成田好三のスポーツコラム・オフサイド

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宮本武蔵『三十五箇条』現代語訳

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 (23)枕の押さえという事

 枕の押さえということは、敵が太刀を打ち出そうとする兆しを受けて、敵の打とうとする「う」の字の頭を押さえるということである。押さえ方は心でも体でも太刀でも押さえるということである。

 敵の動きの兆しを知れば、敵を打つにも、敵に入るにも、敵の攻撃をはずすにも、先に打ちかかるにもよいことである。枕を押さえるといいうことは、これらいずれの場合でも大事なことである。よくよく鍛錬すべきことである。

 体が動く前の兆しをとらえる

 【やぶにらみ解説】
「敵の打とうとする『う』の字の頭を押さえる」とは、面白い表現です。

 人間が何か行動を起こす際は、体が動き出す(反応する)前に何らかの兆しがあるものです。体が反応する前の兆しを読んで行動しろということです。

 格闘技やサッカーなどの球技では、相手を攻撃したり、あるいは意図的にフェイントをかけようとした場合に、体が反応する前に何かが体の表面にでてくるものです。だから、名手はその兆しを読んで相手に対応できるということになります。

 特別な才能があり、経験を積んだカメラマンは、実際の動きではなく、それ以前にアスリートが放つそうした兆しに対応してシャッターを押しているのかもしれません。そう考えなければ、どうしてあんな瞬間を撮れたのか、理解できないような写真が存在します。

 【はしやすめコラム・その5】新手のウオーキング・シューズと一本歯の下駄

 民放TVのあるバラエティー(クイズ)番組で、アメリカで流行し始めた新手のウオーキング・シューズを紹介していました。接地面が平面ではなく、弓形に湾曲したシューズです。

 番組によると、接地面が平面である通常のシューズを履いた場合は、重心がかかと部分に集まり、しかも固定化してしまいます。一方、接地面が湾曲したシューズの場合は、体のバランスが不安定になるため、重心がかかと部分だけでなく親指や小指のつけね部分など足裏のあちこちに分散し、しかも重心が絶えず動き続けます。

 そのために、接地面が平面である通常のシューズでは使わない、体の、特に足の様々な筋肉を使うことになり、足のむくみが取れると、番組ではその効用を説いていました。

 こうした体の使い方、重心の置き方は、本来は日本人が行っていたものでした。重心をバランスよくあちこちに分散し、武蔵の言葉で言えば居付くことなく、自由(武蔵は「やわらか」と呼んでいたようです)に動くことです。

 現代の日本人が、胸を張って、背中を伸ばして(本来の伸ばしてではなく反らして)、膝裏を伸ばして立ち、その体勢のままかかと部分から強く接地して歩くという、間違った歩き方をしている間に、アメリカ人が本来の日本人的な歩き方に伴うシューズを開発してしまいました。

  接地面が湾曲したシューズは、いわば天狗の履物とされた一本歯の下駄と同様の機能をもっています。現代の武術家でも、一本歯の下駄を、バランス機能の強化のために使う人がいます。

 (22)拍子の間を知るという事

 拍子の間を知るということは、敵によっては速い動きもあり、遅い動きもあり、敵の動きにしたがう拍子のことである。

 心の遅い敵に対しては、我が身を動かさず、太刀の動きの兆しを知らせず、速く敵に当てる。これが一拍子である。敵の気の動きの速いときは、我が身と心をまず打ち、敵の動いた後を太刀で打つことである。これが二の越ということである。

 また、無念無想ということは、体は打つようにして心と体は残して、敵の気の間を動きの兆しを見せずに強く打つことである。また、遅れ拍子ということは、敵が太刀で払い、受けようとするとき、動きを遅くして、拍子をずらす心で、敵の動きの間を打つことである。よくよく工夫すべきことである。

 「ゆらぎ」や複合リズム

 【やぶにらみ解説】
拍子とはリズム、タイミングのことです。では、拍子の間とは何のことでしょうか。

 武蔵は「敵の動きにしたがう拍子」と言っていますが、これは相手に合わせる拍子のことではありません。相手に拍子を合わせたのでは、勝負には勝てません。相手とは違う拍子、速い拍子、遅い拍子が必要になります。

 拍子と拍子の間について、音楽のリズムで考えてみましょう。とりあえず4ビート(4拍子)を標準とすると、それより遅い(ゆったりとした)拍子は2ビートとなります。逆にそれより速い拍子は8ビート、16ビート、32ビートとなります。

 西洋的な考え方では、拍子(ビート)はある一定の時間を等間隔で刻むことによって成り立ちます。しかし、西洋以外の音楽、東洋やアフリカの音楽では、リズムに「ゆらぎが」存在します。また、複数のリズムが重なる複合リズムも存在します。さらに、あるべき拍子の一部をストンと抜くこともあります。

 拍子はいつも一定とは限りません。一定の間隔で刻まれているとも限りません。拍子は「ゆらぎ」続け、複合的に重なり合うこともあります。

 (21)小櫛のおしへの事

 小櫛の心とは、つながっている、くっつきあっている状態を解放するということである。我が心に櫛をもって、敵とつながっている、くっつきあっている状態を、その状態に応じ解く心である。

 敵とつながっている、くっつきあっている状態と、互いに引っ張りあっている状態は、一見しては似ている状態ではあるが、それは違う。引っ張り合うのは強い心であり、つながっている、くっつきあっているのは弱い心である。よくよく考えるべきである。

 相手と絡み合ってはいけない

 【やぶにらみ解説】
ここでも相手(敵)との関係について武蔵は語っています。引き合っている状態はよくないことですが、それ以上に自分と相手との関係が絡み合っている状態はよくないということです。それが弱い心ということでしょう。

 (20)弦をはずすという事

 弦とは弓の弦、つるのことである。弦をはずすということは、敵も我も互いに強く引っ張り合っているときの対処法である。

 体でも、太刀でも、足でも、心でも、この強く引っ張り合っている関係を、はやくはずすことである。敵ににとっては想定外の動きになるので、うまくはずすことができる。工夫すべきことである。

 自分十分、相手は不十分に

 【やぶにらみ解説】
相手(敵)と自分が互いに強く引き合っている、そんな状況になったら、素早く引き合っている関係を解きなさい、ということです。

 大相撲で力量がほぼ互角の力士同士が、土俵中央で互いに十分な組み手で、がっぷり四つに組んでいる状況を考えてみてください。

 互いに十分な体勢ということは、裏を返せば互いに危険な体勢ということです。自分十分、相手不十分の体勢に持ち込まなければ、勝機は得られません。


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