不あがり

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小説。初めての帰省。

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ここで一息。この成り行き物語の舞台裏。初めての帰省。別バージョン。
 
私は初めて小説を書く。
無謀な賭けであった。
何か不思議な物を書いてみたかった。
 
そこで考えたのが。
自分の死を知らない男は
その死を知った時にどう反応するのか。
 
誰しも自分の死を自覚する者はいない。
 
そこで『初めての帰省』を書く事になる。
何の考えも無く。
 
 
冒頭主人公は
長いと思われる眠りから覚める。
そして初めての帰省を知り喜ぶ。
服にも拘りを持って準備する。
そして帰省へと向かう。
 
ようやく家に到着して驚く。
 
実は書いている私が驚いていた。
 
鍵を持っていない事に気づく。
これには私が焦る。
 
その時、主人公がアドリブを利かせた。
表札が違っている事に気づき。
外へ回る事をしてくれた。
 
そして外から自分の庭を覘く事になる。
 
そこでニャン子の登場となる。
これ単なる繋ぎであった。
 
そこへお喋りな男が話しかける。
 
主人公はその男に衝撃的な言葉を告げられる。
 
『アンタ死んでんだよ』。
 
ここで私が再度呆然とする。
話はこれで終わってしまう。
 
後は成り行きに任せるしかない。
 
流石にこのお喋りな男も言葉につまり。
『歩かないか』と告げるが。
 
じゃあ膝の上にいるニャン子はどうするという事になる。
 
そこでこの男が
『そのニャン子はアンタが思いだせば出てくる』。
 
このアドリブで歩く事に成功する。
 
駅へ向かうが。
主人公は呆然自失の状態である。
何を言っても上の空。
 
駅前のベンチに座っても何も耳に入って来ない。
そして主人公の吐いた言葉が
 
『俺は孤独だったが。死んでも孤独か』
 
『そんな事は無いぜ』
 
『アレを見ろ。お前さんを待っているのがいるぜ』
 
その先を見ると。女が立っている。
 
『今日は。お久しぶりです』
 
『私が見えるのか』
 
『はい』
 
号泣する。
 
『泣かなくて良いの』
と慰められる。
 
男が娘のように可愛がった子であった。
 
『何で?』
『私の方が少し早くこちらの方に来たようですね』
 
それを聞いてまた泣き出す。
 
『いずれ死というものは来ます』
『それが少し早いか遅いかですよ』
 
『しかしそれじゃアナタの人生は・・』
『私たちがこうやって出逢う事が出来たじゃないですか』
 
『私とアナタは出逢う筈だった』
『その時間が少しずれたの』
 
『アナタを娘のように思ってきた』
『でも。私に惹かれていたでしょ』
 
『それは娘との想いで』
 
『いえ、アナタと私は結ばれる筈だった』
『いや、それは無い』
 
『親子ほど歳も違う』
『ここでは時間は存在しないの』
 
 
思わず自分の姿を見ると
明らかに若返っている。
 
男は動揺する。
 
 
カット!!!
 
 
ここで書いている私が登場する。
 
『おかしいだろう』
『お喋りなアンタ拙いよ』
 
『何でそこで女の子に振るの』
『アンタもアンタ』
 
『ここで出番は無いでしょ』
『畳み掛けてどうするの』
 
『主人公落ちそうだよ』
 
『それ狙っていないから』
『このまま行っら・・』
 
『死んで良かったになるでしょ』
『暴走しすぎ』
 
『これ!ここで中止!』
 
『本日ここで終了』
 
お疲れ様』
 
 
 
そして。
『初めての帰省』が
翌日書き直し本編となります。
 
尚、お喋りな男と女は
第二編に登場します。
 
このように登場人物に丸投げの物語です。
しかし行き過ぎると止めております。
ホントどうなるか判らない。
 
その一端がお判り頂ければと思います。
有難うございます。
 
 
 
 
 
