Classic Station

今年は、ザルツブルグのかわりに、X'mas休暇でドイツ・イタリアに行きます

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本日(2006年12月9日)、N響定期公演に行ってきました。指揮は、2002年3月サントリーホールでのN響特別公演(ベートーベン「運命」)以来2回目で、今年2月にP.コヴィンチェニーとのコンビでシュトゥットガルト歌劇場日本公演(モーツァルト「魔笛」)を大成功させたL.ツァグロゼク、ヴァイオリンソロは樫本大進、プログラムはマーラー交響曲第10番から「アダージョ」、ベルク「バイオリン協奏曲」、バルトークの管弦楽のための協奏曲でした。

マーラーの交響曲第10番から「アダージョ」。マーラーが、交響曲第9番を完成させると死を迎えると心配していて、第9番目の交響曲に「大地の歌」と番号を廃したものの、結局第10番が未完に終わり、ジンクスが引き継がれたのは有名な話。第10番作曲当時、妻アルマ・マーラーと建築家グロピウスとの三角関係に悩んでいて作曲も不協和音の極点に達し、そのまま生をも踏み越えてしまった(プログラムから)との解説通りの曲。ツァグロゼクの静かな音を大事にする指揮もこの曲の内面を良く表現していました。

続くベルクのバイオリン協奏曲。これは「ある天使の思い出に」との副題がついており、19歳で亡くなったアルマ・マーラーとグロピウスの娘マノンのための曲で、またベルクは完成の4ヶ月後に亡くなったそうで、前曲と同じく死を思わせる曲。2楽章形式で、第1楽章は郷愁、第2楽章は天に召されるシーンを表現しており、ツァグロゼクの指揮は静かな音を大事にする姿勢が変わらず、ソリストの樫本大進は若手ながら一糸乱れることなく演奏し、技巧力ばかりか、曲の解釈方法でも才能を発揮していました。この曲は、2年前にS.ラトル指揮、P.ズーカーマン&ベルリン・フィル( http://blogs.yahoo.co.jp/classicstation2006/3336579.html )で聴いて以来2回目でしたが、今回の方が作曲家の意図を良く表現していたと感じました。

最後にバルトーク。これも作曲家晩年の作品ながら一転して音量アップ。特に第5楽章「フィナーレ」はバルトーク自身が「生の肯定」と呼んでいたそうでシンバルの音でフィナーレを迎える印象的なもの。

3曲共に死を意識したものながら、バルトークでは生きることの大切さを説いているようで、非常に哲学的な選曲&演奏でしたが、このような文化的背景を持たない日本の聴衆にはあまり受け入れられなかった様子。指揮のL.ツァグロゼクのプログラム構成力とストーリー構築力はさすがオペラ指揮者と感じましたが、曲の解釈の深さではコンサート指揮者に強みがあると感じました。

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閉じる コメント(4)

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はじめまして。大河と申します。素人の音楽愛好家です。大変充実じたブログと拝察しました。お気に入り登録をさせていただきました。いろいろ勉強させていただきたいと思っております。

2006/12/10(日) 午前 0:16 [ タイガードラマー ]

ツァグロゼクの構成力に圧巻といった公演でしたね。TBさせていただきました。

2006/12/10(日) 午前 1:01 [ じん ]

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大河さん初めまして。私も2001年からN響定期公演を聴きはじめた素人で、予習CDをせっせと購入し、皆さんのブログを拝見して勉強しているところです。私も拝見させていただきますので、今後ともよろしく。

2006/12/10(日) 午前 11:02 ClassicStation

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Jinさん、できる男、というのは絶妙な表現ですね。今回はツァグロゼクさんに文化の多様性を日本人が受け入れるかを試されたようでしたが、今回は指揮者にやられましたね。後、ノリントンの雰囲気のかけらも見せず、多様な表現力をつけたN響、良い演奏が増えてきましたね。

2006/12/10(日) 午前 11:12 ClassicStation

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