不あがり

只今、体調不良によりコメント欄を閉じておりますが。何かございましたら。ゲストブックにご連絡お願いします。

不可思議な小説

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全7ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]

[ 前のページ ]

愛しの電信柱

愛しの電信柱
 
 
男は毎日外へ出る時。
家を出て右に立っている
電信柱を右手で軽く叩き。
 
『行って来るぜ』と
愛おしいそうにして出かけて行った。
 
帰って来ると。
『今日も無事だった』と
今度は左手で電信柱を
軽く叩いて家に入る。
 
365日
雨が降っても雪が降っても
同じである。
その繰り返しで過ごしていた。
 
行きと帰りに叩かれる場所は
同じ高さであるが。
反対側となる。
 
仕舞いには殆んど同じ高さの所が
何となく色が変わって来ていた。
 
電信柱の両側の色が変わって
頬っぺたのようになって行った。
 
 
たまに時間があると。
『お前にはいずれお世話になる』
『天国に行く時にな』
『その時は頼むな』
と笑って出て行った。
 
その繰り返しで年は過ぎて行く。
その叩き方はより愛おしくなる。
 
しかし
ある時その左頬を叩いた男は
その右頬を叩く事は無かった。
 
それが何故だか判らない。
 
その天国への行く道は閉ざされたのか。
 
それは判らない。
 
男は帰る事は無かった。
 
それが
幸せな道を歩んだのか。
最悪の道を歩んだのか。
 
誰も知る事は無かった。
 
電信柱は
もちろん何も語ること無く。
いつものように立っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

便り

便り     (ミステリーというか不可思議な話です)。
 
 
 
110番に通報が入る。
それは
『知り合いの男がどうも自殺を考えているようだ。
その手紙を受け取った』
 
 
通報者は東京都在住で。
その相手が横浜という事で
所轄の人間がその家を訪れた。
 
ドアをノックするが。反応が無い。
そして人がいるとも思えなかった。
ドアを壊して入ろうとしたが。
 
通報者がこちらに向かっているとの事で
それを待った。
 
通報者は万一の時の緊急連絡先であり。
この家の鍵も持っていた。
 
そして慌てふためいた通報者が
息き咳を切って現れた。
鍵を借りてそのドアを開けると。
 
それはもぬけの殻であった。と言うより。
ここに住んでいる形跡が感じられなかった。
これには通報者が驚いた。
 
一年ぶりであったというが。
どう考えてもそんな時間ではない。
人のいた気配が無い。
 
事件性があるのではと科学捜査班を呼んだ。
 
 
その間通報者に聞いた。
 
彼はこの家の住人と大昔からの友人であり。
年に一度は少なくとも訪れているという。
 
それが解せなかった。
 
このマンションの住人に聞くと。
確かにその姿をこの20年近く見ていないという。
 
しかし郵便ポストにはその残留物すらない。
それは毎日その中を確認している様子が窺がえる。
 
しかしポストにはその指紋すら出なかった。
 
通報者によると年に一度。男とは顔を合わせる。
或いはその家に上がって話しをしているという事であるが。
その痕跡も無い。
 
通報者に送られた手紙を見ると
 
『世話になった。もう疲れた。これで終わりとしたい。
 
あとを頼む。この家はお前が受け取ってくれ。
 
それは弁護士に頼んである。詳しくは弁護士に当たってくれ。
 
頼む。世話になったな。有難う』
であった。
 
 
この弁護士に当たる。
 
すると確かに弁護士には連絡があり。
その男が万一の時は通報者である男に
財産全てを渡してくれと書面で書いていた事が判った。
しかしそれは20数年前である。
 
この男の姻戚関係を当たろうとしたが。
それはいなかった。
 
それまで
この男と通報者はどうやって連絡を取っていたのか。
手紙のやり取りである。
 
筆まめの男はかなりの手紙を送っていた。
しかし筆不精の通報者は一度も送り返していなかった。
 
その代わり電話或いはこの家を訪ねていた。
しかしこの20数年この家に人がいた形跡が無い。
 
 
電話回線はある。
そして通話料もちゃんと払われていたが。
通話履歴は無い。
つまり使用料が払われていた事になる。
 
そして電気ガス水道も引き落とされていた。
 
履歴を調べると。
それは少ないが確実に振りこまれており。
それでこの数十年を賄っている事が判る。
 
それについて弁護士に聞くが
20数年前に会ったきりで判らないという。
 
じゃ誰が払っていたかとなる。
それが判らない。
 
振込みは
その振込み銀行に規則的に振り込まれているが。
誰が振り込んだかがわからない。
 
銀行の防犯カメラも当たったが
これが何故か映っていない。
 
その時間の映像も調べたが映っていない。
 
住民票も調べたが。
全く移動したしたあとが無い。
 
まさかとは思ったが
この男の両親が眠る墓も調べたが。
骨壷は二つだけである。
 
交友関係を当たったが。
この通報者以外全く無い。
 
しかし何か物を食べていたであろうと
近所のコンビニや飲食店も当たった。
そんな男は知らないと言われる。
 
コンビニの防犯カメラも
見せてもらったが映っていない。
 
 
この送られた封書の筆跡は
通報者の所にあった大昔の筆跡と一致した。
 
そしてそこに貼られた切手の
消印により投函した場所まで特定出来た。
近くにある本局であった。
 
しかしそこでも答えは同じであった。
そのような男を見た記憶がないとの事である。
 
防犯カメラも見せて貰ったがやはり映っていない。
 
全く事件性がないといえば全く無い。
しかしこの不明の男性はどこにいてどこへ消えたのか。
 
封筒その他の解析が行われた。
封筒、手紙、それに使われたインクなどは
全て20数年以上前の物と判明した。
 
この送られて来た手紙に
指紋、DNAは残っていない。
 
大昔に送られた手紙には
その指紋とDNAを採取出来たが。
 
自宅内からは一切発見されていない。
これはどういう事なのか。
 
これが全く判らない。
 
おそらくこの指紋その他はこの男の物であると思われるが。
それを確認する事が出来ない。
 
ただ骨壷に僅かに残ったDNAは
残された物と同じである可能性が出て来た。
 
しかし
連絡が取れなくなった頃の物は
一切見つかっていない。
 
取引銀行にも当たったが答えは同じであった。
 
『確かに当行のお客様ではありますが。
大変失礼ながらお顔などは記憶に無い』
との事である。
 
これはどういう事なのか。
 
その存在が見えてこない。
通報者にどこで話したのか。
聞いてみたが。
 
その場所を示してくれるが。
その痕跡が無い。
 
ではその通話はいつかというと
ハッキリしないが。
 
おおよその日時を聞き。
確認するが通話履歴が無い
 
他に誰か話していないかと聞くと。
その通報者の妻が話している。
 
その妻もちゃんと話していると言っている。
 
これが判らない。
 
決して嘘を言っているようには思えない。
 
しかし
この男の存在が全く皆無となっている。  
 
事件性は無いと思われるが。
こんな事がある事自体が事件ではと頭を捻る。
 
万が一の可能性として指紋、DNAを使って
身元不明人の遺体を当たるが全くヒットしなかった。
 
そして謎だけが残った。
 
 
 
 
 

全7ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]

[ 前のページ ]


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事