全ての人へ

人生とは何かを計画しているとき起きてしまう別の出来事

全体表示

[ リスト ]

 ニューヨークから車で約3時間離れた場所に、アトランティックシティという一大カジノ施設がある。東のラスベガスとも称され、カジノを備えた巨大なホテル、ショッピングモールが立ち並ぶほか、大西洋が広がり、海辺には長い距離に渡り板の道が続き、リゾート地としては申し分のない場所だ。

 これまでは子供をカジノへ連れていけないことから、なかなかアトランティックシティでギャンブルを楽しむことができないでいたが、この度、妻子が日本へ一時帰国したことから、「これはチャンス」と私は計画を立てることにした。
もっとも妻子をJFK空港へ送ったその足で、そのままアトランティックシティへ向かうことを告げたら、さすがの妻も呆れていたが・・・

 3時間を超える運転はかなり疲れるが、何もない場所に、急に高層ホテルが立ち並ぶ風景が目に飛び込んでくると、ドキドキしてきた。私の中では、ディズニーランドに行く感覚によく似ている。東京にカジノを作る計画もあるようだが、もともと周囲に高層ビルが立ち並ぶ東京では、このなんというか異空間を演出することは難しいだろう。周囲に全く何もないからいいのである。

さて、ホテルにチェックインにした私はカジノへ直行した。とにかく物凄く広い。そこにギャンブル好きの連中が賑わっている。この高揚感はたまらない。私は基本的にはルーレットで勝負することにしている。ポーカーやブラックジャックよりも、なぜか好きなのだ。ルーレットのテーブルは何台もあったが、椅子に座れるのは5,6人で、ゲームに参加する競争率が高い。誰かが抜けたときに素早く席に着かねばならない。後ろの方から、立ちながらプレイする人もいるが、長時間落ち着いて冷静に遊ぶには椅子はとても大切だ。

ルーレットには数少ないが基本マナー、ルールがある。まずそれぞれのテーブルには最低の掛け金が提示されているので、これを確認する。私のテーブルは20ドルだった。賭ける場合には一回に最低でも、20ドルは必要ということだ。この最低掛け金は時間とともに変動し、夜が更けると少し上昇していく。そしてテーブルに着いたらチップに交換したい現金をテーブルの上に置く。お金を手渡しなどしてはいけない。ディーラーがお金をどのようにチップに換えるか聞いてくるので、例えば100ドルを5ドルチップ20枚にするのか、25ドルチップ4枚にするのかなど返答する。

 そしていよいよゲームに参加を始めた。周囲の客には中国人がとにかく多くてびっくりした。カジノの楽しみの一つは一緒にプレイする連中のキャラクターにもある。ポーカー等と異なり、他の客は敵ではない。隣の客と同じ数字にも当然賭けることができる。だから楽しい雰囲気の中でプレイできるのだ。 
私の隣の中国人は強烈だった。強烈に掛けまくるのである。一つの数字に100ドル近く掛け、それを複数の数字に掛けまくるのだ。それが立て続けに当たった時があり、彼には数千ドルのチップが転がり込んでいた。そういう奴が一人いると、テーブルの空気は熱狂的になる。他のプレイヤーと掛け方が一桁違うのである。そいつの荒稼ぎに引っ張られ、自分も自分もと夢見た連中は大敗していた。
どのギャンブルもそうだが、ギャンブル好きの連中には2種類いる。負けてくると冷静な判断が失われ、掛け金を大きくしたり、一発逆転をねらうようになる連中だ。私は為替トレーダーをしていたが、トレードでも全く同じであった。負けを取り戻すために大勝負して、更に負けが込む展開を嫌というほど見てきた。
もう一つは、負けを冷静に納得してしまう連中だ。私はこの分類である。どういうことかというと、「この勝負で負けると大変だなー。でも、たまにカジノへ来たのだ。いいだろう」とか、冷静を装いつつ、自分で論理を組み立て、負けてもOKとのゴーサインを出してしまうのである。あのドストエフスキーはこのタイプであっただろう。彼は「負けている自分もなんだか気持良いではないか・・」などと言っているのである。「ここで負けるのも一つの経験だ」「こういう勝負で大負けすることも、人間の幅を広げる」・・・いろいろと無意味な解釈を自分でしてしまうのである。こういうタイプは危険である。
ギャンブル論はこのくらいにしよう。

実は凄いことがあったのだ。
そのカジノでルーレットに疲れた私は、気晴らしにスロットマシーンをやることにした。カジノのスロットはコイン1枚=1ドルが普通で、3枚で掛けると1回3ドルなので、すぐに100ドルくらいなくなってしまう。日本のスロットとは全然異なるものだ。私はある台に座り、100ドル札を入れようとしたが、なぜか100ドル札を機械が受け付けないで、戻されてしまう。何回やってもダメなので、仕方なくその台の隣の台へ移動した。同じ100ドル札をその機械は嘘のようにスムーズに受け入れた。20回転くらいさせ、無意味に60ドルくらいをあっという間に失って、「やはりスロットは儲からないし、つまんねー」と思った矢先、私のスロットマシーンが大きな音を立てた。そして機械は止まってしまった。別に画面では777とか揃っているわけではないが、5JACK5のような、なんとなく良さげな並びが止まっていた。そして次の瞬間、画面に3000ドルが表示された!!!
なんだか知らないけれど3千ドルも当たってしまったのだ。ちなみに555だったら、2百万ドルだった!!!
すぐにカジノの店員がやってきて、「おめでと!!」とか言ってくれる。そして事務手続きが始まる。運転免許証を提示した後、ソーシャルセキュリティー番号を聞かれた。しかし、私の記憶は、この番号をすっかり忘れていた。説明を受けたところ、ソーシャルセキュリティー番号がないと、旅行者の扱いになり、なんと30%以上も税金を取られるというのだ。つまり1千ドル近く減ってしまうのだ。冗談じゃない!しかし、妻は日本へ向かう飛行機の中で連絡も取れない。なんてことだ!しかし大丈夫だった。今日は現金を受け取りはできないが、後日引換券とともに再びカジノへ訪れ、その際にソーシャルセキュリティー番号を伝えれば、税金はゼロということだった。
というわけで、私にはまたカジノへ行かねばならない理由、大義名分ができたのである。
ということで、またレポートしたい。

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事