4 years, 8 years,,, up to the present time

世界選手権2018 日本男子初戦の相手はイタリア。
屋外コートのフォロ・イタリコで1万1千人の観客の下で戦う姿を見た。
イメージ 1

 
今では、すっかりイタリアの主力として不動のポジションを得たともいえる背番号10フィリッポ・ランツァをテレビ画面で見た。
イメージ 10

8年前にノルウェー代表として、イタリアと戦ったモンテネグロでの
試合を思い出した。当時、ランツァはフローターサーブのレセプションに
難があった。狙い打ちをして崩し交替に追い込んだ。顔面蒼白、
ショックから涙目になっていたものだ。
 
あれから、8年の間に、2度の世界選手権、2度のオリンピック、
2度のワールドカップが行われた。今、4年に一度の世界選手権の
周期が巡ってきたことで、その月日の流れを実感せずにはいられない。
 
イメージ 2

まともにバレーボールを始めたのが高校生になってからという選手を
引き連れて、U20ヨーロッパ選手権を戦った日々。
イタリア、モンテネグロ、イスラエルにフルセット。
でもどうしても最後の1セットを取れない。同組のスペインには、
1912というリードを奪いながら、逆転負けを食らった。


イメージ 3

 
その3年後の2013年には、ロシア、スロヴェニア、ウクライナ、エストニア、ラトビアと戦い、フルセットで初勝利を挙げた。
翌年、ルーマニア、スペイン、デンマークと戦った。
1勝を挙げるもののスペインには勝てなかった。
その敗戦から4年、モンテネグロの戦いから8年経ち、
当時ジュニア代表だった選手が2326歳となった20188月。
シニアのヨーロッパ選手権でスペインにフルセットで勝ったのだ。
過去数十年対戦することがあってもただの一度も勝てなかった国。
この勝利により来年1月、ノルウェーバレー史上初の本選出場への
可能性に賭けることが出来る。
大きな国際大会が開催される国と違って、
ポイントを稼げない国にとって、
それぞれの勝利がどれだけの価値を持つのか、
当事者とならなければ理解できない部分もある。
 
 
宝くじが当たるのは、宝くじを購入した人にしか起こらない。
どんな記録も連勝もやがて必ず誰かに破られる。
何事も諦めずに、継続し、努力を重ねた者にチャンスは訪れる。
 
トレーナーも、アナリストも、メディカルサポートもなく、
卒業生にマネージャーとアナリストを兼任してもらった2010年。
 
イメージ 4

20132014年は、団長ですら、20代前半の教え子を据えた。
現堺ブレイザーズの上杉コーチ、NBKの清水、森本選手、
現久光製薬スプリングスの礒田コーチが自費でヨーロッパまで渡航して、ナショナルチームを助けてくれた。礒田コーチに至っては、
ベンチ登録すらした。その彼らの肉眼で勝利を見届けてもらったのだ。
イメージ 5

 
イメージ 6

 
私は、ルーマニアでの戦いを区切りとして日本へ帰国して今に至る。
当時の選手達のほとんどは今もバレーボール選手として生きている。
ポーランドでクビアクと対戦したJonas、ドイツリーグでは優勝、
柳田と対戦もしたAndreas、らを始め、オランダ、スイス、
ベルギーでプロとして活躍する者、
リーグ優勝もあれば、チャンピオンズリーグに出場した選手もいる。
国外に出なくても、ノルウェーリーグでプレーを続け、
それぞれのチームで貢献している選手達の努力が今につながっている。
 

アメリカ・ロングビーチ大学に留学したBjarneは、デファルコの対角を務め全米チャンピオンにもなった。
 

イメージ 7

Christianに至っては、ビーチバレーに転向し、5スターの大会で3度優勝、ヨーロッパ選手権でも優勝し、世界ランク1位に上り詰めた。
 
インドアは最低12人の選手と監督、コーチやトレーナーなどを養わなくてはならない。
ビーチならば2人のクレイジーな選手がいれば、何とかなる。
世界大会との関係を保ち続けること、すなわち、ブラジルや、
メリカという大国と勝負できるのであれば、ビーチバレーでも
インドアでも同じと考え、進んでビーチバレーの強化にも乗り出した。
 
国内ツアーから、欧州選手権を通して地道に強化を続け、
今はシニアとしてワールドツアーを転戦。
ノルウェーで高校から本格的にバレーボールを始めた選手が、
ブラジル、アメリカ、ロシア、ポーランドなどを抑え、FIVB主催の
公式試合で金メダルを獲得するに至った。
 
