不あがり

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エッセイ 『剣』という名の物語。

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『剣』という名の物語。一寸先は読めない。そしてその間合いが命を左右する。
 
その昔テレビで『剣』という名のテレビが放送されていた。
一話完結である。一話毎に剣にまつわる話であった。
もう誰が演じていたのかも覚えていない。
しかしその物語は覚えている。
 
戦国時代も終わり、世の中が平和になる。
 
しかし武士はその剣を使って生きている。
その使い道が無くなると生死に関わる。
 
そして武者修行をして各地を回る事になる。
ある町で出遭った男と目が遭う。
それだけで斬り合いが始まる。
 
そして一太刀二太刀と刀を合わせるが勝負がつかない。
そこへその騒ぎを聞きつけ人が集まって来る。
 
この二人は武士である。
周りを巻き込むわけには行かない。
斬り合いの中で後日あらためてという約束をする。
 
このあたりが武士である。
刀を納める。日時を決めて別れる。
 
一人の武士がその展開を振り返る。
五分五分に見えた戦いであったが。
お互い剣豪である。その展開が読める。
 
どう考えても立ち回りの中で己が斬られる事が判る。
刀の長さが少し長いのである。
この勝負に勝つには刀を少し切り詰めるしかないと気づく。
しかしそれを相手に気づかれれば間合いを詰められる。
 
そこで近くにいた。年老いた僧に頼む。
僧は何も言わずに引き受ける。
そして暫く経つと。刀を持ってきてくれた。
 
その僧に礼を言い。鞘から刀を抜くと。
頼んだ長さより短い。驚き狼狽する。
 
するとその僧が。
『貴方の間合いではこの長さで無いと斬られます』
 
その言葉に驚き僧を問いただそうとすると。
その眼が鋭い。僧はこの男が昔憧れた剣豪であった。
しかし人を殺生する虚しさに僧侶となったと聞く。
 
そして勝負の日が来る。そして始まる。
一太刀二太刀と刀を交わしていく。
 
そして何度か刀を合わせたあと
内側に踏み込み刀を振りぬいた。
間一髪をおいて振り下ろされた刀をよけた。
 
その時、
『刀を詰めたな』と言って、相手が絶命する。
 
その間合いを読んだ刀の詰め方であった。
 
一寸先は読めないという言葉があるが。
その何寸かを切り詰め。相手の動きを読んだのである。
しかしそれは今回の勝負だけに通用するものである。
明日の戦いには通じない。
 
この後、男はその武者修行を続けるのか。
それは判らない。
人はこの男に限らず危うい所で生きている。
その一寸先が命取りなる。
 
 
 
 

閉じる コメント(15)

切るか、切られるか、ストーリーも凄いですが不あがりさんの表現力に、鬼気迫った迫力を感じました。
歴史を振り返るならばこのように一時勝負預かりとなった後で再び勝負を挑むのは往々にしたあったことと思います。潔さを己の信条とする武士にとっても果し合いでの勝ち負けは生死に関わることです。

しかしながらこのとき正々堂々と剣を交え、切られたほうにも公平に武士の名誉は与えられたはずです。武士道とはそのようなものを言うのではないでしょうか?
私の価値観では刀の切り詰めは卑怯にはならないと思いますが、この僧の手助けは大きく、一方で仏に仕える身で…という倫理観も感じました。きょうもいいお話を聞かせて頂きありがとうございます。MN

2013/9/16(月) 午前 8:49 横町利郎

PS:本日は二度目になりますが新渡戸稲造の「武士道」を関連記事としてトラックバックをさせて頂きたいと思いますので宜しくお願い致します。

2013/9/16(月) 午前 8:50 横町利郎

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ミック様へ
大昔の物語ですので記憶を頼りの話です。ミック様は流石です。そこまで読みますか。私は読みきれませんでした。おそらく僧から見ても勝負は明らかだった。そして負ける男に加担した事になります。僧はその長い人生で負ける事が無かった。そして人を斬り殺す事の無常を感じての出家かと思います。本来負けてしまうであろう者を救う事で己の気持ちを少し救う。それによりこの助けられた男がこれ以上殺生を続ける事が無い事を望んだのではないでしょうか。ですから自分の素性も明かす。これは私の勝手な想像ですが。この侍は刀を捨てたのではと考えたいです。ナイス&コメント有難うございます。

2013/9/16(月) 午前 9:27 不あがり

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ミック様へ
トラックバック有難うございます。
読ませて頂きます。感謝しております。
有難うございます。

2013/9/16(月) 午前 9:28 不あがり

不あがりさんの、切った侍への考察を拝読し流石と思いました。
自分と同じ境遇を悟らせる…確かにこの僧にはそんな意図があったのかも知れません。
余談ですが、この切った男が仏門に入るならば、ストーリー展開としてこの話の後に切られた相手の遺族の敵討ちを持ってきて、菊池寛の「恩讐の彼方に」風に導くのも一考と思いました。
自作エッセイ「怨讐を恩讐に変えたい私」をトラックバックをさせて頂きたいと思いますので宜しくお願い致します。

2013/9/16(月) 午前 9:36 横町利郎

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今日は!
今日目が覚めて吃驚!
台風が大変な勢力で災害をまきちらしながらそちらに向かっています。
まさに一寸先は闇、気をつけてください。

所で、この剣と言う物語、実に面白いです。
間合いを上手く剣で表現していますね。
剣が自分に当たらなければ絶対死ぬ事がないのですから間合いは大事ですよね。
そして今回通じたが次回は分らない!
成程と思います。
ナイス!

