成田好三のスポーツコラム・オフサイド

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朴女史のハンドバック

朴女史のハンドバック

  どうでもいいことなんだけれども、一度気になりだすと、気になってしょうがないことがあります。筆者にとっては、そんなことのひとつが朴女史のハンドバックです。

 朴女史とは、お隣の国、韓国の元首である、朴槿惠大統領のことです。韓国KBSなど国際ニュースで流れる映像では、朴女史は必ずと言っていいほどの頻度で、ハンドバックを持って現れます。

 それもほとんどほぼ同じ色合いと大きさ、形のものです。灰色か薄い青みがかった、かなり大ぶりなタイプです。この色合いと形、大きさのハンドバックがよほどお気に入りなのでしょう。それとも、ひとつのハンドバックをずっと使い続けているのでしょうか。
 
 10月にイタリア・ミラノで開催されたアジア欧州会議(ASEM)首脳会議にもこのタイプのハンドバック持って現れました。各国首脳が記念撮影のために並ぶひな壇に登場する際もそうでした。

 女性にとってハンドバックは外出時の必需品であることは、ファッションに縁のない筆者だって理解できます。女性の衣服にあるポケットは、そもそも小物を入れるためにあるのではないことぐらいのことは理解できます。
 
 しかし、朴女史は通常の立場の女性ではありません。一国を代表する元首です。元首が公的な外出時にハンドバックをもつ必要性があるのでしょうか。小脇に抱えるセカンドバック程度のものならともかく、それにしてもあんなに大きなものが必要なのでしょうか。
 
  元首ではないが、ドイツのアンゲラ・メルケル首相も、アメリカのヒラリー・クリントン元国務長官も公的な場面でカメラの前に出るとき、ハンドバックなどもつてはいません。

 外交交渉の場や政治的パフォーマンスを演じる際に、ハンドバックは必要どころか邪魔になる存在だからです。ハンドバックなど、お付きの者に持たせればいい。それだけの話です

 朴女史が国際会議などの場で、あの大きなハンドバックを右手に持ち、その重さも手伝ってか少し背を丸めて小股で歩く姿は、どうみても一国の元首のパフォーマンスとしてはふさわしくないと思えてしまうのですが―。(2014年11月8日記)
「彼らはゲームに参加しないからよ」―ファーガソンの暴動

 アメリカ人は、世界中に民主主義を輸出するのが神から与えられた神聖な使命、とでも考えているのだろう。しかし、肝心のアメリカ国内はどうなのか。この夏、中西部の小さな町で起きた暴動の背景を見てみると、何とも寒々とした実態が浮きあがってきます。

 8月、アメリカ中西部の小さな町で起きた暴動がなかなかおさまりませんでした。白人の警官が武器を持たない黒人の少年を射殺したことに端を発した抗議デモが大規模な暴動にまで拡大し、軍隊並みの重装備の警官隊と黒人の青年らがぶつかり続けました。全米を揺るがすような暴動が、なぜこんな小さな、どこにでもあるような町で起きたのでしょうか。

 この町は。ミズーリ州のセントルイス郊外にあるファーガソンという、人口2万1000人程度の小さな町です。人口の6割は黒人が占めています。
 
 暴動がピークに達していたころ、現地に取材に入った欧州のTV局が、あるレポートを放送しました。3分ぐらいの短いレポートでした。レポーターとカメラマンら取材クルーは、町のカフェに入ります。そして、白人の太った、人の良さそうなおばさんに尋ねます。

 なぜ、こんなありふれた町で全米を揺るがすような暴動が起きるのでしょうか。それ以前に、黒人が多数派の町で、黒人はなぜ町の権力を握れないのでしょうか。
 
  おばさんはこう答えます。「彼らはゲームに参加しないからよ」。おばさんの言うゲームとはとは、選挙のことです。選挙によって成立する権力のことです。

 レポーターの説明によると、この町は元々白人が圧倒的多数派を占める町でした。そこに、黒人が入ってきます。そして、裕福な白人から町を出ていきます。そして、町の多数派は黒人になりました。しかし、町の権力構造は前と変わりません。市長は白人はであり、議会の多数派も白人です。市長に任命される警察署長も白人であり、警察官の大多数もそうです。
  
 黒人は町の多数派を占めても彼らの多くが有権者登録をしないしし、市長選や議員選挙の投票にも行きません。おばさんの言葉どおり「彼らはゲームに参加しない」のです。

 彼らの代わりに、少数派になっても町にとどまった白人が権力を握り続けます。少数派の白人にといっては、いまさら町を出ていくより、町にとどまった中で権力握り続ける方が有利な生き方となったのでしょう。多数派と少数派との権力の関係が逆転しています。そんな町がアメリカにはいくらでもあるということです。(2014年11月8日記)

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