人口500万人程度のノルウェーは、当然ながらバレー競技人口も少ない。スポンサー収入も少なく、指導者や環境も恵まれているとは
言えない中で、世界一を極めることがどういうことか
想像できるであろうか。開催国特権もない。
スポンサー集めから始まって一つ一つの努力が
世界との差を詰めるのだ。
 
私は現在の彼らが成功した後にしゃしゃり出てきて話しているのではない。
かつて、初心者を集め、発掘、育成、強化に励み、無名のチームで、
多くの人に見下されながら共に足掻き、もがいた日々。
強豪ひしめくヨーロッパでインドアでもビーチでも1勝を挙げることさえ難しかった。1年、2年では足りず、3年かけてもまだ8年粘った。

ノルウェーに渡ってから、帰国した今まで12年という月日が流れた。
現在の彼らがあるのは、紛れもなくあのトライアウト、
小さな町にあるTVNでの活動があったからで、大会が終わる度に、
怪我に強い身体、強い者に怯まず向かっていく気持ち、困難に負けず、
不断の努力を継続する精神を培えたことの感謝、そして何よりも
バレーボールという競技を、お金や名誉のためではなく、
自分の人生にとって必要なもの、愛するものとして続けていることを
照れもせずに話すことが出来る彼らが愛おしい。
過去がつながって、今があるのが嬉しい。
 
長期計画も一貫教育も結果が出るまで、信念を曲げずに貫き通すのは
容易ではない。ミュンヘンで金の日本男子も東京からの8年計画。
ブラジル男子もバルセロナでオリンピック金メダルを獲るまで28年、
ブラジル女子は44年かかったのだ。アメリカ女子は、
オリンピック金メダルはまだ得ていない。
オリンピックで言えば、選手として金、指導者として金メダルを達成したのが、郎平しかいないことからわかる通り、頂点を極め続けるための、
準備、計画、実行、知識、経験、忍耐といった努力、
協力者や運をも味方する人間的魅力や懐の広さ。
全て備えていてすら一握りの者しか極められない境地なのだ。

イメージ 8

 
私は、しがない一バレーボールコーチである。有名無名は関係ない。
それでも自分を信じてついてきてくれる選手との絆を深め、
正しい努力を積み重ね、少しの困難で挫けず信念を貫き通せば、
その道の先にたとえ時間がかかっても叶う夢や、
目標はあることを知った。



 
例としてオリンピックを出したが、もちろんオリンピックがすべてではない。それに縁がなくても、代表選手でなくても、強くたくましく、
美しく生きている人はいくらでもいる。
反対に、過去の栄光だけで努力が出来ない人もいれば、
それだけがよりどころで、周りを見下す人もいる。コーチは、
自分の虚栄心や、自己承認欲求を満たすためにいるのではない。
あくまで選手を輝かせるためにいるのであって、
選手がいなければ成り立たない存在であることを忘れてはならない。
 
日本のバレーボールは、1978年の世界選手権から世界一を取っていないまま40年が過ぎたのだ。先日のアジア大会でも、野球、水球、
7人制ラグビー、サッカー、ハンドボール、バスケット、ソフトボール、
セパタクロー、ホッケーなど各球技競技団体がメダル獲得している中、
男女どちらもメダルがない団体である。
 
国内での成績と国際レベルでの競技成績は必ずしも比例しないことは過去の経験から導かれている。それらの事実から目をそらさず、
世界の潮流を掌握し、研究し、地道に強化に励むことが大事なのは
言うまでもない。世界トップとの力の差を冷静に分析し、
それを体格の差という理由に逃げず、技術力、戦術、
情報分析力を高める。基礎体力の強化、基本技術習得が
劣っているのは明らかである。
 

イメージ 9

そして、初心者を世界レベルにするより、日本の組織やメンタルを
過去の栄光から抜け出し、未来へ向けて変化を恐れないというところにまで持っていく方が難しいことも感じている。
 
どのような知識、経験、努力をもってして取り組めば世界一にたどり着くか、過去40年で答えは出せていないのであれば、これまでの考えに
固執せず、柔軟に斬新に進むことも必要だと思う。
 
この世界選手権で、男女代表が日本の競技者も、
観戦者もときめくようなバレーボールで席巻してほしいと心から願う。

その他の最新記事

すべて表示

Guadalest Valley 201...

2017/5/17(水) 午前 7:26

スペイン・ アリカンテ から車で78㎞ほどのグアダレストへ。 5月の間にひっそり更新をしたいと思います。

Norwegian youngsters...

2016/8/2(火) 午前 7:15

Norwegian youngsters love Klagenfurt

Anders&Aleksander U2...

2016/6/21(火) 午前 0:55


.


みんなの更新記事