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四国リーグ無視は球界改革の放棄
11月18日に行われたプロ野球のドラフト会議(社会人・大学生対象)に、少しだけ期待していました。結果次第では、わずかながらも球界改革の道が開かれると考えたからです。期待はあっさりと裏切られました。球界は、プロ野球に選手を供給する新たなルートの開拓を、自ら断ち切ったからです。
期待とは、四国アイランドリーグの選手が、1人でも2人でもいいからドラフトで選択されることでした。事前には候補に挙がった選手もいましたが、プロ野球の12球団は、まるで申し合わせたかのように、四国リーグの選手を選択しませんでした。
四国リーグは四国4県に限定された地域リーグですが、試合を開催することによって運営するプロリーグです。選手はプレーすることによって、ほんのわずかですが給料をもらうプロ選手です。
その目的は、これまでプロ野球選手を供給してきた社会人野球が衰退する中で、プロ野球志望の選手をそこで育て、プロ野球に供給することです。
MLBでいえば、MLB球団の支配下にはない独立リーグです。四国リーグという独立リーグから人材を供給する道が開ければ、プロ野球は新たな人材供給ルートを確保できることになります。
プロ野球はこれまで、人材供給ルートはアマチュアからしかありませんでした。高校生、大学生、社会人(クラブ)からです。しかし、それに加え独立リーグからのルートができれば、プロからプロへの道が開かれることになります。
プロからプロへのルートは、ドラフトされる側の選手にとっても、球団にとってもメリットがあります。選手にとっては、アマチュアでのチャンスに加えてもうひとつプロ野球入りするチャンスが増えることになります。
球団にとってはもっと大きなメリットがあります。ドラフトする対象の選手が増えれば、それだけ優秀な、しかも埋もれていた才能をみいだすチャンスが増えることになります。
メリットはもっとあります。独立リーグは、球団が自前で(資金面も含め)保有しなければならない「二軍機能」をもつからです。本来、自前で行わなければならない選手育成を独立リーグが行ってくれるからです。
四国リーグから今年、1人でも2人でもドラフトされれば、四国リーグとそこに所属する選手のモチベーションは高まったでしょう。来年、四国リーグ入りする選手も当然そうなります。
さらに、四国リーグの成功によって、新たなプロ野球選手の育成モデルが確立できれば、他の地域でも独立リーグ開設の動きが出てくる可能性があるからです。
だがしかしです。プロ野球が今年、四国リーグの選手を意図的に(?)無視したことによって、こうしたプロ野球改革の道を、自ら断ち切ったように思えます。
四国リーグは来年、さらに厳しい条件下でドラフトに臨むことになります。プロ野球は今年、四国リーグに所属する全選手をドラフト対象としました。しかし、これはあくまで例外でしかありません。
プロ野球は来年以降、四国リーグに所属する選手をアマチュア扱いにすることを既に決めています。高校から四国リーグ入りした選手は3年間、大学・社会人からリーグ入りした選手は2年間、ドラフト対象になるまで待たなければなりません。
プロ野球は、今年のドラフトで四国リーグとそこに所属する選手を無視したことで、球界改革の大きなチャンスを自ら放棄したといえるでしょう。(2005年11月21日記)
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