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2.Tell me

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Tell me 8

テギョンの姿が階段へと消えるのを確認すると、ミナムは漸く体を起こして笑うのをやめた。
 
「いや〜しかし、テギョンヒョンがあんなになるとはね。さすが俺の妹」
 
くつくつ、と笑うと携帯を取り出し、どこかへ電話をかけ始める。
 
「…あ、もしもし?」
『もしもし、お兄ちゃん?どうしたの?」
 
相手は…またもやミニョだった。
 
『そういえばさっきテギョンオッパが電話してきたの。今日はよく電話がかかってくる日みたい』
 
電話越しにころころと嬉しそうに笑うミニョの声が聞こえて思わずミナムも微笑む。
その笑顔はとても優しくて、まるで天使のようだった。
 
「あぁ、そうみたいだな。後ろからみてたよ」
『みてた…?ではまさか、会話も聴いてたの?』
「あぁ、もちろん」
『酷い!盗み聞きなんて…いくらお兄ちゃんでも許せません!』
「おい、ミニョ、おちつけって。実は会話は聴いてないんだ。離れてたから」
『本当ですか?』
「うん。本当。誓うよ」
『なら…信じます』
 
ここであっさり信じちゃうのがミニョなんだよなぁ。
人を疑うことを知らない妹に、少々あきれながら眉を下げる。
ま、それがミニョのいいところなんだけどね。
 
「それはそうと、あの事、まだヒョンたちには言ってないよな?」
『ええ、言ってないわ。ちゃんと秘密にしてる』
「そうか。絶対話すなよ…サプライズの方が絶対楽しいんだから」
『楽しみが2倍、なんでしょ?ヒョンたちのためなら、頑張って秘密にするわ!』
「よろしくたのむよ。当日は俺、午後からフリーだから、ちゃんと迎えに行くし」
『うん!ひさびさにみんなに会える…すごく楽しみだわ〜』
「そうだろうな。俺も楽しみだ。ヒョンたちも絶対喜ぶぞ〜」
『喜んでくれるといいなぁ…あ、そろそろお仕事に戻らなきゃ。ごめんねお兄ちゃん、切るね』
「あぁ。忙しいとこ悪かったな。じゃ」
 
ミナムは通話を終えるとポケットに手を突っ込み、にやりと口の端を上げた。
その笑顔は天使というより……小悪魔、といった方がいいような。なんともいえない不敵な笑みだった。
 
「ミニョが突然現れたら、みんなどういう反応をするかな?今から楽しみだ」
 
 
 
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Tell me 7

「ただいま〜」
 
だれもいない暗い部屋に向かって一応ちゃんと挨拶をして靴を脱ぐ。
手探りで明かりをつけ、ばたばたと廊下の突き当たりの自室に戻ると、
 
「うわぁぁぁあっ!」
 
と意味のわからない雄たけびを上げてユファは思いっきりベッドにダイブした。
そのまましばらくじたばたと手足を振りまわしていたが、ふと静かになった。
 
「うぅ…言っちゃった…言っちゃったよ〜」
 
力なくつぶやくとばふん、と枕に顔を埋めた。
 
 
さかのぼること3分。
ユファはマンションの車寄せで、送ってきてくれたシヌと話していた。
本当に申し訳なさそうな表情でその日何度目かの謝罪を述べるシヌにいたたまれなくなったユファは、シヌの言葉をさえぎって、つい言ってしまったのである。
 
「あの…これは私の持論なんですけど」
 
いったん言葉をきるとシヌをしっかり見据える。
すぅ、と息をすいこんで後は一気に吐き出してしまえとばかりに思ってることを言ってみた。
 
「誰かに話してしまうことでラクになることって、いろいろあると思うんです。ひとりだともてあましちゃう事って、誰にでもあるでしょ?それをずっと一人で抱えてたら、煮詰まって煮詰まってどうしようもなくなってしまうの。だから…だから、もしシヌオッパが何か一人で抱え込んでて、それがとても苦しくて辛いことなら…話してみてくれませんか、私に」
 
シヌは吃驚したように眼を見開いている。
 
(うぅ…おこってるかな?)
 
