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昨日、有楽町の外人特派員クラブ(FCCJ)で、ユーラシアグループ代表、イアン・ブレマー(Ian Bremmer)の講演があった。1年前の著書「The End of Free Market」の日本語版、「自由市場の終焉」が先月出版されたため、今回はそのプロモーションのため来日した。この本に関する海外での講演は日本が初めてとのこと。
ランチョンミーティングにはメンバーの外人記者を中心に50人ほどが出席した。ひな壇に登場した時は、ずいぶん大人しくなった印象だったが、スピーチを始めると徐々にエキサイトしいつもの態度に戻った。
スピーチの内容は歴史的、大局的視点から大胆な仮説を導きだす刺激的な内容だった。
自由市場側にある米国と、その対極にあるState Capitalism側の中国、ロシア、サウジアラビアとの溝が、リーマンショック後大きく開いた。自由市場が行き詰ったとみるState Capitalism陣営は自らのモデルに自信を...深め、攻勢を強めている。このような、政治的目標の達成を第一義と考えるState Capitalismと自由市場のせめぎ合いは当分続くとみる。
しかし、State Capitalismは基本的に競争制限的な独占体質で、非効率性、民間企業との対立の激化、腐敗などの負の側面が露わになるに連れ、自己変革を早晩余儀なくされる。Stete Capitalismは長期的には衰退し、Well regulated Free Marketが勝利すると見る。しかし、両者のせめぎ合いは世界経済にリーダーシップが失われることを意味し、G−7からG−20へ、更にG−0と呼ぶ方向感を失った世界となる恐れがある(既にそうなりつつある)。21世紀が中国の世紀になるかと問われればそれはないというのがBremmerの結論。
地域的な評価もユニークな視点で参考になった。
欧州は今回の危機をへて統合を深める方向に進む、米国はWell regulated Free Marketに向かう、日本は政治の混乱を収束しヴィジョンを持った政権が成立すれば底力を発揮し復活する、アラブの春のドミノは起きそうもない、BRICsの次の成長株として注目しているのは南アフリカではなく、インドネシア。。など面白い議論があった。
近々、G0をテーマにした新しい本が出版されるようだ。読んでみようと思う。
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国際金融・国際経済
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ペルーでも左派政権が誕生した。
ヴェネズエラ、エクアドル、ボリビアに加えて、ペルーが左傾化すれば南米に再び反米、反外資の流れが強まる恐れがある。ペルーでは株式市場が10%近く暴落、ペソも急落したようだ。一方、ヴェネズエラのチャベス大統領がブラジルを訪問中で、ブラジルのルウセフ大統領に反米左派への原点回帰を働きかけているようだ。
新興国が牽引する世界経済の成長シナリオが狂うか、「南のシルクロード」と呼ばれる南−南貿易の流れが強まり、ついに新興国は先進国からデカップリングを果たすか。何れにしても巨大な地殻変動になる可能性がある。
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昨日、ノルウェー・オスロで行われたノーベル平和賞授賞式に19カ国が欠席した。
キューバ、ヴェネズエラ、イラン、ロシアなど反米強硬派が、西側との対決色を強める中国に同調したことは容易に想像できるが、必ずしも親中でない国が最終的に欠席を決めたことには驚かされた。
気になるのは、ヴェトナム、フィリピンで、中国への経済依存度が高まる一方のアセアン諸国が経済関係を人質に、長期的にはより重要な民主主義と自由を守る価値観で譲歩させられた格好だ。一時は、インドネシアも欠席の意向であったと伝えられ、アセアンに対する中国の影響力拡大はかなり懸念すべきレベルに達している。
アセアンの経済開発は戦後、日本政府および企業のイニシアティブと支援により行われてきたが、2000年代に入り、貿易取引は元より、ODAやインフラプロジェクト、資源開発に至るまで日本依存から中国依存へシフトする大きな流れが出て来ている。
中国のアジア戦略、世界戦略が背景にあるが、財政難の日本がODAを年々減らしてきたことも要因の一つだ。日本がこの地域で巻き返しを図らないとアジア経済は完全に中国に取り込まれる。
