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「でも、しあーないわ。 後で気になってもイヤやから、最後までちょっと見届けよか。」 「花山の交差点」で左折し「その三叉路」でまた左折して、路地に入って「レクサス店前の点滅信号」に戻り、「あのお母さん」がちゃんとこちら側に渡って来るかどうか確認することにする。 (「レクサス店前の点滅信号」と「花山の交差点」と「その三叉路」との3点で、丁度「三角形」を成している。) 「点滅信号」の手前の路地で待機し「あのお母さん」の動きを観察するボク。 やがてその点滅信号に到着し、そこで横断者用のボタンを押して信号待ちをする「あのお母さん」。 「お〜お〜、ちゃんと判ってるやん!」 ボクがそう安心してると、信号が切り替わりこちらに向かって渡リ始めた。 ちゃんと道順を理解してるなら、「あのお母さん」はこの点滅信号を渡り切ってそのままボクの横を通り、「その三叉路」に向かって路地を真っすぐに進むはず。 もしちゃんとそう行動したなら、「もうこれ以上出しゃばることもない」と思ったボクは、「あのお母さん」がボクの横を通るのを確認したら、青信号がまた点滅信号に変わらぬうちに左折して帰ろうと思っていた。 がしかし、そこで「事件」が起こる。 点滅信号を渡り終えた「あのお母さん」は路地に向かって直進せずに、信号を渡り終えたところで右に方向転換して、なんとまた「花山の交差点」に向けて漕ぎだそうとしているのだ! 「真っすぐ路地に入る、やったろお母さん。 ここで右に曲がるんやったら、何のために点滅信号を渡ったんや?」 思わず突っ込みたくなる気持ちをグッと押さえ、ヘルメットのシールドを上げて「あのお母さん」に正しい道を教えるボク。 「こっち、こっちですよ〜」 初めは意味が判らずちょっと驚いていた「あのお母さん」。 オレンジのFLTRを見て、声をかけているのがさっき会ったボクだと直ぐに気付いたのか、一旦右に行きかけた自転車を慌てて立て直して、路地で点滅信号待ちしているボクの横を、頭を下げながら通過していく。 「これでもう行けるやろ・・・」 ホッと胸を撫で下ろすボク。 だが、そう思ったのも束の間、次の瞬間またもボクはバックミラーの中に驚く光景を見ることになる。 なんと「あのお母さん」がボクの横を通過した少し先の小さな十字路で、自転車から降りて辺りをキョロキョロと伺っているのだ。 「もっと先を左〜、突き当たりまで行って左〜」 ボクの声は周りの音にかき消されて「あのお母さん」には届かない。 「向こう向こう」と指差すボクの姿に気がついて、またも頭を下げて自転車を漕ぎ出す「あのお母さん」。 「・・・あかん、絶対に次も間違うわ〜」 そう確信したボクは、目の前の点滅信号を左折し一気に加速した。 それは「あのお母さん」が次に迷うであろう「三叉路」に先回りしようと考えたからだ。 「こうなったら、ちゃんと目的地の花山温泉に向かうのを見届けるしかない!」 ここまで来たらもうそれしかないと思って、「花山の交差点」で信号待ちしたのち左折して「三叉路」向けてボクはバイクを走らせた。 ボクが「三叉路」に急いでいると、ボクより先に「三叉路」に到着していた「あのお母さん」が見えた。「あのお母さん」はまた自転車から降りて、案の定辺りを見回している。 「向うだからね・・・」 そう心で念じていると、「あのお母さん」が自転車に乗ってまた移動し始めようとしている。 だがそれが、何とこちら側に向かって漕ぎ出そうとしているのだ! 「こっちじゃないよ〜向こう(反対側)だよ〜! こっちじゃまた花山の交差点に戻っちゃうよ〜」 慌てたボクは直ぐにバイクを止め、少し先にいる「あのお母さん」に向けて手で合図を送る。 その姿に気づいた「あのお母さん」は、また自転車を降りてボクに深々と頭を下げたあと自転車を方向転換させて、向こうに見えはじめている「花山温泉」の看板に向かって、やっと漕ぎ出してくれた。 「は〜あ、ここまで案内したらもうあそこに見えるあの花山温泉に着くのは時間の問題だろう。 ご苦労さま、お母さん!」 初めて安堵したボクは、この「道案内」の間に空から雨が今にも降り出しそうな天気に変わっているのにここで初めて気がついて、慌ててバイクを自宅向け走らせた。 「これで雨にやられたら、何してるこっちゃ判らんなぁ。 神さま、それだけは勘弁して〜」 何とか間に合ってガレージに納めたバイクにカバーをかけていたら、ボクの到着を待っていたかのように急に雨が降り始めた。 おしまい
