成田好三のスポーツコラム・オフサイド

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 小沢氏の代表選と小泉氏の普天間移設合意「隠しだま」

 小泉純一郎という人は、本当にすごい人ですね。何とも絶妙なタイミングでの普天間移設(米海兵隊普天間飛行場のキャンプ・シュラブ沿岸部移設)合意でした。この合意によっって、民主党代表選一辺倒だったメディアの関心を、半分近くは政府・自民党に引き戻したからです。

 普天間移設合意と民主党代表選の日程が偶然重なったのなら、小泉首相の強運は神がかり的です。意図的な日程を重ねたのなら、天才的な軍師というしかないでしょう。

 政治生命を賭けて民主党代表選に出馬した小沢一郎氏は、普天間移設合意の一報を聞いて、小泉氏の恐ろしさを心底から感じたのではないでしょうか。

 4月7日。政治メディアの関心は民主党代表選に集中していました。小沢氏と菅直人氏とが争い、小沢氏が圧勝した代表選は、夕方には決着しました。この時点で民主党と小沢氏はこの夜のTVニュースと翌日の新聞は代表選の話題で「独占」できると考えたでしょう。

 しかし、夜になって状況は一変しました。額賀福志郎防衛庁長官とキャンプ・シュワブのある沖縄・名護市の島袋吉和市長が防衛庁内で会談しました。この会談で額賀氏は滑走路を2本整備するという「隠しだま」を提示し、合意に達しました。

 この突然の合意によって、メディアの扱いは大きく変化しました。当初予定通りの、民主党一辺倒の扱いでは済まなくなってしまいました。民主党代表選に割り当てられる予定だったスペース(新聞)と時間(TV)の半分近くは普天間移設合意に割り当てなければならなくなりました。

 この扱いの変化は、メディアにとっては当然の対応です。小沢氏が民主党代表に選出されるという大ニュースがあっても、普天間移設合意が無視したり小さな扱いでは済まない問題であることは明らかだったからです。

 しかしです。滑走路を2本整備するという、普天間移設の隠しだまはいつ、誰が用意したものでしょうか。メディアも虚をつかれたようで、そんな疑問には何も答えてくれません。

 対抗勢力が圧倒的に関心を集めるテーマがピークに達する時点で、まったく別でありかつ関心を集めるテーマをぶつける。小泉氏の得意中の得意とする手法です。今回の民主党代表選と普天間移設合意も、結果としてはそうなりました。

 普天間移設合意で2本の滑走路を整備すること、その提案をいつ出すかということを最終的に判断できるのは額賀氏ではなく、小泉氏だけだということは明らかです。

 小泉氏の政治家としての時間は、田中角栄的支配を打破することに費やされてきました。田中角栄の秘蔵っ子であった小沢氏が政治家として最後の勝負に出た民主党代表選に、小泉氏はとっておきの隠しだまをぶつけてきたのではないでしょうか。(2006年4月8日記)

 根来さん、WBCに何しに行っていたんですか

根来泰周さん、あなたも行っていたんですね。失礼ながら、あの写真を見るまで、あなたがワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表チームに同行していたなんて、まったく知りませんでした。

 王貞治監督率いる日本代表は、第1回WBCの決勝戦でキューバ代表を下し、世界一に輝きました。

 あの写真というのは、日本代表が3月22日、成田空港に凱旋帰国したときのものです。あなたは、王監督と並んで先頭を歩いていました。翌日の新聞は、一般紙、スポーツ紙ともあの写真を大きく扱いました。 

 根来さん、あなたは日本プロ野球組織(日本野球機構)のコミッショナーです。プロ野球の最高責任者です。日本代表に「同行」と書いたのは、失礼だったかもしれません。野球の世界一を決める初の国際大会に、プロ野球の最高責任者が参加することは、至極当然のことです。

 しかしです。何をしに行ったのでしょうか。新聞もTVも、日本のメディアは、米国でのあなたの動静についてまったく報じませんでした。米国戦での「誤審」の際には、あなたはどう考え、どんな判断をしたのでしょうか。メディアは何も伝えませんでした。

 米国では、MLBのバド・セリグ・コミッショナーやその他のMLB幹部、それにWBC参加各国の野球機構幹部らと会談したのでしょうか。会談したのでしたら、それはどんな内容だったのでしょうか。3年後に予定されている第2回WBCに関して協議したのでしょうか。

