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今ふと思い出したのであるが。淡い思いは・・
30数年前、私の親友の結婚式に呼ばれ忙しい中を出席して。
これほど人生で幸せを感じる時間はあるのかと
感じながら二次会にも出席した。
そこで呼ばれたのが
横浜の関内駅近くの馬車道辺りの店に案内された。
着物姿の美しい女性が外に立って我々を待っていた。
実際明るい所でも綺麗であった。
赤坂屋という店である。
数十年後、
このあたりを根城にしていた
同僚に聞くと有名な店だという。
本当の所は判らない。
カウンターにボックス席があった。
私たちはそのボックス席に座った。
そこで呑めない酒を飲む。
確かビールだったが。
そのコップが小さい。
縦長の小さなグラスであった。
それがやけに頭に残っている。
こんな小さなコップで
ビールを呑むものか?と思ったからだ。
皆酔いが回っていた。私は酔わなかった。
何故ならこの着物を着たホステスが飛び切り美人であり。
私の好みであったからだ。
どうして親友がこの店を知っているのかと聞くと。
親友の妹の名前を出し。
『〜とは高校からの付き合いで・・』
これは俺に目があるかもと勝手に思った。
それが何故そう思ったのか。
未だに判らない(笑)。
とにかく
この子と話していたい。
男丸出しであった。
そして時間が過ぎる。
すると
『今度遊びに来て頂けます』と
これも可愛い名詞を出した。
『ああ、はい』と口ごもりながら受け取った。
そしてこう言った
『ここは高くないんですよ。
カウンターが1万でボックスが3万ですから・・』
それを聞いて
私の淡い思いはシャボンの泡のように消えた。
当時、私の給料が手取り12万弱であった。
その話を数年前、親友と奥様に話した。
『お前、よく覚えているなあ。そんな店に行ったか?』
奥様はその横から
『そんな馬鹿げた店、行くことないですよ』
おそらく二人は
この店の事を全く憶えていないようだった。
私はこのホステスから貰った名刺を
未だに大事に持っている・・
そんな事は口が裂けても言えなかった。
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昔の小話を筆力で立派なエッセイに仕立てる。これは並大抵のことではありません。不あがりさんは読者の心を捉える術を知っています。
細長いグラスは臨場感を高める大きなポイントになっています。
これと似たような話は私にもありますがこのような素晴らしいエッセイにはできません。
これは主観視に走らず、読者サイドの視点に立っている所以であり、痒いところに手が届いている証であります。
文士とはかくありたい。いい見本を表して頂きました。本当に恐れ入りました。きょうも勉強させて頂きました。ありがとうございます。MN
2013/10/9(水) 午前 4:17
美しい思い出は誰でも一つ、二つと持っているものだと思います。
お目にかかることはなかったかもしれませんが、
一瞬の恋というのでしょうね。
2013/10/9(水) 午前 5:16 [ キアラ ]
ミック様へ
いつもやさしいコメント有難うございます。この話は急に思い出したのです。実はこの女の子の顔はもう頭の彼方となり思い出せません。場所もおそらくあの辺りという感じです。時たま思い出すのです。グラスにしても何であんなグラスだったのだろうとか。そして笑ってしまうのは、この店に招待した二人が全く憶えていない。そんな物なのかという感じです。人の結婚式に出てその当事者よりその事を憶えている不思議。人間の記憶というのは面白いものです。いつもミック様に助けられております。ナイス&コメント有難うございます。
2013/10/9(水) 午前 5:18
キアラ様へ
自分で書いていて読み返すと恥ずかしい。もう顔も思い出せません。ただ綺麗だったという記憶だけです。ホント一瞬の恋ですね(笑)。今こうやって書いていて、顔が赤くなっています。男って情け無いです。有難うございます。
2013/10/9(水) 午前 5:23
おはようございます。
一目で恋に落ちる、そんな瞬間は誰にでも有りますね。しかし、なぜか、そうした子との恋はうまくいかない(笑)。この歳になると、そうした恋が妙に懐かしく感じるときがあります。人生の経験を積んだ、今の自分がタイムスリップしたら、きっと上手くいくだろうに…そんな事を時々夢想します。
2013/10/9(水) 午前 8:29 [ ひがにゃん ]
ひがにゃん様へ
私は惚れっぽい男ですから。その立ち姿で私は落とされています(笑)。そして店の中に入ってやはり綺麗で可愛い。どこを見ても良く見える。怖いです。男は。そして情けない。当時、もう少し稼いでいたら私の住んでいる駅を通り越して会社から通っていたかも知れません。そして今頃、その振られた話をしているのでしょうね。どこまで行っても私の場合は同じです(笑)。有難うございます。
2013/10/9(水) 午前 8:51
ちょっとした あこがれも 金勘定で 花と散る、お水の女は金次第。
こんなテイストの恋バナを聞くのは面白いですね!