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先日こんなことがあった。 それは「焼肉大門ツー」のあとの出来事。 降雨を恐れて早々に帰路についたボクは、空を見て未だ暫く天候が持ちそうなのを確認して、和歌山IC近くのボルボ和歌山に立ち寄った。 実は昨日、和歌山ICから阪和道に乗り込む際にこのショールームに飾られている「新しいC70」の姿をちらっと横目で確認していたのだ。 そのC70の話は別の機会に書くとして・・・ C70を見たあと営業マンと帰り際に店先で立ち話をしていたら、自転車に乗った20歳台後半のお母さんが我々に道を尋ねてきた。 「花山温泉は、どこらへんでしょう?」 そう我々に聞くのだ。 よく見ると、自転車の「前に男の子」「後ろに女の子」をそれぞれ乗せている。 自転車に子供を乗せるのはどうなんだろうっていう想いはボクの中にはあるけれど、今はそれを論じているときではない。 子供たちの手には着替えや洗面道具が握られ、既に長時間そこに座らされているためかかなり疲れた表情をしているし、若いお母さん自身もその華奢な身体が明らかに自転車漕ぎで疲れ、少し肌寒いというのにしっかりと汗も掻いている。 その様子を見て、二人懸命に身振り手振りで道を説明する。 「今どちらから来ました? あっち? あっちで正解だったんですよ。」 「ここからだと、大体1kmくらい戻らなあきませんね。」 「ここに来る手前にレクサスっていうクルマのお店あったでしょ? そこの点滅信号を渡るんです。 でその先を・・・」 実はボクもそう詳しくないので、後はその営業マンに説明してもらって二人でそのお母さんを見送る。 「あの人、一度は花山の交差点まで行ってたんだって・・・そこで道聞けば直ぐそこやったのにね・・・」 見送ったあと、ボソッと呟く営業マン。 「え〜、あそこから来たん?で戻んの? 大丈夫なんかな〜あの人?」 それを聞いて、急に心配になるボク。 その話は一旦そこで終わって、また新しいC70の話やボルボが中国系資本になってこれからどうなるんだろう・・・なんて話を2〜3分して、程なくバイクに跨りボクは店を後にする。 ボルボ和歌山を出て、和歌山市の中心街に向かう道路に出て走っていると、「花山の交差点」まであと少しのところで、反対車線の歩道に一生懸命自転車を漕ぐ「あのお母さん」の姿があった。 「あ〜走ってる、走ってる。 そうそう、そっちで合ってるよ。 もうちょっと頑張れ〜!」 心の中で声援を送りながら、でも一方で少し不安にもなる。 「あの人、ホンマに判ってんのかな〜? ハイハイ返事するだけで、ちゃんと理解してなかったよな気するな〜」 そうは思うものの、所詮は赤の他人。 変に関わって「変質者扱い」されても叶わない。 ボクはそのまま、「レクサス店前の点滅信号」を通過した。 花山温泉に行くには、和歌山IC方面から来た場合、その営業マンの言う「レクサス店直ぐ前にある点滅信号」をレクサス側に渡って、そのまま路地に入り「三叉路」にぶつかったら左折し、そこから更に200mほど先に進まなければならない。 「花山の交差点」まで行ってしまうと行き過ぎなのだ。 「・・・女の人にレクサス店って、言って果たして判るのかな?」 「レクサス店前の点滅信号」を通過しながら、ボクは何となくイヤな予感がした。 そう思った次の瞬間、ボクの中でいつもの「超お節介な性分」が頭をもたげ始めた。 「面倒臭いことになったな・・・」 つづく
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