成田好三のスポーツコラム・オフサイド

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 ダルビッシュ発言を何故深刻に受け止めない
 
 ポスティングシステムでMLB入リを決めた後、札幌で開かれた記者会見でダルビッシュ有が、日本のプロ野球に関して極めて深刻な問題について語っています。しかし、何故かプロ野球界やそれを取り巻く主要メディアは、ダルビッシュの発言が深刻とは受け止めていないようです。彼らは、聞く耳を持たないのか。それともあえて耳を塞いでいるのでしょうか。
 
 ダルビッシュはこの会見で、MLB入リの理由についてこう語っています。
 
 以下は、読売新聞が1月25日に配信した一問一答形式の記事「バッターを倒したい。それが仕事…ダル退団会見」の一部です。
 
 ――米大リーグ移籍の理由は。
 
 「僕は昔、『メジャーには行きたくない。行くぐらいなら野球やめます』と言いました。その気持ちは今でもあまり変わっていませんが、今はプロ野球界での立場も、周りが見る目も違います」
 
 「(移籍の)一番の要因は、僕は野球選手であるということ。僕は相手のバッターを倒したいと強い気持ちで向かっていくのが好き。それが仕事と思っている。その相手に、試合前から『投げないでよ』とか、『無理だよ、打てないよ』とか、そういう言葉を冗談でも聞いていると、フェアな対戦をしていないんじゃないかとひっかかっていました」
 
 ダルビッシュの発言が本当ならば、プロ野球の選手のうち少なくとも一部は、ダルビッシュとの真剣勝負を避けている、ということになります。
 
ダルビッシュは、「冗談でも」と語っていますが、果たして本当に冗談だったのでしょうか。冗談でも冗談ではなくとも、こんな言葉を対戦相手に対して発する打者は、それだけでも選手失格です。
 
 対戦する前からこの投手の球は打てないと逃げ回っている打者との対戦など、誰も金を払ってまで球場に足を運びません。貴重な時間を割いてTVの前に座る人もいなくなります。
 
 そんな選手が億単位の年棒をもらっていたとしただどうでしょうか。そんな選手や、そんな選手が主力である球団、あるいはプロ野球界全体がファンから見放されて当然でしょう。
 
 ダルビッシュは、同じ記事でこうも語っています。
 
――米大リーグ挑戦を決めた理由は、周りから求められていることだけだったのか。
 
 「僕は勝負がしたい。そのうえで、相手もダルビッシュ打ってやるぞとか、絶対倒してやるとか、そういう気持ちで来て、初めて勝負が成り立つと思う。それじゃなくなっているというのが、野球をやるうえで、モチベーションを保つのが難しくなっていました」
 
 ダルビッシュは、打者との真剣勝負が出来ないプロ野球とプロ野球選手に愛想を尽かしてMLB入リを決めたようです。プロ野球とプロ野球選手に愛想を尽かして見放すのはダルビッシュだけとは限りません。(2012年1月31日記)

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