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報道の偏りを意識する

定額で使い放題となる携帯メールの新料金が次々に発表されている。日本の携帯情報端末の使用は一段と高まるだろう。
心配な点は、日本語の急速な変化と、添付ファイル容量の大幅な増大を悪用した事件の増加である。また、電車内でゲームやメールに耽っている人をよく見かけるが、大教室での授業中にも同じように夢中になって携帯端末を操作している学生が教員を悩ませている。技術の進歩の“影”の部分といって良いだろう。
一方、“光”の部分としては、ニュースなどの情報が一層低コストで提供できるようになることで、専門分野の情報提供を行う小規模な企業の活動の場が広がったことなどが挙げられる。

ところで、最近、ニュースを配信する側のメディアに関して注目される2つの報道があった。1つは、米ホワイトハウスとケーブルテレビ局のFOXニュース(保守派)が論争を繰り広げていることである。ホワイトハウス側はFOXニュースの報道には偏りがあり、「公正と均衡」の観点から見て改善すべきだとの姿勢をとっている。確かに、FOXニュースに関しては他の報道機関からも保守主義との評価がある(例えば2009年10月23日付フィナンシャルタイムズ)。
しかし、いかなるニュースでも、完全な公正という課題は達成できないのではないだろうか。報道の自由があったとしても、記者や各メディアの自己規制や意識の偏りが働くことは避けられないだろう。それは国家の報道規制とも関係している。

2つ目は、この規制に関連するものである。先ごろ、国境なき記者団が「プレス・メディア自由度」ランキングを発表した。その中でワースト5(175か国中)に中東の国が入っている。それはイランで、172位である。その他は175位がエリトリア、174位が北朝鮮、173位がトルクメニスタン、171位がミャンマーである。中東地域で自由度が最も高いのはクウェートで60位、次いでUAEが61位となっている。以前は47位でトップだったイスラエルが今回は93位になった。これはヒズボラ、ハマスとの武力衝突によって報道制限を行った事が要因である。このように中東諸国の報道の自由度は低い。
ちなみに、アジア諸国もミャンマーだけでなく報道の自由度はあまり高くないところが多い。例えばラオスが169位、中国が168位、ベトナムが166位となっている。一方、自由度が高いのは北欧4カ国とアイルランドである。

各国のローカルメディアはグローバルメディアからの影響を受けるようになってきているが、以前、国内での市場は大きい。中にはFOXニュースのように偏りが大きいものもあり、国民をミスリードすることもある。したがって、報道に対して個々人は複眼で見ることを常に心がけることが重要である。これは、アメリカでも、中東でも、もちろん日本においても同様である。
8月30日の衆議院選挙は、民主党が480議席中308議席を獲得する大勝となった。米国の経済学者のピーター・ドラッカーはかつて、日本人は社会的にまとまって変革を起こす力がある旨語っていたと聞いた。鳩山民主党代表が31日の記者会見でスタートラインについたばかりだと語ったように、今回の民主党の大勝利によって明治維新以来の官僚制の改革ができるかどうかはまだ分からない。とは言え、69.28%という小選挙区比例代表並立制下での最高の投票率であったことは、日本国民が変革を起こしたいとの強い気持ちから行動を起こしたことの表れだといえる。

投票率をはじめ今回の選挙では「過去最高」となった事項がいくつかあった。女性の衆議院議員数も過去最高の54人となった(11.2%)。しかし、世界水準で女性が国会議員意占める割合を見ると、これは自慢できる数字ではない。少し古い数字となるが、国連開発計画(UNDP)の『人間開発報告書2007/2008』によると、スウェーデン47.3%、フィンランド42.0%など先進国の多くが15%以上である。ちなみに女性の政治参加の遅れが問題だといわれることがある中東諸国でも、バーレーン、チュニジア、シリア、そしてイスラエルでは女性議員は11.2%以上を占めている。

201,461という過去最高の得票数(小選挙区制で20万票を超えたのは初めて)で当選した鳩山代表に、是非取り組んでほしいことがある。今回の小選挙区の当選者の最低得票数は44,068、落選者の最高得票数は151,448であった。あまりに差の大きさに驚いた。「1票の格差是正」は早急に取り組まれるべき課題であろう。

