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●道徳教育の変遷
戦後は、戦前に比べて青少年非行が著しく増大している。その原因の一つは、学校における道徳教育の弱体化にあるのではあるまいか。周知のように、 戦後の道徳教育は、戦前の徳目主義を否定し、特定の道徳的価値を教え込むのではなく、子どもたち自身が人間としてよりよく生きていくために必要な道徳的価値を自動的に行動できるようになることを目指している。また、アメリカのL・コールバーグ教授のように人間の道徳性の発達には、①罰と服従の方向性、②功利的相対主義の方向性、③よい子への方向性、④規則と秩序への方向性、⑤社会契約的・法律的方向性、⑥普遍的・論理的原則への方向性、の六段階があるとし、道徳性は、①から⑥へ、低い段階から高い段階へと上昇する形で発展する、という学説を発表している学者もいる。 こうした考え方に対して、筑波大学の鈴木博雄教授は、ある講演会で「戦後半世紀の教育の中で、最大の欠陥は道徳教育が不徹底であることにある」とし「教室での道徳教育は、教師と生徒との人格的な触れ合いの中で、何が善であるか、どういう生き方をしたらよいのか、が自ずから伝わっていくことが理想である」と述べている。たしかに、子どもたちが必要な道徳的価値を自覚し、自律的に行動できるようになるためには、教師の人格や人柄から受ける影響はきわめて大きいと言わねばならない。 道徳教育がいたずらに観念論に流れることなく、教えるべきことは教え、導くべきことは導いて、子どもの道徳的実践力の育成に力を入れたいものである。 |

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