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この集団で上演されるものは
昨年まで
俳優養成の授業に伴うテキスト化を盛り込んだ内容で
創作した作品だったが
今年は 彼らが集団として旗揚げをしたいということで
初の興行公演(??)となるため
自分が書いた作品は テキスト ではなかった。
そう 当然だが ライブで展開されるドラマ を書いたのである。
役者の卵のたまご・・まだ孵ってもいない未熟な彼らの中に
今回は プロ中のプロの女優を一人投入してみた。
彼女は子役から 芸能の世界で活躍し
何十年という人生の殆どを 女優 という仕事と共に生きてきた
いわゆる 身も心も「役者」というタイプの女優だ。
見れば その実力の差は歴然。
だが そこには 不思議な化学変化を起こす十分な要素が詰め込まれている。
未熟な役者を前に 思うように動けないプロは
これまで味わったことのない感覚に 自分の位置や芝居を
即座に軌道修正して その不安や焦りを 表面には全く見せない。
一方 これぞプロ という芝居を目の前で展開されてしまう
未熟な役者たちは おろおろと行き場を失い みるみるボロボロと
その未熟さを露呈していく。
だが 彼らは追いつけないとわかっていても
プロに並ぼうと必死にあがく もがく 苦しむ 挫折する。
普段の稽古は ちっとも 進歩が無い。
そんな感想を演出家から聞いていた。
どんなもんかと稽古場に顔を出すと
少しずつその場が張り詰めだし プロの集中力がみるみる上昇するのがわかる。
演出家曰く 外部から人が入ってくると 空気が変わる ということだった。
見始めた その稽古は
頭から始まり いけるところまで通していこうという進行だったが
そうか この実力者に やはり力不足の役者は負担なんだ
と すぐに感じた。
だが 止まらない。
台詞が覚えられなくて最悪だと聞いていた。
途中で芝居が途絶えてしまうから全体像が見えてこない。
これで幕は上げられるのか。
そう聞いていた。
だが 芝居は進行していく。
台詞は途絶えない。
なんだ いけるんじゃん。
プロの女優の集中力が
それまで彼女が半分に抑えていた出力を
一気に放出し始めた時・・
未熟な役者たちに 魂が注入された。
劇中で演ずる女優は 板の上に乗って稽古をしているのではなく
今や この世に存在することのない いや 台本上にのみ存在していた人物
として リアルにそこに生きていた。
未熟な役者たちが ふいに出くわしてしまったもの。
それは 芝居ではなく リアルなドラマの渦中だった。
期待してください。
面白い芝居になりそうです。
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