成田好三のスポーツコラム・オフサイド

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 ドイツW杯寸評(4)サッカーは不思議なスポーツ

 サッカーは、何とも不思議なスポーツです。

 人にとって最も器用に使いこなせる身体的「道具」である手(腕)の使用を禁止するスポーツは、サッカー以外では、東南アジアで人気のあるセパタクローくらいしか知りません。

 サッカーほど得点の入らないボールゲームも、他にはないでしょう。あらゆるボールゲームで、最もエキサイティングなシーンは、得点シーンです。得点シーンが多いほど、ゲームは盛り上がります。野球の華が本塁打ならば、バスケットボールのそれはダンクシュートでしょう。フィールドを跳び越す本塁打や豪快なダンクシュートの度に、会場はヒートアップしていきます。

 ドイツW杯の1次リーグで、アルゼンチンが6−0の大差でセルビア・モンテネグロを下しました。アルゼンチンが自陣から20数本のパスをつないでゴールにもちこんだ、あのゲームです。しかし、こんなに得点が入る大差のゲームは、W杯では例外中の例外といえるでしょう。

 逆のケースもありました。スイスは1次リーグ3ゲーム、決勝トーナメント1回戦の計4ゲームを戦い、無失点でしたが、決勝トーナメント1回戦でPK戦の末にウクライナに破れ、ドイツを去りました。ウクライナのシェフチェンコが最初のPKをはずしたにもかかわらず、スイスが3人連続でPKに失敗したあの試合です。

 他のボールゲームでは、得点の入らない展開が続けば、観客の興味が失せてしまます。野球でいえば、0−0のまま続く延長戦はマニアにとつては好ゲームでしょうが、一般の観客にはつまらないゲームに思えてしまいます。

 しかしです。サッカーに限ってはそうなりません。欧州の国々では、0−0の引き分けゲームに、多くのファンが熱狂をもって声援を送り続けます。

 まったくもって、サッカーは不思議なスポーツです。そして、こんなに不思議なスポーツが世界中で人々に最も支持されているスポーツであるという事実もまた、不思議なことです。(2006年6月30日記)
 

 川淵会長「史上最大の失言」の姑息さ

 日本サッカー協会長の川淵三郎さん。あなたは相当な「役者」ですね。それとも、あなたの周囲には筋金入りの「振付師」でもいるんでしょうか。そして、あなたは「すり替えの名人」でもありますね。

 W杯1次リーグで1勝もできずに敗退した日本代表の敗因分析の場であるべきあなたの、6月24日の帰国会見を、「史上最大の失言」によって、実質的には新代表監督発表の場に変えてしまったのですから。

 しかしですよ。あなたのやり方は「姑息な行為」そのものです。あなたと日本サッカー協会のコントロール下にあるメディアはだませても、一般の日本人をだますことはできません。

 いや、あなたの会見をそのまま報じたメデイアはだまされたのではなく、だまされたふりをしていたのでしょう。だまされたふりをするメディアは、単にだまされただけのメディアよりたちが悪いというしかありません。

 日本代表は帰国に際して記者会見を行いませんでした。W杯の結果が大敗北でしたから、会見を開きたくなかった気持ちは分かります。しかし、全員の出席は無理だとしても、ジーコ監督と宮本恒靖キャプテンなど主力の会見は必要だったのではないでしょうか。

 それも無理ならば、あなたの会見にジーコ監督を同席させるべきだったのではないでしょうか。あなたはそれさえしませんでした。

 さらにです。あなたの「史上最大の失言」です。TVのニュースワ枠であなたの「史上最大の失言」の場面を見ましたが、あれは失言でも何でもありません。「役者」が「せりふ」をしゃべっている場面であることは、子どもだって分かります。

 メディアは、次期代表監督にイビチャ・オシム氏が就任することを事前に知っていたようですね。あなたの会見の翌25日、読売新聞はスポーツ面の1ページのほぼ全部を使って、オシム氏を紹介していました。

