不あがり

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小説。一夜を切り売りする女。

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女の気遣いと気持ち

この物語は
小説、『一夜を切り売りする女』の続きとなっております。
最初からお読み頂けると。この二人の経緯が判ります。
お時間がありましたらお読み頂けると幸いです。
有難うございます。 



女の気遣いと気持ち

女はトンカツなどを食べた翌日は
必ず野菜類の食事を作った。

男は野菜を一切食わない男であったが。
冷蔵庫の残り物等を工夫して
男が喜ぶであろう食べ物を作った。

男はこの女が作った物なら何でも良かったのであるが。
それを超える美味しさだった。

野菜とはこんな美味しいもので
あったのかと驚くほどであった。

『キミの料理はホント美味いね』
『ホント?』

『ホントだよ』
『これほど美味しい物は食べた事が無い』

『またあ、お世辞言って(笑)』
『いや、ホントだよ』

『俺は嫌だったら。文句を言わずに食べないから』
『そういえば残さないわよね』

『だから、ホントに美味いんだよ』と笑った。

『どこで習った』
『お母さん』

『料理上手なんだね』
『そう、母親としては最高だと思う』

『だけどね』
『男が出来ると母親を忘れるの』

『女を取るか』
『惚れっぽいのよ』

『ホント男好き』
『キミは?』

『男は嫌い』
『えっ!』

『いやレズって事じゃなくてよ』
『だから前の仕事も出来たのよ』

『あの仕事はね』
『男が好きだと出来ない』

『もちろん、男に抱かれるのが好きな子もいたわよ』
『ただそういう子には必ずヒモが付いた』

『男に不自由しない仕事だけど』
『凄く孤独だった』

『だからね。アナタと逢えた私は幸せだった』
『私を本当に愛しくれた』

『いや俺は申し訳無いけど』
『女を感じられるのはあの場所だけだったから』

『判っているわよ』
『あの店でアナタ評判良かったのよ』

『私がいなくなってから、他の子抱いていたでしょ』
『ゴメン』

『それは仕方の無い事』
『男なんだから』

『でもね。私皆に頼んでいたの』
『私の大事な人だから』

『盗らないでねって(笑)』
『店長にもお願いしていたの』

『アナタは私がいなくなってからはお任せでしょ』
『だから店長が性格の良い子をアナタにあてがっていたの』

『アナタは店の男性からも好かれていたのよ』
『俺が?』

『そう』
『この俺がね』

『驚いたな』
『私はね。アナタと出逢えたから』

『あの仕事辞める事が出来たの』
『私がね』

『あの店辞めてから』
『数年、男の色を抜いていたでしょ』

『その間一番心配したの何だか判る』
『いや』

『アナタが店に来なくなった時焦ったわ』
『定期的に店に連絡して』

『アナタが来ている事は確認していたの』
『だけどね。いきなり来なくなったでしょう』

『ああ、稼ぎが悪くなって』
『私はアナタが誰か良い女(人)を見つけたのかと思った』

『もしかしたら結婚しているかと』
『だからね。それから一週間に一度』

『外でアナタが出て来るのを待っていたの』
『あの時、一人で出てきた時はホント嬉しかった』

男は思わず女を抱きしめた。

『有難うな』
『ここへ来てくれて』

『俺は二度とキミに逢えないと思っていた』

『本当に感謝している』
『有難う』

『私こそゴメンね』
『何の連絡も取らないで』
『でもね』
『色を抜かないとアナタに逢えないから』

『だけどね』
『今は私の夫だから他の女(人)抱いたら』
『許さないからね』と悪戯っぽく笑って優しくキスをした。





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待つ

この物語は
小説、『一夜を切り売りする女』の続きとなっております。
最初からお読み頂けると。この二人の経緯が判ります。
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有難うございます。 



待つ

その日、午後6時過ぎに
女を駅に迎えに行こうと準備をしていると。

電話が鳴った。
受話器を取ると女からだった。

『ゴメン!今日遅れる』
『どのくらい』

『判らない。先にご飯食べておいて』
『いや、待っているよ』

『時間はタップリある』
『仕事優先にしてくれ』

『俺はいつもの所で待っている』
『ホント!』

『ああ、君がいなけりゃ』
『食事も美味く無い』

『嬉しい!』
『じゃあ、待っててね』

『ああ、何時まででも待ってる』
『有難う!

