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08年のコラム

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国会議員の世襲は続く

 国会議員の世襲は続く

 次の総選挙が終われば、小泉家はあの名門中の名門、鳩山家と並ぶことになる。まったくもって、ご同慶の至りである。

 小泉純一郎元首相が政界引退(次期総選挙不出馬)を表明し、自らの後援会で二男の進次郎氏(27歳)を後継指名した。選挙区である神奈川県横須賀市や三浦市での小泉氏の人気はいまも絶大だというから、進次郎氏の当選は間違いないだろう。

 そうなると、進次郎氏は、小泉家4代目の国会議員となる。鳩山由紀夫、邦夫兄弟も4代目の国会議員である。衆院議長、貴族院議長、内閣総理大臣を輩出した鳩山家と小泉家は、政治家一家としては並ぶことになる。

 いまや自民党の国会議員の過半数は世襲議員である。民主主義国家でありながら、政権政党の国会議員の構成が、何故こんな有様になってしまったのか。

 長いこと地方の政治、地方の選挙を見てきた経験からすれば、これは当然の成り行きである。

 世襲させる政治家と世襲する彼の息子や娘、あるいは配偶者を含む家族と、彼らを支える後援会幹部ら有力者にとっては、世襲以外の選択肢は極めて限られているからである。

 国会議員、特に衆院議員を長く務めれば、彼はその地方(選挙区を含む)において、極めて大きな権力を手にすることになる。そして、彼の権力は次第に既得権化していく。

 既得権は彼を支える家族、後援会幹部ら有力者も共有することになる。そして、国会議員本人を頂点とする権力、既得権の三角形は次第に固定化し、他者を排除していく。

 権力、既得権の頂点に位置する国会議員本人が死んだり、病気などの理由で引退せざるを得なくなったりするとどうなるか。彼の家族と後援会幹部ら有力者は当然ながら、権力、既得権の維持を目指すことになる。

 彼らの権力、既得権を維持する最良の選択肢は、国会議員の家族を後継者に指名することである。息子や娘、あるいは孫が一番にいい。それだけ権力の三角形を長く維持できるからである。それがかなわない場合は、「つなぎ」として配偶者を指名する。

 息子や娘、あるいは孫や配偶者以外を指名しようとすると、大きな混乱が起きる。裸一貫で三角形に入ってくる後継者はいない。彼もまた、小さいながらも権力の三角形の頂点にある。

 そんな彼を指名すれば、従来の権力の三角形が大きく揺らぎ、歪むからである。だから、彼らにとっては、本人の家族以外の後継者を選択することはは、極めて困難になる。

 世襲にはもうひとつの理由がある。権力の三角形を丸ごと買い取るだけの人物が存在しなくなったということである。

 引退したり死亡したりした国会議員の家族に後継者が見当たらない場合、かつてはその地方の有力者が彼の地盤を丸ごと買い取った。彼の配偶者や息子、娘の面倒を見るという理屈で、金で地盤を買い取ったのである。

 しかし、地方は疲弊し、地盤を丸ごと買い取るだけの政治的野心と経済力を併せ持つ人物がいなくなってきた。当然ながら、地盤を丸ごと買い取る以上にリスクとコストがかかる、権力と既得権を奪い取る人物もいなくなってきた。

国会議員の世襲はこれからさらに増えていく。それと併行して日本の政治の疲弊は深まっていく。(2008年9月30日記)


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