成田好三のスポーツコラム・オフサイド

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 新聞寸評―TV番組収録中にけがをした大黒将志―

 □大黒は急きょ欠席 TBSの番組収録でけが(見出し)

 Jリーグ1部(J1)G大阪の日本代表FW大黒将志が20日のJリーグ・アウオーズを急きょ欠席した。前日にTBSのバラエティー番組収録で右足首を負傷。大事を取って式典に出ずに帰阪した。
 番組関係者から謝罪を受けたG大阪の佐野社長は「思ったより腫れたみたいだ。番組内容を知って出したのだからテレビ局を責めるつもりはないが、タイミングは悪かった」と話した。
 天皇杯全日本選手権準々決勝(24日)への出場は微妙で、西野監督は「(番組出演を)知らなかった」と不機嫌そうだった。(共同通信)

 ■いつまで続ける愚かなTV番組出演

 【寸評】あんな馬鹿なことをやっていると、いつか事故が起きてしまうと考えてましたが、とうとう起きてしまいました。TV番組収録中に起きた大黒将志のけがのことです。

 こういうニュースは一般紙ではディテールがよく分かりません。頼りになるのはスポーツ紙です。

 サンケイスポーツによると、大黒がけがをした番組は、「関口宏の東京フレンドパークII」の26日放送分、ということです。記事は「トランポリンを使って壁にジャンプして得点を競うゲーム『ウォールクラッシュ』の練習でトランポリン上にとび乗った際、誤って中央を外れて金属製の外枠に右足をついてひねり、軽い痛みを訴えた。そのため本人と局側が協議し、大事をとって出演を見送った」と書いています。

 プロ野球選手がオフシーズンに『筋肉番付』系のTV番組に出演することは、もう当たり前になっています。最近はサッカー選手にもそうした番組からお呼びがかかるようです。

 スポーツ選手がTVのバラエティー番組などにに出演すること自体が悪いことだとは言いません。しかし、「時」と「番組内容」を考えて出演すべきかとうかを決めるべきです。

 大黒の場合はオフシーズンではありません。天皇杯準々決勝の直前です。しかも、フランス2部リーグ・グルノーブルへの移籍がほとんど決まりかけた時期でもあります。

 シーズン中に、しかもチームにとっても本人にとっても重要な時期に、TV番組収録中にけがをするということは、最悪、最低の行為と言うしかありません。

 大黒本人も、所属するガンバ大阪も、Jリーグも、そして大黒はドイツW杯の日本代表候補ですから日本サッカー協会も、サッカー選手のTV番組出演について、あらためて検討し直すべきです。

 スポーツ選手が「筋肉」を見せるべき場所は、『筋肉番付』系番組ではありません。見せるべき場所は、大黒の場合ならサッカー場のピッチであり、プロ野球選手なら野球場であるべきです。自らの「筋肉」をバラエティー番組などで「安売り」すべきではありません。

 また、スポーツ選手は彼の行う競技によって、それぞれ特殊な筋肉の付き方をしています。いわゆるノーマルな筋肉の付き方をしているわけではありません。そんな筋肉が、番組制作者が勝手に考えた『擬似競技』に対応することは、リスクを伴うことになります。

 スポーツ選手が出演するTV番組は、『筋肉番付』系だけではありません。お笑い芸人(けして差別的に言っているわけではありません)と一緒に馬鹿笑いをする番組にも頻繁に出演しています。

 しかしです。こうした番組への出演が本人をはじめ球団、リーグ、そして競技自体の「ステータス」の向上につながっているのでしょうか。お笑い芸人にそそのかされて馬鹿笑いや馬鹿騒ぎをする姿が本人も含めてそのスポーツの利益に貢献しているのかどうか、きちんと吟味した上で出演するかどうか決めるべきです。(2005年12月22日記)
 

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