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コンビニエンスストア

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深夜、客待ちで流すタクシーも少なくなった頃である。

ここは、駅前から少し離れた薄暗い路地先のコンビニ。

時間が時間なだけに、当然の事ながら客は一人もいない。

 「ふぁ〜ぁ」

私はつい大あくびを漏らしてしまった。 そりゃそうだ、何しろ場所も場所だから暇である。

この店、昼時ですら客が少ないのに、わざわざこんな時間に来る客なんているのだろうか?

そんなことを考えていると、一人の男が入ってきた。

 「いらっしゃいませ〜」

ん!? 一応機械的にあいさつはしてみたが、この客なにか様子が変だぞ。

黒のニット帽を深く被って、目にはサングラス。おまけに上下黒のスウェットときている。

しかもやたらにキョロキョロして、どことなく挙動不審だ。

おいおい、何か変な事でもしでかすんじゃないだろうな?面倒だからそれだけは止めてくれよ。

しかし、どうやら私のその不安は的中してしまった様だ。

 「金を出せ!」

男はおもむろにポケットから銃を取り出したかと思うと、店中に響き渡るように叫んだ。

 「おい、聞こえないのか? 誰か出て来い。 早く金を出せよ」

良かった、私は男の死角にいたらしく、まだ見つかってないようだ。

そのまま隠れていよう。

そう思った私は、必死に男から見えない位置に移動した。

 「おい、誰かいるんだろ? 早く出て来いよ、でないとそこら辺の物を壊すぞ」

そう言うと男は、いきなり発砲した。

「パンッ」

一発の銃声が店中に響き渡る。

と同時に、店内に火薬の匂いが広がり、ATMの画面がバチバチと音を立てている。

マズイ!

 「すいませんが、まずはその物騒な物をしまっていただけないでしょうか?でなければこちらも出るに出れません」

しまった! 私はなんでこんな事を言ってしまったんだろう。せっかく安全にいたのに、自分から存在を教えるなんてバカ過ぎる。

 「おっ! やっぱり誰かいるんじゃねぇか。 早く出て来いよ!」

駄目だ駄目だ、ここで出ていったら確実に危険だ。出ろと言われて素直に出て行くバカがどこにいる。

この状態を確保していなければ。

運の良いことに、こっちは男が見つけられないような所に隠れているのだから大丈夫だ。

 「シャー ガシャン」

そう思った私は電子シャッターを閉め、店内の電気も消してやった。

 「おい! 何しやがった。 ちくしょう入口を開けやがれ」

これで男も逃げられない、とりあえず警察を呼んでおこう。

 「・・・もしもし、警察ですか? 藤見二丁目のDeliceです、強盗が入りました、犯人は銃を所持しています、すぐに来て下さい」

私は非常回線から警察を呼んだ。これでひとまず安心だろう。後は私が見つからない事を望むだけだ。

 「くそー 開けろ! 開けやがれ!」

 「ガシャンガシャン」

男は狂ったようにシャッターを蹴りだした。

無駄である、車が突っ込んでも壊れないような強度に作られてるんだから。

早いところ警察が来てくれないかなぁ・・・・


 「ガンガン ガシャン」

それからもしばらく、男はシャッターを蹴り続けたが、やっと疲れたのだろう。 音は止み、店内に静寂が続いた。



 「・・・・ファン・・・ファン・・ファンファンファン」

しばらくして、遂にその静寂が打ち破られた。

どうやら警察が来たようである。

 「ダダダダダダダダダ」

店の外を囲み込む音がする。

おそらく機動隊でも来ているのであろう。

 「ここはもう完全に包囲した! おとなしく銃を捨てて出て来い」

 「シャー」

待ってましたとばかりに私はシャッターを開けた。

 「シャッターが開いたぞ、気をつけて突入しろ」

一気に機動隊が店内へと突入する。そして遂に男は取り押さえられた。

やれやれ、やっと一安心だ。

 「おとなしくしろ、しかし何でまたこんな事をしようと思ったんだ?」

警官は、手錠をかけられおとなしくなった男に聞いた。

 「もちろん金が欲しいからだよ」

 「だったら、何でよりにもよってこんなコンビニを選んだんだ?」

警官は呆れた感じで男に聞いた。

 「はぁ? どういう事だ? 俺はただこのコンビニが人気が無さそうだったから選んだんだよ」

 「じゃあ良いか、良い事を教えてやるからよく聞けよ。 今度からは店員が確実にいる店を狙ってやる事だ

呆れた警官は、続けざまにつぶやいたように男に言った。

 「ただここのはちょっとリアル過ぎて勘違いしているからな、お前が間違えるのも無理はないか。 さぁ行くぞ

そう言うと刑事は、不思議そうな顔をした男をパトカーに乗せ機動隊と共に行ってしまった。

そう、このコンビニは自動販売機形式の無人コンビニ。それだけなら他にもあるが、ここは私のような完璧な人工知能が全て管理している第一号店なのだから慣れない人間が間違えるのも無理はない。

それにしてもあの刑事は何を言ってるんだか、私はもう完璧な店員じゃないか。心だってあるんだから人間の店員よりも完璧じゃないか。ただたまに体が無いことを忘れるくらいだ。

さて、もうこんな時間か、そろそろ営業に戻らなければ。

私は一瞬にして店内を自動清掃し、破損がないことを確認した。

そして私はまた、何事も無かったようにいつも通り業務にかかるのであった。


ほらみろ、やっぱり私は人間よりも完璧じゃないか。

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