choroねえさんの「シネマ・ノート」

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昨年公開されたシャーリー・マクレーン主演の「ココ・シャネル」、オドレイ・トトゥ主演の「ココ・アヴァン・シャネル」に続き、第3弾となるシャネルの伝記映画は、今まであまり注目されることのなかった、ロシアの作曲家ストラヴィンスキーとの物語でした。

ストラヴィンスキーというとまずは【春の祭典】を思い浮かべますが、これを含む3大バレエ曲の【火の鳥】【ペトルーシュカ】など、何度か聴いた事はあるものの、バレエの舞台は観た事がありませんし、映画の中で演奏されるピアノ曲などは知りませんでした。やはり20世紀を代表する作曲家として、同じロシアのプロコフィエフやハチャトゥリアンなどと共に、それまでのロマン派や印象派とは全く違う斬新さを持つ音楽を作り出した人だと思いますが、オーケストラ曲が有名なので、あまり私は詳しくありません。どちらかと言うと男性好みの作曲家ですよね。^^;

そんなストラヴィンスキーとシャネルに親交があったことも知らなかったのですが、先の2作はシャネルの生い立ちとその成功を綴っていたのに対し、本作はボーイ・カペルと死別したシャネルがストラヴィンスキーの音楽と出会い、彼のパトロン的な役目を担ううちに不倫の関係になり、またそれぞれの道を歩む事になるという、二人の生涯の中の一編を綴る作品になっていいるんですね。

何に焦点をあてて観るかで評価が分かれると思いますが、私は今回はストラヴィンスキーの音楽と今まで全く知らなかった彼の人生の一部に注目したので、興味深く観ることができました。

普通に感想を言ってしまえば、ストラヴィンスキーの奥さんは可哀想だし、シャネルはずいぶんと自分勝手な女性に映るのですが、それ以前にシャネルとストラヴィンスキーにある共通点、時代を先取りする力とその斬新性や創造者としての才能などに注目すると面白いですよね。

【春の祭典】がシャンゼリゼ劇場で初演された際に賛否が起こり大変なことになったというのは有名な話ですが、何でもそれまでの慣習を破って新しい物を発表すると、必ずと言っていいほど賛否が起こります。他の改革的芸術家も皆そうだったと思いますし、今に始まったことではないでしょう。ピカソの絵もそうだし、新しいものを創造するときには必ず試練があるのでしょうね。それにしても。振り付けはかの天才バレエダンサーのニジンスキーだったというのも今になってみると贅沢極まりない話ですね〜(笑)

シャネルもまさにファッションの世界で同じように新しい独自の世界を築き上げようとしていたところでした。それまでの女性のファッションは窮屈でお洒落の為には過度な我慢をしなくてはいけなかったわけですが、冒頭に出てくるコルセットの紐を鋏で切ってしまうシャネルは、その後もジャージー素材を使った服や、パンツルックなど、動きやすくかつエレガントなデザインを生み出すわけですから、ストラヴィンスキーの音楽に自分と同じ感覚を持ったのも無理ないですよね。

4人の子どもを持つストラヴィンスキーは、この映画を観る限り家庭を大切にするよき主人であったと思いますが、シャネルはなぜあのような誘惑をしたのか、その辺はちょっとわかりかねました。ボーイを失った寂しさ?それとも本当にストラヴィンスキーに恋をしたのかが、映画を一度観ただけでは理解できません。ただ、彼女の持つ強さは伝わってきますね。不倫はあまり観ていて気持ちのよいものではありませんが、ストラヴィンスキーの方も決して妻を愛さなくなったのではなく、シャネルにやはり自分と同じような感覚をみつけたが為にのめりこんだのかもしれません。それでも奥さんや子どもにとっては不幸なことで、一歳年上の従姉妹であったというカトリーヌは幼い頃からお互いを知っている夫婦であっただけに、どれだけ苦しんだかと思うと胸が痛みます。。。

ただ、ストーリーの中の二人(シャネルとストラヴィンスキー)に全面的に共感することはできなかったものの、二人の代表作品となった【シャネルNo.5】と【春の祭典】を軸に、上手くその芸術感覚を描いた作品だと思いました。

キャストも渋いキャスティングですよね〜シャネル役のアナ・ムグラリスはモデル出身だけあってスレンダーで凛とした雰囲気がよく合ってましたね〜何よりあの低いトーンの声には驚きました。実際のシャネルもあのような低い声だったのかな。ボーイを失った後の精神的に迷いのあるシャネルの声には出さない思いが感じられたような気がします。
対するストラヴィンスキー役のマッツ・ミケルセン「007/カジノロワイヤル」の時や、「キング・アーサー」の時とも全く違い、自分の音楽と愛に翻弄される芸術家をある意味弱々しく演じていたように思います。
ストラヴィンスキーの妻カトリーヌ役のエレーナ・モロゾーワも病弱かつはかなしげでありながら、まっすぐに自分の敵となりうるシャネルを見つめる眼差しや、無言でささやかにシャネルに抵抗する姿など、その秘めたる強さがよく伝わる演技でしたね〜