『でもホント何時になるか。判らない』
『そんな事は気にしなくて良い』

『待ってるよ』
そう言って電話を切った。

そしてゆっくりと家を出た。
外はまだ少し明るく感じた。

駅に着くと忙しなく人が歩いていた。

改札の前に立っていると
仕事を終えた人たちが人波となって来る。
それをボンヤリと眺めていた。

一時間、経ったが。
女の姿は無い。

男はそれでも待っていた。


すると
昔からの悪るが男に声をかける。

『おお、久しぶり』
『大分、落ち着いたな』

『子供も大きくなったし・・』
『少しは大人にならないと・・』
と消えて行った。

そんな時でも目は改札の向こうを見ていた。


二時間ほど過ぎた頃、
顔を真っ赤にして
こちらに走って来る女がいた。

男はジッと見て。
手で慌てるなと合図したが。
女は足を緩める事は無かった。

改札を出ると男の胸に飛び込んだ。
女の汗の匂いが強い。そして息が荒い。

『大丈夫か』
『ああ、ゴメン』と息が定まらない。

その間、男は優しく女を抱きしめた。
『少し落ち着いたかな』
『腹が減らないか』
『何でも食べたい物をご馳走する』

女は男を見上げ
『遅れた事を怒らないの?』

『何で怒る?』と笑って。
おでこに軽くキスをした。
女が嬉しそうに笑った。

その背中を優しく叩いて。
『少し落ち着いたかな』と同じ言葉をかけた。

『有難う!大丈夫』
『この姿勢を楽しんでいただけ』
と笑った。

『じゃあ、何か食べに行こうぜ』と笑い返す。

『何が食べたい』
『トンカツが食べたい』

『ああ、わかった』と時計を見た。

『まだ大丈夫だと思う』
とエスカレーターを降りた。

牛丼屋より少し先である。

女の肩を抱き少し足早となり。
店に着くと。

ラストオーダーとなっていた。
ヒレカツ定食の大と小を注文した。






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夫婦


この物語は
小説、『一夜を切り売りする女』の続きとなっております。
最初からお読み頂けると。この二人の経緯が判ります。
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有難うございます。 



夫婦

それは日を跨いで続いた。
いつの間にか二人共寝ていた。
もう朝である。

女の方が先に目が覚めた。
隣に気持ち良さそうに寝ている男の顔を見て。
その頬に愛おしそうにキスをした。
それでも男は目を覚まさなかった。

外は雨のようである。
寒いので女は男の体に寄りそうように体をピタリと合わせて
昨日の歓喜の夜を思い出していた。

暫くすると男が目覚ました。

『目が覚めた?』と頬にキスをした。
男が嬉しそうに笑った。

『何か飲む』
『ああ』

『今、コーヒー入れるね』
『アナタ寝てて』と
体にタオルを巻いてお勝手に立った。

マグカップを二つ持って戻ると。

『飲めるかな?』と
炬燵のテーブルの上に置いた。

『まだ寝てて良いのよ』と男の隣に寝た。

そして肌を合わせた。
『二人で寝ていると温ったかいな』
『ねっ!気持ち良いでしょ』

『このままでいたい』
『このままでいよう』と
女は男の頬にまた優しくキスをした。

そしてそのまま二人共、眠りに落ちた。

二人共、目が覚めたのは昼過ぎとなった。

『ねえ、何か夢見た』
『ああ、キミを抱いている夢』

『あれは夢で無く現実よ』
『いや、朝、目が覚めてから・・』

『キミに愛されている夢を見た』
『こんな夢初めてだ』

『俺はこんな夢を見たかったんだ』
『嬉しい。私の夢を見てくれたんだ』と
今度は男の唇にそっとキスをした。

それは愛おしむような優しいキスであった。

『やっと私の夢を見てくれたのね』
『これで本当の夫婦になれたのかもしれないね』
と男の頬を優しく撫でた。

『そういえばコーヒー入れてくれたんだよな』
『いいのよ。また入れればいい』
と優しく唇を合わせた。



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一心同体 

  この物語は
小説、『一夜を切り売りする女』の続きとなっております。
最初からお読み頂けると。この二人の経緯が判ります。
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有難うございます。 