 読売はオシム氏紹介の記事に、あなたの会見での様子を短い記事にして添えています。その末尾に、「ただ、このドタバタ劇も、日本代表の惨敗で、ジーコ監督や選手、協会に対する批判が高まっている中での帰国だっただけに、世間の関心をそらそうという計算があってのものと見えなくもない・と書いています。この程度のフレーズが、あなたのコントロール下にあるメディアにとって許される限界のようです。

 しかしです。こうしたメディアとぐるになったやり方は、日本のサッカーにとって何ひとついいことにはつながりません。ドイツW杯で何故、日本は大敗北を喫したのか。その根本原因は何なのか。早期に敗因分析し、それを公表することからしか、次のW杯への道は切り開けません。

 1次リーグの第3戦、ブラジル戦のTV視聴率は午前4時試合開始、しかも日本の1リーグ敗退が99%以上濃厚であるという前提のなかで、後半(5時から6時)の視聴率は37・2%(関東地区)を記録しました。この数字の重みについてもう一度考えてみるべきです。

 あなたや日本サッカー協会、そしてJリーグの努力によって、日本のサッカーは、日本人がこれだけ関心をもつ競技に成長しました。プロ野球や五輪競技団体の最高責任者と比べて、あなたは突出した存在です。実績も積み重ねてきました。それだけに、帰国会見での「史上最大の失言」は残念でなりません。あなたは「役者」や「振付師」を身近におく人間、「すり替えの名人」では済まされない立場にいるのです。(2006年6月26日記)

 プロ野球交流戦は「混ぜご飯」方式で

 人間は何ともぜいたくであきっぽい生きものです。1度目は大きな驚きをもって迎え入れたイベントも、2度目、3度目となると、あきがきてしまいます。イベントの鮮度が次第に失われてしまうからです。

 昨シーズンに続いて2度目の開催となったプロ野球の交流戦が6月20日、全日程を終了しました。パ・リーグのロッテが2シーズン連続で優勝しましたが、大きな盛り上がりはありませんでした。

 新聞やTVなどメディアが注目したのは交流戦の試合そのものではなく、今シーズン限りでの引退を表明した新庄剛志(日本ハム)の球場でのパフォーマンスでした。今シーズンの交流戦は、ドイツW杯の陰にひっそりと咲いていた花がしぼむように、静かに終わってしまいました。

 この時期、メディアの最大かつ唯一の関心事はW杯でした。いや、W杯ではなくオーストライアに逆転負けし、クロアチアとようやく引き分け、ブラジルに大敗して1次リーグで敗退したサッカー日本代表の試合と、代表メンバー、それにジーコ監督の動向でした。

 今シーズンの交流戦はW杯と同時期の開催になったのだから、メディアの関心、つまりは国民の関心がW杯一色になっても仕方がない。プロ野球関係者はそう考えていたのでしょうか。

 しかし、彼らが本当にそう考えていたとしたら、彼らは極めて重要な時期と場面で、重大な責任放棄をしたことになります。今シーズンの交流戦は、2シーズン目の工夫というものがまったくありませんでした。

 冒頭で触れたように、人間は何ともぜいたくであきっぽい生きものです。1年目には興奮をもって迎えられた交流戦も、2年目には交流戦の開催自体が当たり前ものとして受け止められてしまいます。そこに、W杯という巨大イベントが重なれば、興味が薄れてしまうことは、当然のことだといえます。

 今シーズンの交流戦を見ていて、ある種の違和感をおぼえました。ファンが交流戦を望んだのは、「交流戦だけを見たいから」ではなく、「交流戦も見たい」だったはずです。しかし、この時期、ファンは交流戦だけを見せられました。

 1か月以上も交流戦だけを見せられると、あきてしまいます。同じリーグ同士のカードも見たくなります。しかし、そんな当たり前のファンの望みは、交流戦が終わるまでは、お預けになってしまいました。

