成田好三のスポーツコラム・オフサイド

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09〜15年のコラム

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 TBSにゴルフ中継の資格なし

 久しぶりに会ったゴルフ好きの友人が、会うなりいきなり怒り出した。あいさつの言葉もなしに、である。

 「いったいぜんたい、あのゴルフ中継は何なんだよ。これまで国内、国外といろんなゴルフ中継を見てきたが、あんなひどいやつは見たことがない。あのTV局はおかしいよ。現場も上層部も常識がないどころか狂っているんじゃないか」

 ゴルフ好きの友人の怒りはまだおさまらない。この後も友人の怒りの言葉は続くが、それは割愛する。

 彼が怒っていたのは、TBSが7月17日早朝から独占生中継した全米プロゴルフ選手権大会・最終日の放送である。

 その日早起きした筆者もこの中継を見ていたが、あれはゴルフ中継の体を成していなかった。

 午前5時から始まった中継は、石川遼がホールアウトした、午前6時前には終了してしまった。その時点では、アジア人としては初めてメジャー大会を制した韓国人のY・E・ヤンとタイガー・ウッズが回る最終組はまだアウトコースをプレー中だった。

 この時点で中継自体が終了してしまうというゴルフ中継など考えたこともない。悪天候でプレーの進行が遅れたわけではない。TBSは、今年最後のメジャー大会の放映権を高額の資金を出して購入したはずである。それでも中継は終わってしまった。

 その後始まったのは、TBSの朝の看板番組だという、「みのもんたの朝ズバッ!」である。

 ゴルフ中継の終盤でも、「朝ズバッ!」の冒頭でも、全米プロゴルフの要所を速報すると説明していたが、そんな説明はごまかしだった。

 「朝ズバッ!」では、既にホールアウトした石川遼のプレーを繰り返し流しただけである。唯一といっていい「速報」は、Y・E・ヤンが18番ホールでバーディーパットを沈め、優勝を決めた場面だけだった。その後のウッズのプレーはカットである。

 「朝ズバッ!」新聞のTV欄では、「名場面すべて見せます全米速報・石川遼」とうたっていた。TV欄を見た人は、「全米の名場面をすべて速報する」と理解しただろうが、TBSの意図は、「石川遼に限って全米の名場面を速報する」ということだったのか。

 ところで、「朝ズバッ!」のメーンキャスターを務める、みのもんたはこのところ夏休みを取っているようだ。総選挙の公示直前から公示期間中に長期休暇を取る「報道番組」のメーンキャスターという人物も、これまで聞いたことも見たこともない。

 全米プロゴルフ選手権大会・最終日を見る限りでは、高額の資金で独占放映権を獲得したTBSの目的は明らかである。

 TBSの目的はこうである。ゴルフ中継などする気はなかった。それが全米プロであっても。TBSは石川遼の全米プロでのプレーを放送するためだけに放映権を入手したのである。

 こんな目的で放映権を入手したTV局は全米プロゴルフ選手権大会だけでなくゴルフ自体を冒涜したことになる。いや、ゴルフだけでなくスポーツそのものを冒涜したといえる。TBSにゴルフ中継をする資格はない。

 この中継を見た多くのゴルフファンはTBSに抗議したことだろう。しかし、そうした抗議は、このTV局相手では無駄である。

 唯一、有効な手段がある。この中継のスポンサー企業に抗議することである。「御社は全米プロを、ゴルフを、いやスポーツそのものを冒涜するTV中継をしたTBSに加担した」と抗議することである。

 それ以外に、このTV局を「改悛」させる手段はない。(2009年8月19日記)

 日本人はなんて大人しいんだろう−新聞寸評

 □停電車内に500人閉じ込め=真夏日、冷房切れ−JR京葉線


 30日午後1時50分ごろ、JR京葉線の東京−葛西臨海公園間の架線で停電が発生し、東京発蘇我行きの下り電車(10両編成)が新木場−葛西臨海公園間で停止、乗客約500人が約1時間にわたり冷房が切れた車内に閉じ込められた。乗客は午後2時50分ごろ、約300メートル離れた新木場駅まで線路上を徒歩で移動。体の不調を訴える乗客はいなかったという。
 気象庁によると、この日の東京都心は、最高気温33.2度の真夏日だった。=以下略=(時事通信)

 ■自ら判断せず権威ある他人の指示に従う日本人

 このニュースが海外に配信されたら、多くの人記事の「ある部分」で首をかしげるだろう。「日本人はわれわれには理解できない国民だ」と感じる人も多いだろう。

 記事の「ある部分」とは以下の部分である。

 「乗客約500人が約1時間にわたり冷房が切れた車内に閉じ込められた。乗客は午後2時50分ごろ、約300メートル離れた新木場駅まで線路上を徒歩で移動


 電車が停止したのは、砂漠のど真ん中でも山岳地帯でもない。街のなかである。線路の両脇には道路が走っているはずだ。しかも、列車が停止したのは、駅から約300メートルの地点である。乗客はどうして、冷房の止まった蒸し風呂のような車両内で1時間も我慢したのだろうか。

