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東京マラソン「賞金レース化」とメディアの嘘(2)−新聞寸評

 東京マラソン「賞金レース化」について、もう一度書くことにする。時事通信と産経の記事を批判するだけでは片手落ちと感じるからである。以下は、毎日、読売、朝日の記事である。この3紙の記事は、前回紹介した時事通信、産経に比べて巧妙である。しかし、巧妙であるがゆえに、より姑息な記事になっている。

 ■東京マラソン:優勝者に1000万円相当…09年開催から

 東京都と東京マラソン事務局は7日、09年3月22日に開催する第3回大会から、男女の優勝者に1000万円相当の賞金を贈ると発表した。男子は世界記録を更新すれば4800万円まで増額される。(毎日)

 ■東京マラソン、優勝800万円…世界新で最高4600万円

 来年3月22日に開かれる「東京マラソン2009」(読売新聞社など共催)の事務局は7日、優勝賞金を男女それぞれ800万円にすると発表した。優勝タイムによってはボーナスも加算され、世界記録が出た場合、男子は最高計4600万円、女子は同4300万円となる。国内マラソンでは、東京を含む6大会の賞金化が決まっているが、賞金額が発表されたのは初めて。(読売新聞)

東京マラソン、優勝者に計1千万円 賞金制度導入へ

 来年3月22日に開催される東京マラソン(東京都、日本陸上競技連盟主催)の組織委員会は7日、優勝者に賞金800万円と200万円相当の副賞を渡すことを決めた。10位まで賞金を出す。都によると、国内レースで賞金額が明らかになるのは初めて。(朝日)

 □ペースメーカー「公表」と同じ対応

 毎日の記事は、「東京都と東京マラソン事務局」を主語にして、記事のすべての責任を主催者に「おっかぶせ」ている。あれは、主催者が発表したことで、我々は主催者の発表内容を報道しただけであり、発表の内容など我々の関知することではない、とでも言いたげである。

 しかし、毎日も主要マラソン大会の主催者に名を連ねている新聞社である。現場の記者やスポーツ担当デスクが、賞金レース化している主要マラソン大会の実態を知らないはずはない。

 朝日は、「都によると、国内レースで賞金額が明らかになるのは初めて」と書く。朝日も、責任を東京都に「おっかぶせ」ているだけである。「国内レースで賞金額が明らかになるのは初めて」と書くならば、それ以前はどうだったのかを書かなければ、辻褄が合わない。

 読売はこう書いている。「国内マラソンでは、東京を含む6大会の賞金化が決まっているが、賞金額が発表されたのは初めて」。「発表されたのは初めて」は、朝日と同様の言い回しだが、「東京を含む6大会の賞金化が決まっている」はどういうことか。読売は、主要マラソン大会の賞金レース化決定を、いつ、どんな形で記事にしたのだろうか。

 国内主要マラソン大会の賞金レース化の公表は、ペースメーカーの公表とまったく同じ経過をたどっていくだろう。マラソン大会におけるペースメーカーは、日本陸連や新聞、TVが公表するずっと前から存在していた。ただ、彼らが彼らの利害から公表しなかっただけでる。

 しかし、彼らはペースメーカーの公表に際して、何ともみっともない嘘をついてきた。ペースメーカーの「公表」を「導入」と言い換えたりしていた。

 メディアの役割は事実を事実として伝えることから始まる。事実を事実として伝えないメディアが、事実を基にして論評しようとしても、やがては誰も彼らが伝える事実と論評を信用しなくなるであろう。(2008年11月13日記)

 東京マラソン「賞金レース化」とメディアの嘘(1)−新聞寸評

 新聞やTVといった主要メデイアは、いつも本当のことを伝えているとは限らない。それどころか、意図的な偽りの情報、つまり嘘を垂れ流すことがよくある。主要メディアのそうした悪しき体質は、自らが大きく関わるイベント報道に、特に顕著に表れる。

 来年3月に行われる東京マラソンで、優勝者らに賞金が贈られることになったという趣旨の記事が、11月8日付の新聞各紙に一斉に掲載された。前日に大会事務局が発表した内容をもとにした記事である。

 以下は、時事通信、産経の記事の冒頭部分である。この2つの記事は、記事の根幹部分が間違っている。

 ■東京マラソン、優勝800万円=賞金額決定、タイムボーナスも

 初めて賞金レースとして行われる第3回東京マラソン(来年3月22日)の大会事務局は7日、具体的な賞金額を発表した。賞金は協賛各社の協力で贈られ、総額は1億840万円。順位による賞金は、男女とも優勝が800万円、2位400万円、3位200万円などで、10位(10万円)までを対象としている。
(時事通信)

 ■東京マラソン、最高賞金は4600万円

 来年3月の大会から賞金制を導入する東京マラソンの男子優勝者に、最高4600万円の賞金が渡されることが7日、分かった。同日午後、大会を主催する東京都の石原慎太郎知事が会見で明らかにする。(産経新聞)

  □主要マラソン大会はずっと前から賞金レースだった

 時事通信の記事にある、「初めて賞金レースとして行われる第3回東京マラソン」は正しい表現ではない。産経の「来年3月の大会から賞金制を導入する東京マラソン」の表現も事実とは異なっている。

