成田好三のスポーツコラム・オフサイド

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05年のコラム

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 真夏の選挙ほど候補者や陣営、政党や関係団体にとって、耐え難いものはない。国政選挙も地方の選挙も同じである。生理的困難さと組織的困難さが重なり合うからである。

 候補者や陣営にとっては、まず生理的な困難さが伴う。真冬の寒さなら防寒着などで何とかしのげるが、真夏の街頭では、暑さを逃れるすべがない。しかし、街頭を避ける訳にはいかない。

 炎天下に選挙カーに乗り窓を開けて手を振り続けていたのでは、車のクーラーはきかない。そればかりか、日本の車は右ハンドルだから、助手席に乗る候補者は顔の左側と左手がより日焼けしてしまう。下手をすると、アイフルのTVCMのようなことになる。

 体力勝負の戦いになり、特に高齢の候補者にとっては、文字通り命懸けの選挙戦になる。

 真夏の選挙は、候補者や陣営だけでなく、政党や関係団体にとっても、厳しいものがある。お盆と企業や団体の夏休みが重なることから、組織を動かすことが、他の季節とは比べようもないほど難しくなる。

 選挙事務所の立ち上げから運動員の確保、出陣式の手配、支持者や支援団体への支持取り付けとも、多くの困難さが伴う。

 真夏の総選挙は、高齢の候補者や組織票への依存度の高い候補者や政党にとっては、最悪のものである。だから、日本ではこれまで、真夏の総選挙はほとんど行われることはなかった。

 ところで、真夏の総選挙にもいいところがある。組織選挙が難しくなることで、有権者が組織の圧力やしがらみを受けにくくなることである。冷静に個人の判断で投票しようとする有権者にとっては好都合である。

 日本の選挙は長い間、組織と組織票が幅を利かせ、個人後援会や支援組織の規模が候補者の得票数と当落を左右してきた。「地盤」「看板」「カバン」の「3バン選挙」の土台になってきたのは、組織や組織票に依存する体質である。そこから「世襲」や実質的には世襲と同じ「組合(組織)世襲」が生まれてきた。

 組織票とは、大ざっぱに定義すれば、自らの決定を自らの判断によってではなく、他の誰か(組織)に委ねる人たちの投じる票のことである。そうした他者依存の人たちの票が減るならば、真夏の総選挙もそう悪いことではない。(2005年9月1日記)

 郵政民営化関連法案の参院での否決によって、小泉純一郎首相が衆院解散・総選挙を決断する前のことである。郵政法案が国会で盛んに論議されていたころ、TV・ワイドショーの時間枠をほぼ独占する大きな話題があった。

 大相撲・二子山親方の死去によって、突如としてわき起こった「若貴騒動」である。貴乃花親方がやたらとTVに生出演し、兄である花田勝氏(元横綱3代目若乃花)や母親への批判を繰り広げた、あの話題である。勝氏が父親の財産放棄を宣言して、話題は下火になったのだから、騒動の原因はやはり財産問題だったのだろう。

 ■後援会廃止とサポーター制度の導入

 ところで、若貴騒動では、本筋とは別の問題もワイドショーの俎上に上がっていた。貴乃花親方が語った大相撲と相撲部屋の改革である。その中で、貴の花親方が、部屋(貴乃花部屋)の運営方法を大きく変えたことも話題になった。

 江戸時代からの長い伝統をもつ大相撲と大相撲を構成する基本単位である相撲部屋は、「タニマチ」と呼ばれる有力後援者が提供する巨額の資金によって成り立ってきた。少数の有力後援者が金も口も出して、部屋の運営(経営)を支えてきたのである。しかし、貴乃花親方はこの伝統的制度を壊してしまった。後援会を解散させ、代わりにサポーター制度を取り入れたのである。部屋の運営経費を「少数から厚く」ではなく、「多数から薄く」集めようというのである。

 大相撲と相撲部屋も、バブルの崩壊後は運営が苦しくなってきた。金も口も出す有力後援者が少なくなったからである。若乃花、貴乃花兄弟の引退後は相撲人気に陰りがでたままである。

