瀬田 葉月の「南の島の静謐な日々」

ブログ再開準備中です。あとちょっとお待ちくださいね。

全体表示

[ リスト ]

いつか見たもの

イメージ 1

イメージ 2

テレビや雑誌の深海特集、不思議に満ちた未知の世界に憧れて物心ついた時からくいいるように見ていた。深い闇の世界とそこに生きる特殊な分化を遂げた生き物達、恐いようなそれでも目が離せない。
そういう番組の深海探査船の映像でよく目にするオレンジ色のプラスチック製らしき丸い物体。中に精密な機器を入れて沈め種々の実験をするのだと言っていた。
ああいうのが浜辺に流れついてこないかな、決して自分の目では見ることのできない深海をくぐりぬけてきた英雄。ケーブルの切れ端とかブイの欠片とか、ちょっとした「記念品」でいいから。

それはついに私のもとにやってきた。いつもの浜を相棒と夜明けの散歩、巨大な黄色いかたまりが波打ち際の5メートルほどのところに浮いている。プラ浮子かとも思ったけれど見慣れない姿に思わず冷たい海の中にじゃぶじゃぶ。腿のあたりまでジーンズを濡らして軽く押してみるとそれは大変に重い。合わせ目の隙間から覗くと中に球状のガラスが入っているのがわかった。これはもしかしたら、いつか見た「あれ」ではないかしら。絶対に持ち帰って調べないと。
それからが大変、あと一時間もすれば移住者ビーチコーマー達がやってくる。しかも携帯電話も持ってきていないので人を呼ぶこともできない。仕方ない、60センチ近い大きさのを満身の力をこめて抱え上げるとよたよたと車まで運んだのだった。私の乗用車ではトランクにもはいらない、後部座席にぎゅぎゅっとおしこめるとはやる心をおさえて家路についた。
さてボルトを取りのけて開けてみると中には黒いテープで赤道を巻かれた透明なガラス球が入っていた。TELEDYNE BENTHOSと社名が入った黄色いラベルが内側から貼られている。

この会社のホームページにアクセスしてわかったこと:
深海用ガラスブイ、およびポリエチレン製ハウジング。
ガラスブイは直径17インチ(43.2センチ)、重量17.7キロ。
ハウジングはSuper Ribbed Mooring Hard Hatという最上級クラス、長径55.9センチ重量3.74キロ。なんと耐圧が水深6700メートルとのことだった。ムアリング、ということだから深海係留用、といったところか。この球体の上部に小さな穴をあけて中に電子機器などを入れて使うらしい。
私のは穴があいていないので実際に使われたものではないのだろう。
アメリカにはUNDER WATER WORKER専用の雑誌などというのもあってベンサスのホームページにリンクされていたので流し読みしてみる。するとこのベンサス社のグラススフィアは製造する親方が一人、検査に助手一人の計二人で作っているのだという。完全な真球を二つの半球をあわせることで作り、合わせ目はすりガラス状にそして加硫していないゴムで塞ぎ、テープでまく。
これを6700メートルの耐圧テストをしてから出荷する。どうも大変に高価なものらしい。

そうか、20キロ以上もあったのね。手の平はひりひりするし、指がこわばっている。それにしても無事に持って帰ることができてよかった、力持ちでよかった。
面白いことがもう一つ、こんなハイテクなものに妙なヒモがついている。
一枚目の写真でわかる通り、上部の穴に洗濯ヒモのようなのが通してあって釣り具を結わえるやり方で結んである。本体にもヒモにもびっしりとエボシガイがついて、どうやらどこかの国の漁師が浮子として流用していたみたい。

外側のハウジングをきれいに洗ってからボルトを止め直して、海で記念写真を撮ってもらった。
160センチの私が持つと大きさがわかるのではないでしょうか。

この記事に

閉じる コメント(9)