 第1回WBCはMLBが主催し、各国代表を招待するという極めて変則的なシステムで開催されました。WBCを、サッカーのW杯と同様に、野球の世界一をきめる大会であると誰もが納得できるシステムに発展させるためには、MLBだけでなく各国間の協議による決定が必要になります。

 根来さん、あなたが米国でMLB幹部や各国の野球機構幹部と重要な会談をしたのに、それをメディアが伝えなかったとしたら、その責任の半分はメディアにあります。しかし、その責任の半分はメディアに情報を発信しなかったあなたにあります。

 また、あなたが米国では日本代表に同行しただけで、MLBや各国の幹部らとの協議、会談の場をもたなかったとしたら、あなたは何のために米国に行ったのでしょうか。

 WBC閉幕後、セリグ・コミッショナーは記者会見を開いて、「大会は成功だった」と語りました。しかし、プロ野球の最高責任者であるあなたのコメントはまったく聞こえてきません。あなたはコメントを出したのでしょうか。

 前述の、あの写真に話を戻します。3月23日付の朝刊では、あの写真を多くの新聞が大きく扱っていました。筆者が確認した限りでは、写真のキャプションに「根来コミッショナー」と表記した新聞は、スポニチ(1面)だけでした。 

 初のWBCで優勝して凱旋帰国した日本代表の先頭を王監督とともに歩いていたプロ野球の最高責任者の名前を、ほとんどすべての新聞が無視していました。

 筆者の確認した範囲で、最も大きくあの写真を扱ったスポニチの写真をよく見ると、あなたの右手には皮のバッグの他に何か買い物袋のようなものがありました。空港の免税店でタバコか酒か化粧品か何かを買ったのでしょうか。ちなみに、ともに先頭を歩いていいた王監督は何ももたず手ぶらで歩いていました。

 帰国後も、あなたからは、第1回WBCに関する総括も、第2回以降に関するプロ野球としての対応も、日本代表チームを継続的に維持していくかどうかも、何も伝わってはきません。

 TVを見ていたら、決勝戦後の日本代表の記念写真にあなたも加わっていました。プロ野球の最高責任者として日本代表に同行しながらも、メディアへの露出は凱旋帰国の写真と決勝戦後の記念写真だけだったのではないでしょうか。

 せっかく日本代表は世界一の座に輝いたのに、WBCとプロ野球に関して、何のメッセージも発信しないプロ野球の最高責任者とは、いったいどんな存在なのでしょうか。(2006年3月27日記)

 米国敗退によってこそWBCは成功した

 ある競技が、国際的にメジャーな競技であると認知されるためには、ひとつの絶対的条件があります。その競技の発祥国であり本家を任じる強豪国が、大きな国際大会で他国に敗れることです。

 サッカーやラグビーで、発祥国である英国がいつまでたっても圧倒的な強豪国であり続け、他国がどうしても国際大会で勝てないとしたらどうなったでしょうか。どうしても勝てないとしたら、本家以外の国ではその競技に対するモチベーションが高まったでしょうか。何とかすれば勝てると考えるからこそ、人間は努力と訓練を続け、創意工夫をするものです。

 努力と訓練や創意工夫が無駄なことだと分かれば、サッカーの藩図が欧州から南米に広がり、アジアやアフリカまで拡大することはなかったでしょう。ラグビーでもフランスや南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドといった、本家を脅かす強豪国は生まれなかったに違いありません。

 この絶対的条件は、日本も経験したことがあります。1964年の東京五輪で正式競技に採用された柔道です。柔道の発祥国であり、本家を任じた日本は全階級制覇を当然の目標としていました。しかし、この当然の目標は無差別級で神永昭夫がアントン・ヘーシンク(オランダ)に敗れてため達成できませんでした。

 当時の日本人は、神永の敗北に大きなショックを受けました。敗れた神永にとっては、辛い日々が続いたことでしょう。しかしです。柔道がその後、五輪の正式競技として存続し、欧州を中心として大きな人気と多くの競技人口を抱えていることを考えれば、東京五輪での神永の敗北こそ、その第一歩になったといえます。