貢ぐのは 真心ですよ!
2013/10/9(水) 午前 10:01 [ 茶キチ ]
茶キチ様へ
このあたりが男の情け無い所でもあり。悲しい所です。判っていながら貢ぐ。私は金が無かったので無事でしたが。私、数十年経ってこの手の女性に貢いでいる男たちにどうせ叶わぬ恋だろう。何故貢ぐと言った所。『そんな事は判っている。しかし女も人間だ。何かの拍子でこちらに傾く可能性がある。限りなくゼロに近い。しかしそのほんの少しの可能性に賭ける。だから面白い。』と返されました。思わず参りましたと頭を下げました(笑)。有難うございます。
2013/10/9(水) 午前 10:31
不あがりさん
こういった経験男ならだれでもあると思います。
ここで通いづめるかどうかの違いだと思います。
若くて手持ちのお金に余裕があれば夢中になるのも
それはそれで良いのかもしれません。
苦い思い出になるかもしれません。この頃になって
笑い話にできるのがほどほどで良いかも知れません。
2013/10/9(水) 午後 10:12 [ ことじ ]
ことじ様へ
すみません。書く事が無かったのでこんな記事で。読み返すとホント恥ずかしいです。金が無くてある意味助かったのでしょうね(笑)。仰るとおりで今笑い話に出来るから良いのかも知れません。有難うございます。
2013/10/9(水) 午後 10:56
おはようございます。
たまたま行った居酒屋なんですが、何だか妙に印象深く未だに記憶に
残っている人がいますね。
若い、おばちゃんは関係無く!美人?でも無いですがこれ美味しいよの一言が未だに記憶に残っています。
勿論嫌な事も残ります(笑)
ナイス
2013/10/10(木) 午前 7:26 [ pada ]
pada様へ
人の記憶とは面白いものですね。何十年も前の事を急に思い出す。何の脈絡も無く。この名詞はちゃんと持っていますよ(笑)。ただ頭を結い上げた所とか。着物であるとか。このとんでもない金額だとか。小さなグラスだとかは憶えているのです。顔がもう思い出せません。もっと笑ってしまうのは招待した当事者が殆ど覚えていない。驚きましたよ。ナイス&コメント有難うございます。
2013/10/10(木) 午前 7:59
今晩は。
馬車道とは懐かしい地名が出て来ました。
私は伊勢佐木町あたりをウロウロすることが多く、馬車道のお店はあまり知りません。
二口くらいで飲み干してしまえるようなグラスでしょうか。
不あがりさんの淡い思い出・・・・・
でもああいう所は金の切れ目が縁の切れ目。
男の人は解っていてものめり込むんでしょうね。
2013/10/10(木) 午後 8:16 [ - ]
nii様へ
私は浜っ子でありながら、このあたり詳しくないのです。
ですから当時、こんな店があるのかと驚いたものです。尚且つ、こんな店を知っていた親友はどんな生活をしていたのかと驚いていたのですが。数年前、↑二人に聞いた時、殆ど覚えていない。それにまた驚いたものです。
グラスはそんな大きさです。これにビールかよと思ったものです。私は幸か不幸か金がない。お陰でのめり込みませんでしたが。金があっても今回と同じようなコメントになっていたと思います(笑)。ナイス&コメント有難うございます。
2013/10/10(木) 午後 8:32