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  27日、多摩市ベルブホールにおいて
 「エクレール お菓子放浪記」の上映会が行われた。
 主催は、多摩市ボランティアセンター。
 
 急に決まった企画でもあり、集客の点では
 もうひとつがんばって欲しかったというところではあるけれど
 会場の大きさ(席数144×3回上映)からすれば
 ほどよい埋まり具合。
 
 石巻から多摩に避難されておられる高齢のご婦人が
 1回目の上映が終わったところで声をかけてこられた。
 話し始めると言葉が詰まるらしく、涙をぽろぽろと流される
 「知っている顔が幾つも見えて。。。」と絶句
 返す言葉が見つからない
 何度も何度もお礼を述べられてお帰りになられた
 
 2回目の上映が終わったところで
 今度は40代から50代と見受けられるご婦人が
 目を真っ赤にして声をかけてこられた 
 「あのー、私は...」と絶句。
 何度も話し始めようとされるのだが言葉が途切れる。
 言葉をつなぎ合わせると、
 生まれと育ちが石巻
 故郷を離れて東京へ出てきて20年ほどたつという
 いま住んでいるのは多摩ではなく八王子だということ
 
 「懐かしい石巻の光景が...」
 「...あの光景はもうないんですよねえ...」
 「...石巻で撮影してくださったから...」
 少し話しては言葉に詰まる。
 最初の方と同じ様に何度も何度も頭を下げ
 帰るときにも振り返り振り返りしながら頭を下げておられた。
 
 その後で80才を越えておあられるかと言うご婦人が声をかけてこられた
 「もう私は、いろいろと思い出すことが沢山あって...」
 「震災も大変だけれど、戦災はもっと大変だった」
 「何しろ日本中がだめになっちゃったんだから...」
 「食べるものがどこにもないんだから」
 この方の帰り際の一言が印象に残る
 
 「でもね、震災とか津波はどうしようもないけれど
 原発と戦争は止めようがあるんだからね。
 自然に起きるものじゃなくて、人間が起こすもんだからね」
 ひどく真剣な表情であった。
 
 3回目の上映が始まる前に
 多摩ボランティアセンターのスタッフの方が
 石巻へ支援ボランティアに伺ったご縁で 
 いただいたコミックがあると言うことで見せていただいた。
 
 コピーでB6版15ページ。
 著者は、井上きみどりさん。
 毎月1日、15日発行の「YOU」と言う雑誌の新連載で
 「私たちの震災物語ーハート再生ワーカーズ 
  Vol2 被災体験 石ノ森漫画館編」
 とタイトルにあった。
 
 すぐに引き込まれて読み上げた。
 漠然とイメージしていた震災と津波の光景が
 絵と吹きだしに書かれた言葉で
 本当の出来事として迫ってきた。
 想像通りであったことに思わずうろたえるほどであった。
 
 筆者は、映画のロケを行った岡田劇場から
 数十メートルしか離れていない同じ中州に立っていた
 石ノ森章太郎さんを記念して建てられた漫画館のお勤めだという。
 震災当日から4日間の体験を中心にコミックで再現されておられる
 
 中の吹きだしに書かれた言葉を拾い出してみよう
 押し寄せた津波の光景を記録使用と写真をとり始めた彼が見たものは
 
 「あ...っ流されてる家の屋根の上に人が...」
 「人が乗ってる車が流されてる...」
 「ガレキにつかまって流されている人がここにも」
 「あそこにも...」
 「家も車もガレキも」
 「みんな橋にぶつかって沈んで言ってる...」
 「僕はあの人たちを助けることもできない...」
 
 この橋は、岡田劇場の手前にかかっていた
 私の記憶の中にもある橋のはず...
 
 著者は、その後流され孤立した人々の救援に動き
 40人ほどを石ノ森漫画館に収容し
 震災4日目までをともに過ごした
 
 こんな記述もある。
 
 「彼女と一緒に逃げていた途中にイメージ 1
 水に飲まれて彼女の手が離れてしまって...
 オレひとりが助かってしまった...」
 
 「母を車に乗せて避難しようとした時に」
 「車ごと流されてしまって...」
 「オレが母ちゃんを殺してしまった...」
 
 「沢山の人が自分のそばを流されていったのに...」
 「誰一人助けることができなかったんです...!!」
 
 生き残った方たちは、自分の命が助かったことを喜ぶのではなく
 自分が生き残ってしまったことを責めて、傷ついている様子が
 生々しく伝わってきた。
 
 こんなことを書くと、またスタッフに
 余計なことを書くなと怒られるのだろうけれど書きたい!
 野田総理は、消費税増税に「不退転の決意」を表明し
 「命を懸ける」と宣言をされてる。
 ”命を懸ける”場所
 ”不退転の決意”をするテーマを
 間違えておられるのではないだろうか
 
 いずれにしても被災地の人々の痛みを
 どこまで共有できるかー
 そのために活きる力を持った
 15ページのコミックに私はすっかり飲み込まれてしまった。
 
 心に迫る”文化”の力はすごいというしかない。
 
 

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