 ■組織票頼りからと個人票が主役に

 この国の政治は長い間、政治家と官僚、業界との「三位一体」体制で構成されてきた。業界の利害を官僚が調整し、その仲立ちをするのが政治家という関係である。この体制下では本来の主権者である有権者個人の出る幕はなかった。国政選挙も当然ながらこの体制の枠内で行われてきた。業界が業界関係者の票を組織票として集め、それを政治家(政党)に提供する。その見返りとして業界は政治家(政治)と官僚機構から利益を得るという関係である。

 メディアは組織票に属さない票を「浮動票」、近年は「無党派票」と称している。しかし、この用語は一種の差別用語である。まるで支持政党をもたない有権者はまっとうではないとうニュアンスがこの用語にはある。組織票に属さず、その都度個人の判断で投票する。冷戦構造が壊れ、自民党も民主党も基本政策がそれほど変わらなくなった現在では、特定の支持政党をもたない有権者が3分の1程度存在することは、当たり前のことである。

 筆者はこうした有権者が投じる票を「個人票」と名付けている。もちろん、現実には組織票も個人票も厳密に区分けできる訳ではない。有権者の投票行動はその都度微妙に揺れ動いている。しかし、近年の国政選挙では、業界が集める組織票頼りでは選挙に勝てなくなった。組織票の総枠は減り続けている。

 1996年の衆院選で小選挙区比例代表並立制が導入されて以来、その傾向がより顕著になってきた。各政党とも「浮動票」「無党派票」を無視できなくなってきたのである。「浮動票」「無党派票」をより多く獲得した政党が選挙に勝つ時代になった。筆者の名付けた個人票が選挙の勝敗を左右する時代に変わってきたのである。

 ■「タニマチ」を切り捨てた小泉首相

 戦後の「55年体制」構築以降、ほんの一時期を除いて常に政権政党であった自民党は、最も組織票に依存してきた政党である。農協など農業団体、ゼネコンから地方の零細企業までに至る建設業界、医師会など医療団体、特定郵便局長やそのOB、家族などによる郵政関連業界―。これら支持団体の組織票が政権政党で在り続けてきた自民党を支えてきた。

 小泉首相が4年前の就任以来続けてきた構造改革は、これらの支持団体の利害とは相容れないものである。公共事業削減政策とその一連の流れである道路公団民営化政策によって、バブル崩壊で致命的な痛手を負った建設業界は構造不況に陥ったままである。小泉内閣の最大の政策課題である郵政民営化は、自民党の最大の支持団体である郵政関連業界の利益とはまったく相反するものである。

 小泉首相は何故、これまで自民党を支えてきた自民党の支持団体の利益とは相反する政策を取ることができたのか。それは、支持団体が集める組織票の限界を見極めていたからである。従来の支持団体が集める組織票頼りでは選挙には勝てない。浮動票、無党派票と呼ばれた個人票をターゲットにしなければ、選挙には勝てないと判断しているからである。小泉首相もまた貴乃花親方と同様に、「タニマチ」票ではなく個人票に自らの命運をかけたからである。

 今回の総選挙で最大の焦点は、従来の支持団体とそれに同調する衆院議員を切り捨てて、個人票にかけた小泉首相の戦略が成功するか否かということである。成功すれば、自民党だけでなく野党も変わる。政治自体が変化する。そうならなければ、個人票が政治の枠組みづくりに関与できないという、この国の政治構造は変化しないまま継続するこになる。

 ■貴乃花親方と小泉首相の類似性

 貴乃花親方と小泉首相には多くの類似性がある。ともに所属する世界では変人扱いされている。ともにその世界で頂点を極めている。ともにその世界では人気者である。そして、2人は決定的場面であいまみえている。曙との本割で力士生命にかかわる深手を負ったまま臨んだ優勝決定戦で再び曙を下して、鬼の形相をあらわにした貴乃花と、その直後の表彰式で「痛みに耐えてよくがんばったっ」と讃えた小泉首相である。あの瞬間から貴乃花にとっては苦難の連続休場の道が続いた。あの瞬間から小泉首相にはそれまでの首相にはない、個人の意志をストレートに表現する首相というイメージが定着した。