一心同体

3月の初めに誕生日のお祝いと
女から十字架のついたネックレスを貰う。

『嬉しいんだけど』
『俺はクリスチャンじゃないぜ』

『私と同じ物を身につけて欲しい』
『それだけ』
『ねっ!』

『ああ、それじゃあ、頂くね』
とその場で身につけた。

『これで一心同体だな』と笑った。



その月末の朝。
男は仕事が数日休みであった。

女は仕事の仕度をしていた。
『ねえ、寒くない』
『ああ、冬に戻ったな』

『このパーカ貸してくれない』と
マウンテンパーカを指差した。

『ああ、良いよ』
『この時期にはピッタリだと思うよ』

『でも大きくない?』
『大丈夫。袖口はベルクロだもん』

『折り返しても良い』
『マフラーも貸して』

『良いけど』
『俺の匂いがついているぜ』

『だから良いのよ』
『変わっているな』

この日
女は淡いグレーのスーツに
エンジとグレーのチェックのマフラー。
そしてグリーンのパーカを羽織った。

『中々様になっているね』
『送って行くよ』と。

男は濃紺のブレザーに。
ステンカラーのコートを羽織った。
そしてウオッチキャップを被った。

『俺はこのマフラーにしよう』と
ブラック・ウオッチタータンのマフラーを巻いた。

『アナタ格好良い』
『ホントか』

『ホント』
『キミだっていけてるよ』

『ホント?』
『ああ、ナンパされないようにね』と笑った。

駅に向って一緒に手を繋いで歩いていた。
『最初は玄関口で断られたのにな』
『あの時は緊張してたの』

『俺はこうやってキミと歩くのが夢だった』
『凄く嬉しいよ』

『ホント?』
『私もよ』と笑った。

駅のエスカレーターに乗ると
『今日はさ』
『夕飯外で食べない?』
『ああ、良いよ』

改札の前で
『じゃあ、気をつけて』
というと
『体、温存しておいて』と笑って
いきなり唇を合わせた。

一瞬回りと別世界になり。
ポカンとして見送った。


夕方6時を回った頃に駅へ向った。
改札の前に立っていると。

判で押したように女が帰って来た。
そしていきなり抱き着いた。

『逢いたかったあ!』と
唇を朝以上に強く合わせた。

『おい、大丈夫か』
『今朝見送ったばかりだぜ・・』
『周りが見ている』

『良いじゃない。私たち夫婦なんだから』
『まだ新婚よ』と切り返した。

『で、何食べる』
『牛丼!』

エスカレーターを降り切った正面が牛丼屋であるのに。
階段の方に男の手を引いた。

『牛丼はこの下だぜ』
『判ってる』と腕を強く引っ張った。

階段の踊り場で
押し付けるようにまた唇を合わせた。
濃厚に。

そしてそのまま何も無かったように階段を降りた。
牛丼屋は少し回り道となった。

牛丼の
チケットを買おうとすると
『大盛りね。アナタも』
『俺はそんなに食べられないよ』
『大丈夫』と大盛りのボタンを押した。

注文すると。
一席ずつの椅子なのに。
女は足を摺り寄せて来る。
どうしたという顔をすると。
体を肩に寄せて来る。

『どうした』
『ううん、何でも無い』 

シッカリと牛丼の大盛りを食べると。

女は男の腕を取り。
表通りを避けて裏通りに向った。

そして甘えるように
『食べたい』
『今食べただろう』

『じゃ無くて。アナタを』
『キミ、今日はおかしいぞ』

『何かあったのか』
『そうじゃない』

『アナタに抱かれたい』
『ああ、判ったよ』と
肩を思いっきり抱きしめた。

家に着くといつもの儀式も無く。(注・1)
ドアを閉めた途端、唇を強く合わせた。
それに応じる。

すべて女のペースだった。
久しぶりに熱かった。

そのままシャワーを浴びに行くと。

『アナタが休みの時ぐらい抱いてよ』
『いや君が仕事だと思って遠慮した』