日本政府の対アジア戦略再構築が必要だ。
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ボージョレヌーボー解禁の昨日、恒例の行天さんのヌーボーの会に出かけた。
行天さんとは元財務官、現(財)国際通貨研究所理事長の行天豊雄さんのことだ。都銀の会長、相談役時代、その後は、通貨研でお世話になった。80歳という高齢にも拘わらずお元気で、飾らぬお人柄も昔のままだ。この会では、ボージョレヌーボー1樽を行天さんに自腹で提供して頂いているのだが、昨夜はドンペリまで出てきた。相変わらずの心遣いに、益々行天さんのファンになってしまう。そのようなファンが大勢いて、昨夜も銀行、通貨研のOBを中心に50人位が集まった。
行天さんとは久しぶりに言葉を交わすことができた。銀行時代に「行天プロジェクト」として奔走した大型政策案件の思い出話や、最近の国際金融情勢について色々話すことができた。行天さんには、8年ほど前にASEMの賢人会議(Task Force)で日本代表としてご活躍頂き、私が事務局長としてサポートさせて頂いたのだが、このような、重要な経済・金融外交で政府のスポークスマンとしてもっとご活躍して頂けるのではないかと思う。民主党政権は国際的に知名度が高く、見識のある実力者をもっと活用することを考えるべきだ。
この会で久しぶりに顔を合わせた方も大勢いる。皆さん完全リタイアーせずに、それぞれのフィールドでご活躍されている。私もその一人だが、国際金融マンはこの世界の魅力にとりつかれ、いつまで経っても隠居できないようだ。
この会の後、これまた30年来お付き合い頂いている先輩OBのKさんと室町砂場に蕎麦を食べにでかけた。12月もここで同じようなメンバーで忘年会を計画しているのだが。
Kさんが上司で、大型案件を何件かものにしたのだが、もう一度何かやってみようといういつもの話になった。この歳でプロジェクトが動かせるとは本音では思っていないが、夢物語を実現するのが国際金融マンの真骨頂。やってやれないことはないか。。
楽しい一晩だった。帰宅して仏壇の家内の遺影に報告した。「よかったわね」といつもの笑顔が返ってきた。
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弁護士出身のメドベージェフは、KGB出身のプーチンとは違って、もう少し法の正義が分かる政治家と期待していたが、全くの期待外れだった。中国との外交交渉もそうだが、日本が相手のことを慮り過ぎて、此方側に土俵を譲り過ぎているような気がする。
ロシアとの平和条約締結の条件を、北方領土4島返還に狭めることにより、ロシア側に合意形成を促してきたことが問題の核心にあるが、これまでは、ロシア側がスターリンの蛮行に対する罪の意識に加え、ロシア側の強硬姿勢が日米関係を更に結束させ、日本の防衛力強化につながる可能性を懸念してここまでの強硬姿勢は打ち出せずにいたものだ。
民主党の軟弱外交姿勢と首相を降りたあとロシアを私的訪問した鳩山がこの問題に対し口を閉ざし「友愛」を振りまいていたことが、ロシア側をさらに増長させ今回の事態を招いた。加えて、民主党政権が普天間問題迷走で招いた日米同盟の揺らぎがロシアにつけ込む隙を与えた。尖閣問題と全く同じ構図だ。ロシア側が日本の外交敗北を認めさせようとしていることは明らかだ。
メドベージェフはツウィターでで自らの主張を合理化している(ソースは産経)。
「解決できない論争」とは北方領土問題を指しているとみられ、ロシアとして日本との間で経済協力を優先させる方針を鮮明にした。
もはや、北方領土交渉は解決の糸口すら失った感じがする。こうなったら、外交交渉の原点に立ち返り、相手側のあらゆる非道と不法行為を国際的に明らかにし、相手を揺さぶるほかないと思う。
日本がポツダム宣言受諾後に、日ソ中立条約を一方的に破棄し満州、樺太、千島列島に軍事進攻したこと(千島列島では降伏している日本軍に対して攻撃を仕掛けた)、これらの地域でロシア軍が暴虐の限りを尽くしたこと、日本の軍人60万人を捕虜としてシベリアに連行し、強制労働に従事させ、6万人の命を奪ったこと。これらは、当時の国際条約にも違反する国家犯罪だ。
上記のような交渉が出来ないのであれば、日本の防衛力の抜本的強化(核、重爆、空母など攻撃的防衛力の強化)しか選択肢がないことを、中露両国に知らしめるべきだ。
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