 プロ野球関係者の中には、交流戦をオールスター戦前後に「2分割」で開催すべきだと主張する人もいるようです。しかし、筆者はこの考えには組みしません。オールスター戦後に交流戦を開催したのでは、ペナントレースの本来の目的であるリーグの優勝争いがかすんでしまうからです。

 そこで、今回はこのコラムで、筆者の交流戦改革プランを提案してみます。名づけて、交流戦「混ぜご飯」方式です。あまりよく混ぜない混ぜご飯は、白いご飯も調味料やだしで味付けたご飯も、それにさまざまな具の味も楽しめます。この方式を採用しますと、ペナントレースは3つの段階を踏むことになります。

 第1段階。3月末か4月初めの開幕から5月の連休までは、セ・パ両リーグともリーグ内の球団とだけ試合をします。この段階では球団もファンもリーグ内の位置取りが確認できます。

 第2段階。5月の連休あけからオールスター戦前までは、同一リーグでのカードと交流戦のカードを交互に開催します。この段階ではファンは交流戦だけではなく、交流戦も楽しむことができます。球団にとっても、昨シーズンの中日や今シーズンの読売のような、交流戦による極度の戦績の落ち込みを回避できる可能性が大きくなります。

 第3段階。オールスター戦後は同一リーク内だけのカードに戻します。これによって、第3段階はリーグの優勝争いに焦点をより絞ることができます。第2段階で交流戦と同一リーグ内のカードが消化できないのであれば、オールスター戦の開催時期を遅らせればいいだけのことです。それによって第3段階は、より短期決戦型のリーグ優勝争いが展開されることになります。

 スポンサーの意向や日程調整など難しいことはあるでしょうが、ファンが望んだのは「交流戦だけ」を見たいのではなく、「交流戦も」見たいということだったことは確かです。プロ野球関係者は交流戦のあり方について再考すべきです。(2006年6月23日記)

 ドイツW杯寸評(2)「きれいごと」すぎる日本代表

 日本代表FW、柳沢敦は嫌いな選手ではない。相手DFの裏に飛び込む絶妙のタイミングや飛びぬけたスピードは、他の日本人FWにはないものがある。

 しかし、あのシュートだけはいただけない。ドイツW杯1次リーグの第2戦、クロアチア戦での、誰もがため息をついたあのミスショットである。

 シュートはゴールにパスするものだととも言われている。やみくもに強く打ち込むよりも、ゴールの枠内で最も確率の高い場所にパスするように放り込めということである。

 柳沢はあの場面で余計なことをやってしまった。右サイドからのクロスに対して、ゴール前でまったくのフリーの位置にいたのだから、右足のインサイドでちょっとボールに触れれば、日本代表にとって決定的なゴールが成立したはずである。

 柳沢は何故、あの場面で不必要なテクニックを弄してしまったのか。結果は、ゴールの枠外にいた相手GKにパスしてしまったのである。あのシュートは、相手GKがそらしてしまうほど想定外のものだった。

 柳沢のあのシュートを見て、日本リーグの後期からJリーグ草創期に日本のトップ球団であった、読売クラブ―ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)で、カズこと三浦知良と2トップを張っていたFW、武田修宏のプレースタイルを思い出した。

 武田の得意技は「ゴッツァン(ごちそうさん)ゴール」だった。三浦はもちろん、他球団の有力FWと比べても、それほど優れたテクニックをもっていない(と素人には思われていた)武田だが、三浦や他球団の有力FW以上のゴールを重ねていた。

 武田の「ゴッツァンゴール」は、リバンドやこぼれ球を予測してポジショニングする極めて高度なテクニックと才能に裏打ちされたものだった。

 ドイツW杯で脚光を浴びている強烈なミドル・ロングシュートもサッカーの大きな魅力である。相手DFを切り裂いてペナルティーエリアから繰り出すシュートにも大きな魅力がある。

