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出演:ハビエル・バルデム、ナタリー・ポートマン、ステラン・スカルスガルド
監督:ミロス・フォアマン 脚本:ミロス・フォアマン、ジャン=クロード・カリエール 音楽:ヴァルハン・バウアー 原題:GOYA'S GHOSTS 上映時間:114分 製作国:アメリカ/スペイン 公開情報:劇場公開(ゴー・シネマ) 初公開年月:2008/10/04 ジャン: ドラマ/歴史劇 《コピー》 それは、立ち入り禁止の、愛。 【解説とストーリー】 「アマデウス」「カッコーの巣の上で」の巨匠ミロス・フォアマン監督が、スペインの天才画家ゴヤが活躍した激動の時代を背景に、非寛容・非人間的な異端審問がもたらした一つの悲劇を描いた歴史ドラマ。純真無垢な少女イネスと威厳に満ちた神父ロレンソが辿る数奇な運命を、2人の肖像画を手掛けるゴヤの目を通して繊細かつ重厚に描く。 時は18世紀末、スペイン国王カルロス4世(ランディ・クエイド)の宮廷画家に任命されたフランシスコ・デ・ゴヤ(ステラン・スカルスガルド)。画家として最高の地位に登り詰めながらも、常に現実の社会と向き合い、人間の真実を見つめ続けた画家。1792年、ゴヤは2枚の肖像画に取り掛かっていた。1枚は裕福な商人の娘で天使のように純真な魅力にあふれた少女イネス(ナタリー・ポートマン)。もう1枚は威厳に満ちたロレンソ神父(ハビエル・バルデム)。そんな中、カトリック教会では、ロレンソの提案で、形骸化していた異端審問の強化が図られていた。そしてある日、イネスは居酒屋で豚肉を嫌ったことからユダヤ教徒の疑いありとして審問所への出頭を命じられてしまう。(allcinemaより) 【少々ねたばれありです】 これは見応えのある凄い映画でした。 18世紀末から19世紀のいわゆるフランスで言えばルイ王朝〜ナポレオン時代というのは、ヨーロッパ全体が激動の時期で、とにかくよく小説や映画に取り上げられていますよね。若い頃はあまり興味がなくてせいぜい「ベルサイユのばら」でルイ16世時代を知ったくらいだったのですが(笑)、最近になってイギリス海軍や陸軍の同時期の話を読んだり観たりしているうちに、何となく英国、フランス、スペインの関係がほんの少しですがわかってきた感じがします。 しかし今まで英国やフランス側からの話はいくつか観てきたのですが、スペイン内部からの話は今回初めてだったので、とても興味深く観てしまいました。いつの世もそうですが、本当に戦争というのは悲惨なものです。 その戦争よりもっと感じたのは、ヨーロッパにおける教会の強さでしょうか。エリザベス1世の話でもそうでしたが、とにかくヨーロッパではカトリックの威力がまず一番強く、プロテスタントや正教、ユダヤ教と(細かくはもっとあるのでしょう)各宗派による争いがそれこそ長く続いているんですよね。この映画の中でも教会の横暴さが目立ちますが、まぁ支配する国や人によって、コロコロと立場が代わるのには、驚くというより滑稽さを感じて苦笑してしまいました。^^;昔日本にもいた特高とか赤狩りとかと一緒でとにかく自分たちだけが正しいと思っているところは人間の性なのでしょうか。(ーー゛) 結局どんなに立派な司祭であっても神ではないわけで、人が人をジャッジして裁いたりするのは、「神のご意志」とか名目をつけたとしても、何のことはない、人が決めてやってるんですよね。この手の話を観ると、信仰のない私などはいつも「人が人を裁くことの限界」を感じます。どの世界でも同じだなぁ、と。それでなければ、あんな理不尽な尋問と称する拷問が許されるはずがありません。客観的に見れば、あれでも聖職者なの?って思っちゃいますよね〜(ーー゛) さて、そんな厳しい時代背景に生きた有名な画家ゴヤを軸に物語は進みますが、ここではたまたまゴヤが肖像画を描いた二人の人間が主人公になっています。一人はカトリックの神父ロレンソ、そしてもう一人は裕福な商人の娘であったイネスです。 教会が威厳を保つ為(?)復活させた異端審問で、美しいイネスはひょんなことから狙われてしまうのですが、彼女が拉致されて(あれは拉致ですよね。思わず先日お誕生日だった横田めぐみさんを思い出しました)尋問と言う名の拷問を受けるシーンは観るのも辛く、こんなことが行われていたということに呆れるばかりでした。まだ若くか弱い女性をよくもまぁ平気であそこまで痛めつけられるものです。もう執行人にせよ、上に立つ司祭たちにせよ、人間じゃありませんよね。必死でイネスを助けようとする、両親や兄たちの姿が本当にせつなかったです。 