 
あとがき。
初めて小説を書いて不思議な体験をした。
 
先ず何処から書き始めるのかという事で
これが頭に浮かばない。
 
そしてこれで行こうと書き始めると。
書く前の想いとはかなり違う展開になりだした。
 
何というか。勝手に文章が動き出す。
主人公よりその男に声をかける男の方が喋り出す。
これには書いていて驚いた。
 
主人公はこの男のいう事にただただ驚いて。
呆気にとられながら進行する。
 
ニャン子はほんの味付けだと思っていたが。
それがこの男にとっては重要なものとなった。
自分で書いていながら話の展開が読めなかった。
これ不思議である。
 
第二編では何を書こうかと考えていた。
実は前作とは別の物を書こうと考えていた。
 
前作で良く喋る男はあれからどうなったのかと考えた。
そして第二編が始まった。
 
これはこの男のアドリブで展開したような感じだった。
私は殆んど考えない内に終わってしまった。
これには驚きであった。
 
そして第三篇は最初に出て来た男がどうして死んだのか。
それを書こうと思った。
 
また何処から始まるかで悩んだが。
これもその出だしが決まると勝手に動いてくれた。
 
その死因については調べた。
考えたのはそれだけであった。
後は勝手に話が展開して終わった。
 
そして第四編は
この前作で出て来た若い女性はどんな女なのかと考えた。
そして私の知り合いの女の子に出て貰った。
 
後はこの女の子の独壇場であった。
これもこんな終わり方になるのかと私が思った。
おそらく最後のセリフは私が密かに心に思っている事かと思う。
 
そして最後の編は
これはまさにアドリブのオンパレードとなった。
ただその前の作で使われた言葉や小道具。
 
たとえば第一編でこの男がサングラスを
かけていたので。それを遣い。
女の子は前作で二十歳になった時。
酒が堂々と飲めると言った言葉を入れた。
そしてトンカツ屋の証言を入れた。
 
すると全編が不思議とリンクした。
これは書いている私が驚いた。
そして書いていながら出ている人達に
丸投げとなった話の展開にただただ驚いた。
最後の女の子のセリフなどは考えもしなかった。
 
そして最後まで書いているというより
書かされていると感じたのが実感であった。
とにかく取り憑かれているように書いていた。
 
文章って生きていると実感した。
おそらく同じものもう一度書いてみろと言われたら。
全く違う話の展開となると思う。
これはそういう意味で面白い体験をした。
 
全てが行き当たりばったりであったが。
今読み返すと良く話しが纏まったと
それに驚いている
 
今はその満足と
持病の背中が痛み出したので
何とか治まって欲しいと願っている(笑)。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

思わず声をかけた。

はじめに。
ご訪問に感謝しております。
もし時間がお許し頂けるのであれば。
短編5編です。一番下からお読み頂くと。
全てがリンクしている事に気づかれるかと思います。
何卒宜しくお願いします。有難うございます。
 
 
 
 
 
思わず声をかけた。
 
『お久しぶりです。』
その男は一瞬固まってこちらを見た。
サングラス越しにジッと。
 
そして
『おお!』と声を出した。
『俺に女の人が声をかける。青天の霹靂だな』と笑った。
 
『お久しぶりです。お元気でしたか』とまた微笑む。
『少し大人になったね。でも相変わらす綺麗だよ』と
昔とは違って饒舌だった。
 
『でも有難い。今帰り』と時計を見た。
『はい』
『俺、今から食事に行こうと思っているんだ。どうかな』
『はい。喜んで』
『お酒は』
『はい。いけます』
『今は堂々と飲めるね』と笑った。
 
『俺は肉が好きでね。トンカツは大丈夫かな』
『はい。大好きです。』
『じゃあ、私の馴染みの店に行こう。この先にある』
西口の通路を通り東口に出た。
 
コーヒーショップに顔を出し、その帰りに食事を取ろうと思ってね。
縁起を担いで一日一度は西口にでる。今日もそれが良かったようだ。
貴女と久しぶりに会えたのだから・・・』と
言っている内に銀行の裏にその洒落た店はあった。
 
『こことは40年以上の付き合いがあってね。
先代は怖い人だったが。今はようやく私を客として扱ってくれる』と
笑った。ヒレカツの小の定食を二つと酒を注文した。
 
店主は少し驚いていた。
それを見てニヤリと笑った。
 
『ところで今までどうしてた。』
『はい。お陰さまで。何とか生きてきました。』
『今はねえ。人が一人生きるだけで精一杯という時代だ。
生きているだけで十分だよ・・』
 
