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こんにちは、ゲストさん
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スタジオ・ジブリの新作「コクリコ坂から」が今日から公開されている。
1960年代前半を時代背景に、高校2年の女学生の海(メル)と高校3年の男子学生の俊の透明な恋の物語。同時代人として当時を懐かしく思い出し、物語に自然に引き込まれた。エンディングは感動的だ。何という優しさに溢れた作品か。これは間違いなく、ジブリの作品の内、ベストの1つに入ると思う。
当時の10代の若者は青春という漠然とした悲しみと苦しみと真摯に戦っていた。その中で、家族愛や友情や恋心を確かに感じ、それを何よりも大切に思っていた。その後、社会の現実の中で頭をもたげてくる出世や金儲けとは確かに無縁だった。ある意味で希望に溢れていたが、それはいつか手にする幸せに対する憧れだったような気がする。
この時代の若者はカルチェラタン的な反時代的なものに共感していた。作品の舞台となった明治時代の学校の建物のように、古い日本の文化や伝統社会の良さが、時代の流れの中で消し去られて行くことに抵抗していただけかもしれない。学園紛争、ヴェトナム反戦、沖縄返還運動、70年安保闘争、成田闘争も、底にあったのは、闘争目的として掲げた個別の政治的な主張というよりは、経済万能主義、1億サラリーマン化による進学競争、出世競争などの時代に対する反抗だったような気がする。当時の若者の直感は結局正しかったことは、その後日本が辿った歴史から証明されたが、そのような社会にしてしまった我々世代には、現実に妥協し、純粋な夢や希望を犠牲にしたという意味で責任があると思う。
経済大国への道をひたすら歩んだ30年、バブル崩壊後の失われた20年、中国に経済大国の座を明け渡した昨年、そして3・11大災害後の現代日本の状況を、60年代に重ね合わせてみよう。そして、40年間で失った失ったものの何がしかを取り戻したい。そんなメッセージと私は受け取った。
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