choroねえさんの「シネマ・ノート」

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「プリンス・オブ・ペルシャ」より先に観たのに、感想は前後してしまいました。^^;
公開から1ヶ月半以上経ち、劇場鑑賞は半ば諦めていたのですが、何とか滑り込みで観ることができました。歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の誕生秘話のようなお話ということで、予告を観た時から楽しみに期待していた通り、これは面白かったです♪(^^)

作曲家の伝記映画はモーツァルトなら「アマデウス」などいろいろとありますが、なかなかオペラの劇作家の話というのはありませんよね。もちろん歌劇は文字通り歌だけでなくストーリー性のある劇ですから、歌詞そのものが台本になるわけですが、この映画ではモーツァルトの有名な歌劇「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「コシ・ファン・トゥッテ」の作者であるイタリアのロレンツォ・ダ・ポンテを中心に、彼の半生と平行して「ドン・ジョヴァンニ」をモーツァルトと共に作る過程が描かれています。今まで映画「アマデウス」や書籍で作曲者であるモーツァルトのことを知る機会はたびたびありましたが、台本作者のことは全く知らず、とても興味深く観ることができました。(^^)

「アマデウス」では冒頭で流れる交響曲25番の暗い音楽がその後のモーツァルトの不吉な人生を鋭く表しているような感じがしましたが、本作の冒頭はモーツァルトではなくヴィヴァルディの「四季」の「夏」がやはり同じト短調で流れるんですね。ヴェネチアのゴンドラに乗った二人の男性が大きな石膏像を載せた船とすれ違いますが、その像こそ「ドン・ジョヴァンニ」の騎士の像で、この冒頭のシーンが途中に繋がっていくのは印象的でした。

そのファーストシーンの後、物語はユダヤ人の少年(ダ・ポンテ)がキリスト教に改宗する洗礼式から逃げ出すところから始まりますが、かの有名なカサノヴァがその様子を観ています(カサノヴァもユダヤ人で思うところがあってみつめていると解説にありました)。やがて大人になったダ・ポンテは神父になったものの、教会を皮肉るような詩を発表したり、おまけに放蕩三昧。そんなある日、カジノで知り合った老人から孫娘の後見人的な役目を頼まれるのですが、その無垢な少女(アンネッタ)に一目惚れしてしまったダ・ポンテはその場から逃げ出してしまいます。

その後教会への反逆罪でヴェネチアを追放された彼はウィーンへ行きサリエリを訪ねますが、ちょうどオペラのリハーサルを観に来ていたヨーゼフ二世からモーツァルトの新作を一緒に書くように推薦されます。

カサノヴァやサリエリなど映画でもお馴染みの人物が登場しますが、特にサリエリやモーツァルトは「アマデウス」の時のキャラと当然ながら同じで、役者は違えど本当にこういう人たちだったのかなぁと思わさせられました。(^^ゞ

一方、カサノヴァは晩年の年老いたカサノヴァなので、大分ヒースが演じた若き日のカサノヴァとは違いますが(笑)、この物語では「ドン・ジョヴァンニ」の物語はカサノヴァの経験談がたくさん入っているという設定になっているのは面白かったです。

そして、後半は歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の台本を語るように、有名なアリアのシーンと、ダ・ポンテ自身がウィーンで再会したアンネッタへの恋心や妄想とが交互に描かれていて、惹きこまれて観てしまいました。現実の出来事と劇中劇が重なる手法はわかりやすくて楽しいですよね。かの有名な「ドン・ジョヴァンニ」がこんな風に作られたのかなと思うとわくわくしてしまいます。もちろんフィクションの部分も多いでしょうけど、それでも、今まで完成されたオペラの舞台しか観たことがなかったので、もし本当にこんな裏話があったとしたら・・・と思って観ると楽しいですよね。レポレッロの歌う有名な『カタログの歌』が創られるシーンを始め、カサノヴァがコミカルでとても面白かったし、ジョヴァンニとツェルリーナの二重唱『手に手をとって』や、最後の騎士長の亡霊がジョヴァンニを地獄へ堕とすシーンなども当時の舞台演出や衣装を堪能できました♪