 
『私、子供が出来たんです。』
『おお!それは良い知らせだ。それは良い。
ああ!良い話を聞かせてくれた。これほど有難い事は無い。
この俺にそんな有難い話をしてくれる。本当に有難い』と
満面の笑顔となった。
 
 
『いやあ。有難い』と酒を注いだ。
この男の喜びようは本当に凄かった。
実はこの男下戸である。
 
寡黙な男がこれほど笑い。
これほど一方的に話をするのは本当に珍しい事であった。
おそらく一生分の喜びとなったようである。
 
少し冷静さを取り戻し。
『所でそんな体でトンカツ大丈夫?』
『もちろん。大好きですから』
『悪いね。私はそういう所は疎いんで』と
恐縮した顔になった。
 
 
そして食事を終えると
『今日は盆と正月が一緒に来たようだ』と勘定を済ませて。
『じゃあ元気でね』とおじさんは私と別れた。
 
 
おじさんにとって
私は10数年前の私である。
とてもこの10年の話は出来なかった。
 
子供が出来たと言って。
あれほど喜んでくれた。
 
今まで誰一人としてそんな人はいなかった。
 
私の彼はそれを言った途端別れ話を切り出した。
 
両親は呆れた顔をした。
 
私はビルから飛び降りようとした事もあった。
 
これで踏ん切りがついた。
私は子供を生む。
 
おじさんの前で私の生んだ子を見せるんだ。
それはいつになるか判らない。
 
今日もおじさんの名前を聞けなかった。
おじさんも私の事を詮索するような事は無かった。
何年先になるか判らない。
 
でも私は子供を育てて
たおじさんと会う事を楽しみにして生き残る。
 
 
 
 
 
 
 
追記。
これも前作『おじさんの事を思い出す』と微妙にリンクしております
お読み頂ければ幸いです。
その前の作『最高の死を迎える』となります
何卒宜しくお願いします。
その前の作『嘘も方便』となります。
何卒宜しくお願いします。
そして『初めての帰省』となります。
何卒宜しくお願いします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
おじさんの事を思い出す。
 
私とこのおじさんとの出会いは10数年前となる。
私がバーガーショップへバイトで入った高校2年の時である。
殆んど口をきく人では無かった。
 
ハンバーガーを注文して。
私が居た店で食べて帰る。
それだけであった。
 
ただ毎回、受け取る時に。
必ず『有難う』又は『有難うございます』と
言って受け取る。
 
それが頭に残る。
当たり前の事を言っているだけであるが。
それが気になる。
 
もう一人のお姉さんとその事を話したものだ。
いつも殆んど同じ場所に座り。
同じものを食べて。
ぼんやりと外を眺める。
 
それ以外は
実は目は鋭い。
直視するのは怖いと思う事もあった。
 
おじさんもあまり私たちの顔を
見ないようにしていた気がする。
 
注文する時と受け取る時にだけ目を合わせる。
あとはいつも同じであった。
 
お姉さんが掃除に行って声をかけた。
『今日は』というと。
一瞬驚きの顔をして。周りを見回して
『今日は。』と返してくれたという。
 
後はまた下に目を落とすか。外を見ている。
 
私も同じ事をしてみた。
すると同じように挨拶を返してくれたが。
それ以上は話す事は無かった。というか。
 
あまり話すことは好きではないのではとも感じた。
一ヶ月が過ぎ、二が月が過ぎ。
いつもと同じようにおじさんは同じものを食べ帰って行く。
 
私も少し仕事に慣れて来て。
帰りに『有難うございました』と言う
『ご馳走様』とこちらを見ずに手を上げるか。
頭を少し下げて帰って行く。
 
それから暫くして
お姉さんが就活の話をすると。
神社で祈願したお守りを
渡してくれたという。
 
しかしそれ以上の話はしない。
ただ『頑張ってね』というだけだと言う。
 
そのお姉さんも無事就職が決まり。
挨拶をすると
『おめでとう。良かったね』と笑ったという。
 
おそらく
このおじさんが笑ったのは初めてだと思う。
そのお姉さんも新しい職場に行くために辞めて行った。
 
その時もおじさんはお姉さんに
『元気でね』と一言だけ言ったという。
 
そしてまた毎日のように通ってくる。
 
クリスマスには暇だった。
皆楽しそうにしているのに。
私は仕事であった。
 
そんな時にもおじさんは来た。
私は
『本日クリスマスですが。何事も無く』というと
驚いた顔をしてこちらをジッと見た。
『あ、そうだね』と言ってトレイを受け取った。
暫くすると
『悪い忘れてた』と言ってクリスマスの靴をくれた。
そして帰って行った。
 
