choroねえさんの「シネマ・ノート」

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「瞳の奥の秘密」(2009)

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アカデミー外国語映画賞受賞作品は、おのずと毎年期待したくなりますね。

本作も2009年度の受賞作ということで、ミニシアター系ながら新聞の映画評にも大きくとりあげられたり、映画ファンの方なら期待されていた方も多いと思います。アルゼンチンの映画なんて観る機会が少ないですよね。私もほとんど観た記憶がないのですが、サッカーや、音楽ならタンゴやクラシックピアノの好きな人ならマルタ・アルゲリッチなどを思い浮かべるくらいでしょうか。^^;

そんなアルゼンチンの70年代を舞台にした上で、サスペンスと一途な愛の物語として纏まった作品となっておりました。

定年退職した主人公は、家族もおらず孤独な毎日。時間ができたのを機に25年前に自分が担当した未解決事件を小説にしようと書き始めたことから、当時の記憶が甦り、現在と過去とが織り交ざった展開はあきさせませんね。同じ役者さんが演じているのでわかりやすいです。(^^ゞ

それでも前半少し退屈に感じた部分がありましたが、犯人が逮捕される中盤からラストにかけては惹きこまれました。あまりに理不尽な当時の司法界、殺人犯でも国が使える人物となると釈放して国の仕事をさせるって・・・・まぁ日本だって戦争前や戦時中にはとんでもない理不尽なことも多々あったようなので、どこの国でも同じような歴史はあるのでしょうが、一生懸命にやっている現場の人間や被害者がいつも悔し涙を流す事になるのは、こうして映画として観ていてもいたたまれませんね。

そんな事件を追うサスペンスフルな展開に加えて、主人公ベンハミンと彼の上司イレーネに対する気持ち、事件の被害者の夫の強い愛など、いろいろな人間愛も描かれ、見応えのある作品になっていたと思います。

キャストはアルゼンチンの方がほとんどで(犯人役の方だけがスペイン人で「彼が二度愛したS」に出ていたようですが)全く知らない俳優さんばかりでしたが、皆さすがによかったです。演技と関係ありませんが(笑)イレーネの付けていたカメオのペンダントがなぜか印象的でした。^^;

映画としてはとてもよく出来ていると思うし、アルゼンチンでは34週にも渡ってロングランされたというのも納得なのですが、不思議なもので映画って一つひっかかることがあると印象が変わっちゃうんですよね。
 

少しネタバレなので反転します。

イレーネの設定なのですが、個人的には独身であるか、もしくは離婚していて欲しかったと思います(笑)。彼女は25年前にエンジニアの婚約者がいて、ペンハミンは自分がノンキャリアであることも意識にあったでしょうが、そのことも含めてイレーネに告白できなかったのでしょう。でも結末を観るとイレーネもやはりベンハミンの事が好きだったようだし、あのドアが締まった後は想像つきますが、じゃ夫や子ども達は????既婚者から言わせて貰うと(笑)裏切られたような気がするのは私だけでしょうか。だから安直だけど、25年の間にイレーネの夫が病死とか離婚とかで姿を消していてくれるような設定だったら、問題なく素直に観られたと思うんですけどね。(^O^;
 
その部分だけがひっかかってしまった為か、私が観た限り、ここ数年のオスカー受賞作はどれも大きな感動があり涙した作品ばかりだったのに対し、この映画は涙はもちろんなく、ものすごい感動とまでは行かなかったのが惜しかったです。どちらかと言うとサスペンス的な部分で楽しんだ映画になってしまったかな。そちらのラストもちょっと予想がつく結末だったので(理由は後で述べますが)、それほどの衝撃はなかったし。。。^^;
 
壊れたAの文字が打てないタイプライターや枕元のメモ、写真など演出は見事だし、普通に観たら世間と同じように高評価に値する作品なのだと思いますが、このように一つこだわってしまうと・・・って作品もたまにはありますね。^^;でも観る価値はもちろん充分ありですから、これから公開の地方の方はどうぞお楽しみに♪
 

最後にもう一つ反転して先ほどの理由を(笑)。
 
そう言えば今TVドラマで放映されている「ジョーカー」も必殺仕事人的な話が入っていますが、この映画のラストも驚かなかったのは、こういうドラマの観すぎかも(笑)。だってそうでもしなきゃ、観客は納得行きませんものね〜(笑)
 
それにしても、やはり昔から理不尽な裁きというのはたくさんあったわけで、法治国家になっている現代ですら、完ぺきな判決というのはありえないのでしょうね。人が人を裁く難しさは永久に続くのかもしれません。
 