 日本の主要な男女のマラソン大会−日本陸連と全国紙、民放キー局が主催者に名を連ね、各紙が大々的に報道し、民放キー局が全国ネットで生中継し、世界陸上や五輪の選考会を兼ねたりする大会−は、ずっと前から賞金レースだった。

 賞金レースでなかったのならば、プロアスリートである五輪や世界陸上、ボストンやベルリンなど世界の主要大会のメダリストが、極東(これは差別用語である)のマラソン大会に出場するだろうか。

 2006年の福岡国際には、翌年にマラソンの世界記録保持を出したハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア)が出場し、日本選手との圧倒的な力の差を見せつけて圧勝した。彼が日本の大会に、出場料も賞金も、記録更新の際に支払われるボーナスもなしに出場するなどと信じている人がいるとすれば、その人はよほどの世間知らずということになる。

 日本の主要マラソン大会にも、以前から賞金はあった。しかし、大会を主催する日本陸連と新聞、TVがそのことを公表してこなかっただけである。(2008年11月12日記)

国会議員の世襲は続く

 国会議員の世襲は続く

 次の総選挙が終われば、小泉家はあの名門中の名門、鳩山家と並ぶことになる。まったくもって、ご同慶の至りである。

 小泉純一郎元首相が政界引退(次期総選挙不出馬)を表明し、自らの後援会で二男の進次郎氏(27歳)を後継指名した。選挙区である神奈川県横須賀市や三浦市での小泉氏の人気はいまも絶大だというから、進次郎氏の当選は間違いないだろう。

 そうなると、進次郎氏は、小泉家4代目の国会議員となる。鳩山由紀夫、邦夫兄弟も4代目の国会議員である。衆院議長、貴族院議長、内閣総理大臣を輩出した鳩山家と小泉家は、政治家一家としては並ぶことになる。

 いまや自民党の国会議員の過半数は世襲議員である。民主主義国家でありながら、政権政党の国会議員の構成が、何故こんな有様になってしまったのか。

 長いこと地方の政治、地方の選挙を見てきた経験からすれば、これは当然の成り行きである。

 世襲させる政治家と世襲する彼の息子や娘、あるいは配偶者を含む家族と、彼らを支える後援会幹部ら有力者にとっては、世襲以外の選択肢は極めて限られているからである。

 国会議員、特に衆院議員を長く務めれば、彼はその地方(選挙区を含む)において、極めて大きな権力を手にすることになる。そして、彼の権力は次第に既得権化していく。

 既得権は彼を支える家族、後援会幹部ら有力者も共有することになる。そして、国会議員本人を頂点とする権力、既得権の三角形は次第に固定化し、他者を排除していく。

 権力、既得権の頂点に位置する国会議員本人が死んだり、病気などの理由で引退せざるを得なくなったりするとどうなるか。彼の家族と後援会幹部ら有力者は当然ながら、権力、既得権の維持を目指すことになる。

 彼らの権力、既得権を維持する最良の選択肢は、国会議員の家族を後継者に指名することである。息子や娘、あるいは孫が一番にいい。それだけ権力の三角形を長く維持できるからである。それがかなわない場合は、「つなぎ」として配偶者を指名する。

 息子や娘、あるいは孫や配偶者以外を指名しようとすると、大きな混乱が起きる。裸一貫で三角形に入ってくる後継者はいない。彼もまた、小さいながらも権力の三角形の頂点にある。

 そんな彼を指名すれば、従来の権力の三角形が大きく揺らぎ、歪むからである。だから、彼らにとっては、本人の家族以外の後継者を選択することはは、極めて困難になる。

 世襲にはもうひとつの理由がある。権力の三角形を丸ごと買い取るだけの人物が存在しなくなったということである。

 引退したり死亡したりした国会議員の家族に後継者が見当たらない場合、かつてはその地方の有力者が彼の地盤を丸ごと買い取った。彼の配偶者や息子、娘の面倒を見るという理屈で、金で地盤を買い取ったのである。

 しかし、地方は疲弊し、地盤を丸ごと買い取るだけの政治的野心と経済力を併せ持つ人物がいなくなってきた。当然ながら、地盤を丸ごと買い取る以上にリスクとコストがかかる、権力と既得権を奪い取る人物もいなくなってきた。

国会議員の世襲はこれからさらに増えていく。それと併行して日本の政治の疲弊は深まっていく。(2008年9月30日記)

 敗者さえいない変てこな自民党総裁選

 長いこと自民党総裁選を見てきたが、あんな変てこな総裁選は見たことがない。

 4度目の挑戦となった麻生太郎が投票総数の3分の2を超える得票で圧勝した、9月22日投票の自民党総裁選である。

 「変てこ」と書いたのは、あの総裁選には、誰一人として敗者がいなかったからである。総裁選に限らず、複数の候補者が立って本気で戦えば、必ずといっていいほど、手ひどい深手を負う敗者が出てくる。しかし、あの総裁選では、深く傷ついた候補者どころか、敗者さえいなかった。