 大相撲と相撲部屋も改革が迫られている。しかし、貴乃花親方の改革案は相撲界では理解は得られないだろう。その理由は、貴の花親方は相撲協会の理事ではなく、一人の部屋持ち親方にすぎないこと、もう一つは改革案実現への戦略性がないことである。小泉首相はいいまもこの国の最高責任者の地位にある。貴乃花親方にはない戦略性もある。2人の改革者どこでまた交わり、またどこで離れていくのだろうか。(2005年8月23日記)

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 郵政民営化関連法案の参院否決により小泉純一郎首相が決断した衆院解散・総選挙で、新聞・TVなど主要メディアは、「自民党分裂」「自民党分裂選挙」「刺客」「落下傘候補」といった、明らかに事実と違う言葉や、選挙の本質を見誤らせる情緒的な言葉を、無責任に垂れ流している。

 ■自民党は「分裂」していない

 小泉首相と自民党執行部が、衆院で郵政法案に反対票を投じた前議員を公認せず、小選挙区に立候補する造反派の前議員全員に対して、対抗馬の擁立を進めていることから、メディアは「自民党分裂」「自民党分裂選挙」という言葉を頻繁に使っている。しかし、この言葉の使い方は明らかに間違っている。自民党はまったく「分裂」などしていないからである。

 政党が分裂したならば、多数の国会議員が離党し、党の中央組織の一部や地方組織(都道府県連のことを指す。選挙区支部は議員の個人後援会と事実上一体である)の一部が党から離脱しなければならないはずである。しかし、現状はそうなっていない。

 造反派の前議員の多くは離党していない。中央組織に変化はない。地方組織も、反対票を投じた前議員を「県連公認」(実質的には意味がない)にするケースはあるが、党中央に反旗をひるがえしたところは皆無である。

 8月17日には、造反派の綿貫民輔、亀井静香両氏らが「国民新党」結成を表明したが、この新党に当初参加したのは、自民の衆院前議員3、自民の参院議員1、民主の参院議員1の計5人だけである。

 この新党は公選法の政党要件を満たすための、「選挙互助会」そのものである。現段階では「郵政民営化反対」の公約すら掲げていない。法案に反対票を投じた造反派の前議員が多数参加する動きなどまったくない。

 小泉首相と自民党執行部は、法案には反対票を投じた前議員を排除しただけである。

 ■対抗馬は「刺客」ではない

 メディアはまた、造反派の前議員の選挙区に対抗馬を擁立することに対して、「刺客」を送り込むという言葉を使っている。刺客とは対立する相手方を抹殺する人物、いわばテロリスト的な語感があるが、対抗馬は果たして刺客なのだろうか。

 内閣の最重要課題である郵政法案が参院で否決されたことにより、郵政民営化の是非を最大の争点に、小泉首相は解散・総選挙に踏み切ったのだから、全選挙区に郵政民営化に賛成する候補を擁立することは、当然の判断である。

 郵政民営化反対の候補しかいない選挙区が残ってしまったのでは、何のために解散したのか分からなくなる。造反派の前議員に対して対抗馬を擁立することは、刺客などという情緒的な言葉で形容すべきではない。

 ■「落下傘候補」のどこが悪い

 メディアはまた、自民党が官僚や学者など著名人を、その人の地元ではない選挙区に擁立することを、「落下傘候補」を立てるなどと形容している。しかし、落下傘候補のどこが悪いのだろうか。

 政党化が進む小選挙区制度では本来、候補者は出身地にかかわりなく選ぶべきである。党の政策に賛同する、能力と意欲、将来性のある人物を党が選び、党の指定する選挙区に擁立することが本来の政党選挙である。

 落下傘候補でない候補、つまり在来型の「地盤」「看板」「カバン」をもった候補が、日本の政治と選挙を歪めてきたのである。政治家を「一国一城の主」などと称し、地元の大物秘書を「城代家老」などと呼ぶ近世戦国時代的な政治的土壌と精神風土こそ、排除されるべきである。