少し不安にはなったものの、一番言いたかったことはここからなので、最後まで言うことにする。
握ったこぶしにきゅっと力がこもる。
 
「気が向いたら、でいいんです。もし話してみようって思ったら、いつでも言ってください。私は…オッパの…シヌオッパの役に立ちたいんです」
 
そこまで言って急に恥ずかしくなってユファは挨拶もそこそこにマンションに駆け込んだのだった。
 
 
「うぅ〜オッパ、どう思ったんだろ」
 
勢いで言ってはみたものの…
恥ずかしすぎてシヌの言葉を待たずに逃げてきてしまったから、どう思ったのかなんてわかりっこない。
 
「いきなり話せなんて、無理よね。ましてや知り合ってまだ1ヶ月の女になんて」
 
ごろん、と寝がえりをうって天井に手を伸ばす。
 
「なーんか、今日に限って天井が高く感じるなぁ…」
 
伸ばした掌を握ってみるけれど、もともと何もないのだから当然空をつかむだけ。
ユファはため息をついて腕をおろした。
 
「オッパの抱えてることって、きっと女の人のことだよね。好きな人…いるんだなぁ。やだもう、そんなの当然じゃない?何をいまさら…」
 
別に可笑しいことなんて一つもないのに、ちくちく、と胸が痛む。
 
「でも…考えたことなかったなぁ。そっか。オッパにはちゃんと好きな人がいて…でもその人は振り向いてくれないのかな?オッパ、辛そうだったし」
 
ちくちく。
ちいさいけれど容赦のない胸の痛みをもてあまし、もういちど寝返りを打って壁に額をくっつける。
 
「オッパは私に話してくれるかな…?」
 
話してくれるかなんてわからない。
そもそも…もう会ってくれないかもしれない。
考えたくないけれど、自分の言ったことが気に障って…という可能性もない訳じゃない。
もう、妹として、オッパと呼ぶことも許されないかもしれない。
そもそも違う世界の人なのだから、いつ離れていってもおかしくないのだ。
 
「オッパ…私に話して?私は…シヌオッパを助けてあげたいの…」
 
誰に言うともなく呟くと、ユファはそのまま目を閉じた。
 
 
 
 
 
 
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Tell me 6

屋上に上がるとテギョンはいつものように壁に寄り掛かった。
ひんやりとした夜風が妄想でパンクしそうな頭をクールダウンしてくれる。
テギョンはポケットから携帯を取り出すと、短縮の1番を押し、耳に当てた。
 
トゥルルルル…トゥルルルル……
 
「冷静に…冷静になるんだ…俺はただ、確認するだけだ」
 
トゥルルルル…トゥルルルル……
 
「しかしコール音がやけに長い気がするが…気のせいか?」
 
トゥルルルル…トゥルルルル……ピッ
 
「おい、ミ・・・」『ただいま、電話に出ることができません。御用の方はツーという音の後にメッセージを』
 
ブツッ
 
「何故でない!?」
 
期待していたのとは全く違う機械音に、すこし冷めてきた頭に再び血が上る。
 
「なんだ?電話に出れない理由があるのか?」
 
罪のない携帯を忌々しげに睨みつけ、ちっと舌を鳴らす。
携帯をぶん投げてやりたい衝動に駆られたが、すんでのところで踏みとどまり、フンと笑う。
 
「いや、こいつをなげたら俺と連絡がつかなくなって困る奴らが大勢いるからな。今日のところは勘弁してやる」
 
本当の理由は(もし誰かがこの携帯を偶然拾って俺とミニョとのメールを見られたら…俺は終わりだ)というものだったけれど。
確かに、本当に見られてしまったらいつも不機嫌で無愛想なファン・テギョンのイメージががらがらと崩れることはまちがいないだろう。
メールの内容がネットにさらされる様子を想像して、テギョンはぶるっと身を震わせた。
 
