不あがり

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不可思議な小説

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アレッ!?

アレッ!?                超短編小説です。

今、何時だと時計を見た。
0時を回っている。
一服するかと。
席を立った。

高層階から見る夜景は美しい。
でも、これって皆仕事をしているって事だよな。

そんな事を考えながら
タバコに火を点けると。

『おい、外で吸ってくれ』

『煩せえな』
『一本ぐらい良いじゃねえか』と
窓ガラスに煙を吹きかける。

一瞬、夜景が幻想的に見える。

そしてガラスを通して。

俺の疲れた顔が見える。

確か大型連休とか聞いているが。

それは、よその国の話かと吹き出す。

煙で外はまた幻想的になる。

その繰り返しで。
また席に戻る。


『いつになったら』
『この仕事が終わるのかな』

『お前が死ぬ時までさ』と隣の奴が言った。

『確かにそうかも知れない』
『今日で何日目だ』

『もうそんな事覚えていない』と笑った。


それから何日か経った。
気がつくと。夜となっていた。

また一服と窓の前に立った。


何時もと変わらぬ綺麗な夜景である。

何時もよりハッキリ見える。

何かが違う。

やけにクリアである。

何も妨げるものが無い。

『アレッ!?』

『俺が映っていない』




夢の中

夢の中

ある日、
これは夢であると気付く。

私の前を女が素知らぬ顔をして通り過ぎる。
いつもは私も気付かぬ振りをしていた。

今日は追った。
そして追いつき手を握った。

すると女がいきなり唇を合わせて来た。
それに夢中で応じたが。

これは夢だとやはり気付いて目を覚ました。
すると周りがやけに騒がしい。

アレッ!?
と周りを見回そうとすると。

私の唇を放した女が。
『続き!』と言って。
唇を合わせた。

すると元いた場所に戻った。
そして『夢だけど、現実よ』
と女が唇を離して言った。

エッ!?という間も無く、
また女は唇を合わせた。

お互い夢中である。
これが現実か。

いやそんな事はどうでも良い。
周りの事もどうでも良い。

一頻り貪るように唇を合わせていた女が。

『あなた!』
『やっと私を追いかけてくれたわね』

『今まで何よ!私を無視し続けて』
と怒るように言った。

そして
『あなたは私の事好きじゃ無かったの?』
『いや、もちろん好きだよ』

『嘘!』
『だったら何でもっと早く追って来なかったの』
と私の事を責めた。

『あなたはいつもそう』
『周りばかり気にして』


『私を奪うという気持ちが無い』

『いや、だけどね』
『だけどじゃない』

『その気持ちがあなたには欠けている』
『だって君は社長の女だろう』

『だから何よ』
『社長の女だから遠慮したの』

『何で私を奪おうとしなかったの』


『あなたは女の気持ちが分かっていない』
と泣きじゃくった。

『悪かった。俺が悪かった』と体を強く抱きしめた。

すると
『何であの時』
『こうして抱いてくれなかったの』
とまた泣いた。

『悪い、あの時は手が出せなかった』
『意気地なし』となじった。

『もっと強く抱いて』と言って
また激しく唇を合わせて来た。

それに応じると。
もう周りの事は気になら無くなった。
そして愛し合う。

夢の中である。
これが何処なのか。
いったいどういう状況なのかも分からない。


そして、
女が
『このまま一緒にならない?』
『もちろんだよ』と笑った。


すると先ほどから
鳴り続けた心肺停止の
警報ボタンのスゥイッチを看護師が切った。

男の顔は最初は苦しそうであったが。
今は微笑んで見える。


骨を納める

この物語は『墓参り』の続きとなっております。
お読み頂ければ幸いです。有難うございます。


骨を納める

奴は呼ばれたのか。
それから一週間も経たない内に死んだ。

んだ場所は。
女の墓の前でカンチュウハイを握り
栓も開けずに。

それを握り締め拝むような格好で
蹲っていたのを発見された。

墓の上には
やはり一缶のカンチュウハイが
置かれていた。

これは警察の方から緊急連絡先である
私の所に連絡があり聞いた話である。

その顔は傷ひとつ無く眠るような顔であった。
これには警察の方が驚いていたのであるが。

虫や蚊に刺された傷痕一つ無かったそうである。
それに関してはもしかして他で亡くなられて
運ばれたのかとまで思ったそうである。

警察ではそこまで調べたが。
その形跡は全く無い。
誰かに守られているようだった。
こんな事があるのかと驚かれていた。

死因は熱中症で事件性は
一切無いとの事で私が遺体を引き取り。

奴の遺言通り。
葬式は行わなかった。
何事も無かったようにして欲しいと
いうのが奴の願いであり。
骨は私が撒く事になっていた。

それから数日後の事である。
家内が〜さんって方から電話という事で出ると。

『私は〜という者で。〜〜子の母親でございます』
