不あがり

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エッセイ 骨董など。

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道具屋さんの大黒様。
 
私がお世話になっている道具屋さんには、
黒い面立ちをした木彫りの大黒様が鎮座している。
この店の守り神でもある。
 
面立ちと書いたが全体が黒いのである。
煤のせいなのか。黒漆でも塗られているのか。
それは判らない。
先代の奥様にお聞きした事もあるが。『どうなんでしょう』と
微笑みになるだけであった。
大きな物で7080センチはあるだろうか。
測ったことは無い。
 
先代の頃からのもので。先代は『これは売り物ではない』と
頑として売る事はなかった。
それでも、この大黒様にご執心のお客様がおられて、
何度も売って欲しいと言ったそうだが。
先代は『売らない物は売らない』と言うと。
 
そのお客様が
『親父。判ったよ。
だったらこの大黒様に
お水とお花ぐらいお供えしろよ』
と言って帰って行ったそうだ。
 
その日以来この大黒様の前には
お水とお花をお供えすることになった。
そう先代の奥様が、微笑みながら話してくれた。
 
その奥様も鬼籍にお入りになられて大分経つ。
大黒様は相変わらず優しい笑みを浮かべて
私たちをご覧になっている。
 
不思議な事に何故かお鼻から頬にかけて
ポォと赤くなっておられる。その理由は判らない。
少しお酒を頂いて、お心が気持ち良くなられておられるのか。
それが余計に私の気持ちを温かくしてくれる。
そんな想いを感じながら店をあとにする。
 
 

久しぶりに外へ出た。

久しぶりに外へ出た。
風もおさまってきたので今日しかないと思った。
外へ出ると暖かいを通り越して暑かった。
季節感の無い私は冬支度のまま出て行った。
流石にコートは羽織らなかったが。
ジャケットにマフラーを巻いて行った。
駅近くで向こうからTシャツ姿の女性が来た時は。
そんな時期かよと驚いた。
 
東口から西口へ通じる歩道橋を渡る。
 
私の目当ては道具屋さんだった。3ヶ月ぶりになる。
いや4ヶ月になる。嬉しかったのは店の前に辿りついた時、
そこのワンちゃんが私に気づいて吠えている。
それも嬉しそうに。このワンちゃんだけだ。
私を好いてくれるのは。有難い。
 
先ずはワンちゃんに挨拶をする。
そして奥様に。最後にご主人に。あべこべである。
しばらく話をして回りを見回すと。
 
波佐見と思われる徳利がある。
見せて頂けますかとご主人に言うと
『ああ、良いよ』といつもの返事を頂き、触らせて貰った。
堂々とした草花文様の徳利であった。呉須の色が良い。
絵が生きている。裏側にその勢いで
丸い円が無造作に描かれていた所が気に入った。
腰の張り。そして太い首の作りが素晴らしい。
もちろん高台の作りも良い。幕末はあると思う。
 
欲しい。思わずいくらですかと言いそうになった。
おそらく、私が欲しいと言えば、
このご主人はよほどの事が無い限り。
金の無い私に合わせた値段を言ってくる。
値札がついていない時は時価であり。
ご主人価格である。そんな人である。
 
良い物ですねと言ってあとは尋ねなかった。
今日はここへ訪ねたことに意義があり。
訪ねたお陰で味のある徳利に出会えた。
しかし、それは私の持つものではないと諦めた。

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1000人の方が
この風変わりなブログにご訪問されました。
信じられない事です。私はその名の通り。
不あがりです。
 
ブログを始めたのも、アクシデントでした。
『ブログをはじめる(無料)』と書かれていたので。
思わずクリックすると。その時点で開始になった。
 
これには本当に驚いた。
では名前はどうするか。
私の最も大事な『不あがりの猪口』を見て、
この名前にしようと瞬間に思った。
私と同じ人生を歩んでいると思われる『不あがりの猪口』。
時空を超えた私自身ではと思うほど
近いものが私には感じられたからだった。
 