劇中のドン・ジョヴァンニはそれまでの自分の放蕩三昧の人生を反省することなく、地獄に落とされてしまいますが、ダ・ポンテは違いました。その結びも劇の結末とは違い、人は改心すれば希望のある未来を持つことができるという明るいラストになっているのは気持ちがよいですね。こちらは史実かどうかはわかりませんが、映画的な幕切れだったと思います。(^^ゞ

しかし、この時代の貴族社会って、何というか節操がないんですね〜(笑)時間とお金をもてあましている貴族だけでなく、聖職者でありながら放蕩ぶりを発揮してヴェネチアを追放されるダ・ポンテのような人物も多かったのでしょうね。彼は本当の愛をしったことで、新たな人生を切り開くことができますが、「フィガロの結婚」のように結婚してからもすぐに誘惑に負けてしまうような貴族がほとんどだったでしょうし(笑)、全く倫理観のない時代だったんですね〜^^;

キャストは初めて観る人ばかりでしたが、主役のダ・ポンテ役のロレンツォ・バルドゥッチがなぜか水嶋ヒロに見えてしかたがありませんでした(笑)。なかなかのイケメンでかっこよかったし役にもよく合いますね〜「輝ける女たち」にも出ているようなのでチェックしなくては(笑)。

オペラ歌手のキャストも皆本当の歌手の方のようで、ダ・ポンテと付き合うアドリアーナ役のケテワン・ケモクリーゼもヨーロッパで活躍するソプラノ歌手だそうですね。彼女のドンナ・エルヴィラも素晴らしかったし、劇中ではレポレッロ役のバリトンの人がいい声でしたね〜♪また久々にオペラの「ドン・ジョヴァンニ」も通して観たくなりました。(^^)

カルロス・サウラ監督の映画は「イベリア 魂のフラメンコ」が記憶に新しいのですが、アントニオ・ガデスの「カルメン」も観そびれているので是非観なくては!(^^)

そしてスペイン語で言うところの「ドン・ファン」(イタリア語だとドン・ジョヴァンニ)で思いだすのはジョニーの「ドン・ファン」ですが、こちらはファンタスティックで憎めないドン・ファンでしたよね。でも1000人以上の女性を相手にしたという逸話は同じですね。^^;

とにかくこの映画は「アマデウス」が好きな方やオペラファンにはとても楽しめる作品だと思いますし、衣装やセット、そして18世紀の貴族社会なども興味深く観られる映画ではないでしょうか。ちょっと舞台劇のようなセットも(カサノヴァの図書室はいかにもセットっぽい^^;)この映画の雰囲気にはあっているように思いました。(^^ゞ
 
原題:IO, DON GIOVANNI/英題:I, DON GIOVANNI
上映時間:127分
製作国:イタリア/スペイン
公開情報:劇場公開(ロングライド)
初公開年月:2010/04/10
ジャンル:ドラマ/伝記/音楽

《コピー》
ダ・ポンテ(天才劇作家)×モーツァルト(不世出の音楽家)、ここに至高のオペラ《ドン・ジョヴァンニ》誕生の秘密が解き明かされる!

監督: カルロス・サウラ
脚本: カルロス・サウラ、ラファエロ・ウボルディ、アレッサンドロ・ヴァリーニ
出演: ロレンツォ・バルドゥッチ、リノ・グアンチャーレ、エミリア・ヴェルジネッリ
     トビアス・モレッティ、エンニオ・ファンタスティキーニ

【解説】
 「カラスの飼育」「カルメン」の巨匠カルロス・サウラ監督が、モーツァルトの不朽の名作『ドン・ジョヴァンニ』の創作の過程に迫り、その誕生に大きな役割を果たした劇作家ダ・ポンテの人物像を、華麗なオペラ・シーンと彼自身の秘めたる愛の物語を織り交ぜ描き出す音楽伝記ドラマ。
 18世紀のウィーン。聖職者でありながら放蕩を続けた末にヴェネチアを追われたロレンツォ・ダ・ポンテ(ロレンツォ・バルドゥッチ)は、新天地を求めてここウィーンへとやって来る。そして新進作曲家モーツァルト(リノ・グアンチャーレ)と運命的に出会い、2人はイタリア語のオペラ『フィガロの結婚』を完成させ、好評を博す。その後2人は稀代の色男ドン・ジョヴァンニのオペラ化に着手、自らの奔放な女性遍歴を重ねて台本を書き上げていくダ・ポンテだったが…。(allcinemaより)

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オペラや音楽はさっぱりです^^;
高校の時にモーツァルトの半生を描いた作品は観ましたが、あれは面白かったですね♪
この作品も見応えありそうです!!