 「地盤」「看板」「カバン」が、地元利益誘導型政治と政治家の実質的な世襲を生み出し、政治と政治家の新陳代謝を阻害してきた大きな要因であるからである。

 落下傘候補こそ政党政治においては、本来あるべき候補の姿である。

判断を誤る権力者とメディア

 時代が大きく変わろうとするとき、権力者の多くは判断を誤るものである。彼らに既得権益をもたらした旧体制が骨の髄までしみこんでいるからである。小泉首相と何十年も付き合いながら、首相の最終判断(解散・総選挙)を読み違えた綿貫氏や亀井氏はその典型的な例である。

 時代が大きく変わろうとするとき、メディアの多くもまた、判断を誤るものである。彼らもまた、旧体制が骨の髄までしみこんだ既得権益をもつ存在だからである。彼らが「自民党分裂」「刺客」「落下傘候補」といった、間違った言葉や情緒的で無責任な言葉を垂れ流す背景には、彼らの表面上の主張とは違う、旧体制と既得権益を維持したい願望があるからでである。(2005年8月18日記)

 小泉純一郎主首相は凄まじい政治家である。まさに稀代の策略家、いや天才的な軍師、戦略家といえるだろう。

 参院本会議での郵政民営化関連法案の否決は、郵政民営化を内閣の至上命題とする小泉首相にとっては絶対的な危機である。しかもその危機は敵(野党)ではなく味方(自民党)の反乱によってもたらされた。

しかし、小泉首相は圧倒的に不利な、全面敗北寸前の状況下で、妥協的勝利ではなく、全面勝利を目論んだ戦略の実行を決断し、正面突破作戦を決行する。

 敵と戦う前にまず「反乱軍」を鎮圧し、併せて敵を「反動勢力」と位置付ける。それが今回の解散・総選挙における総司令官であり軍師も兼ねる小泉首相の選挙戦略である。

 衆院解散後の第一ラウンドは、小泉首相の戦略通りに進行している。その一部をこのコラムで分析してみることにする。

 ■「郵政解散」ネーミングの勝利

 衆院解散・総選挙のネーミングは重要な意味をもつ。その選挙の特性、イメージを決定付けるからである。

 解散・総選挙を決断した直後、8月8日夜の会見で、小泉首相は自ら「郵政解散」と名付けた。翌9日付以降の新聞各紙は、朝日を除いて、「郵政解散」を社説や特集・連載のタイトルや見出しに使っている。

 総選挙の焦点をメディアを通して、「構造改革で民間主体の小さな政府を目指す郵政民営化賛成勢力」=小泉自民党、公明党=と、「官主体で大きな政府を維持したい郵政民営化反対勢力」=自民党造反勢力、民主党など全野党勢力=の対決という構図に持ち込むことにまずは成功した。

 小泉首相の戦術はさらに手がこんでいた。10日には、自ら名付けて新聞各紙の多くが使用した「郵政解散」の呼び名を、「郵政・ガリレオ解散」と変更するよう提案した。

 これもメディア対策である。メディアは取材相手、特に権力者の取材相手が提案した名称の使用を嫌う習性がある。

 政治的にニュートラルな事案であった「阪神淡路大震災」(政府側の名称)でも、多くのメディアはこの名称を使わず、「阪神大震災」で通した。

 小泉首相とメディア対策に長けた飯島勲書記官ら側近は、あえて定着しかけた名称を否定してみせたのである。これには以下のような、小泉首相のメッセージが込められている。

 「私が当初名付けた『郵政解散』の名称は撤回しましたから、どうぞ自由に総選挙のタイトルをつけてください。ただし、私は既に名付け親の立場を放棄したので、『郵政解散』を使っても結構ですよ」

 こうなると、メディアは「郵政解散」の使用に躊躇しなくなる。

 民主党の岡田克也代表は「郵政解散」に反発し、幾つかの代案を提案したが、後の祭りである。岡田氏の代案を使うメディアは一つもなかった。

 ■「竹中擁立」はガセネタか

 小泉首相が、民営化法案に反対した自民党前議員すべての選挙区に対抗馬を立てる方針を明らかにし、その第1弾として小池百合子環境相(比例近畿)を小林興起氏(東京10区)の対抗馬として擁立すると決めた10日、永田町をある噂が駆け巡った。

