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ヒチコック劇場。腹話術師(仮題)。
この題名を仮題と書いたのには訳がある。
私はこれを観ておりません。
お袋が小さい私を脅かそうとして話したものです。
これが意外と面白い。
そして物語は。
テレビなどがまだ盛んになる前の事である。
人は娯楽として劇場に通ったりしていた。
その中に腹話術があった。
舞台の上に男が座って人形を動かすやつである。
それは人気があった。
とにかく
その腹話術師が男前であった。
その男に一人の女が夢中になる。
楽屋に行っても決して会ってくれなかった。
それでもこの女は諦めなかった。
手紙を送ったのである。
それに対して丁寧な返事が来る。
女は余計に会いたくなる。
お会いしたいと手紙を送ると。
『本当に有難いお言葉を頂き嬉しく思っております』
『実は私には体に障害があり』
『あなたは必ず後悔する・・』と書かれていた。
しかし
女は益々夢中になった。
そしてある時。
厳重な楽屋の入り口をすり抜け。
男の部屋を開ける。
そこに憧れの男が座っている。
喜びのあまり。後ろから。
思わず声をかけて肩にそっと触れた。
その時、男の首がコトリと落ちた。
唖然として声も出ない。
すると
いつも男の膝の上に乗っている
小さな男が。
『だから後悔すると申し上げたのです』と
その転がった男の首を元に戻した。
注・最後のオチ以外は私が勝手に作りました。
でもこの放送が観てみたかった。どうやって撮ったのか。
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