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日本テレビとTBSは王監督に最後まで語らせよ
福岡ソフトバンクホークスの王貞治監督が9月23日、監督辞任の記者会見を行った。この会見は実に絶妙な日程だった。
前日の22日ならば、初代国民栄誉賞受賞者が自民党総裁選に水を差す。24日ならば、麻生太郎新首相の組閣の日にぶつけることになる。
24日は、ホークスの地元最終戦がある。ホークスは既にCCシリーズ進出の望みをほぼ絶たれている。地元最終戦の試合前に辞任会見をすれば、試合どころではなくなる。試合後の会見では、ファンが納得しないだろう。
小泉純一郎元首相のような人物ならば、サプライズ狙いで、試合後のあいさつの中で、会見抜きに監督辞任を発表することもできようが、王氏はそんな軽はずみなことをする人物ではない。
だから、9月23日夕、試合終了後に行った会見は、まさにこの日、この時間でなければならないという、実に絶妙なタイミングで行われた。
王氏の会見は23日午後5時すぎから行われた。この会見をTVでは、日本テレビとTBSが生中継した。しかし、両局とも何とも中途半端な生中継をした。
この日夕、筆者は自宅でTVを見ていた。日本テレビが、ホークスのフラッグの前に会見場が設営された映像を流していた。「やはり」と思った。アナウンサーのコメントを聞くまでもない。この日、この状況でのホークスの会見は、王氏の監督辞任会見しかありえない。他局へ回してみると、TBSがやはり無人の会見場の映像を流していた。
ほどなく会見が始まった。日本テレビとTBSと、チャンネルを回しながら、その生中継を見ていた。まずは球団常務と球団社長が監督辞任に至る経緯と球団、オーナーの対応を説明していた。説明というよりは、釈明である。王氏を何とか説得して辞任を思いとどまらせようとしたが、その思いはかなわなかったというような趣旨である。
その後、王氏が発言する。いつも通り、誠実な態度で辞任に至る経緯とその理由、心情を語る。
しかし、ここから驚くべき事態が起きる。日本テレビ、TBSとも王氏の発言の途中で会見の生中継を打ち切ったのである。しかも、何のことわりもなしに、である。
日本テレビ、TBSは王氏の会見が当初予定していた他のニュースより格段に価値があると判断して生中継に踏み切ったのだろう。そうであるならば、会見はすべて中継すべきである。ニュース枠の時間帯と民放の宿命であるスポンサーの関係からすべて中継できないとしても、王氏の冒頭発言くらいはきちんと中継すべきである。
こんな「尻切れトンボ」のような中継では、中継した意味がない。それどころか、王氏や王氏のファン、野球ファンに失礼である。(2008年9月25日記)
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