 こう反論する読者も多いだろう。

 「馬鹿を言え。圧倒的な地方票を含めて351票も麻生がかき集めたから、2位の与謝野をはじめ小池、石原、石破はろくな票を取れなかったんじゃないか」

 しかしである。麻生以外の4人には、獲得票数などどうでも良かった。元々、勝てると踏んで出馬した訳ではないからだ。麻生の引き立て役を演じることでの見返りを期待しての出馬だったからである。

 総裁選後の自民党役員改選と組閣をみれば、それは明らかである。

 与謝野馨は経済財政担当大臣として再入閣を果たした。石破茂は防衛大臣から農水大臣に横滑りである。石原伸晃は幹事長代理に就いた。目立たない存在の幹事長、細田博之に代わって、総選挙の遊説隊長に就任したようなものである。

 党役員にも大臣にもなれなかった小池百合子も敗者ではない。自民党初の「女性総裁候補」という輝かしい肩書きを手に入れたからである。

 この4人のなかで最大の幸運を手にしたのは石破である。通常ならば、政治家としては致命的とも言える失態を演じながらも、逆に出世の階段を登ることになったからである。

 総裁選での石破の得票は最下位の25票。うち4票は地元鳥取の3票と隣の島根の1票だった。石破は国会議員票を推薦人の20票と自らの1票しか集められなかったことになる。推薦人全員が石破に入れたとすれば(推薦人でさえ石破に投票しなかったとしたら、それも大変なことである)、石破は告示期間中の運動にもかかわらず、他の国会議員から1票も得られなかったことになる。

 こんな無残な結果に終わった候補など、これまで見たことも聞いたこともない。地方選挙で言えば、家族と親戚と本人しか投票してもらえなかった候補者のようなものである。

 本来ならば、石破はこの結果に大いに恥じ入り、頭を丸めて閉門蟄居するしかない。国会議員を辞職してもおかしくないような結果である。あまりの恥ずかしさと絶望感から自殺してもおかしくないような結果である。

 しかしである。石破は、麻生によって農水大臣のポストをあてがわれた。そして、石破はこのポストを喜々として引き受けた。ほとんど、出来の悪い漫才のような話である。

 こんなことがまかり通る自民党総裁選が茶番でなかったら、何が茶番といえるのだろうか。(敬称略)                   (2008年9月26日記)

 日本テレビとTBSは王監督に最後まで語らせよ

 福岡ソフトバンクホークスの王貞治監督が9月23日、監督辞任の記者会見を行った。この会見は実に絶妙な日程だった。

 前日の22日ならば、初代国民栄誉賞受賞者が自民党総裁選に水を差す。24日ならば、麻生太郎新首相の組閣の日にぶつけることになる。

 24日は、ホークスの地元最終戦がある。ホークスは既にCCシリーズ進出の望みをほぼ絶たれている。地元最終戦の試合前に辞任会見をすれば、試合どころではなくなる。試合後の会見では、ファンが納得しないだろう。

 小泉純一郎元首相のような人物ならば、サプライズ狙いで、試合後のあいさつの中で、会見抜きに監督辞任を発表することもできようが、王氏はそんな軽はずみなことをする人物ではない。

 だから、9月23日夕、試合終了後に行った会見は、まさにこの日、この時間でなければならないという、実に絶妙なタイミングで行われた。

 王氏の会見は23日午後5時すぎから行われた。この会見をTVでは、日本テレビとTBSが生中継した。しかし、両局とも何とも中途半端な生中継をした。

 この日夕、筆者は自宅でTVを見ていた。日本テレビが、ホークスのフラッグの前に会見場が設営された映像を流していた。「やはり」と思った。アナウンサーのコメントを聞くまでもない。この日、この状況でのホークスの会見は、王氏の監督辞任会見しかありえない。他局へ回してみると、TBSがやはり無人の会見場の映像を流していた。

 ほどなく会見が始まった。日本テレビとTBSと、チャンネルを回しながら、その生中継を見ていた。まずは球団常務と球団社長が監督辞任に至る経緯と球団、オーナーの対応を説明していた。説明というよりは、釈明である。王氏を何とか説得して辞任を思いとどまらせようとしたが、その思いはかなわなかったというような趣旨である。

 その後、王氏が発言する。いつも通り、誠実な態度で辞任に至る経緯とその理由、心情を語る。

 しかし、ここから驚くべき事態が起きる。日本テレビ、TBSとも王氏の発言の途中で会見の生中継を打ち切ったのである。しかも、何のことわりもなしに、である。

 日本テレビ、TBSは王氏の会見が当初予定していた他のニュースより格段に価値があると判断して生中継に踏み切ったのだろう。そうであるならば、会見はすべて中継すべきである。ニュース枠の時間帯と民放の宿命であるスポンサーの関係からすべて中継できないとしても、王氏の冒頭発言くらいはきちんと中継すべきである。

 こんな「尻切れトンボ」のような中継では、中継した意味がない。それどころか、王氏や王氏のファン、野球ファンに失礼である。(2008年9月25日記)

 

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