 しかしである。大事な大会の大事な試合の大事な場面でのゴールは、そんなうっとりするゴールとは限らない。

 日韓共催W杯で、日本代表にとって最も決定的なゴールとなった鈴木隆行のゴールは、ボールに向かって飛び込んだ鈴木のつま先がかろうじてボールに触ったものだった。

 メキシコW杯でのマラドーナの伝説的なゴール「神の手」も、要するにマラドーナが子どものころに身につけた、審判の目をあざむく「だましのテクニック」のなせる技だった。

 柳沢も、他の日本代表選手も、そして監督のジーコも、ドイツW杯では何かきれいごとのプレーをしていないだろうか。

 大事な大会の大事な試合の大事な局面を切り開くためには、もっと泥臭いプレーが必要になる。(2006年6月20日記)

 新聞寸評―福井総裁答弁、NHK中継なしはたまたま?―

 ■参院予算委のネット中継、接続集中でパンク(見出し)

 参院が15日配信した予算委員会のインターネット中継に視聴が集中したため、接続しづらい状態が約2時間40分続いた。

 同日の審議には、日本銀行の福井俊彦総裁が出席し、「村上ファンド」に1000万円を拠出していた経緯などを説明しており、この問題に対する国民の関心の高さを裏付けた格好だ。NHKが同委の審議を中継しなかったことも一因と見られる。

 参院広報課によると、ネット中継に接続できる許容量は約500人分。昨年、郵政民営化をめぐる審議でも、つながりにくい状態が起きたという。(2006年6月15日  読売新聞)

 ■「おいしい中継を何故しない」と新聞は書かないんだ

 読売記事の主題は見出しの通り、「インターネット中継に視聴が集中したため、接続しづらい状態が約2時間40分続いた」ことだが、この記事で筆者が注目したのは、「NHKが同委の審議を中継しなかったことも一因と見られる」の部分です。

 この記事は、福井日銀総裁が出席した参院予算委員会をNHKがTV中継しなかった理由については、まったく触れていません。それどころか、この記事を書いた記者はNHKの中継なしに関して、何ら問題意識をもっていなかったようです。

 しかしです。NHKはこの記事にあるように、「たまたま」中継をしなかったのでしょうか。筆者にはそうは思えません。

 特殊法人であるNHKは元々、政府・与党に「首根っこ」を押さえつかられた存在です。予算・決算とも国会の承認が必要な団体だからです。それに加えて、現在はさらに厳しい状況にさらされています。

 職員による相次ぐ不祥事発覚とそれに対する幹部のお粗末な対応から受信料不払いが急増し、海老沢勝二前会長の実質的な引責辞任に至りました。さらに、不払い世帯が3割も存在するという事実が明らかになったことで、不祥事への批判からではなく、受信料の不公平さからの不払いが増加しているのが実態でしょう。

 さらに加えて、竹中平蔵総務大臣の私的諮問機関がチャンネル数削減もを含めた報告書を作成し、自民党もNHK改革の報告書をまとめています。

 福井日銀総裁の村上ファンドへの出資の事実は、小泉純一郎首相が突然、国会延長を「拒否」した直後に明るみに出ました。総理大臣が、日銀総裁の芳しからぬ出資の事実を事前に知らないわけはありません。

 小泉首相の国会延長「拒否」の判断の背景には福井総裁の出資問題があったのかもしれません。軍師的性格をもつ小泉首相のことですから、福井総裁の問題を抱えて国会を延長しても、何ひとつ得なことはないと判断し、戦線を一気に撤退にもちこんだのかもしれません。

 そんな状況をNHK上層部が読み取り、国会中継なしとい決断したのではないでしょうか。現場サイドから見れば、これほどおいしい国会中継はありません。日銀総裁があの村上ファンドに出資し、かなりの利益を得ていた。サッカーの日本代表の試合と同じくらいの確率で、中継するれば必ず高視聴率が取れる番組になるはずでした。

 この日のTV番組欄をみましたが、NHK総合は通常の番組を流していました。国会中継ができないような番組は流していませんでした。

 NHKが国会中継をしなかったと書いた読売はまだましでした。朝日や他の新聞も見ましたが、NHKが中継しなかったという「事実」に触れた記事さえ確認できませんでした。(2006年6月19日記)


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