原題:EL SECRETO DE SUS OJOS
英題:THE SECRET IN THEIR EYES
上映時間:129分
製作国:スペイン/アルゼンチン
公開情報:劇場公開(ロングライド)
初公開年月:2010/08/14
ジャンル:ドラマ/犯罪/サスペンス
映倫:PG12
《コピー》
ブエノスアイレスを震撼させた殺人事件から25年──
未解決の謎を小説にする男に、封印された愛が甦る。

監督: フアン・ホセ・カンパネラ
原作: エドゥアルド・サチェリ
脚本: エドゥアルド・サチェリ、フアン・ホセ・カンパネラ
音楽: フェデリコ・フシド

出演:
リカルド・ダリン (ベンハミン・エスポシト)
ソレダ・ビジャミル (イレーネ・メネンデス・ヘイスティングス)
パブロ・ラゴ (リカルド・モラレス)
ハビエル・ゴディーノ (イシドロ・ゴメス)
カルラ・ケベド (リリアナ・コロト)
ギレルモ・フランセーヤ (パブロ・サンドバル)


【解説】
 2009年に本国アルゼンチンで公開されるや歴史的な大ヒットとなり、みごとアカデミー外国語映画賞にも輝いたサスペンス・ドラマ。25年前の未解決殺人事件を題材に小説を書き始めた孤独な主人公が、葬られた事件の真相と改めて対峙していくなかで、次第に封印していたはずの愛も甦らせていくさまを巧みな脚本と演出で描き出していく。主演はリカルド・ダリン、共演にソレダ・ビジャミル。監督は人気TVシリーズの演出などでハリウッドでも活躍するアルゼンチンの俊英フアン・ホセ・カンパネラ。
 刑事裁判所を定年退職したベンハミンは、有り余る時間を使って、彼の人生で未だ忘れることの出来ないある殺人事件を小説にしようと決意する。そしてかつての職場を訪ね、当時の彼の上司で、今では検事に昇格している女性イレーネと再会を果たす。2人が関わった事件が起きたのは、25年も前の1974年。銀行員の夫リカルドの最愛の妻が自宅で暴行殺害された事件。やがて捜査は暗礁に乗り上げ、そのまま1年が経った頃、ベンハミンは駅で容疑者発見に執念を燃やすリカルドを偶然目にする。その姿に触発され、イレーネとともに捜査を再開したベンハミンは、ついに事件の核心へと迫るのだったが…。(allcinemaより)

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やっと観てきました。Choroさんが気になられたところは、私は文化の違いなのかなーって受け取りました。情熱的という言葉にも、ぱっと燃え上がるものと、じわじわくすぶり続けるものの2種類が共存しているってのは、ちょっとした発見でした。無法の理不尽さをここまで実感する機会は、日本人にはないでしょうから、ラストの意外性もそれほどのショックもなく受け入れられるのかもしれないって思ってしまいました。色々と視点の発見があって面白かったです。TBさせて下さい。

2010/9/20(月) 午後 9:07 [ einhorn2233 ] 返信する

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★einhornさん、確かにそうですね〜文化や感覚の違いなのでしょうね。ラテン系は情熱的ですものね〜
そういう日本との違いも後から考えるとわかるし、いろいろな意味で面白い作品でしたね。
TBありがとうございました♪

2010/9/21(火) 午後 8:45 choro 返信する

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25年も想いを寄せた男の切ない愛がこの映画をグッと引き締めました。

2011/2/14(月) 午後 6:38 mossan 返信する

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★もっさんさん、一途な愛でしたね。
TBありがとうございました♪

2011/2/14(月) 午後 11:29 choro 返信する

なるほど、そういわれて見ればイレーネの家族は?25年経っているので子供は独立、夫は・・・。
静かで重い映画でした。結構好みでしたw
TBさせてくださいね。

2011/4/24(日) 午後 9:41 アンダンテ 返信する

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★andanteさん、静かな中に歴史背景が絡んだ重みがあり、ヒューマンドラマとしても見応えがありましたね。
ちょっと引っかかるところはありましたが、よく出来た映画だと思いました。(^^ゞ
TBありがとうございます♪