『アナタらしいわね』
『今日は寝かさないぞ』と口を尖らせ。
また唇を合わせた。

『明日は休みだから時間はタップリあるわ』
獣のような二人となった。

『こんな事、久しぶりね』
『アナタはホント女の匂いがしない人ね』

『それが不思議』
『俺なんかに言い寄ってくる女はいないぜ』

『逆にキミはナンパされっぱなしだろう』
『男はもう沢山』

『男はアナタだけ』
『アナタの匂いを体中につけたい』
とまた重なってきた。


男が
『そのネックレス交換してくれないか』
『私の?』

『同じだけど』
『だけどキミがずっとしてきたものだろう』

『だから欲しい』
『俺の匂いもキミにつく』

『これで一心同体だろ』
とお互い交換し合ってまた唇を合わせ
重なった。



注・1.いつもの儀式とは。女は男の所に帰って来ると
まず下着になり必ず男の体に少しの時間体をピタリとつけてから
シャワーを浴びに行く。

注・2. 女はクリスチャンでプロテスタントです。

注・3. お詫び。この女は元々がキス魔です。この男との出会いを読んで頂ければ判りますが。この男がキスをすると喜び。決して笑わないこの男が笑ったのをちゃんと憶えていて意図的にキスをしていると思われます。
それほどこの男を愛している。そしてこの男がいる事でこの女も救われていると私は感じております。不適切極まりないとお感じの方がおられるかと思いますが。何卒ご理解頂ければと思います。有難うございます。


注・
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笑う


この物語は
小説、『一夜を切り売りする女』の続きとなっております。
最初からお読み頂けると。この二人の経緯が判ります。
お時間がありましたらお読み頂けると幸いです。
有難うございます。                   

                                   超短編小説。


笑う


年末年始の二人の長い連勤が終わり。
長い休みとなった。

男は
『どこか行きたい所は・・』
『トンカツ、食べたい』

『それだけか』
『うん、美味しいんだもん』

『肉を食べてはダメって言ったよな』
『あれは、あなたの体のため』

『解ったよ。じゃあ行こう』と笑った。

トンカツ屋に着くと。
いつもの席。奥の厨房の脇に座った。
珍しく人はいなかった。

女はヒレカツ定食の大、
男はヒレカツ定食の小を注文した。

美味しそうに食べていた女は
急にポロポロと涙を流した。

『どうかしたか!』と立ち上がると。

店主が厨房からすっ飛んで来た。

『ゴメン、あんまり美味しいんで』
『思わず泣けて来ちゃった』

男は店主に向って。
『だとさ』と笑った。

『ご主人、ゴメンナサイ』
『ホント、美味しいの』
『それとね。この人と食べていると嬉しくて・・』

『ああ、そうですか』
『有難うございます』
『そしてご馳走様』と
男の顔を見て笑った。

『ご主人、ゴメン』と笑って謝った。

すると。女に向って
『奥さん、この人がね』
『こうやって笑うのは珍しい事でね』
『ここへ何十年もお越しなっているが』
『初めてだよ』
と笑って引っ込んだ。

外へ出ると
『キミのお陰で俺は変わったようだな・・』
『俺が笑うか』と自嘲気味に笑った。

『私はね。こうやってアナタといるだけで良い』
『あとは望まない』

『随分安上がりな女だな』
と笑った。

『じゃあ、サービスとしてコーヒーでも飲みに行くか』
『うん!』と笑い。男の腕を掴んだ。



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