2013/9/16(月) 午前 10:00 [ pada ]

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ミック様へ
なるほど。武士であるなら敵討ちがありますよね。認められた行為です。それに繋がります。仰る通りです。仏門に入ってもその人を殺したという事はたとえ武士であるために行った行為であっても、人を殺した事は死ぬまで残ります。そしていつ殺されても良いと考えなくてはなりません。これは武士道であっても人として許されない行為でもある訳ですね。これを突き詰めると奥が深いですね。トラックバック有難うございます。

2013/9/16(月) 午前 10:00 不あがり

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pada様へ
今こちらは凄い事になっています。外が雨と風でちょいと怖いです。どうかお手柔らかにと願っています(笑)。
所で、pada様はこの物語覚えておられませんか。テレビが始まってそれ程経っていない時期に作られた物だった記憶があります。4〜50年以上前に放送されたと思います。
この間合いをテーマにして描かれる。その斬り遭いのシーンは少ないのです。しかし男が盛んに振り返るのです。どう考えても自分が斬られる所しか浮かばない。そして一か八かで刀を詰める事を考える。それに懸ける。しかしそれを頼まれた僧はより短くして来る。それはこの男がまだそこまで読めていない事になります。このあたりの描き方が上手い。そしてこの手は二度と使えない。おそらくですが。ナイス&コメント有難うございます。

2013/9/16(月) 午前 10:15 不あがり

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いつこ様へ
いつもナイスを頂き感謝しております。
嬉しいです。有難うございます。

2013/9/16(月) 午前 10:16 不あがり

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不あがりさん
こちらは幸い被害もなく無事過ぎ去ってくれました。
武道にとって間合いは大事ですね。得に相手との間の探り
あいですが流石に剣豪は切り合いながら間合いを推しはかる
のですね。一寸先は読めませんが読み過ぎると策におぼれる
心配もありますね。

2013/9/16(月) 午後 8:40 [ ことじ ]

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ことじ様へ
こちらもおそらくそれ程の被害は無かったようです。あくまで私の近くの話ですが。外へ出ていないので判りません。しかしその風と雨の音が凄かったです。
所で、この間合いはホント重要かと思います。力のある剣豪はおそらく刀を構えた時に相手の力が判ります。しかしこの戦いは拮抗していたのだと思います。とは言っても、刀を合わせるとその力が判る。そしてそれを見ていた僧には歴然としていたと思われます。その流れの中で斬られる者が判る。その流れを変えるには間合いを詰める。そのために刀を詰める。この勝負はお互い拮抗している者同士であるから、相手は斬られるまでその刀を詰めた事が判らなかった。おそらく彼のイメージではどの太刀で斬り殺すか見えていた。それを詰められた事により斬られるのが己となる。考えると怖いです。正に一寸先は見えないとなります。有難うございます。

2013/9/17(火) 午前 3:41 不あがり

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木刀でなく真剣の寸を詰める、ってのが気になって、刀鍛冶や拵え師などの仕事をあれこれ想像してしまいました。バカチンな我っちです。
自分の刀を寸詰めにしてこそ、間合いってのは解るんですね。すごい世界です。

2013/9/17(火) 午後 10:58 [ 海比古 ]

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私は背が低いから 間合いを詰めて 相手にヒットポイントを与えません。
背の低い者同士の戦いは ケンケン相撲のようになります。

武器を持たない試合は 後ろ回し蹴りが有効なことがわかりました。

真剣対素手ならばどう戦うかな。やっぱり白刃取りから行きますか!
いやいや、体当たりからですな。転ばせて 頭かち割るか 首を狙います。

2013/9/18(水) 午前 2:09 [ 茶キチ ]

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海比古様へ
流石です。鋭い事を仰る。その事には頭が行きませんでした。おそらくこの脚本を書いた方もそこまで考えが及ばなかったかと思います。しかし物語と考えるとかなり面白い話となります。この一寸か二寸の違いがその間合いを変える。恐ろしい世界となります。有難うございます。

2013/9/18(水) 午前 4:33 不あがり

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茶キチ様へ
茶キチ様は本格的ですね。私はボクシングでしたから、その相手が小さいとそれだけで余裕が出たものです。来ると判った所で手を伸ばす。それだけで相手の動きを止められるからです。リーチの長さをたえず考えたものです。その距離感が私には全てでした。人と話すときはその事がどんな人であれ、気になったものです。私は昔、空手の男と戦った事があります。その時、『足を使ったらひとたまりも無い。俺が負けるに決まっている。手だけで勝負しよう』と言いました。すると相手も有段者です。それに応じてくれました。結果は私は左手のみで戦いましたが。圧勝でした。真剣とのやり取りは、これはその距離から外れる事です。そして走って逃げる。私はそれしか考えません(笑)。有難うございます。

2013/9/18(水) 午前 4:51 不あがり

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