2011/4/25(月) 午後 10:35 choro 返信する

Choroさん こんにちは。
GW中にシアター鑑賞できたのでやって参りました。
ラテン系の舞台・人物ですが静謐な作品でラストまで弛みませんでした。
ラストについては私も同様、配偶者の立場はどうなるの?と思い、
同時に『日の名残り』の様なイギリス映画が好きなので抑制したまま
去る!が良かったというのが本音です。
でも暗く悲しい物語の中で、象徴的な光の部分扱いだったのかもと思い、
まあ、あれはあれで良いかな?とも思えてきました。
TB&ポチいたします☆

2011/5/11(水) 午後 4:28 風森湛 返信する

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★しずかさん、ラストは私も好みとしてはヨーロッパ映画派なのですが(笑)、確かにこの社会情勢の中では一筋の光と考えるのも悪くないかもしれませんね。(^^ゞ
全体には見応えのある映画でよかったですよね。
TB&ポチありがとうございました♪

2011/5/12(木) 午前 9:59 choro 返信する

結局DVD鑑賞でした。
なるほど、そうきましたか〜と読みながら思っちゃいました(^^ゞ
でもまあ、大人の恋愛ドラマとしても楽しみながら、
ひとつのことにこだわる作りも良かったです。
TBさせてくださいね☆

2011/5/23(月) 午後 10:33 なぎ 返信する

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★なぎさん、飽きさせない展開でよくできた映画だと思います。
まぁひっかかったところは仕方ないって感じでしょうか。^^;
TBありがとうございました♪

2011/5/23(月) 午後 10:52 choro 返信する

先日観ました。
最初ちょっと寝ちゃいましたが途中から惹きこまれました。
ちょっと25年が・・メイクが気になって(笑)
トラバさせてください。

2011/5/26(木) 午前 7:48 ひまわり 返信する

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★ひまわりさん、長い映画ですよね〜^^;
しかし理不尽な時代ですね。
メイク?そうでしたっけ?またTVでやったら観てみようかしら(笑)。
TBありがとうございました♪

2011/5/26(木) 午後 11:11 choro 返信する

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ほんとよくできたお話ですね♪ 最初駅で別れた女性の顔がぼやけていて、2回目のシーンははっきりと、うまい映像だなと。確かにイレーネの家族はどうなるのって思いましたが、アルゼンチンは情熱的だからと勝手に解釈してしまいました。TBさせてくださいね。

2011/9/10(土) 午後 11:24 シーラカンス 返信する

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★シーラカンスさん、そうですね〜さすがによく纏まった脚本ですよね。
私は勝手に変なところが気になってしまいましたが、全体としては面白いミステリーだったと思います。
TBありがとうございました♪

2011/9/12(月) 午後 9:58 choro 返信する

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やはり、アカデミー外国語映画賞受賞作品は見ごたえがあります♪
多少、引掛かりはあるものの伏線の張り方や、一人ひとりの人物描写など素晴らしかったです!
これで、あと2010、2011年を残すのみとなりました(^^)v

2012/7/9(月) 午後 9:07 やっくん 返信する

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★やっくんさん、本当にそうですね。見応えがあっていいですよね〜
これも脚本がよくできてましたね。
あと2本なんですか。凄い!
順番に観ていくのもいいですね。
TBありがとうございました♪

2012/7/21(土) 午後 10:32 choro 返信する

choroさんと理由は違いますが、あまり深く心に残る作品ではなかったです^^;
今となってはもうほとんど内容も覚えてませんし…笑
演出や役者さんの演技は上手いなぁと思いましたけど、国柄の違いか、作品自体はそれほど楽しめませんでした…。

TBお返ししますね♪

2012/9/23(日) 午後 3:55 れじみ 返信する

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★れじみさん、やはりこれは中年以降の人の方がいろいろと感じる作品かもしれませんね。^^;
主人公がおじさんだし。。。(笑)
サスペンスとしてはよくできてましたよね。
見応えはありましたが、ひとつ引っかかると気になってしまって残念でした。^^;
TBありがとうございました♪

2012/9/26(水) 午後 10:46 choro 返信する

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サスペンス部分が私にはまさかの結末でした。
あそこまで追い詰められてしまったんですね〜。
彼のようになってはならないという思いが、恋愛の方へいったラストも見事でした。
Choroさんのレヴュー読むまで、自分の中でそこはスル〜でした(^_^;)
TBさせてくださいね。

2012/11/9(金) 午前 8:29 木蓮 返信する

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★もくれんさん、そうですね〜サスペンスとしては本当に面白い作品でしたね。
変なところが気になってすみません。^_^;
でも、さすがに見応えのある映画でした。
TBありがとうございます♪

2012/11/23(金) 午後 10:57 choro 返信する

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