それ以来少しずつ話すようになった。
しかし私から話さないと決して話す事は無かった。
あっという間の4年間が終わり。
短大を卒業する事になった。
 
そしておじさんに
『私、ここを辞めます』
『良く頑張ったね。アナタなら大丈夫だ』
と笑った。
 
そして
二十歳となった私に
『二十歳になった感想は?』
『お酒を堂々と飲める事ですかね(笑)』
『お酒が飲めるんだ(笑)。飲みすぎに注意だよ』
その言葉が最後となった。
 
 
ふと仕事に疲れた時
このおじさんの事を思い出す。
 
 
 
 
 
追記。
こちらも前作『最高の死を迎える』と微妙にリンクしております。
お読み頂ければ幸いです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

最高の死を迎える。

最高の死を迎える。
 
それは突然の電話だった。警察からであった。
嫌な予感がした。 それが的中する。
親友の死であった。
 
私が緊急連絡先となっていた。
駆けつけると。
 
霊安室に彼は寝かされていた。
半泣きで行った私であるが。
 
その顔を見た時に驚いた。
顔が穏やかなのである。
なんというか笑って見える。
 
これは警察の方も驚いていた。
 
路上で倒れている所を発見され。
救急車を呼んだが。
既に手遅れの状態であった。
 
しかしどう見ても苦しんだ顔ではない。
 
私はこれほど穏やかな顔を見るのは初めてである。
この男は悲運の塊のような男だった。
 
私とは高校の時からの付き合いである。
そんな事を思い出していた。
 
警察の方によると足取りもつかめている。
 
夕方にお気に入りのトンカツ屋で食事をとる。
 
珍しく女連れであった。
それはいつも独りで食べていた常連が
若い可愛い子を連れて入って来たので
強く印象に残っているという。
 
そして珍しくお酒を注文した事にも驚いていた。
確かに彼は下戸である。
 
しかしその呑みっぷりは良かったそうだ。
 
女連れと言っても親子のように見えたという。
 
そのやり取りは
『それは良かった』と嬉しそうに言っていたのが。
何度も聞こえたという。
 
とにかくあれほど
にこやかに話している姿を見るのは。
店主は初めてだと言った。
 
そして気持ち良さそうに支払いを済ませ。
『じゃあ元気でね』と
その店の外で別れた所も店主に見られている。
 
女は駅の方に向かい。彼は反対に家の方に
少し足取りが危ないかなという感じで
帰って行ったという。
 
そして
そこから数百メートル先で倒れているのを発見される。
額に僅かに擦り傷らしきものが見られるが。
それはその時のものでは。
 
検死医によると。
長年のうつ病の薬の服用と慣れない酒を呑んだ事により
脳及び肉体が持たなくなったものと思われる。
そのため苦しんではいないであろう。
おそらく眠るように亡くなったと思われる。
 
それは顔を見れば判る。
 
私はこの男らしいと思った。
 
この男が日ごろ言っていた事であるが。
『俺は天涯孤独の身だ。
死を迎える時は決して家の中では死なない。
俺が家の中で死んだらおそらく誰にも発見される事は無い。
だから家から一歩でも良い。
できれば敷地の外で死ねたらこれは最高の死に方だ。
住んでいる方にも迷惑がかからない。
出来る事なら。警察に発見されて。お前の所に連絡が行く。
驚くなよ。俺にとっては理想的な死だ。
そのためにも俺より先に逝くなよ。頼むな。』
 
それが口癖であった。そうなった。
この不幸な男の最後の最後。
最高の逝き方となった。
見事である。
 
 
 
 
 
追記。
こちらも前作『嘘も方便』と微妙にリンクしております。
お読み頂ければ幸いです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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