民主党政権を誕生させることとなった今回の日本の選挙について、BBCやABCをはじめ世界が注目し、報道している。議員年齢が若返り、活躍が期待される新人議員も多く当選した。日本・中東関係で共に仕事をしたことがある財務省OBの玉木雄一郎氏(40歳)、外務省OBの緒方林太郎氏(36歳)もそうした人物といえるだろう。二人の当選を祝うとともに、しっかりとした変革の推進者となってくれることを期待している。

64年目の終戦の日に

一通の召集令状で戦場に立たされた兵士、その兵士が無事に帰還することを祈る家族。それはかつて日本中で見られた光景であった。兵役期間中、家族は本当に厳しい生活を強いられる。本土への空爆、沖縄戦、広島・長崎への原子爆弾投下と戦局が悪化する中で、職業軍人はいったい何を考えていたのだろうか。当時、職業軍人はエリートである。彼らは、一瞬先の命の保障のない戦場に立つ兵士、生活苦にあえぐ家族、日本中の人々が不安と恐怖の日々を送る中、日本の明日をどのように考えていたのだろうか。

数年前、既に故人となられてしまったが、陸軍大学校を経て職業軍人を務めた経歴のある方のお話を聞く機会を得た。その方は、「自分たちに何かあっても家族まで保証される。しかし、部下の兵士は何の保証もない。彼らとその家族のことを思い、1人でも、早く家族のもとに帰らせたいといつも考えていた。」と語ってくださった。その方の言葉は心からのものだったと思う。一方、多くの職業軍人は、兵士を戦場から帰還させることとは程遠い作戦や行動をとったことも事実である。靖国神社にはそうした職業軍人の責任者たちも祀られている。

今日、一部の野党から、あらためて無宗教の国立戦没者祈念施設の建設が提案された。誰でも礼拝できることは重要だと考える。これに対し、早くも与党内から「誰を祀るつもりなのか」など反対の声が上がっている。

問題であるのは、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のように「みんな化」していることではないだろうか。本当に多くの人々を死に至らしめた戦争という行為を考える日だからこそ、個人として問題に正対するべきだと、私は思う。何故「みんな」で参拝しているのか。自らに再度、何故と問うて見てほしい。

韓国大統領は今日、北朝鮮に対して「今こそ南北が対話すべきだ」と語った。それは国民の安全を真に考えて発した言葉であることが伝わってくる。日本政府の8月6日、9日、そして本日行った演説とは、歴然とした違いがあるように思う。今日のエリートである国会議員や政府関係者は64年前の職業軍人と同じ目で国民を見ていないだろうか。
5月29日、過去最大の総額13兆9258億円の補正予算が成立した。日本の国家予算は当初予算と合わせて、何と100兆円を越えた(2009年度の新規国債発行は約44兆円超)。その翌日、民主党の鳩山由紀夫代表が私の住む町で街頭立会演説を行った。小雨模様の天気にもかかわらず、聴衆が集まっていた。鳩山代表とは過去何度かお目にかかりお話をしたことがあり、優しい穏やかなお人柄だとの印象を持っていた。しかし、本日、同代表の演説にしても、演説後に交わした握手にしても、「覚悟」がひしひしと伝わってきた。

私はかつて、握手をした相手からこれと同じ気迫を感じたことがある。それは、日本政府特使として、中曽根首相、安倍外相の親書を携えてイランを訪問する人物を見送った時である。「行ってくる」「交渉の成功をお祈りします」と短い言葉を交わした際、数秒、時間が止まったように思えた。その時、その人物から、言葉では表現できないほどの気迫が発せられているのを感じたからであった。今も、その人物の後姿が目に焼きついている。それは、日本が仲介役となって始まったレーガン米大統領(当時)のイランとの秘密交渉の第一歩であった。成すべき任務の重さを受け止め、それを成し遂げようとする強い信念が、その人物から溢れていた。

おそらく、100兆円以上の予算を組んでも、その成果が日本経済や社会に現れてくるには時間がかかる。経済を失速させないためには、どの党が政権についても、再び現行に近い額の予算を組まねばならなくなる可能性は高い。その際には、税収があまり上がらない状況の中で再度、新規国債を発行せざるを得ず、未来の世代に更なる重荷を背負わせることになるだろう。100兆円予算の支出は単年度であるが、その悪影響はかなり残る恐れがある。鳩山代表から感じられた「覚悟」は、その現実を見据え、一日も早くその対応に取り組まねばならないというものではないだろうか。