 車掌や運転手は、マニュアルに従って、車両の外に出ないでくださいと指示したに違いない。しかし、目の前には道路がある。駅も近い。電動のドアは動かなくても、非常ドアは開けられる。

 日本人は、こんな場合、自らの判断ではなく、誰か権威ある他人の指示に従うよう、飼いならされてしまったようだ。

     ◇

 読者の皆さんなら、こんな場合どうしますか。車掌や運転士の指示に従って、蒸し風呂のような車両内にとどまりますか。それとも、自らの判断で車両の外に脱出しますか。

 筆者ならば、いきなりではなく、しばらく状況を見た上で車両の外に出て行きます。(2009年8月1日記)

イチロー 勝負に弱い天才打者

 イチローの珍記録が話題になっています。MLB9年目でMLB通算1953安打目が初のサヨナラ安打という、あの記録です。

 日本のメディアは、これはいつものことですが、この珍記録を極めて好意的に扱っています。しかし、それでいいのでしょうか。並みの打者だって、MLBで9年間もレギュラーを張っていれば、サヨナラ安打の数本くらいは打っているものです。

 ひざのけがに苦しみながらもDHで出場している松井秀喜が先日の試合でサヨナラ本塁打を打ちました。ここ数年、不本意なシーズンを送っている松井ですが、サヨナラ本塁打は03年にも放っています。

 イチローは今年春のWBC決勝でアメリカ代表相手に決勝打を放つなど、一見、勝負強い打者のようなイメージがあります。しかし、実はそうではありません。

 ベンチやファンがここで売ってほしいと願う場面で、必ずと言っていいほど結果を残す勝負強い打者は「クラッチヒッター」と賞賛されます。しかし、クラッチヒッターとはまったく逆の立場にいる打者が、イチローなのです。

 イチローは誰もが認める天才的な野球選手です。打撃はもちろん、守備や走塁面でも抜群の才能を発揮しています。投手も務まるほどの強肩とコントロールの持ち主で、ライトからの返球は「レーザービーム」という称号が与えられています。

 野球選手として何一つ欠点のなさそうなイチローですが、チームの首脳陣や同僚にとっては、以下の2つ理由から、「困った選手」であるということができます。

 その1つは、イチローが四球を選びたがらない選手だということです。四球で出塁するくらいなら、悪球に手を出して凡打した方がましと、考えているのではないかと思われるくらいです。悪球でも抜群のバットコントロールで安打にしてしまう。そんなイチローだから許される四球嫌いだと言えるでしょう。

 ですから、イチローの出塁率は打率に比べさして高くはありません。昨年までのMLB8年間で、出塁率が4割を超えたのは、シスラーのMLB年間安打記録を塗り替えた04年だけです。

 松井秀喜の同僚だったジェイソン・ジオンビーは、打率は2割5、6分程度でしたが、出塁率はいつも4割近くか4割を超えていました。相手投手が本塁打を警戒して、結果として歩かせる。ジオンビーもそれを当然として受け入れていました。


 日本のプロ野球は、出塁率をあまり重要視していません。しかし、出塁率は選手の能力や貢献度を測る物差しとしてもっと評価すべきでしょう。

 イチローはもうひとつ、困った問題を抱えた選手です。出塁率はさておくとしても、安打数、得点数に比べて、打点数が極端に少ない選手なのです。イチローは昨年までのMLB8年間で469点しか打点を稼いでいません。年平均にすれば58点ほどです。年間200本以上の安打を打ち続ける選手としては、少なすぎる数字です。

 同じリードオフマンタイプの選手と比較してみましょう。昨年、イチローとアメリカン・リーグの最多安打を競った(結果は同数)、ダスティン・ペドロアの成績は、打率3割2分6厘、得点118、打点83、出塁率3割7分6厘でした。対するイチローは打率3割1分0厘、得点103、打点42、出塁率3割6分1厘でした。

 同じリードオフマンの立場で、ほぼ同じ安打数を記録した2人ですが、チームへの貢献度はどちらが高いかは、この数字だけ見ても明らかでしょう。

 MLB9年目、通算1953安打目の初のサヨナラ安打は、そもそも珍記録として正当に評価すべきでしょう。(2009年7月31日)

 NHKにさえ見捨てられた麻生首相

 あのNHKが総理大臣の記者会見、なかでも最も重要な衆院解散に伴う記者会見の生中継を途中で打ち切った。内閣と政府・与党に予算、人事などで生殺与奪の権限を握られているNHKでさえ、麻生太郎首相と自民・公明の連立政権を見限ったようである。

