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医療制度改革

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昨年、日本とインドネシアとの間の経済連携協定(EPA)に基づいて、208名の研修生が来日した。その後、国際厚生事業団での日本語研修を経て、研修生はそれぞれ研修場所となる介護老人施設や病院などで働き始めた。

NHKでも研修生の現状が報道されていたが、慣れない日本での生活に戸惑いながらも、つとめて明るく振舞っている姿が映し出されていた。日本語研修や資格試験準備や日常生活支援など、日本側の受け入れ体制は本当に十分なのだろうか?

少子高齢化で介護、看護の人材が大きく不足することが予想される中で、インドネシアやフィリピンからの介護士、看護師の受け入れは不可欠だ。香港やシンガポールなどでは、これらの国から、介護士、看護師のみならず、単純労働のメイドも大量に受け入れている。日本では不法労働をさせないとの大義名分から、外国人労働者のビザを制限しているが、入国管理が厳しいことがむしろ闇組織の関与を招き、不法労働や犯罪の温床になっているという事実も否定できない。
日本は必要な労働力受け入れに躊躇すべきでなく、今回のような真面目で、真剣な取り組みに対しては、入国管理をより開放的なものとすると共に、日本の社会全体として支援していくことが必要と思う。

私もバリで開設した日本語学校などを通じ支援しようとしたが、厚労行政の壁に阻まれて全く参加できていない。そんな中で、有志により「ガルーダサポーターズ」というインドネシア介護士、看護師研修生を支援することを目的としたNPOが発足することになった。6月14日に設立総会が広尾で開催される予定だ。もちろん私も参加することにしているが、この問題に関心のある方が大勢集まることを期待している。

2年前まで3年半在籍していた医療情報ベンチャーの同僚K氏が新しいベンチャーを立ち上げた。昨日はその創立記念パーティーを有志が組成したので参加した。
著名なフレンチレストランを借り切って、予想以上の参加者でごった返していたが、K氏の人柄からか、多数の医療情報関係者が集まった。

医療制度改革で有名な大山教授、秋山教授や同氏の出身大学の医学部教授など錚々たる顔ぶれが揃い、日本がどうしようもなく遅れているこの分野での改革に向けた志と共に、新ベンチャーへの期待とK氏への激励の言葉が続いた。

私自身は既にこの分野は諦めて、元の国際金融関係の仕事に戻ったが、やり残した仕事を地道に、しかも自己リスクで懸命に取り組んでいるK氏のような人が存在することが嬉しい。金融関係の現在の仕事は後1年ほどで辞める予定なので、何らかの形でK氏と協働できる日が訪れるのではないかとの予感がしている。

小さなベンチャーだが、中小医療機関のIT化に必要なコンサルティングを主業務とするとのことで、医学部出身のK氏の力量が発揮できる分野と思う。個人的には大きく成長するのではないかと期待している。

今朝の日経新聞1面に以下の記事が掲載された。

QUOTE
 厚生労働省は、処方せんに基づいて患者に薬を出す調剤薬局の診療報酬明細書(レセプト)について、会社員が入る健康保険組合による直接審査をしやすくする。直接審査に病院の事前同意が必要な仕組みを改め、同意がなくても審査できるようにする。健保組合によるチェックを強化し、過剰な投薬による過払いを防ぐのが狙い。直接審査が定着すれば、医療費の削減にも寄与しそうだ。

 レセプトは医療機関が各健保組合に支払いを求める医療費の明細書。現在は各健保組合が、厚生労働省が管轄する審査機関である社会保険診療報酬支払基金にレセプトの内容の審査を委託。同基金が内容をみたうえで各健保の支払額を知らせている。
UNQUOTE

この問題は、医療保険制度のエージェントとしての保険者の機能をいかに強化するかとの問題意識から10年近く前から議論されてきたものだ。レセプトを健保が自ら審査支払をすることにより、医療機関と保険者との間のコミュニケーションが向上し、適切な医療費請求が行われることも期待されている。また、ITの活用により医療保険事務の効率化、レセプトデータの蓄積とその活用により被保険者に対する良質な医療保険サービスが提供できるようになる。
本件のような地味だが制度の根幹に関わる問題がようやく国民的な議論となってきたことは喜ばしい。
この仕組みが普及し、定着するよう見守って行きたい。

医療制度改革の妙案

国民医療費が財政の悪化を招いているのは日本のみならず欧米先進国に共通している。

その背景には、医療を国民の生存権に関わる基本的サービスとして全国民に提供すべきだという社会民主主義的な思想の流れがある。資本主義を真っ先に確立した英国では「揺りかごから墓場まで」と言われる社会福祉政策が採用されていた。小さな政府を掲げる米国では、企業がいわゆる雇用者保険を提供する形で社会福祉政策の一翼を担ってきた。
日本では「国民皆保険」、「フリーアクセス」の基本理念の下、国家主導による社会福祉政策が確立している。