「と、とにかく、もう一度かけてみよう」
 
 
そうしてかれこれ10回ほどあきらめずに電話し続けて30分…
 
『…もしもし?』
 
ようやくミニョが電話に出た。
 
「おまえっ…今どこにいる!?何故電話に出ない!?」
 
イライラを隠せずについ大声になる。電話の向こうで身をすくめるミニョが頭にちらついたような気がしたが、気のせいだということにする。
 
『どこって…アフリカにいますよ?それに、今仕事中なので、出れなかっただけです』
「アフリカだ…と…?」
『ハイ。テギョンオッパ、こっちは時差があるので、今はお昼です』
「あ、あぁ…」
『突然電話なんて…どうかされましたか?』
 
といあえずアフリカにいることが分かって安心したのか、さっきまでの勢いは跡形もなく消えうせた。
 
「いや…おまえの声が聴きたくなって」
『本当ですか?どうしよう、嬉しいです』
「本当だ。俺が嘘を言うと思うか?」
『いえ、思いません♪』
 
きゃぁと嬉しそうに笑うミニョの声を聞いて、テギョンの顔はますます緩む。普段の仏頂面は何なのだというぐらい、それはそれはだらしない表情だ。ファンが観たら、絶対に泣く。
 
「…おぅ。じゃあ仕事に戻れ。…ミニョ、サランヘ」
 
ぴ、と電源ボタンを押し、にやにやと携帯に向かって笑う。
 
「気持ち悪いな」
「!?」
 
突然後ろから声をかけられ、ギョッとして振り向くと、背後に発っていたのはコ・ミナムだった。
 
「な、なんだおまえ、いたのか」
「いたよ、ヒョン。気付かなかった?結構前からいたんだけど」
「な……」
 
予想外の展開にテギョンは目を見開いて口をパクパクさせている。
その様子をミナムはニヤニヤしながらじっと見ていたが、急に腹を抱えて笑いだした。
 
「あはっ!ヒョンのそんなにあわてた顔初めて見た!」
 
目じりに浮かんだ涙を指で拭いながら、頬をひきつらせているテギョンを可笑しそうに見上げる。
 
「ま、ミニョに免じてみんなには言わないであげる」
「本当だろうな」
「ホントだってば〜なに必死になってんの、ププッ」
「ちっ」
 
再びげらげら笑い出したミナムに背を向けて、テギョンは大股で階段へと戻る。
 
「くそっ・・・なんでよりによってコ・ミナムなんかに見られるんだ…」
 
ちらりと振り返ると、ミナムはまだ笑い転げている。
その姿が不覚にもミニョに見えてきた。
 
『あははははっ…テギョンオッパってば私が仕事中なの知ってるくせに真昼間から電話なんてしてきちゃって〜〜よっぽど私のことが恋しかったのねぇ〜〜あははははっ』
 
「うぅ…そんなことはない!あいつとミニョは顔が同じだけだ!」
 
ぶるぶると頭をふると、テギョンは眉間にしっかりとしわをよせて階段を下り始めた。
 
 
 
 
 
 
 
 
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Tell me 5

あの曲は、シヌのミニョへの想いをつづった歌。
その歌をミニョ以外の人に聴かせるなんてことは、今のシヌにはやはりできなかった。
 
(結局俺はまだ吹っ切れてないってことなんだろうな)
 
自分に振り向いてくれる可能性なんて、もうないのに。
 
『彼女が愛する人が来るまで こうして彼女のそばにいるだけなんだ』
 
彼女の愛する人はもう来てしまったから、俺はそばにいることもできない。
優しいヒョンであり続けなきゃいけない。変わることなく――
それはたぶん辛いことだけど、自分が選んだことだ。
彼女にきっぱり振られた今でも、彼女を愛しているから。
なさけないのかもしれないけど、事実だ。
 