 反対派の中核の一人である亀井静香・元政調会長の選挙区である広島6区に、竹中平蔵・郵政民営化担当大臣(参院比例)を擁立するという噂である。一部メディアは「擁立有力」と報じた。

 自民党の反対派は早くも足下が乱れている。選挙向けの新党構想はあっという間にしぼんだ。

 党の公認を得られない反対派は、自民党の看板も、自民党の金庫も、自民党総裁の印のある借用証書も使えない。選挙向けの新党立ち上げにも失敗した反対派は、現行の公選法では圧倒的に不利な無所属で戦うしかなくなっていた。

 そこに小泉首相が「刺客」(対抗馬)を送り込んでくる。しかもその第1弾はタレント出身で現職閣僚の小池氏である。

 11日付の読売「スキャナー」によると、「竹中擁立」の情報は、反対派の会合の席で、1枚のメモによって伝えられた。

 この記事によると、亀井氏は「望むところだっ」と吠えたそうである。しかし、実のところは冷や汗を流し、肝をつぶしていただろう。

 記事では「竹中擁立話はガセネタだった」とあるが、単なるガセネタであるはずもない。これも飯島秘書官らが仕掛けた情報戦に違いない。「擁立有力」と報じた一部メディアは巧妙なリークの罠にひっかかったのだろう。この記事では、午後4時に竹中氏が首相官邸を訪れ、小泉首相との会談後に擁立話を否定したとあるから、相当に手のこんだ情報戦である。

 ■「刺客」はいくらでもいる

 小泉首相が、反対派全員の選挙区に対抗馬(刺客)を立てる方針を明らかにした際、反対派や野党、メディアの一部は、そう簡単に大量の対抗馬は擁立できないだろうと考えていた。

 しかし、それはとんでもない間違いである。対抗馬はいくらでもいる。何もこれからあわてて民間人を探すこともない。「身内」に数多くいるからである。

 国会議員にはある習性、方向性がある。参院議員なら衆院議員、それも比例区ではなく選挙区に鞍替えしたい、比例区の衆院議員なら選挙区に転出したい、という習性、方向性である。

 小泉首相はこの習性、方向性を利用すればいいだけのことである。東京10区への擁立が決まった小池環境相も衆院比例区選出である。

 参院比例区選出議員なら本人にとっても、党にとっても都合がいい。本人にとっては衆院議員、それも選挙区選出議員になれるチャンスだからである。党にとっては、参院比例区議員が衆院議員に転出するため何人辞職しても不都合はない。その都度、次点者が繰り上げ当選するから、議席数が減ることはない。しかも、鞍替えする本人も、繰り上げ当選する次点者も、ともにチャンスを与えてくれた小泉首相に感謝する。

小泉自民党有利な情勢下ならば、対抗馬擁立に困ることはない。国会議員以外からの自薦他薦組も増えてくる。

 小泉首相の戦略、戦術は事前に周到に準備されたものである。(2005年8月12日記)

 ■リーグを東、中、西地区に分割する

 東、中、西の3地区にリーグを分割するといっても、地区内だけで試合をするわけではない。地区内だけの試合では日本のトップリーグではなく、地域リーグになってしまうからである。

 そこで、地区内同士に加えて、他地区との試合を組み合わせる。3地区とも6球団で構成されるから、同じ地区内の試合は、1球団当たりで考えると、ホーム(3試合)・アウエイ(3試合)計6試合を1セットとすると、10セット、計60試合を行う。他地区とは1セットずつ対戦する。他の2地区の球団数は12だから、他地区とは計72試合となる。

 公式戦のうち、レギュラーシーズンの試合数は地区内60、他地区72の計132試合となる。現在のレギュラーシーズンの試合数とほぼ同じ試合数になる。

 ■ワイルドカードを取り入れたポストシーズン制の導入

 米国でMLBやバスケットボールのNBAの人気が高い背景には、より魅力的なシステムがあるからである。それはポストシーズン制である。レギュラーシーズンはポストシーズン進出をかけた1次リーグに近いものになっている。球団としてもポストシーズンに進出できれば、経営的に採算が取れる仕組みになっている。

