、共通の克服すべき地球規模問題が山積している。対立関係のままでは前に進めないだろう。女性の政治参加に見られるように、米国も様々な批判すべき面を持っている。しかし、その反面、尊敬すべき良い面も多くある。グローバル化する国際社会にあって、米国を内向きにしないためにも、米国と意思疎通を図る術、国際秩序維持に動いてもらうための術を柔軟に考えることは妥当だろう。そうした観点から、“中堅国家(ミドルパワー)”の活動が注目されている。日本人も、その立ち位置で米国との関係を考えることで、国際社会における日本の役割が見出せるのではないかと思う。

《気になるニュース》
5日付イェデオト・アハロノト電子版で、イランのハーメネイ最高指導者が死去した可能性があるとの情報を流したブログ(米公共政策研究所のMichael Ledeen氏)があることが報じられた。イランのメディアは通常通りの状況にある。

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