日本を取り巻く国際情勢は、北朝鮮問題を巡り緊張が高まっている。また、GMの倒産をはじめ世界経済の先行き不透明感も続いている。そのような中で、日本の将来を明るいものにするためには、しっかりとしたグランドデザインを早期に描く必要がある。それには、衆議院解散、総選挙を実施の上、国民の信認を得た体制を確立し、諸問題を解決することが急務であろう。

日本は今、歴史的分岐点にあるように思う。党利党略や個人の利害を超え、一人一人の政治家が、既述の秘密交渉に携わった人物と同じように成すべきことを真剣に考え、それを成し遂げる「覚悟」を持って国民と語り合って欲しい。その覚悟や信念の重さが国民に伝わった時、日本が「変わる」のではないだろうか。
昨年のインドネシアに続き、5月10日、フィリピンからも経済連携協定(EPA)に基づく経済交流として、看護師、介護福祉士候補の人材が来日した。現在、こうした外国人受け入れの状況はどのようなものだろうか。以下に少し整理しておきたい。

受け入れる雇用市場の医療、介護分野は、日本政府の2025年の将来予想では、少子高齢化により、現時点に比して、看護分野で1.6倍、介護分野で2.2倍の人材が必要になると分析されている。この人数を、現在の失業者も含めた日本人が埋めることができるとは考えられない。

それというのも、この分野は資格が重視されながらも、十分な収入を得ることができ難い面があるからである。まず、この点の改善が必要であり、現在国会などでも多様な検討がなされている。また、重労働であり、経験を積み重ねることで収入が増加するとの将来見通しも立ち難いとの認識もある。

したがって、当面、この分野は外国人労働者によって補ってもらおうと政府は考えているのだろう。しかし、その「当面」という考えが、本来あるべき福祉政策を歪める結果になるのではないかと危惧される。

例えば、第1回で入国したインドネシアからの看護師候補者の1ヶ月の給与は17万円である。日本政府は、このような看護師、介護福祉士候補を2年間でインドネシアから1000人(うち昨年208人)、フィリピンから1000人(今回280人)受け入れる計画である。問題は、この受け入れた候補者たちの多くが研修期間を終えた後、日本が実施する試験に合格できないのではないかとの懸念があることである。つまり、彼らは、ゲスト・ワーカーとして看護師候補であれば3年間、介護福祉士候補であれば4年間働き、帰国するという結果になるのではないかと指摘されているのである。

このことによって、第1に、医療介護分野において日本人を含めた安定した人材確保ができない、第2に、インドネシアやフィリピンから受け入れた候補者たちが、厳しい労働環境の中で反日的感情を持つようになるなど、懸念される結果となる可能性がある。

一方、この外国人労働者の受け入れ制度自体にも問題点がある。第1は、日本政府は渡航費に加えて日本語研修費、授業料(6ヶ月間)、居住費用(6ヶ月間)を助成するが、半年という期間では、日本人を対象とする試験と同じ日本語による国家試験に合格する事は不可能に近いといってよいのではないだろうか。また、研修後、雇用した機関で午前中に日本語学習をし、午後に働いて給与を貰うという生活を送ること事になっているが、日本語の壁は高く、やはり試験に合格することはかなり難しいだろうとの指摘もある。

また、日本人にとっては、月額17万円の給与は決して高いとはいえないが、インドネシア、フィリピンの人々は、母国に4〜5万円以上の仕送りをしていると聞く。この仕送りができるだけでも良いと考えている候補者もおり、資格を取る熱意はあまり高まらないといわれている。

少子高齢化社会を迎えている日本は、さまざまな分野の人材を世界に広く求める必要に迫られている。例えば、「留学生30万人受け入れ計画」もその一環といえる。しかし、この留学生に関する計画と、看護師、介護福祉士候補受け入れの「経済交流」に一貫性がないのも現実である。さらに、日本政府は、外国人受け入れ政策を打ち出すだけで、実施は地方行政や企業、大学に丸投げしている状況であると指摘されている。

果たして、日本政府は将来の日本の教育や医療のあり方について、十分に検討し、政策を練っているのだろうか。例えば、今回の補正予算において、外国人看護師、介護福祉士の候補者の研修助成を6ヶ月から1年に引き伸ばすことで、国家試験の合格者は大きく増えるだろう。また、国公立大学を中心に、留学生寮を充実させるだけで、留学生30万人受け入れ計画の実現も進むのではないだろうか。現場を見ない政治の問題点は、こうしたところにも現れている。

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