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NHKは自民党の宣伝放送機関
NHKがここまで堕ちていたとは、さすがに思ってもいなかった。NHKは公共放送ではない。国営放送でもない。あれでは、NHKは自民党の宣伝放送機関である。
福田康夫首相の突然の辞任表明に伴う自民党総裁選公示日の9月10日。NHKは午後7時台のニュースで、公共放送としては到底考えられない報道をした。
総裁選に立候補した5人を1か所に集めて(たぶん自民党本部だろう)、ニュース・スタジオと結んだ。そして、5人の候補者にたっぷりと時間枠を与えて、自民党の宣伝、小沢一郎率いる民主党への批判を語らせたのである。
5人の候補者による自民党の宣伝と民主党批判は、ニュース冒頭から始まり、それが45分間も続いた。インタビュアーはニュースのレギュラー司会者と政治部の記者である。
2人には、候補者から本音を引き出そうとする意思などまったく感じられない。彼らに与えられた役割は、45分間のインタビュー枠を守って、そつなくこの何とも異常な『討論会』を終了させることだったからである。
ニュース・スタジオとは別の場所に陣取った5人は、画面に向かって左から届出順に石原伸晃、小池百合子、麻生太郎、石波茂、与謝野馨の順に並ぶ。彼らは、司会者と時折り口をはさむ政治部記者の質問に要領よくかつ与えられた時間枠を守って答える。
長々と自論を繰り返したり、話を脱線させたりする候補者はいない。予定調和のもとに進んだかのように、いとも整然とこの異常なインタビュー番組は終了した。
NHKはその後どうしたか。それはまさに噴飯ものであった。公明党、民主党、共産党、社民党、国民新党の順に、党首(民主は幹事長の鳩山由紀夫)のコメントを流した。この間わずか1分少々。1党首の持ち時間は10数秒といったところである。
その後、司会者と政治部記者が型どおりにまとめに入る。そして、その後、やっと一般ニュースに移る。一般ニュースのトップは、農水省が売り渡した『事故米』事件が全国的に拡大するニュースあった。
NHKは午後7時台のニュースを、1日のニュースの中でも最も重要なニュース枠だと位置付けている。その最も大事なニュース枠(通常は30分)を延長して、実に45分間も自民党総裁候補へのインタビュー、何とも変てこな『討論会』に充てたのである。
NHKは公共放送ではない。国営放送でさえない。これでは、NHKは自民党の宣伝放送機関に成り下がったとしか言いようがない。(2008年9月10日記)
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