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デスクの上の゛ペーパーウェイト゛。
手のひらに ちょうど入るくらいの 小さな 贈り物。 いつも 私のことを 眺めている。 ゛さぼってないか!居眠りしてないか!゛。 だって 顔が描いてある。 表と裏に 男の子と女の子…? とぼけた 表情で 髭が生えてる のと、 前髪を 斜めに降ろした 鼻の高い のと。 ヘアラインの 艶やかなステンレス。 金の 延棒みたい。 角が 痛くないように、 サンダーで 研いである。 手足 と 鼻 と チンチン?!は、 ダボが ねじ込んである。 顔立ちは 一発勝負で 彫りこんだのでしょう。 あなたの 仕事場には、 沢山の 色々な 工具が あるものね。 その手のひらの 中で、 しっかりと 包み込まれて、 磨かれて 刻まれた 『宝物』。 今日も 溜まった伝票たちが 捲れてしまわないように、 しっかり 押さえてくれました。 でも… 今、女の子の 目の下には 涙型の シールが貼ってある。 アイタイ。 アイタイ。 ア イ タ イ 。 手に取っては あなたの 感触を 想う。 表情を なぞっては あなたの 重みを 痛いほど感じる。 モニターの 文字が 歪んでゆく…。 伝票の 手書き文字が にじんでゆく………。 18時半を周っていた。 慌てて 帰り支度をした。 |
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