「やっぱり馬鹿だな、俺は」
 
思わず口をついてそんな言葉がこぼれてしまう。
その言葉に吃驚したような小さな声がふと耳に入っり、シヌは漸く助手席に目を向けた。
そこには今にも泣き出しそうな顔をした少女がいて。
その表情に驚くが、原因はおそらく自分の態度だろうと予想がつくので申し訳なく思う。
 
「ごめんな」
「私こそ…ごめんなさい」
「いや、ユファが悪い訳じゃない。俺が――」
 
言いかけてやっぱり口ごもる。
でも、頭のどこかでは、いつまでもこうやってこの思いを大事にしまいこんでいたらきっとずっと前には進めないんじゃないかという気もしているのもまた事実だ。
シヌは小さくため息をついて言葉をつないだ。
 
「俺が作ったあの曲はいろんな思い出がつまってる大事な曲なんだ……だから、今はまだ、聴かせられない」
「今はまだ、ですか?」
「あぁ。俺の中で整理がついたらその時は一番に聴かせてあげるよ」
 
今はまだできないけれど、いつかきっとミニョのこともいい思い出に変えてみせる。
ミニョも、自分も幸せになるために。
 
信号が赤から青に変わって、シヌは大きくアクセルを踏んだ。
 
 
 
 
 
 
 
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Tell me 4

マ室長がクラブで人聞きの悪い妄想を繰り広げているころ。
 
ユファは小さすぎず、かといって大きい訳でもない公園の階段にシヌと並んで腰をおろしていた。
誰もが知ってる有名な洋楽をひいたかと思えばユファの知らない韓国のポップスを弾いたり、A.N.JELLの曲をアレンジして弾いてみたりと、ユファのリクエスト、もとい、わがままに答えて、シヌは小声で口ずさみながらギターをつま弾いている。
 
少し微笑みながらギターを弾くその横顔はやっぱりアーティストで、ユファは今更ながらシヌがトップアイドルだということを思い出した。あまりに普通に接しすぎて、時々忘れそうになるのだけれど。
帽子と眼鏡で変装しているとはいえ、ギターを弾く姿を見られたら正体がばれそうなものだが、幸い夕方の公園にはあまり人気が無く、誰にも気づかれなかった。
来た時にはまだ西の空がオレンジ色に染まっているだけだったけれど、今はもう日はほとんど沈んでいて、街灯もつき始めている。
 
「もう暗くなってきたから、そろそろおしまいにしようか?」
 
シヌはふと手を止めてユファに尋ねた。
 
「じゃあもう一曲だけ…」
「うん、なにがいい?」
「えと…シヌオッパは作曲はしますか?」
「え?…ああ、することもあるけど」
「じゃあ、オッパの作った曲を最後に聞かせてもらえないですか?」
「え…」
 
自分の作った曲。
シヌの脳裏に浮かんだのは、あの時の歌――泣いているミニョに自分の気持ちを歌った歌だった。
自分の付った曲はあれぐらいだけど、あの歌は…
 
「だめだ」
「え?」
「あの歌は、まだ駄目なんだ…」
「………」
 
少し遠い目をしているシヌの思いのほか強い口調にユファは驚き口をつぐむ。
 
(私なにかまずいことを言ったかな?
 いや…たぶん言ってないはずよね。
 でも…だったら何故?
 なんだか辛そうだし…なにか思い出させちゃったのかしら?
 ど、どうしよう…)
 
頭をフル回転させてどうしたらいいか考えるけれど、こんな時に限って空回りしている気がする。考えれば考えるほどどうしたらいいのか分からなくなる。どうしたらいいんだろう。答えを出すのなんて、数式を説いている方がよっぽどラクな気がする。
 
 
「…帰ろうか」
 
どれくらい経っただろうか。
長い長い沈黙の後、シヌが口を開いた。
ユファがこくり、と頷くと、ギターをしまって立ち上がった。
 
 
 
 
 

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