2010/5/31(月) 午前 6:07 れじみ 返信する

うわ〜さすがchoroさんのレビューですね。
改めて納得かもです(汗)
この作品ドン・ジョヴァンニが出来上がるまでとってもわかりやすくてとっても楽しかったです。モーツァルトの出会いもへ〜って感じで観てました。
ドンファンってドン・ジョヴァンニをスペイン語でいうとだったんですね(汗)納得です。
TBお願いします。

2010/6/1(火) 午後 5:45 ひかり 返信する

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これ、カルロス・サウラなんですか〜。意外ですね。サウラはどうしてもその作品からフラメンコのイメージが強いので。
記事を読んでいるととても面白そうですね。
劇場は無理そうですがDVDではぜひ見たいと思います♪

2010/6/3(木) 午前 5:35 [ miskatonic_mgs_b ] 返信する

滑り込みで観てきました。
TBさせてくださいね。

2010/6/4(金) 午後 11:47 アンダンテ 返信する

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★rejimiさん、オペラはやはり馴染みのある方の方が少ないですよね〜^^;
そそ、今は「アマデウス」を学校で観るようですね。うちの娘たちも観たと言ってました。(^^)
これも「ドン・ジョヴァンニ」というオペラがどのようにして作られたのかがわかって面白かったです♪

2010/6/5(土) 午後 9:50 choro 返信する

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★ひかりさん、これはカサノヴァまで出てきて面白かったですね〜♪
ただの伝記物とは一味違って、作品の創作記のような形が興味深かったです。(^^)
TBありがとうございました〜♪

2010/6/5(土) 午後 9:51 choro 返信する

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★miskaさん、昔アントニオ・ガデスの「カルメン」を実家の母は観に行っていたのに、私はその時行けなかったのでそのまま未見になってます。もちろんその頃はサウラ監督なんて名前も知りませんでしたが。^^;
確かにスペインの監督がモーツァルトのオペラの話を撮ったというのは面白いですね。でも題材が「ドン・ジョヴァンニ」だからなんでしょうね。考えてみると「フィガロの結婚」もスペインの話ですから、原作に関してはスペインの方が一番よく理解しているのかもしれませんね。
オペラにもお詳しいmiskaさんの感想が楽しみです♪(^^)

2010/6/5(土) 午後 9:53 choro 返信する

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★andanteさん、音楽ファンは観て損はない映画でしたよね!
TBありがとうございました〜♪

2010/6/5(土) 午後 9:54 choro 返信する

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初めまして、rejimi31のところから来ました。
「アマデウス」は大好きな作品ですがこの映画は知りませんでした。
「アマデウス」のなかでドン・ジョバンニがもっとも暗いオペラと紹介されてますがあれはウソ(演出)ですね。実際のドン・ジョバンニは大変楽しいオペラで、私もモーツァルトのオペラを全部見たわけではありませんが、彼の代表作のなかでは一番親しみやすいオペラだと思います。
機会があったらこれも是非見てみたいと思います。

2010/6/27(日) 午前 8:20 たんくたんくろう 返信する

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★たんくたんくろうさん、はじめまして♪
ご来訪&コメントありがとうございます。(^^)
「アマデウス」は名作ですが、この映画は新しいし、ヨーロッパの映画なので地味なのか(笑)あまり知られていませんよね。東京でも単館上映でした。
しかしこういう作品の成り立ちを描いた作品は面白いですよね。
オペラ本編と合わせて観るとよくわかるし、より興味深く観れると思います。
DVDになりましたら是非ご覧になってくださいませ♪

2010/6/28(月) 午後 9:41 choro 返信する

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