成田好三のスポーツコラム・オフサイド

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 こんな時と場所で「号泣」してどうするの?―新聞寸評
 
 政治記事に使われる表現として「怒号」は珍しくない。委員会室や本会議場での採決をめぐる混乱した場面ではよく使われてきた表現だ。しかし、政治記事に「号泣」という表現が使われたという記憶はない。以下は、読売新聞の政治記事である。
 
 □号泣する小沢G幹部…「前原氏一任」に怒号も(見出し)
 
 民主党は19日深夜、政策調査会の合同会議と役員会を相次いで開き、社会保障・税一体改革関連法案の修正に関する党内手続きに区切りをつけた。
 
 全議員対象の合同会議は前原政調会長が「一任」を宣言して打ち切ったため混乱し、党内の亀裂は深まった。野田首相は20日、両院議員懇談会で理解を求める考えだ。
 
 合同会議は党本部で報道陣に非公開で行われた。
 
 出席者によると、会議が終わったのは、中間派の中山義活衆院議員が「今日は台風がすごい。人道上、1回ここで終わりにしたい」と求めたのがきっかけだ。前原氏がこの後、「全員が賛成なら『了承』だが、異論もあるので、政調会長に一任いただきたい」と述べ、「駄目だ」という怒号と拍手の中で会議を閉じた。
 
 小沢一郎元代表グループの議員らが詰め寄ったが、前原氏は退室し、号泣する小沢グループ幹部もいたという。「完全に分裂だ」との声も上がった。(読売新聞、6月20日配信)
 
 ■ここまできた国会議員の〝劣化〟
 
 どうってことのない、何の変哲もないない政治記事である。この記事に興味をもったのは、末尾の部分である。いや、末尾の部分だけである。
 
 日本の政治家はこれほどまでに〝劣化〟してしまったのか。政治記事に「号泣」という極めて情緒的な言葉が使われ、しかも見出しにまでなっている。
 
 号泣とは、辞書で引くと「大声をあげて泣くこと、泣き叫ぶこと」ある。政治の舞台で「怒号」は何度も飛び交ってきたが、これからは「号泣」、つまり「大声をあげて泣くこと、泣き叫ぶこと」が効果的なパフォーマンスになってくるのだろうか。
 
 このままいくと、そう遠くない時期に、TV中継される国会の委員会や本会議でも、髪を振り乱して「号泣」する、狂信的な国会議員の姿が頻繁に見られるようになるかもしれない。(2012年6月22日記)

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