 そこで、プロ野球も現在のセ・パ両リーグの優勝球団による日本シリーズではなく、ポストシーズン制を導入する。導入に当たってはワイルドカードを取り入れる。ワイルドカードによってレギュラーシーズン後半の消化試合が減る。ポストシーズンもより多くの球団が進出することによって、より魅力の高いシーズンになる。

 ポストシーズン進出球団はこうする。3地区の優勝と2位の球団は文句なく進出できる。さらに各地区の優勝、2位球団を除いた、リーグの勝率上位2球団の進出を認める。これで8球団が日本一を争うことになる。

 8球団は1、2回戦は最大5試合(3試合先勝)を戦う。日本一決定シリーズは最大7試合(4試合先勝)で優勝球団を決定する。こうすると、レギュラーシーズン132試合、ポストシーズン最大17試合がプロ野球の公式戦となる。

 ■ポストシーズンと選手育成ビジネス

 球団にとって最大の目標は日本一になることである。しかし、それができなくても次善の目標が設定できる。ポストシーズンに進出することである。ポストシーズンに進出できれば、観客をより多く集めることが可能な、レギュラーシーズンより価値の高い試合を複数開催できる。それによって球団の知名度、人気も高まり、スポンサーもより多く集まる。ファンが増えるのは当然のことである。

 少なくともポストシーズンに進出すれば経営が成り立ようにリーグを運営する。TV放送権やリーグ全体のメーンスポンサーをリーグが一括管理する。そうすれば、リーグにより多くの利益が確保され、その利益が各球団に配分される。

 では、ポストシーズンに進出が難しい、スポンサーも少ない下位の弱小球団の経営はどうするのか。身の丈に合った経営は必要だが、それだけでは球団経営は成り立たない。そうした球団は選手育成を事業の柱にすればいい。この改革案はドラフトの完全ウエーバー制導入が前提になっている。下位球団ほど才能豊かな新人選手を獲得できる制度である。それを最大限に生かせばいい。 

 スカウト、育成機能を充実させ、才能豊かな選手を育て上げ、彼らがフリーエージェント(FA)権を取得する前に、上位球団に譲渡すればいい。多額の移籍金が球団の収入になる。

 欧州各国のサッカーでは、トップリーグの下位球団や下部リーグの球団は選手育成が大きなビジネスになっている。MLBにしても、日本資本が入る前のマリナーズはそうした球団だった。下位球団だったマリナーズはドラフトで上位選手の獲得が可能だった。その権利を生かしてケン・グリフィー・ジュニア、アレックス・ロドリゲスらMLBを代表するスーパースターに育て上げ、彼らの移籍によって高額の移籍金を得ている。日本でもそうした選手育成ビジネスをつくればいいのである。 

 ■改革案の前提になるもの

 この改革案には前提が存在する。球団が親会社の赤字補填に依存しない経営体になることである。すぐにそれができなければ、リーグとして具体的にその道筋を示すことが必要になる。さらに球団経営に関して「入り口」と」「出口」を明確にすることである。球団を買いたいまともな人(会社)が球団を購入でき、球団を手放したい人(会社)がきちんとした形で球団を売却できる「ルール」をつくることである。

 球団に大きな利益をもたらすTVの全国放送権はリーグが一括管理する。完全ウエーバー制導入によるドラフト改革やウエーバー制と裏腹の関係にある選手のフリーエージェント(FA)権取得年数の短縮なども当然の前提要件になる。

 リーグ機構とその代表者が加盟18球団を完全に統括することも大前提になる。リーグ機構の代表者は、リーグ運営に関する重要事項の決定権をもち、その責任を負う。日本プロ野球組織(NPB)の代表者である根来泰周コミッショナーの、コミッショナーは「調停者」「裁判官」であるなどという主張は論外である。リーグの代表者がリーグの運営に関して全責任を負うのは当然のことである。(2005年8月5日記)


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