成田好三のスポーツコラム・オフサイド

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宮本武蔵『三十五箇条』現代語訳

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 (33)うこうむかう(有構無構)という事

 太刀を持って構えることについて。どんな構えでも、構えるという心があることによって、太刀も体も居付く(固まる)ことになる。どんな状況であっても、太刀を持つ際は、構えるという心をなくすべきである。太刀構えは敵の動きによって変化する。上段には3つのバリエーションがある。中段、下段の構えも、左右の脇に構える場合もそうである。

 構えは形としてはあるが、構えはないと考えるべきである。このことはよくよく考えるべきである。

 構えを目的化してはいけない

 【やぶにらみ解説】
ここでは構え(フォーム)についての、武蔵の独特の考え方が凝縮されています。相手と対峙して太刀を使う意味は、相手を切る、倒すという以外はありません。ですから、上段、中段、下段に構えようとも、構えそのものを「目的」としてはいけないということです。

 武蔵は「居付く」ということを極度に嫌っています。居付くとは、本来は自由(やわらか)に動くべきところなのに、一つ一つの動作が途切れてしまうこと、固定してしまうことを意味します。

 動作が途切れたり、固定してしまうことで、自分の動きに「とがった角」が出来てしまいます。あるいは動作が「ぎったんばったん」といったスムーズではない動きになります。っれは、相手に攻撃される隙をつくることにもなります。

 ですから、構えはあっても構えはないという、逆説的な言い方になるのです。


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