このような医療を社会福祉政策として運営すれば、社会の成熟化と少子高齢化の傾向が強まるに伴い、国民医療費の高騰を招き、財政上の負担となってくることは自明の理である。
日本でも国民医療費の問題は深刻化しており、自己負担率の3割への引き下げ、診療報酬、薬価の引き下げ、高齢者医療制度の創設などにより、基本的には医療費の抑制と国民の自己負担の増加によって解決を図ろうとしている。欧米の殆ど全ての国が医療制度改革として、医療費の抑制を柱とした政策を採用している。

これに対して、GDP成長率を高く維持することにより医療費のGDP比を抑えることができるとする議論もある。しかし、成熟社会においてGDP成長率を高く維持することは至難の業であり、医療費の増加傾向に対して抜本的な対策を打たない限り、この問題の解決にはなりそうもない。

そんな中で、世界最大の製薬会社であるファイザー社のハンス・マッケンネン会長は近著「未来との約束」の中で、非常に合理的なヘルスケアー論を展開しており参考になる。

同氏の基本的な考えは、国民医療費が増加する傾向にあることは少子高齢化の流れの中では避けられないこととして受け入れた上で、現在の病気治療対策としての医療保険制度を「健康への投資」を軸に新たな仕組みに転換することを論じている。本来あるべき保健=「ヘルスケア」が疾病治療=「シックケア」になってしまっていることが問題の根源という。

確かに、慢性病などが特にそうだが、検診、予防的な投薬などの健康管理により、病気の悪化は相当程度防ぐことができる。これらの健康管理は金が掛かるが、病状が悪化して入院治療や手術が必要な事態になればそのコストは比較にならないほど大きくなる。

また、医療費の高騰から医療保険料や自己負担を増加せざるを得ない状況に置かれている国が多い。これらの国では、無保険者が増加していう。米国などでは40百万人を超える無保険者がいるといわれている。日本でも若者を中心に国民健康保険料を支払わない人口が増加傾向にある。
このような無保険者の増大は保険料収入を減少させるばかりか、無保険者が救急医療などを必要とした場合そのコストは結局社会保障の中で支払われることから、保険会計を悪化させる原因になる。

このような問題を抜本的に解決する方策が提案されている。基本的には、医療サービスの選択とその支払いを国民が自らがコントロールする仕組みを導入すべきとしている。

そのため、「医療貯蓄口座制度」と義務的な「高額医療費保険制度」を導入すべきとしている。

この仕組みの下では、国民は検診などの健康管理や通常の医療費は個人が積み立てた「医療貯蓄口座」から支払う(ITのメリットを活用して窓口でデビットカード方式で支払う。これにより手間のかかるレセプト請求事務を廃止することができる)。医療貯蓄口座は非課税とし、現在の雇用者保険と同様に雇用主と本人が折半で積み立てる方法が考えられる。また、この医療貯蓄口座は401Kのようにポータブルとし、且つ、相続も可能にする。そうすると、健康管理に留意し、医療費をセイブできた場合には医療貯蓄口座の残高を健康管理に積極的に活用することが出来る他、子孫に引き継ぐこともできる。つまり、健康を維持することが金銭的なメリットとして直接本人に帰属することになる。

他方、貯蓄口座ではまかなうことができない入院、手術などの高額医療が必要な場合に備えて、高額医療保険制度への加入を義務付ける。高額医療を必要とする人口は少ないと見られるため、現在より遥かに低い保険料で運営することができる。これで、医療保険が本来の意味での保険になる。

医療を国民の手に取り戻すのがマッケンネン会長の提言である。
非常に画期的な提言でありわが国でも同様の議論が進むことが大いに期待される。

「ブラックジャックはどこにいる?」は心臓外科の名医、南淵明宏先生(大和成和病院心臓病センター長)の著作だ。

大学の医局を拒否した医療業界の異端児だが、医師のあり方、患者との関係について真摯に向き合う日本の「赤ひげ」である。
この本の中に、「医師は患者一人ひとりのストーリーに向き合う勇気がなくてはならない」との記述があるが、このような勇気と倫理をもった医師が日本には少なくなっているようだ。

同じラインで私が好きな医師に南木圭之先生(佐久総合病院内科部長)がいる。南木先生は「阿弥陀堂だより」や「ダイヤモンドダスト」(芥川賞受賞作)を著した小説化でもある。小説の中で患者一人ひとりの人生に向き合い、苦悩する医師の姿が描かれており共感を呼ぶ。

医療とITの仕事をしている関係もあり医療のあり方について考える機会が多いが、医療の原点は技術や学問よりも医師の生き方そのものにあるなのではないか、と考えている。

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