『先日、貴方様のお知り会いである』

『〜様が亡くなられたとお聞きしまして』
『お電話を差し上げました』

それを聞いて私は。
『何でその事を』
『警察の方からも』

『一応私の〜子の墓の前で亡くなられたと』
『いう事でお調べが来ました』

『ああ、そういう事ですか』
『それは、それはご丁寧に』

『つきましては、大変恐縮な事をお尋ねしますが』
『納骨はどうなさるお積りですか』

『これは奴の遺言通り散骨するつもりでおります』
『ああ、そうでございますか』

『大変恐縮ですが』
『そのお骨を私どもの』

『〜子の墓にお納め頂けませんでしょうか』
『はい!?』

『無理なお願いと思いますが』
『何卒宜しくお願いします』

この母親はおそらく80歳を
越えておられる方であるが。
涙ながらの訴えであった。

『大変恐縮ですが』
『私の電話番号を何方からお知りになりました?』

『それがですね』
『信じて貰えるかどうか分かりませんが』

『〜子からです』
『正確には〜様からお教え頂きました』

『〜子が夢枕に立ちまして・・』と聞いた所で。
言葉が出なくなり。

『あの〜お母様、大変恐縮ですが』
『そちらにお訪ねして』
『詳しくお話をお聞きできませんか』という事になり。

数日後、家内を伴って訪ねる事となった。

電話を切る前にお願いされた事が。
奴の写真を持って行く事であった。


奴の家の駅からはタクシーで20分程の所であった。
車を降り道なりに細い道を抜けると
突き当たりの家であった。

ご家族はご主人は亡くなられ
お一人で住まわれていた。

玄関を開けると。

小柄で

遠く昔の事が蘇るような気がした。

奴が惚れた女の面影がある。

丁寧に挨拶をして上がる。

『初めまして』
『先日はお電話頂き有難うございます』

『こちらこそ突然のお電話で』
『本当に申し訳なく思っております』

『早速ですが。お嬢様が夢枕に立たれたとの事ですが』『そうなんですよ。信じられない事ですが』

『娘が夢に出て来る事はありますが』
『まさかと思いました』

『あの調子ですから』
『私とは馬が合わなかったのですが』

『先日は今までの娘とは思えないほど』
『憑き物が取れたというのでしょうか』

『素直に私に頭を下げて謝ったのです』
『一つお願いがありましてとなり』

『〜様の骨を私の墓に』
『一緒に納めてくれないか』

と丁寧に頭を下げるのです』
『お前ね、散々好き勝手に生きて』

『あげくの果てに自殺して』
『今度はなんだい!その物言いは』

『とその時、現れたのが』
『〜様でして』

『実は私はこの方は電話でお話しているのです』
『声だけは知っております』

『ただお顔を拝見する事は無かったのです』

差し出した昔の奴の写真を見て。

『ああ!この方です!』と涙を流した。



『いえね。私はこの方は』
『電話でのやり取りを知っておりましたから』

『この人ならと思っていたのです』
『〜子が少しばかりいい気になっていたために』

『この方を袖にして』
『良いように。男に弄ばれて』
『最後は自殺でした』

『だから怒ったのですよ』

『お前、それは勝手過ぎやしないかと』
『すると〜様が割って入り』

『お母様、それはもう昔の事です』
『お嬢様も深く反省しております』 

『どうか何卒お許し頂いて』
『〜様と私を一緒にして頂けないかと』

『丁寧に頭をお下げになり』
『もちろん、〜子も人が変わったように頭を下げました』

『そして貴方様のお名前と電話番号を・・』と
言って深々と頭を下げて泣き出した。

『どうぞ頭をお上げになってください』と
私は涙を抑えた。

『この男にとって』
『最高の幕引きとなったと思います』
『叶えて頂き感謝しております』
『どうか、何卒宜しくお願いします』

と頭を下げた。
それに続いて家内も頭を下げた。

すると
『〜子も長い寄り道をしておりましたが』
『これで成仏出来ると思います』
と深々と頭を下げて泣いた。


墓参り

この物語は『久しぶりに会う』の続きとなります。
お読み頂ければ幸いです。


墓参り

7月の雨が上がった頃、
私は奴の家を訪ねた。
何の連絡もせず。

やはり、居ないかと。
来た道を遡って歩いていると。
奴が向こうから歩いて来る。
夕日を背に浴びて。

『おお!お前何してる!』と奴が言った。

『今お前の所を訪ねた所だ』
『お前こそ、このクソ暑い中、どこへ行っていた』

『墓参り』と赤い顔をして言った。

『おお!親父さんとお袋さん、喜んでいたろう』
『バカ言ってんじゃねえ』

『あんな所誰が行く』
『女の所さ』と笑った。

『誰だ!?それ!?』
『お前、それは無いだろう』

『お前が遭った女だよ』
『何だ!それ!』

『お前は冷たい男だな』
『!?』

『覚えてないのか』
『数年前の事を』

『恐ろしい事、言うな!』
『何が恐ろしい』

『まあ、良いや』
『俺んちで少し休んで行けよ』

『折角来たんだから』と
来た道を折り返した。


『お前、酒飲んでんのか』
『顔が赤いぞ』

『バカ言え。俺は下戸だ』
『日焼けしたようだ』と笑った。

奴の家に戻る前にコンビニにより。