 仮に、東京五輪で日本が全階級を制覇し、欧州から柔道のヒーローが誕生しなかったとしたら、国際競技スポーツとしての柔道は、その後違った道を歩むことになったのではないでしょうか。

 国を代表するチームが集まり野球の世界一をを決めようという、第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、まずは成功しました。決勝で、日本がキューバを破って優勝したからではありません。

 その理由は、大会を主催し、各国代表を招待したMLB(メジャーリーグ・ベースボール)が当初思い描いたような、「MLBのMLBによるMLBのための」大会にはならなかったからです。

 米国代表に有利な大会日程や大会規定――米国は1次、2次リーグとも中南米の強豪国とは対戦しない――に加えて、米国の勝利に絡む試合で「誤審」を繰り返したインチキ審判の加勢もあって、米国が優勝したとしたら、この大会はまさにまじめに取り上げる価値がないほどのしらけた大会になったでしょう。

 大会の意義、つまり本格的な野球の国際化は、米国の2次リーグ敗退という意外な結果によって達せられたといえます。

 MLBの当初の狙いはおそらくこうでした。2次リーグを突破した上で、準決勝で格下の日本か韓国を破り、決勝で中南米の強豪国・ドミニカか一時は米国政府が入国を拒否した敵国・キューバをたたきのめし、野球の本家である米国の圧倒的強さを世界に示す。それに加えて、各国別に分かれたMLBの選手の優秀さを見せつけることでした。

 ところがです。米国は早々と2次リーグで敗退してしまったあげく、決勝に残った国の選手には、MLBの選手は2人しかいなくなりました。キューバ代表はMLBの選手どころかプロ選手でもありません。MLBの選手は日本のイチローと大塚晶則だけになりました。

 MLBの当初の目論見はことごとく崩れたのです。しかし、結果はWBCにとって幸いしました。

 準決勝進出を決めた時点で、韓国政府は韓国代表選手の兵役免除を決定しました。五輪やサッカーW杯並みの扱いをしたのです。このことは、韓国政府がWBCを五輪、サッカーW杯と同格の大会と位置づけたことになります。

 日本では、準決勝の韓国戦の視聴率が平均で36パーセント台、瞬間では50パーセントを超えました。大会開幕当初の少し冷めた雰囲気は、韓国との3度にわたる真剣勝負、米国有利の「誤審」を繰り返すインチキ審判への嫌悪感によりヒートアップした結果です。
 
 野球人気の低迷する中で、36パーセント台の視聴率を記録したことには、大きな意味が隠されています。野球も、もはや国内のリーグ戦だけに封じ込められた「鎖国スポーツ」であり続けることはできないということです。

日本のプロ野球界は、WBCに関しては極めて消極的な態度を取ってきました。大会参加もぎりぎりの段階で決断しました。しかし、国内リーグの野球人気が低迷する中で、準決勝での韓国戦で記録した視聴率は、驚異的な数字です。プロ野球界はもはやこの数字から目をそらすことはできません。

 2012年のロンドン五輪で、野球が採用されなかったことを考えれば、プロ野球界もサッカーのような「A代表」を組織して国際大会に臨むというシステムを取り入れざるを得なくなったのです。

 野球の発展のためには、サッカーやバレーボールなど他の競技と同様に、国際大会に出場し、そこで勝つことが必要な時代になったのです。日本のプロ野球も、WBCかそれと同格の国際大会に出場しなければ、人気を保持できない時代になったということです。

 東アジアの2つの野球大国――WBCでの対戦成績を見れば、もはや韓国を格下だと見下すわけにはいきません――がWBCに本気に取り組んだことは、野球の国際化にとつては極めて重要な意味をもつことになります。北米・中南米と東アジアの国々が対等の関係で 競争することによって、野球の将来が大きく変わる可能性がでてきます。

 第1回WBCは主催者であるMLBの思惑が崩れ、米国が2次リーグで敗退したことによって、野球の国際大会としての価値が大きく高まったといえるでしょう。(2006年3月21日記)

 レンタル制導入見送りの理由が「機密保持の懸念」だなんて

 プロスポーツ団体にとって、最大の「商品」でありかつ最大の「資産」は、間違いなく現役の選手です。

 素質と才能のある選手が公式戦への出場機会を与えられず、いわば「飼い殺し」状態に置かれることは、その選手本人にとってはもちろんですが、チームや競技団体、ひいてはファンにとっても不幸なことです。