そして『不あがり』の映像を取り込み、名前も『不あがり』とした。
この名前は気に入っている。私そのものだからだ。
 
イメージ 1
 
そして伊万里の紹介記事も
この『不あがりの猪口』で始まった。
 
嬉しかったのは尊敬する越前屋平太様が、
誰にも評価される事が無かったこの猪口を
『私も(この猪口を)見ていたら買っていたと思います』と
書いて頂いた時は天にも昇る思いだった。
その他数人の方にもコメントを頂き、
嬉しさが爆発した感じだった。
その方々は未だに私のブログにお付き合い頂いている。
 
続いて『くらわんか赤絵茶碗』は私が思っている
伊万里や陶磁器に関するエキスパートの方々が
訪れ感想を述べて頂いた。これは感無量であった。
夢でも見ているようだった。
 
そして伊万里と思って落札した安南茶碗(鉢)は
思いもよらない素晴らしい結果となった。
 
実はこの時点でこのブログは
もう良いと思ったほど感激した。確か数日休んだ。
これで終わったと思った。寝込んだ。
子供が知恵熱を出したようなものだと思う。
魘されるような数日を寝て過ごした。
 
その数日が過ぎるといつの間にか、
またブログを再開している私がいた。
あとは行けるところまで行こう。
そんな思いだった。
 
そして気がつくと1000人に及ぶ人が
このブログにご訪問頂いた事が判った。
 
思わず去年私の家に訪れた人の数を数えた。
二人である。今年はまだ誰も訪れていない。
陸の孤島にいる私である(笑)。
 
多分私の一生分の人がこの数ヶ月で
訪れた事になると思う。
 
この変人のブログにお付き合い頂き
本当に感謝しております。
有難うございます。
道具屋さんに初めて伊万里と認められた日。そして一本を取る。
 
もう30年近くお世話になっている道具屋さんがある。
実はそのずっと前に剣道を教えて頂いた方でもある。
達人である。私は不肖の弟子でもある訳だが。
多分ご当人は私が不肖すぎて弟子とは認めていない。
眼光鋭い方ではあるが。訪ねて行くと嬉しそうにニヤリと笑い
優しく迎えてくれる。世間話から始まり、政治、経済、野球、相撲と
楽しそうに私の相手をしてくれる。
 
しかし、品物の話となると、これが厳しい。
私は褒められたことが無い。お願いするといつも
『ああ、良いよ』と快諾してくれるのだが。
 
初めて見て頂いたのが30年ほど前、
その頃は今と違って少しは金に余裕があり。
備前、唐津、上野と知りもしないのに本の知識だけで
手当たり次第手に入れて行った。
その品物を自慢げに見せに行くと。『まずいよ。これ!』と一言。
不満げな私に『本物はこれ!』と備前の確か鉢だったと思うが
手渡した。その全てが判り、赤くなったのを思い出す。
 
そんなやり取りを繰り返しながら今がある。全く頭が上がらない。
数年前、これと思ったそば猪口を手に入れて、
図々しくも持って行った。『ああ、良いよ』と言ったが、
その時、ご主人は椅子に座りながら愛犬の綱を持っていた。
先ずその綱を私に渡し、両手が空いた所で
私の猪口を手に取った。この方はどんな駄品であろうと
決して片手では持たない。
 
そして『江戸はあるかな?』と私の顔を見た。
嬉しそうな顔をした私に、『いくらした』『〜で買いました』と言うと。
『だめだよ。こんな伊万里(ここが重要です)、そんな値段で買っちゃ。俺の所だったら2〜3千円かな』と言った。
 
私はその時『有難うございます』と言って頭を下げながら、
気持ちは小躍りしていた。記念すべき日であった。
ここまでが長かった〜。決して褒める事は無かったが、
伊万里と認められた日であった。
 
そして.その猪口が私の名前ともなった
『不あがりの猪口』である。
 
この先がある。この方は三代目でもある。
いわば、お坊ちゃんでもある。
昨年、息子さんがあとを継がれると聞き、
思わず私はご主人の隙を突き、大胆にも、この方の膝を叩いた。
そして『これで当分死ねなくなりましたね』と笑うと。
ちょいと驚いた顔をされ、嬉しそうでもあるが喜びを
隠そうとする口元が見えた。そして『うん』と頷いた。
 
私が『膝一本』を取った日である。
 

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