昨年から今年にかけてのシャネル映画の一本として観てもよいのですが、個人的にはストラヴィンスキーの音楽に彩られた音楽映画としても楽しめたような気がします。美しい風景やシャネルの衣装、モノトーンを好んだシャネルに相応しいインテリアなど、視覚的にも当時の雰囲気を充分に堪能できますね。

ただこれってR18なんですね〜最初のタイトルを見て初めて知ったのですが、確かにラブシーンは結構大胆でした。^^;でも普通の控えめな(笑)ベッドシーンでもこの映画ならそれでよかったのにな〜と思ったのですが、サービスショットなのかしら。。。。(^O^;

原題:COCO CHANEL & IGOR STRAVINSKY
上映時間:119分
製作国:フランス
公開情報:劇場公開(ヘキサゴン・ピクチャーズ)
初公開年月:2010/01/16
ジャンル:ドラマ/ロマンス/伝記
映倫:R18+

監督:ヤン・クーネン
原作:クリス・グリーンハルジュ 『シャネル&ストラヴィンスキー』(竹書房刊)
脚本:クリス・グリーンハルジュ、ヤン・クーネン
衣装:シャトゥーヌ、 ファブ
音楽:ガブリエル・ヤレド

出演:アナ・ムグラリス・・・ココ・シャネル
   マッツ・ミケルセン・・・イゴール・ストラヴィンスキー
   アナトール・トーブマン・・・アーサー“ボーイ”カペル
   エレーナ・モロゾーワ・・・カトリーヌ・ストラヴィンスキー
   ナターシャ・リンディンガー・・・ミシア・セール
   グリゴリ・モヌコフ・・・セルゲイ・ディアギレフ

【解説とストーリー】
 「ドーベルマン」の鬼才ヤン・クーネン監督が、シャネルとストラヴィンスキーの愛憎の行方を描くラブストーリー。芸術家として互いを刺激しあい、愛を深めていく姿と、そこに秘められた最も有名な香水“N°5”誕生の物語を華麗かつ官能的に綴る。
 1913年のパリ、シャンゼリゼ劇場。自作《春の祭典》の初演を迎えたストラヴィンスキーだったが、そのあまりにも革新的な音楽は観客に受入れられず、劇場はヤジと嘲笑で騒然となる。そんな中ただ一人、ココ・シャネルだけは今までにない斬新なスタイルに共鳴し、心震わせていた。それから7年後。シャネルは、デザイナーとして富と名声を手にしながら、最愛の男アーサー“ボーイ”カペルを事故で亡くし、悲しみに暮れていた。そんな時、家族と共にパリで苦しい亡命生活を送っていたストラヴィンスキーと出会う。彼の才能に惚れ込み、経済的援助を申し出るシャネルだったが…。(allcinemaより)

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バイオグラフィ的に見るならシャーリー・マクレーン主演の「ココ・シャネル」ですが、彼女の人生のあるひとこまを切り取り、クローズアップして深く描いたこの作品もまた素晴らしいですよね。
そうそう。ふたりとも別の世界でですが、節目となることを成し遂げた人。共感できることも多かったでしょうし、気も合ったことでしょう。しかしだからといって同じあの邸宅でそんなことを・・とついつい思ってもしまいますよね。
でも作品としては素敵でした。
TBさせてくださいね。

2010/1/22(金) 午後 7:11 car*ou*he*ak 返信する

アナ・ムグラリスとマッツ・ミケルセンというのに惹かれて鑑賞しました。他のシャネルの2作品は未見なので比べることができないんですが、一部分を切り取ってある部分だけに焦点あててるような作品で興味深かったです。芸術感覚的な作品で雰囲気がとてもよかったです〜。あは、確かにもっと控えめなラブシーンでもよかったかもしれないですね。アナ・ムグラリスの出てる作品はけっこう大胆かも・・。
TBお返ししますね

2010/1/22(金) 午後 11:44 LAGUNA 返信する

ボーイを失って後の、成功し名を成したシャネルの恋の行方…
収まる処に収まったのですが、ストラヴィンスキーの奥さんも含め、登場人物の心模様がうまく描かれていたと思いました。
映像美も素晴らしいし、ココ役のアナ・ムグラリス、素敵でした‼
TBさせて下さいね〜♪

2010/1/22(金) 午後 11:52 ふぇい 返信する

コスチュームや別荘のインテリア、スタイリッシュでしたね。
あの生活感の無さは、仕事に生きるシャネルならではだし、一方の妻は4人の子供がいる女性として、また、故郷ロシアを離れている立場としては他の色が欲しいっていうのは、センス以前に「心」の問題でしょうか。
ストラヴィンスキーって、カメレオンと言われる位、作曲法が変化した(迎合したとも?)みたいですが、やっぱり「春の祭典」はエポック・メイキングな作品だったんですね。
あの二人実際はどうだったのだろう、と知りたくなりました。ストラヴィンスキーが、シャネルを取り巻く他の男より、魅力的だったとはあまり思えなくて・・・。
TB返しさせてくださいね。

