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試乗コースが交通量の多い産業道路なので、今回はハンドリングを云々することは出来ないけれど、ざっと感じたのは、「3008は、背が高いクルマ故のぐらつき等が余り感じられず、見かけとは違って変な癖がないクルマであるということ。いやむしろ、視点が高い割りに運転席周りには適度なタイト感もあり、そこいらの日本車のセダンよりも気持ちよく操舵出来、そのために大切な何かを犠牲にしたところが少ないクルマだ。」ということ。この点は、さすがにフランス車だなと感じた。 聞けば、リア・サスペンションにその謎が秘められているらしい。 今回、左右のサスペンションをつなぐ「ダイナミック・ロール・コントロール」という「第三のダンパー」が装着されていて、それがロールを抑えながら、個々のサスペンションの動きも妨げない役目をしている。 その「ダイナミック・ロール・コントロール」というのが「日本製」だというのが、妙に嬉しい事実だった。 「3008・・・意外と悪くないかもな。」 試乗を終えたボクは、心の中でそう呟いていた。 もっときちんと表現すると「日常の足として使う3008は、見た目とは違いごく自然な振る舞いをするクルマであり、かなり使い勝手のいい道具になるだろう・・・」と感じていたということ。 確かに、背が高いが故のデメリットがあるだろう。 だが、逆に背が高いが為のメリットも多いだろう。 何といっても「背が高いことの悪影響が、殆どハンドリングに出ていない」のが素晴らしいクルマだ。 この点は評価の高い「C4 Picasso」以上かもしれない。 総じて言えるのは、多くのピープル・ムーバーのような「ドライバーが後回しになったようなクルマ」ではないということ。 「全ては、ドライバーがクルマを操るため」 試乗の前に「ガキンチョッっぽい・・・」と表現したあの「トグル・スイッチ」類も、そう考えれば理解も出来る。 そういう「クルマに対する想い」がしっかりと造り込まれていて、それが前面に出ているところがこちらにも徐々に伝わってくる。 ボク得意の「妄想」と言われるかもしれないけれど、残念ながら日本車にはない「その部分」になんといえない魅力を感じざる。やはりヨーロッパのクルマは、自分が運転してみないと伝わらないことが多いんだなと、今回も思い知らされた気がした。 3008という「プジョーとしては特殊な車名」を持って生まれたこのクルマは、多分多くの人に誤解され、間違った評価を下される・・・特に「保守的な日本」に於いては、尚更だろう。 だがその一方で、3008を手に入れたオーナーは、きっとこのクルマの良さを芯から理解し、喜んで使うことになるだろう。少なくとも試乗を終えたボクには、今ハッキリとした確信がある。 また1台「候補」が増えてしまったな・・・。 おわり
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インプレほか
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詳細
ボルボ C70 XC60、ワーゲン PASSAT CC、シロッコ、プジョー 3008、スズキ キザシ、ほか
コメント(1)
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3008に関しては殆どの記事で「足の柔らかさ」が記されている。多分それが一般論だろう。 だが、ボクの中には「昔っからのフランス車のイメージ」が強く残っている。 ドライバーが乗ると傾く2CVやルノー5。 昔、何度か試乗した306。 かつて自分が乗っていたGS。 或いは、近年は硬くなったとはいえ、今またボクが乗っているC5。 これらは総じて、「柔らかな乗り心地」を特徴としているのだ。 それらに比べれば3008は「ドイツ車的とも言える硬さ」を持っているとボクは感じた。 ただ、それは運転したコースの大半が産業道路で、そこは普段大型トラックが往来しているような産業道路だから路面が普通より荒れていて、それ故ボクがそう感じたのかもしれないし、敢えてフォローしておくと「硬い」と表現はしたものの、その感触は決して不快なものではなく、どちらかといえば「ダンピングの効いたしっかりとしたのり味」であり、それ故もっとフラットな路面で且つ平均速度の高いような道路・・・つまり「高速道路等ではかなり良い乗り心地のクルマになる可能性を含んでいるとボクに予感させる」そんな足回りだった。 最初の試乗コースが2〜3kmという余りに短いコースだったので、無理を言ってもう1回、今度はやや長い目の試乗コースをテストさせて貰う。 「うん・・・そうか、そうか。この硬さは、タイヤを替えれば改善するのかもな・・・」 試乗しながら、密かにボクはいろいろなことを頭の中で描いていた。 つづく
