誉田哲也

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木を見て森を見ず−。刑事たちは全体を見失うことなく、犯人を逮捕していく。だが、彼らは気づかなかった。その森が想像以上に大きく、深いということに…。5つの殺人事件を描いた連作警察小説。
 
次女が友人から借りた本。
カバーがかかったままで内容紹介も読まずに読み始めたため、単なる警察ものの短編集かと思ったが、6章からなる長編小説だった。
読了後はそれなりに感動する。
最初から女子高生のコンビニバイトが登場するので、現代ものかと思っていると、最終章はなんと二十数年後。
この間、時代設定がまったくない。SFか。
せめて昭和末あたりから時代考証をしっかりしてほしかった。
各章のつながりもわかりにくく、べたぼめの解説ほどではない。

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暴力団事務所の襲撃を調べていた記者・鶴田は、その過程で未解決猟奇事件の「実録映像」がネット上で配信されていたことを知る。犯人は殺害を認めるが、精神鑑定によって無罪となり…。『月刊J−novel』連載を単行本化。

始まりはトロくて、スピードに乗れなかったですが、鶴田が鼻を折られて、ごたごたに巻き込まれるあたりから、読むほうも巻き込まれ、ど〜んと最後までいってしまいました。
かと言って、救いがあるのかと期待すると、横滑りさせられて、中途半端な斜面で置いてけぼりを食ったような気もします。
こんなものなのでしょう。
最後のデスクの言葉もなんだか…。

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お気楽不動心の早苗と武蔵オタクの香織も高校3年生。早苗は福岡の剣道強豪校で新たな仲間を得て練習に励み、相変わらず硬派マイペースの香織も後輩の指導に頭を悩ませる日々。そして最後のインターハイが迫り――。2人の決戦の行方は? “わたしたちの時代”の武士道とは? 剣道に進路に迷う2人の真っすぐな姿に笑ったりじんときたり。早苗の姉・緑子や桐谷師範、吉野先生、香織の後輩・美緒など2人を取り囲む人々の「18歳」の物語も盛り沢山。好評青春エンターテインメント、見逃せないクライマックスです。

発売を楽しみに待ち、発売後は図書館への開架を今か今かと待っている間、出版社に特設HPが解説され、そちらを見ていました。
その中の「香織&早苗武士道エイティーンチャット」(今は消去されています)で
「登場人物に実際の俳優さんの写真をあてはめて、その人が話さないような言葉は使わないようにして雰囲気を作っていくみたい」
と早苗が言っています。
それによると

早苗 夏帆
早苗の姉 新垣結衣
香織 シックスティーン多部未華子『セブンティーン』のときは大後寿々花

ちょうど2冊の間に万城目学さんって作家の『鹿男あをによし』がテレビドラマ化されて、中の主要キャストで剣道をする女の子の役を多部さんが演じていたことから、重なるのは困ると思われたようです。
また、今回映画化される「シックスティーン」では成海璃子が香織を演じるとか。
私としては若い頃の伊達公子やソフトボールの上野由岐子くらいのフィジカルな女性をイメージして読んでいたので、彼女たちでは筋肉がたりないような気がします。
女性剣士といえば「剣客商売」で大次郎の嫁となる三冬が最強でしょうが、テレビで寺島しのぶが三冬役で立ち回りを演じているのを見て、心底がっかりして、そんなに遅い太刀さばきでどうすると文句を言ってしまいました。
寺島さんはいい女優だと思いますが、安直な意識が見えてしまったような気がします。

さて。
本書で大団円となりますが、この構成で、この決着でいいのかなあと小さな疑問を持ったまま終わってしまいました。
シックスティーンのインパクトが強く、エイティーンへの期待が大きすぎたのかもしれません。
ネタ切れの雰囲気もかすかに感じます。
残念。

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あたしがリスペクトしてたのは薫だけ。死んだなんて認めない、真実を確かめるまでは−。気弱な芸能マネージャー祐司を引き連れ、ギタリスト夏美が疾走する、ロック&ガーリー系青春文学。

出だしは芸能界成り上がり苦節ものという印象でしたが、自殺した薫の身元調査に出かけるとロードムービーになり、自己の再認識がなってさあこれから、というところでもう「完」です。
誉田哲也の本で死人が出ないのは「武士道シックスティーン」のシリーズだけ、というし、表紙はあやしげな女の子だし、ギンギンのホラーかも、とひいていたのですが、食わず嫌いというか読まず嫌いでした。
こういう話ならノレます。
なにより主人公の夏美のキャラがうまい。かわいい。楽しい。
続編が早く回ってこないかな。あと15人待ちです。
と言っていたら、朝日の書評欄(2009年8月9日朝刊)で、大崎梢さんが三浦しをんの『神去なあなあ日常』とともに、この作品と続編を絶賛してました。そうだよそうだよ。
「この本いいよ」と勧めた長女にも、新聞に出たよと自慢してしまいました。

「ガーリー」って何?
全然知りませんでしたので、ネットで「ガーリー系」なるファッション画像を見ました。
昨日の日曜日、マンションの前の道を駅に向かって歩いていったお姉ちゃんのファッションそのものではないですか。
あれが「ガーリー系」っていうんですね。
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スポーツと剣道の、暴力と剣道の狭間で揺れる17歳の剣道女子、柔の早苗と、剛の香織。2人は別々の場所から武士道の本質に迫っていく。「武士道シックスティーン」の続編。
『武士道シックスティーン』の続編。

好きなんだなあ、このシリーズ。
ことばの使い方の巧みさは相変わらずで、ぐいぐいとその世界に吸い込まれてしまいました。
しおりが紅白2本なのも前作と同じお約束で、それだけでうれしくなります。
香織が丸くなり、早苗の芯の強さが現われてと、二人の精神的成長が見られ、まず満足できました。
すがすがしさ、さわやかさ、という言葉がはずかしくなく言える本は貴重です。
陳腐な言い方ですが花の「エイティーン」まで続くことを願っております。

2009年7月追記
「武士道エイティーン」は今月下旬に刊行されるそうです。
楽しみですが、図書館にはいつごろ入るのでしょうか。それが心配です。

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