2010/1/23(土) 午前 10:04 アンダンテ 返信する

とってもエロティックに描かれていたふたりでしたが案外シャネルはそうでもなかったように思えたのですが。
ストラヴィンスキーの曲、才能にシャネルの感覚が研ぎ澄まされたように感じました。知らない両方の芸術家の一部を知る事が出来た作品でした。作品全体の雰囲気がとっても素敵でした。
私はアナ・ムグラリスの声低すぎっておもちゃったんですよね。
かなり低くてインパクトありました。

2010/1/24(日) 午後 7:00 ひかり 返信する

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TBお願いいたします。

2010/1/24(日) 午後 7:01 ひかり 返信する

ふたりの関係に興味を持っていましたが、これまた近くでやってないんですよね〜。
DVD待ちになるでしょうけど、ストラヴィンスキーの音楽が聴けるのも楽しみです。

2010/1/25(月) 午前 10:39 なぎ 返信する

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★カルちゃん、これは前の2作とはちょっと違った描き方ですよね。
二人のアーティストがお互いを必要とし、またそこから素晴らしい作品が生まれていくという視点が面白かったです。
不倫はちょっといただけませんが^^;芸術家は自分の気持ちに正直ですからねぇ。。(笑)
とてもインパクトのあるアートっぽい作品でした。
TBありがとうございます〜♪

2010/1/25(月) 午後 9:28 choro 返信する

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★らぐなさん、そうですよね。これはシャネルの生涯の中でもピンポイントで描いてある分興味深く見れました。
このキャストは渋いですよね〜さすがらぐなさん、このキャストで鑑賞意欲がわくというのは通ですよ〜(笑)私はシャネル&ストラヴィンスキーでなかったら観なかったかも。(^O^;
TBありがとうございました〜♪

2010/1/25(月) 午後 9:31 choro 返信する

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★フェイさん、アナは雰囲気のあるシャネルでしたね〜
この映画は全体にアートな感じでとてもシャープな作品になっていたと思います。映像も綺麗でしたね!
TBありがとうございました〜♪

2010/1/25(月) 午後 9:33 choro 返信する

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★andanteさん、ストラヴィンスキーに関しては詳しくないのでいまだにその作曲のスタイルなどよくわからないのですが、カメレオン的な技法を持っていたんですか。今度聴く時は注意して聴いてみたいです。^^;
確かにこのお話もどこまでが史実に忠実なのかわかりませんが、芸術家って複雑ですよね。^^;
TBありがとうございました〜♪

2010/1/25(月) 午後 9:35 choro 返信する

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★ひかりさん、そそ、全体の雰囲気がいいですね。とても洒落たと言うか芸術家が主人公らしい作品になっていたと思います。
アナの声は本当に低かったですね。私も驚きました。^^;
TBありがとうございました〜♪

2010/1/25(月) 午後 9:36 choro 返信する

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★なぎさん、ストラヴィンスキーのピアノ曲なんて知らなかったので^^;興味深く観れ(聴け)ました♪
私もDVD化されたら再見したい作品です。(^^)

2010/1/25(月) 午後 9:37 choro 返信する

観ました(^^)v
頷きながら記事を読みました。
普通の人としてではなく、芸術家としてのふたりの姿を興味深く観られました。
ストラビンスキーのピアノ曲も、綺麗でしたね♪
TBお返しさせてくださいね☆

2010/7/18(日) 午後 10:23 なぎ 返信する

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★なぎさん、そそ、芸術家としての絆みたいなものも感じられましたよね。
ストラヴィンスキーはオケの曲が有名だけど、ピアノ曲もいいですね〜♪
TBありがとうございました。

2010/7/20(火) 午後 5:04 choro 返信する

やや感覚的な作品であるように感じましたが、その分スタイリッシュな作品になっていましたね。TBさせていただきます!

2010/7/23(金) 午前 10:50 takutaku! 返信する

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★たくたくさん、確かにそうですね〜面白い視点からの映画でした。
TBありがとうございます〜♪

2010/7/25(日) 午前 9:30 choro 返信する

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冒頭の「春の祭典」のシーンに見入ってしまいました。
ストラヴィンスキーは子供のころよりも最近の方がよく聞きます。とにかくカッコいいなぁ、と思う音楽を作る人ですね。
美術や衣装もきれいでした。
アプローチが他のシャネルが題材の映画と違って面白かったです。
2人の恋愛はただの恋愛と云う感じでもなかったところもおもしろかったです。
TBさせてくださいね。

2010/12/4(土) 午前 7:01 [ miskatonic_mgs_b ] 返信する

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★miskaさん、ストラヴィンスキーはあまり馴染みやすい作曲家ではないイメージですが、大人になるとその魅力がわかりますよね〜(^^ゞ
おっしゃるように、カッコイイ音楽ですね。20世紀のロシアの作曲家は皆刺激的で個性の強い音楽が素敵です♪
この映画は変わった視点から観たシャネルで興味深く観れました。
しかしストラヴィンスキーと交流があったとは意外でした。^^;
TBありがとうございます♪

2010/12/8(水) 午後 10:28 choro 返信する

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