 高校野球では、甲子園出場の常連校に、その地域だけでなく全国から優秀な選手が集まります。いや、学校が優秀な選手をスカウトして集めます。

 中学時代から野球のエリートだった選手を数多く集め、エリート同士を競わせてふるいにかけるのですから、そうした学校が強くならないわけがありません。

 しかし、どんなに多くの選手を集めても、野球のレギュラーには先発投手を含めても9人しかなれません。大半の選手は公式戦への出場機会を与えられないことになります。スポーツは、練習だけいくらやってもうまくなるものではありません。実戦の中でしか本物の技術は身につかないものです。

 甲子園の常連校にとっては、数多くのエリート選手を集めることには、もう1つのメリットがあります。放っておけばライバル校のエースや四番打者になるかもしれない選手を自ら囲い込むことによって、ライバル校の戦力をそぐことができるからです。

 しかしです。そうした選手の囲い込み、いわば飼い殺しは、その学校にとっては利益になっても、高校野球全体からみれば、不利益になるものです。

 こうした実態はプロ野球でも同様です。金と人気のある有力球団が、素質と才能のある選手を集めます。しかし、有力球団ですから、一軍のレギュラー陣は実力者ぞろいということになります。

 そうなると、有力球団の金と名前にひかれて入団した選手の多くは、彼らの素質と才能を花開かせる機会を与えられないまま、短い野球生命を終えることになります。

 プロ野球実行委員会が3月7日に開かれ、国内レンタル(期限付き)移籍制度について、今シーズンからの導入を見送りました。日経新聞の記事(3月8日付)によると、「楽天が暫定導入案を取りまとめたが、機密保持への懸念がなお強く、継続審議になった」ということです。導入見送りの理由が「機密保持への懸念」というものですから、もうお笑いものです。

 選手をレンタル移籍すれば、試合中に使うサインのパターンを変えればいいだけのことです。何十年も前のプロ野球ではありません。現在の球団が2つか3つしかサインのパターンをもっていない、などということはあり得ません。 

 MLBではシーズン中にライバル球団同士で選手が入れ替わることがよくあります。昨シーズンも、きのうまでレッドソックスにいた選手がきょうはヤンキーズにいる、というケースもありました。宿命的なライバル球団同士でも、そんな移籍が至極当たり前のこととして受け止められています。

 守備側の選手も攻撃側の選手もダイヤモンドとベースにいわば固定されている野球とは違って、サッカーでは野球より多くのフォーメーションや攻撃・守備パターンがあります。野球ではインプレー中に外野手と内野手が入れ替わることなどあり得ませんが、サッカーではディフェンダーがフォワードを追い越してしまうこともあります。

 Jリーグではレンタル移籍は認められていますが、それによって「機密保持の懸念」があるなどという指摘は、聞いたこともありません。そんな主張をする球団幹部や監督がいたとしたら、彼らはすべてのサッカー関係者とサッカーファンからの失笑を買うだけでしょう。

 素質と才能のある選手を二軍や一軍の控えとして飼い殺しにしておくことは、選手本人はもちろん、球団やリーグ、プロ野球全体にとって利益になることではありません。ファンにとっても、それまで隠れていた素晴らしい選手を「発見」する喜びを失うことになります。

 プロ野球は本来ならば、レンタル移籍うんぬんではなく、選手の移籍をもっとオープンにすべきですが、それができないならば、せめてレンタル移籍くらいは今シーズン中にも解禁すべきです。そうすることが、誰が見ても、ファンも含めたプロ野球全体の利益になるからです。(2006年3月10日記) 

 王ジャパンを襲ったホームタウン・デシジョン

 ホームタウン・デシジョンというスポーツ用語があります。広辞苑で引いてみたら、「ボクシングなどで、地元の選手に特に有利な判定をすること」とありました。

 3月8日、いま売り出し中の若手ボクサー、亀田興毅とメキシコのカルロス・ボウチャンとの試合が東京でありました。ノンタイトル戦ながら平均24・8パーセント、瞬間最高では31・8パーセントという驚異的な視聴率を記録した、あの試合です。