そして彼女の人生を狂わせたのがロレンソなのですが、案外この神父が小心者でせこくてすご〜く人間ぽいところが、この作品の面白さでもありました。^^;自分の都合が悪くなるとあたふたと海外へ逃亡した上、今度は改心したとか言ってフランス側に着き、戻ってきて偉そうにするところなんぞ、笑ってしまいます。でも弱い人間こそこんなかも、って思っちゃいますね。しかもイネスにとんでもないことまでしてたんですものね〜呆れてものが言えない人物です。 そんな二人の間に入るのがゴヤ。題名どおり彼はずっと二人の様子を観ており、宮廷画家だったこともあり、国王や教会とも繋がりがあります。パンフによると、実はロレンソの持つ人間性の一端はゴヤから生まれているとのことですが、それは有名なスペインの「カルロス4世とその家族」の絵などを描いたかと思えば、フランス人将校、スペインの英雄、そして映画の中にもせりふとしてあったように英国のウェリントン将軍の肖像まで描いているそうな。。。彼自身が動乱の世に生きるため、自然に取った措置なのかもしれませんね。 イネスが開放され、ロレンソがスペインに戻ってきてから、話が後半に移ります。イネスは自分が牢獄の中で産んだ娘と逢いたい一心で頼ったロレンソにまたひどい仕打ちをされますが、ゴヤが娘をみつけた事から、イネスとロレンソの運命は、英国が責めてきたことも相成って又大きく変わって行きます。 ラスト、処刑される直前のロレンソがイネスをみつけ、ほんの少し微笑むところは、やっとそこで彼が安堵して旅立てる心の準備ができたような気がしました。ラストシーンのイネスがロレンソの亡骸に付き添うのを、後ろからゴヤが追っていくところもせつないけれど印象的な映像でしたが、ゴヤにはずっと彼女を見守って行って欲しくなりますね。 キャストも素晴らしいです。今年に入ってお目にかかるのは3本目という大活躍のハビエル・バルデムですが、この人って本当にこういう癖のある役が上手いですね〜一番最初の猫なで声のようなロレンソ神父の時と、フランスから戻ってきて自分がさも天下をとったような自信たっぷりのロレンソとは別人のようでしたし、また最期の赦しを請うこともせず、処刑に応じるロレンソの何かを悟ったような演技も素晴らしかったです。さすがとしか言いようがありませんね。 ナタリー・ポートマンもこの役は今までの中でも一番と言っていいくらいの熱演だったかも。母娘両方を演じる二役だけど、母イネスは娘の時と15年経って釈放された後では別人格のようになりますから、実質三役みたいなものですよね。あの可愛いナタリーのこんな汚れ役も初めてだし、娘時代が美しいだけに、後半のみじめな気のふれた女性とのギャップが凄くてよりせつなさも倍増されますね。娘のアリシアは結局最後まで母を知る事はなく、したたかに強く生きていく女性になっており、またその気の強さもイネスと顔はそっくりでも全く違うイメージで演じ分けていました。 ステラン・スカルスガルドも一歩引いたところから常に二人と関わっているゴヤ役に嵌ってましたね。途中耳が聴こえなくなり苦悩しますが、「目が見えることに感謝する」というのは画家らしい言葉で、そう聴くとベートーヴェンの難聴はいかに気の毒だったかがよくわかります。 私はゴヤに関しては全く詳しくなく、超有名な二つのマハの絵(着衣と裸の)や、映画にも出てくる「カルロス4世の家族」、暗く不気味な「巨人」など数点しか思い浮かびませんが、あんな瓦版のような世情を訴える版画をたくさん作っていたとは知りませんでした。プラド美術館に行きたくなりますが、エンドロール中ずっとバックに映し出される絵画は大画面で観る価値ありですね。さすがに最後まで席を立たない人がほとんどでした。 時代に関係なくいつでもどこでも同じことを繰り返す人間の愚かさと弱さ。ロレンソを通してその痛さが伝わってきました。観てから知ったのですが監督は「アマデウス」や「カッコーの巣の上で」のミロス・フォアマン監督。納得です♪ |

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★のびたさん、拷問をしようとした聖職者が、自分が拷問されるとあっさり負けてしまうところは、どんな聖職者と言えども人間だということをはっきりと示していましたね。人は弱いもので、本当の聖職者はそうはいないと言うことでしょうか。特にこの時代はひどいですよね。
見応えのある凄い作品でした。TBありがとうございます♪
2008/10/24(金) 午後 11:27
★つららさん、そうそう、権力というのは人間性を変えてしまうことが多いので、本当に怖い力だと思います。何だか哀しくなりますね。
そんな人間の醜く愚かな姿を上手く描き出した秀作でしたね。
TBありがとうございました♪