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ディーラーの駐車場から旧国道に出るスロープは、短いものの凄い下り坂だったので、ノーズを擦らないかとボクはちょっと気を揉んだ。 でも、そこは通常のセダンに比べ15mmほどは高めの車高のお陰か?らくらくとクリアーする3008。 旧国道に出て直ぐ目の前の赤信号で一旦停止し、ボクはちょっと深呼吸をし息を整えて、信号が青に変わると同時に、一気に発進した。 3008の心臓は、比較的新しくラインナップされたBMWと共同開発になる1600ccガソリン・ターボ・エンジン。これは、風前の灯のV6の3000ccは特例として、唯一残ったPSAグループ内のガソリン・エンジンだ。 ここ最近の「低炭素化ブーム」や「ダウンサイジング・ブーム」が更に拍車をかけて、ヨーロッパでは一部の高級ドイツ車を除き、最早ガソリン・エンジンは鬼っ子扱いも同然。 圧倒的にディーゼル・エンジン搭載車に比べてガソリン・エンジン搭載車が少ない。 3008では、ディーゼル・エンジン搭載車ならば、1600ccターボ・エンジン以外にもガソリン・エンジン車にはない2000ccターボ・エンジンも用意されている。 一方、トランスミッションは、待望のアイシンの6速ATがこのクラスにもやっと搭載され始めた。更に3008では第二世代ということで、実質的に新しい6速ATの搭載となっている。 実はボクが普段足にしているシトローエンC5も同じアイシン製の6速ATを搭載する。 但し、こちらは第一世代6速ATということで、実際のところ日本車のATに比べ、余りスムースに変速するATではない。そういう意味では、パッケージもメカニズムも両面で新しいのが、3008の大きな特徴だと言える。 3008を実際に運転してみて素直に感じたのは、「排気量がたかが1600ccであること、或いは外国車のATであることへのストレスが、全く感じないクルマである」ということ。 セダンに比べ重い車体を比較的軽がると加速させ、全くドライバーに意識させることなくスッスとスムースに変速していく。ある意味、このクラスのクルマの中では、今迄乗ったどの外国車よりもスムースに走るクルマだな、と感じた。 ただそれと同時に、それなりに足回りが硬いクルマだな、ともボクは感じた。 つづく
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説明を聞いて知ったのだが、実はこの2つは関連していて「トグル・スイッチ」の大半は、この「ヘッド・アップ・ディスプレイ」の操作スイッチだったのだ。 スイッチには1つ1つ、役目が与えられている。 あるものは「ヘッド・アップ・ディスプレイの出し入れ用スイッチ」 あるものは「ヘッド・アップ・ディスプレイに示される文字表示の上下移動用スイッチ」 また、あるものは「ヘッド・アップ・ディスプレイに示される数値変更用スイッチ」 などなどなど。 先にはっきり言ってしまうと・・・「この事実」を知った瞬間、ボクは物凄く、かつてないほどの落胆を感じた。 「ナニコレ? スンゴク、ガキンチョッポイヤン・・・」 まるで子供が喜ばせるオモチャのよう・・・。 それがこの運転席周りの「特等席」にずら〜っと並んでいる。 「こんなの何かのマルチ・スイッチ1つで済ませられそうなもんだろ。それが、ことさら誇らしげにこの特等席に並んでいるだなんて・・・。」 バカ売れしている新しいBMWミニを意識したのかと思わせる、これらメッキに輝く「ちゃらけた」トグル・スイッチ群を見て、「プジョーもここまで落ちたか・・・」とボクは正直そう感じざるを得なかった。 (但し、ヘッド・アップ・ディスプレイ自体の出来は素晴らしく、加齢と共に衰えている視力を充分に補う便利な装置であると、後ほど実感するのだが・・・。) ちょっと白けた空気が漂う中、右膝のすぐ前にある「意味ありげなスイッチ群」や、ワイパーを制御している右レバーの先端にある「PSA車ではお馴染みのプッシュボタン」など、各種スイッチ類への質問を一通り終え、いよいよ・・・、本当にいよいよ、3008の試乗が始まる。 つづく
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またまた頭の中に「?マーク」が大量に浮ぶものの、取り敢えずは座り心地の良さそうな分厚いクッションの運転席のシートに収まり、ドアを閉める。 「あれっ!?足元狭いぞ・・・まるでFRのセダンみたいだ。」 乗り込んだ瞬間、そう感じた。 確かに視点は高くて見晴らしはいい。だが、ヘッド・クリアランスが特別に広いわけでもない。 運転席のシートは大きくて座り心地はいい。だが、センターコンソールの背も同様に高く、そのまま肘置きになる程だ。 運転席からは、後部座席はおろか助手席にさえ移動できない。 「これはまるでFRセダン・・・」そう思ったのはそれ故なのだが、「唯一違う」のは足の下がり角度。 セダンのように前に足を投げ出すのではなく、以前乗っていたオデッセイのように足を下に垂らす感じと言えば判り易いか? その印象は、座面を最下面に下げても、あまり大きくは変わることはなかった。 だが一方で、ステアリングの角度はまるでセダンのように立っていて、インパネやコンソール類は運転席を囲むように仕上がっている。 つまりは、運転席に座った感覚では「ピープル・ムーバー」というよりはむしろ「背が高くなっただけのFRセダン」・・・極端に表現すると、そんな感じなのだ。 「頭で考えてはいけない・・・新しいモノとはそういうものだから。」 そう自分に言い聞かせながら、いろいろ言いたい言葉をグッと堪えて淡々と各ポジションを調整していく。 調整しながら一番気になったのは「左側のドアミラー」。 ドアミラー自体の造作が大きく、ミラーがやや奥に収まっている。それに加えてドアミラー自体があまりこっちを向いていない。 それ故、ミラー面の中にドアミラー自体が大きく被り込んで、1/4くらいが役目を果たしていない。 この手の問題はこのクルマに限った話ではないが、この辺りは「右ハンドル化」に向けてまだまだ「改善の要あり」と感じた。 運転席に座り各ポジションを調整し終えたら、自然と目線は「アレ」と「アレ」に向けられる。 そう・・・3008の「売り」の一つ、ずらっと並んだ「トグル・スイッチ」と目の前にスックと立っている「ヘッド・アップ・ディスプレイ」のことだ。 つづく
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