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Stopped by the jury in amateur piano competition, Paris この動画はたまたま見つけたのですが、演奏しているのはこの動画の投稿主さん、
パリのアマコンでの一幕です。
第2ステージでのこと、とあるので、おそらくクウォーター・ファイナルのことでしょう。
この方、ベートーヴェンの熱情ソナタの1楽章を弾いているのですが、曲の途中で
ベルが鳴って演奏を止められてしまいます。
それに対して非常に立腹してこれを投稿したようです。
曰く、後で審査員に演奏のコメントを頂きにいったら、とても尊大な態度で、
聴くに値しない演奏だから止めた、と言われたとか。
パリのアマコンは応募要項に、コンクールだけどコンクールじゃない、競うのではなく、
楽しもう、といったことをスローガンにしているのにおかしい、言ってることと
やってることが違う! と。。。
世界最古(?)のアマコンはこのパリのアマコンなのですが、この主宰者は元々パリの
音楽学校出身で、同じ音楽学校を出ながらプロにならなかった人たちのための
コンクールを、と始めたのがこのコンクールで、本来の目的は音大出の人たちを
競わせて、レベル維持と演奏機会の拡大を狙っているのです。
それで「競うのではなく、楽しもう」と言うのは確かに詐欺。。
コンクールは、最近やっと読めてきたのですが、入賞者を出すために、落とす人を
最初から入れています。通すつもりのまったくない人を、落とすために参加させる。
パリは、落とす人を確保するために魅力的な方便をたれているのですわ。。
だから、もういらない、となるとこうやってあっさりベルを鳴らして切ってしまう。
落とすために確保した人の演奏を最後まで聴く必要はないですからね。
まったくパリの主宰者は非情です。
よそのアマコンはよほどのことがない限り最後まで聴いてくれます。
聴いているのは審査員だけでなく、会場のお客さまも聴いているわけですし。
であれば、どういう人が選ばれていくのか、これも研究しました。
闇雲に突っ走ってファイナルとか入賞とか、それはあり得ませんから。
ひとつだけ言えるのは、ある程度きっちり弾けていればさほどノーミスにこだわる
必要はないということ。途中で止まったって入賞する人はいるし。
大事なのは、オンリーワンの存在であること。
その曲を聴くなら別にあなたでなくてもかまわない、という演奏は間違いなくブー。
ちょっと、ちょっと、ちょっと、もう一度聴きたいわぁ、という感情を起こさせないと
審査員は選んではくれない。
ちなみに1位を取る人の演奏はこんなです。
難曲を弾く必要もなし。
アマチュアでもプロ並みの演奏クオリティを求められる。
ショパコンだって、ノーミスならいいってもんじゃないですから。
(アヴデーエヴァはショパコン2010のファイナルではミスだらけでした)
ところでこのアマチュアというカテゴリ、ピアノメーカーにとってはおいしい
存在なのだそうです。
ある程度裕福な人が多く、アマチュアとはいえこだわりがあって、いいピアノ、
価値あるピアノを見つけると金に糸目をつけずに買っていってくれるのが
この層なのだそうです。
スタンウェイやファツィオリも、ターゲットはこのアマチュアの富裕層なのだとか。
そして、アマチュアはプロの数千〜数万倍のシェアがある。
1万人の中の1人しかプロになれないのだとしたら、残り9999人は
アマチュアですから、その層を育てるにはピアノメーカーは手を抜きません。
大きな国際アマコンのバックにはたいてい、大きなピアノメーカーがいます。
(パリはスタンウェイ、ウィーンはヤマハ、シカゴはファツィオリ、といった具合です)
ちなみに、プロのピアニストにとってピアノは消耗品なので、自宅にはスタインウェイの
中古とかヤマハとか、そんなのを使い叩いている人も少なくないそうです。
ああ、この先も国際アマコンのレベルはがんがん上がっていくのだろうなぁ。
ただ、ピアノを弾くアマチュアの人は、一度は挑戦してみてほしいと思う。
本物のピアニストの気分が味わえます。
単なる気分や雰囲気ではなくて、その本質を知ると言いますか。
ピアノを弾く者の恐怖とか孤独とか、それを凌駕した時の恍惚とか、空気を変える瞬間の
音楽への畏怖の念とか。
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