2008/10/24(金) 午後 11:29
オールスペインが舞台の歴史映画って意外とないですよね。
ゴヤの絵などもうまく使いつつ、ロレンソ、ゴヤ、イネスたちをうまく描き切っていました。
ベテラン監督らしい落ちついたフィルムワークで
ラストシーンも印象的でした。
キャストもよかったですね。
TBさせてくださいね。
2008/11/3(月) 午後 11:37 [ miskatonic_mgs_b ]
★miskatonicさん、これはいろいろな楽しみ方ができる作品ですよね。
テーマはかなり重いのですが、それを歴史、美術、ヒューマンドラマなど上手く交えながら惹き付ける手法でさすがの映画でした。
TBありがとうございます〜♪
2008/11/6(木) 午後 9:13
私もこの映画は興味深く観たのですが、監督もキャストも凄いのに、日本での公開が遅れたこと、世間の話題に上っていなかったことが不思議でなりませんね。
それにしても、ハビさんも凄い勢いで仕事してますよね〜。 新作も楽しみです^^。
TBさせてくださいね。
2008/11/19(水) 午後 4:03
★Kimさん、ホント、なぜでしょうね。やはり一般的には暗いイメージのあるあの時代のスペインというのはあまり興味をもたれないのでしょうか。
これは見応えのある映画でしたよね〜公開されてよかったです!
TBありがとうございました〜♪
2008/11/22(土) 午後 11:03
これはなんといってもナタリーでした!すごかったです!
ただそろそろハッピーなナタリーも観たいなあと思ったりして(^^;
TBさせてくださいね。
2008/12/4(木) 午後 11:15
★Naomiさん、ナタリーもいろいろな役に取り組んでますよね〜元がチャーミングでとても可愛い人だけに汚れ役のインパクトは凄いですね。確かにハッピーな彼女も観たいですね〜(^^ゞ
TBありがとうございました〜♪
2008/12/5(金) 午前 9:49
見応えのある作品でした。長い歴史を一気にみせるところはさすがでしたね。遅ればせながらTBさせていただきます!
2009/5/6(水) 午前 0:19
★たくたくさん、これは歴史もわかって面白い作品でしたね。
キャストも素晴らしく見ごたえがありました。
TBありがとうございました〜♪
2009/5/7(木) 午後 9:10
なまぐさい神父役でしたね、ハビさん。(笑)
いや〜最後の判決シーンの形相は迫力ありました〜。
ナタリーも役者魂を見せてくれますね。(・ω・)bグッ
歴史劇としては判りやすく作られてるのも良いところだと思いました〜。
こちらもTBさせてもらいますね〜〜!
2009/8/6(木) 午前 0:21
★Kaz.さん、あまりになまぐさい神父でしたよね〜^^;
しかし上手いですね。ハビさんは。この怪しさはさすがです(笑)。
キャストもよかったし見応えのある作品でした。
TBありがとうございます〜♪
2009/8/6(木) 午後 9:56
いや〜〜、これは見入ってしまいました。
キャストも素晴らしかったですよね。
TBさせてくださいね☆
2009/8/7(金) 午後 11:05
★なぎさん、そそ、惹き込まれますよね。
キャストもすばらしかったし、物語も見応えがありました。
TBありがとうございます〜♪
2009/8/9(日) 午後 10:44
ナタリーの熱演が凄かった。
あの美しい彼女がここまで・・・ショックであり、また感銘を受けました。
より彼女のファンになりました。
悲しい作品でしたね。。
2009/8/14(金) 午後 6:30
★seiさん、ナタリーは迫真の演技でしたね。
しかし演技派としても見せてくれて今後が益々楽しみな女優さんになりました。
時代とはいえせつないですよね。
2009/8/16(日) 午後 0:50
今頃、DVDで見ました。もうナタリーの演技には驚きました。途中から正座してましたよ(笑)胸が張り裂けそうでした。TBお願いします。
2010/2/25(木) 午後 8:16
★danceさん、ナタリーの体当たり演技は素晴らしかったですね〜
正座してご覧になられたというの、わかりますよ〜(笑)
観ているのが辛かったですよね。
しかし見応えのある映画でした。
TBありがとうございます〜♪
2010/2/27(土) 午後 9:09
こんばんは。
ナタリー・ポートマンの演技はすごかったですね〜
三人の生き様に圧倒される映画でした。
TBさせてくださいね。ポチ☆
2011/11/27(日) 午後 9:56
★きゅさん、本当にこのナタリーは凄い演技でしたね。
重いけれど見応えのある作品でした。
TBありがとうございます♪
2011/12/2(金) 午後 7:51