 麻生首相がようやく衆院を解散した7月21日。首相会見が午後6時から始まった。

 この国の民放TV各局は、総理大臣の重要会見、それが衆院解散に伴う会見であっても、まともに生中継などしたためしがない。
 
 首相官邸と政府・与党、内閣記者会とTV各局に間には、そうした会見はNHKが独占的に生中継するという、暗黙の了解事項がある。

 しかし、そうした暗黙の了解事項にはある前提があった。総理大臣の重要会見、なかでも最も重要な解散に伴う会見は、途中で生中継を打ち切ったりはしない、ということである。

 そのため、彼らの間では、事前に綿密な打ち合わせが行われる。NHKは貴重な全国枠の放送時間を長時間にわたって提供するのだから、会見の時間枠の設定を求める。他の当事者は、内閣記者会も含めて時間枠を調整して、会見時間をHNKの生中継枠におさめようと努める。

 しかしである。今回の麻生首相の会見は前例通りにはならなかった。

 筆者はNKHラジオでこの会見を聞いていた。会見はニュース枠冒頭の午後6時きっかりに始まった。首相の冒頭発言は何ら新味のない長舌説に終始した。お決まりの幹事社の質問の後、2、3の質問がでたが、これもありきたりの質問と答弁に終始した。その後、NHKは質疑の途中で生中継を唐突に打ち切った。

 この後、どうしても先送りできない番組が予定されていたならばまだ分かるが、NHKは引き続いて同じニュース枠で、これもありきたりの首相会見に関する解説に切り替えた。

 NHKは事業計画や予算の承認権を国会に、内閣総理大臣に最高機関である経営委員の任命権を握られている特殊法人である。そんな立場にあるNHKでさえ、麻生首相による解散会見をこれ以上は視聴者(有権者)に聞かせる必要はないと判断したことになる。

 あのNHKでさえ、麻生首相と自民・公明の連立政権を見限り、民主党単独か民主党主体の連立政権の樹立を大きく視野にいれているようである。(2009年7月22日記)

 WBC2連覇−日本人はやっぱり野球が好きなんだ

 日本人はやっぱり野球が好きなんだ。でも、「ひいき」の仕方は随分と様変わりしたんだな。WBC日本代表への「フィーバー」ぶりを見ていて、あらためてそう思いました。

 韓国代表との5度目の対決となったWBC決勝がロサンゼルスのドジャースタジアムで行われたのは、日本時間の3月24日(火)午前10時半過ぎからでした。4時間もの長い試合でしたから、試合が終わったのは、午後2時半を過ぎたころになりました。

 麻生太郎首相の言葉を借りれば、「100年に一度の未曾有の経済危機」に見舞われた、年度末の3月下旬の平日ですが、この日、WBC決勝を気にせずに仕事に没頭した日本人は、はたしてどれだけいたでしょうか。

 筆者はこの日のこの時間帯に、多くは車で移動したり、仕事の打ち合わせをしたり、友人と食事をしたりしていました。車の中では、もちろんラジオをつけていました。打ち合わせも、傍らのTV画面を見ながらの、気の入らないものになりました。

 友人と食堂に入ると、そこにはTVもラジオもないはずなのに、野球中継の音声がかすかに聞こえてきました。どこから流れてくるのか。隣席のグループが、テーブルの上の一点を見つめていました。ケータイのワンセグ中継に熱中していたのでした。

 WBC決勝のTV視聴率は、ビデオリサーチ調べで平均36・4%を記録しました。最高瞬間視聴率はダルビッシュ・有が9回に同点にされた時点での45・6%。これらの数字は、スポーツ中継ばかりではなく、近年のTV視聴率としでは、とびぬけた数字です。

 WBC決勝を中継したTBSは昼間の生中継だけではなく、急きょ、夜の特番(春の番組更改に伴うもの)を切り替え、決勝を再度、録画中継しました。これも26・5%の高視聴率を記録しました。(数字はいずれも関東地区)

 この日、TVでの生中継だけでなく、録画中継、ラジオ、ケータイのワンセグ、インターネットを通して、決勝を見たり聞いたりした人は、どれだけの数にのぼるのでしょうか。

 視聴率だけではありません。TVニュースを見ると、新しい現象も起きています。2002年の日韓共催W杯以来、スポーツ中継の「パブリック・ビュー」は当たり前のこととなりましたが、今回は映画館での大スクリーンでの生中継も行われていました。有料でやれば放映権を侵害することになりますから、この映画館、たぶん「シネコン」は、数ある中のひとつのスクリーンで無料中継したのでしょう。

 TVニュースでは、街頭の人々の表情を追っていました。中高年や若い男性が歓喜しているのは当然ですが、中年のおばさんや、たぶん野球など知らない、知っている選手といえばイチローか松坂大輔くらいと思えるおばあさんまでが、まるで我が孫の快挙のごとくに、WBC日本代表の優勝を喜んでいました。

 日本人はやっぱり野球が好きなんだ。でも、「ひいき」の仕方は随分と様変わりしたんだな。あらためてそう思いました。「ひいき」の仕方の様変わりについては、次回で書くことにします。(2009年3月28日記)

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