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遅くなりましたが2006年11月21日、アーノンクールの来日最後の公演となる、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの公演でサントリーホールに行ってきました。プログラムは、ヘンデル作曲のオラトリオ「メサイア」(全曲)と演奏時間が2時間30分に及ぶ大曲、ソリストはJ.クライター(ソプラノ)、B.フィンク(アルト)、W.ギューラ(テノール)、R.ドローレ(バリトン・代役)、合唱はアーノルト・シェーンベルク合唱団、予習CDにはJ.E.ガーディナー指揮のイギリス・バロック管弦楽団を購入しました。
2006年11月18日京都コンサートホールの公演を聴いた父親から「予習した上で聴いたのでまあまあだった」とのあまりピンとこない感想を聞き、少し不安を覚えながらも、ウィーン・フィルとは違った古学奏法の真髄を経験できることを期待して行きました。
まず会場に入ってびっくり。第1・2バイオリン各6人、ビオラ4人、チェロ3人、コントラバス2人と少なく、全て古学器のため演奏開始前の音合わせでコンサートマスターがオーケストラの各パートを歩き回っていました。サントリーホールで音が出るのか心配したほど。
演奏が始まって納得。予習CDのイギリス・バロックを聴いて感じたのは、宗教音楽のこの曲は大音響でバリバリ演奏するのではなく、教会全体にやさしく響き渡るような演奏が良いのではという点。古楽器を使ったアーノンクールの解釈はこれをさらに踏み込み、曲全体を仔細に読み込んだ上で、50年以上の歳月を共にする手兵のオケを自在に操ることで、まさに作曲当時の演奏を再現することに成功してました。
ソリスト陣は代役となったバリトンに若干不安を感じたものの、他のソリスト陣、そしてアーノルト・シェーンベルク合唱団は、これぞ古学奏法にピッタリの弱音を大切にした透明感の歌唱力で、アーノンクールが全体を完全に掌握していて、このような経験はM.ヤンソンス指揮のバイエルン放送響以来、2回目となる貴重な経験でした。
贅沢を言えば、欧州では一般的な教会での演奏を聴いてみたいと感じた程、素晴らしい演奏でした。
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