顔アイコン

coralさん、おめでとう〜!! 高いモノを拾われましたね。 1985年当時の値段は17インチで250ドルだそうです。いまはどうなってんのかなぁ〜? 沖縄方面では、拾われている方みえますが、珍しいモノです。中の半球が使えるので、金魚をいれたりとか・・・? ウッドさんの本の中にも、Deep sea Glass Spheresとして、ベントス社の事も紹介されていますね。 ガラスの色は透明が多いようですが、他にもアンバーとライトブルーがあるようです。

2006/3/19(日) 午前 9:04 [ bea**com*erj* ] 返信する

顔アイコン

はじめまして。シゲさんのところで「おじ」でコメント入れさせて頂いているものです。今回は珍しいものをゲットされておめでとう御座います。 この浮きの使用状況の写真が次のように頁をたどると豊富にありましたので参考にコメントさせて頂きました。→「島村英紀のホームページ」を検索でヒットして訪問し→メニュー「島村英紀が撮った写真」を選択→「島村英紀が撮った海底地震計の現場」で見られると非常に形状が似ている浮きの使用(投入)現場が綺麗な写真で見ることができます。

2006/3/19(日) 午後 3:17 [ - ] 返信する

顔アイコン

Shigeさん、おいで頂いてありがとうございます。石垣島の金子さんのHPに透明で真中から割れたガラス玉、と紹介されているのがこれと同じのですよね。宮古ナイチャーのブログで紹介されているのも同じだと思います。ともかくも夢にまでみた深海のたよりが届いて嬉しかったです。WOODさんの本は半分くらいまで読みましたがベンサスの話は無かったような。 アンバーもライトブルーもある?!でもこんな幸運はもう無いでしょうねえ・・・グラススフィア、田舎家は広いのだけが取り柄なのでゴム引きは剥がさずにこのまま飾っておきます。

2006/3/19(日) 午後 4:33 coral 返信する

顔アイコン

「おじ」様、本当に御親切にお知らせ下さってありがとうございます。早速見に参りますね。これは持ちにくい形だったし大変に重かったので死ぬ思いで運んだんですよ。ちょっと崖も登りましたし、ちょっとイカれてますね。さんずい、毎で海とは洒落てますね、大人です。

2006/3/19(日) 午後 4:37 coral 返信する

顔アイコン

coralさん、 金子さんの所に出ているのも、これでしょうね。 ウッドさんの本にあるこの紹介は、新しい4版にしか載っていません。 浮き玉ではなく、沈み球ですから、コレは貴重ですね。 うらやましく思っています。

2006/3/19(日) 午後 9:20 [ bea**com*erj* ] 返信する

顔アイコン

私もこういうの見つけたら野宿してでも持ち帰ること考えますよ。重さかが大変だったのは虚弱体質の私もリアルに想像できました。しかし、むくわれましたね〜。おめでとう。こちらまで嬉しくなってしまいました。さんずい、毎、お気づき頂き有難う御座います。

2006/3/20(月) 午前 2:44 [ - ] 返信する

顔アイコン

coralさん、 このページ、浮き玉ブログにリンクさせてもらってもよろしいでしょうか?

2006/3/22(水) 午後 7:50 [ bea**com*erj* ] 返信する

顔アイコン

Shigeさん、あの素敵なブログにリンクしていただけるなんて光栄です。小説と写真を盗用されて辛くてこのブログを記事を半分以上削除したところでしたので、ご丁寧に連絡頂いたことが本当にうれしかったです。

2006/3/22(水) 午後 10:18 coral 返信する

顔アイコン

coralさん、ありがとうございます。 早速、このページに飛べるようにウッドさんの記事を載せました。 一度ご覧になって、何か問題があれば言ってください。 これほど完全な状態で、ベントス社の深海ガラス球が漂着したことに驚いています。プカプカ通信に原稿を頂きたいくらいです。

2006/3/22(水) 午後 10:37 [ bea**com*erj* ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事