 亀田が6回KO勝ちしたあの試合をたまたまテレビで見ていましたが、亀田のボディーブローのほとんどは、ローブローだったと思います。ボウチャン側のセコンドは、試合中もKO負けした後も、ローブローだと抗議していましたが、受け入れられませんでした。

 あの試合を仮にメキシコで開催していたら―興行的にはあり得ませんが―、亀田は間違いなく減点を取られていたでしょう。あの試合の判定は、典型的なホームタウン・デシジョンでした。

 ところで、ホームタウン・デシジョンは、ボクシングの試合だけではありません。国を代表して戦う大きな国際大会では、微妙な判定の多くは大会開催国に有利になるものです。

 2002年のサッカー日韓共催W杯の決勝トーナメント1回戦、韓国対イタリアの試合でも、ボールがゴールラインを越えたかどうかの判定は、韓国に有利なものになりました。この判定もあって、韓国はイタリアを下す大金星をあげることになりました。

 ホームタウン・デシジョンには意図的なものもありますが、多くは無意識的なものでしょう。開催国の期待、特に会場に詰めかけた大観衆の、開催国を勝たせたいという期待は、判定を受け持つ審判や審判団の心理に微妙な影響を与えるからです。

 野球の世界一を決めるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の2次リーグ、日本時間の3月13日早朝に米国西海岸で行われた日本対米国戦でも、典型的なホームタウン・デシジョンがありました。

 1回表にイチローの先頭打者本塁打で先行した試合は、中盤に追いつかれ、9回裏二死満塁からアレックス・ロドリーゲスに二遊間安打され、日本はサヨナラ負けを喫しました。

 ホームタウン・デシジョンがあったのは、8回表でした。一死満塁で岩村明憲のレフトフライでタッチアップした三走、西岡剛のホームインは、塁審によってセーフ、つまりタッチアップ成立と判定されましたが、その直後に米国監督の抗議を受けた球審が判定を覆してしまいました。王貞治監督の抗議は認められませんでした。

 試合後の記者会見で、王監督は「野球がスタートした米国であってはならないこと。世界中で見ている人のためにもならない」と語っていました。王監督だけでなく、日本人の多くも、あの判定には納得がいかないでしょう。

 球審が何故判定を覆したのかは分かりません。米国を勝たせるための意図的な行為だったかもしれません。あの場面をTV映像で見た限りでは、西岡のタッチアップは間違いなく成立していました。判定を覆した球審の行為は、「確信犯」的なものだった可能性が強いと思います。あるいは、意図的にではなく判定を覆したのかもしれません。

 日本対米国戦でのホームタウン・デシジョンには背景があります。WBCはMLBのバド・セリグ・コミッショナーが彼とMLBの威信をかけて開催にこぎつけたものです。MLB主導でWBCをサッカーのW杯と同格の国際大会にしようというものです。

 そのためには、ほとんどの試合が米国で開催される第1回大会は何が何でも米国に優勝させる必要があるのです。米国人は米国が世界一でないと我慢できない国民性があります。世界一にならない競技に人気は集まりません。

 サッカーが米国ではメジャー競技にならない理由は、もちろん他の理由もありますが、南米や欧州の強豪国を破って、米国が世界一になることが極めて困難な競技だからです。

 WBCで米国はは何が何でも優勝しなければなりません。しかし、現実には、米国は1次リーグでカナダに敗れています。2次リーグ初戦の日本戦でも日本にリードを許す展開となりました。

 この試合で米国は極めて深刻な状況にあったわけです。日本に負けでもしたら大変なことになるという心理は、MLBのセリグ氏をはじめとする幹部も、試合中の選手や監督も、そして球場に詰めかけた大観衆も、TVで見ていた米国民も共通だったでしょう。

 そうした共通心理は審判にも強く影響するものです。主審が判定を覆したことには、仮に意図的ではなかったとしても、多くの人間の共通心理が強く働いた結果だといえるのではないでしょうか。

 国際大会ではホームタウン・デシジョンとも戦わなければならない。国際大会では理不尽で不公平な判定や処遇に耐えて勝ち抜く実力を備えなければなりません。日本の野球が国際化する上では避けられない大きな問題を、米国戦は提示したといえるでしょう。(2006年3月15日記)


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