|
この物語は
小説、『一夜を切り売りする女』の続きとなっております。最初からお読み頂けると。この二人の経緯が判ります。お時間がありましたらお読み頂けると幸いです。
有難うございます。
カツカレー
男は12月の予定表を見て。
頭をかかえていた。
『参ったな』
『気を利かせたつもりかよ』とポツリと呟いた。
それは毎年、年末年始になると。
この男は休む間も無く仕事する筈であったが。
暦どおりのスケジュールとなり。
尚且つ、年末年始に仕事は無くなっていた。
女が
『良いじゃない。二人でいる時間が増えた訳だし』
『だけどよ。生活はどうするんだよ』
『俺は日雇いだぜ』
『飢え死にするぜ。このままだと・・』
『私が何とかするから大丈夫よ・・』
『それは拙いだろう』
『何で!?』
『何でって、それは君が稼いだ金だ』
『俺が食わせて貰う訳には行かないよ』
『何それ!セクハラよ』
『どういう意味だ』
『だってそうでしょ。私たち夫婦よ』
『だから?』
『だからさ、私の働いた分で生活すれば・・』
『それで良いでしょう』
『それヒモになるぜ』
『だから、それが差別よ』
『あのね。雇用機会均等法ってあるの』
『男女同権でしょ』
『・・・』
『聞いている!?』
『私が働いた金を生活費に当てて何処が悪いの』
『ねえ、答えてよ』
『・・君の言う通りだな。ゴメン』
『でも、何か気がひけるんだよな』
『気が引ける事無いでしょ』
『わかった』
『所で君は今月どうなっている?』
『ジャーン!暦どおり』
『じゃあ、ダメだろう』
『物は考えようよ』
『二人で稼いだ金があれば十分でしょ』
『楽しく暮そうよ。ねっ!』
『クリスマスも一緒にさ』
『ああ、そういえば、君はクリスチャンだよな』
『分かった。二人で楽しく過ごそう』
『そういえば』
『クリスマスも正月も』
『一緒になってから無かったよね』
『ああ、確かに』
『俺たちの節目の年になるかも知れないな』
『ああ、何か腹減ってきた』
『カツカレー食べたくなった』
『ああ、私も』と女が笑った。
『美味くて安い所があるんだ』
『何!それ?』
『俺は長い事、外食生活だぜ』
『じゃあ、行くか』と立ち上がった。
『遠いの?』
『いや電車で二駅さ』
『そこならいつものトンカツ屋の独り分で』
『二人腹いっぱい食べられる』
『ホント!じゃあ、私が奢るよ(笑)』
『ああ、有難う。コーヒー代は俺が出す』
と笑った。
|
小説。一夜を切り売りする女。
[ リスト ]





あさの川柳を読んだときから
今日はこの夫婦の登場を予感しておりました。
いつも相手のことを思いやり
仲良し夫婦ですよね。
2017/12/28(木) 午後 1:00 [ つや姫日記 ]
つや姫日記様へ
ああ!そうですか(笑)。そういうつもりは無かったのですが。あまりにも厳しい現実の世界です。前々からこの二人の話は書きたかったのです。本当はこのカレー屋での出来事を書こうと頭の中を廻っていたのですが。書いているとそこへ到達しない(笑)。この二人良いですよね。それにしてもこの女は凄い。いつも前向きですよね。どんな時でも決して動じない。いつも感謝しております。有難うございます。
2017/12/28(木) 午後 1:08
午後5時42分様へ
有難いお言葉に感謝しております。私はこの二人好きです。特にこの女が好きです。どんな時でもホント動じない。それにしても、この二人は自分で書いていながら羨ましいと思っております(笑)。いつも感謝しております。有難うございます。
2017/12/28(木) 午後 5:59
男女の心温まる会話が読者の心を捉えます。豪華さを感じる洋食カツカレーは私も好物ゆえ、興味深いものを感じました。
2017/12/28(木) 午後 8:04
ミック様へ
これ本当はこの女の食いっぷりの良さを書くつもりでいたのです。そしてカツカレー屋の中での話を。ずっとそれが頭の中を廻っておりました。いざ書き出すとどうやってもカツカレーに辿り着きませんでした。物語を書くって不思議です。でもこの二人は私にはホント魅力的な存在となります。特に女はどんな状況になっても動じない。いつも感謝しております。有難うございます。
2017/12/29(金) 午前 4:37