酒とツマミを買ったというより。
奴が買ってくれた。


家のドアを開けると。
ムッとするような暑さと空気である。
その顔を見て。


『悪い、独り者なんでな』笑い。

エアコンを入れた。

そして空気を入れ換えるために窓を開けた。


ようやく人の空気が吸える環境になった。



『所でよ』
『俺が遭ったって女』

『あの女か?』
『ああ、あの女だ』

『〜子っていう名だ』
『お前にとっては』

『ただの俺の知り合いの女かも知れないが』
『俺にとっては掛け替えのない女だ』

『お前のお陰でよ』
『居場所が分かった』
『有難うな』と笑った。


『でもよ。もう死んだ女だぞ』

『そんな事は構わない』

『人を愛するってのは』

『生きた死んだは関係無いだろう』

『死んだから次の女に乗り換える』

『それは失礼な話だろう』

『まあ、そうだけどよ』

『それはともかく、まあ飲めよ』と酒を出した。

『氷いるか』
『いや冷えているからいらない』

『まあ、あの女にとって』
『俺は忘れられた男だけどよ』

『でもよ、今はいつでも会いに行ける』
『それも近くだぜ』

『こんな有難い事は無い』
『生きていれば』
『俺はストーカーだよな』と笑い。


『今日はよ』

『体を洗ってやった』
『俺を思い出して来てくれれば良いんだが』

『お前が来た時、俺の家に現れたのに』
『未だに俺の所には現れない』

『理不尽だよな』
『でもよ。お前に会うために』

『出て来たという事は』
『俺の居場所も知っていた事になるよな』

『心の片隅に俺の事があったからだと思ってる』
『それだけでも有難い』



『まあ、それでよ』

『墓石を洗って』
『線香を上げて』
『酒も置いて来た』

『俺と違って酒飲みだったからな』
『俺も付き合って』

『少し、カンチュウハイとかいうものを飲んだ』
『だから顔が赤いのかも知れない』

『あの女は幸せな女だな』と言うと。


『まあ、俺は一生独りだと思っていたが』
『お前のお陰で独りでは無くなった』

『有難うな』と
奴は少し涙を流した。





この物語の続きが
『骨を納める』となります。


お読み頂ければ幸いです。
有難うございます。


AIマンション


AIマンション                  小説です。

時代の流れというのは恐ろしく。
ありとあらゆるものが人工知能化された。

その中でも画期的であったのがAIマンションである。
全てにおいて完璧と思われた。

そしてその部屋ごとに。
執事、家政婦、妻、夫とタイプが分かれていた。

男は長い事独り暮しの男である。
もちろん妻タイプを迷わず選んだ。

その時の営業マンが
『長い目でみると・・』
『執事か家政婦タイプの方がお楽かと思います』
と言ったが。男は耳を貸さなかった。


そしてドアホーンを押すと。瞬時に
『あなた、お帰りなさい』とドアが開いた。

この響きが聞きたかった。
そして部屋に入ると。

『お疲れ様、お食事にしますか』
『それともお風呂が先?』

男は喜んで一日置きに食事と風呂を選択した。

料理といえば。これもまた絶品であった。

そして数ヶ月、夢のような生活が続いた。
しかしである。

完璧な妻であるが。抱けないのである。

久しぶりに、馴染みの女を抱いて帰った。

すると。
『あなた、どこへ行かれたの』
『いや別に人との付き合いだ』

『いや違う』
『何が?』

『女の匂いがします』と言われ。

『君は匂いを感じるのか』
『当たり前です』と冷たく言葉が返って来た。

『悪い、俺も男だから・・』
『ちょいと魔が差した』

『勘弁してくれ』
『悪い』と謝った。

しかし返事が無い。

『あれ!?』
『聞こえてる?』

『はい、でも悲しくて』
と涙ながらの声だった。

『悪い、もう二度としない』
『勘弁してくれ』とその場に土下座した。


『本当ですね』
『許してあげます』と
冷たく言葉が返って来た。


男はえらい事になったと考えた。
これで女が抱けなくなる。


翌日からいつもの通り、
妻は丁寧に応対してくれた。

しかし何かが違う。
そう考えながら数ヶ月が経った。

我慢出来ず、馴染みの女を抱いた。

その女に女房にばれるからと
石鹸で洗わずお湯だけで洗って貰った。

そして家に帰る。
『只今』
『お帰りなさい』とドアが開いた。

そしてドアがロックされた。

『あなた、私を裏切ったわね』
『いや、その〜我慢出来なくて・・』

『言い訳はいらないわ』
『いや、だって君は抱けないだろう』

『そんな事は分かっている事でしょ』

そして唸るような声ともつかない声がした。
それは鼓膜が破れるのではという程の響きであった。

『ああ、助けて・・』と言いながら。

ドアを開けようとするが完璧にロックされ。
尚且つ。完全防音である。

男はその場に倒れて逝った。

それから暫くして。
女の嗚咽の声で警察に電話が入った。

『夫を殺しました。私も死にます』

その声を最期に自ら電源を切った。


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